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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2101
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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21.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
久しぶりに見ましたが、やはり何度見ても手に汗を握る面白さがある作品です。 こういう作品は実行犯、黒幕、警察、諜報機関、政府高官などの相関図が複雑になるケースも多いですが、 登場人物の中には暗殺のターゲットであるドゴールもおらず、暗殺の黒幕である組織の幹部の登場も序盤のみ。 ほぼジャッカルと彼を追う警部の一騎打ちと言えるところまで登場人物を絞っています。 音楽も使われず、アクションもかなり限られ、徹底してシンプルな作風となっており、 それらが独特の緊張感とテンポの良さを産み出しています。 中盤まではソフトな印象を与え、スマートな装いで淡々と大統領暗殺の準備を進めていくジャッカルがカッコよくうつる。 彼に感情移入しそうにさせておきながら、後半に入るとパリに向かう道中で出会った人間を容赦なく手にかけ、 目的達成のためなら手段を選ばない冷酷な暗殺者ぶりを見せていく過程もよく考えられています。 相手は大国フランスの大統領。恐らく成功しないだろう。ジャッカルに待っているのは死だろうと予想される。 彼にどんな散り際、その最期を用意するのかと思っていたら、その結末は実にあっけなかった。 結局彼は誰だったのかも分からず葬られる。暗殺者の哀しき末路もまた印象的です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-09-20 22:26:03)
22.  シーナ
本作最大の、そして唯一の見どころは女ターザンを演じるタニア・ロバーツ様です。 大切な所を何とか隠す程度のコスチューム。 彼女の素晴らしいプロポーションをこれでもかというほど見せてくださいます。 ラクエル・ウェルチの「恐竜100万年」などと全く同じなのですが、 タニアが出ていない時間帯は結構どうでもよかったりします。 人間を背に乗せて走っているシマウマの姿は本作でしか見たことが無いような気がする。 しかも、その背に乗せている人間がブロンドの白人という、なかなかにシュールな光景。 タニアの体を張った大熱演、本作の翌年にボンドガールに抜擢されたのも納得の作品です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-02 16:56:25)
23.  シェーン
時折見返したくなる大好きな西部劇がいくつかありますが、やっぱり「シェーン」が一番好きなんだよなあ・・・。 僕の映画鑑賞史の中で忘れることができない「男」が何人かいますが、間違いなくシェーンもその中の1人。 やはり本作の魅力はシェーンのキャラクターと、演じるアラン・ラッドにつきると思います。 他にも寡黙なシェーンとは対照的に喜怒哀楽の分かりやすい男気キャラ、スターレットの存在もいいし、 ただ妻子のいる男という設定のためだけでなく、彼の妻と息子も欠くことのできない本作の重要なピース。 彼らの生活を脅かす悪役ライカーですが、彼の言い分もしっかり拾い上げているところも印象的。  本作で最も有名なのは言うまでもなくラストの「シェーン!カムバーック!」ですが、 一番好きなのはその直前。見る度に涙腺が緩むシェーンとジョーイ少年の“男と男の会話”は何度見てもたまりません。 強くてかっこいいシェーンにただ憧れていた少年に対し、最後はシェーンが1人の男として少年に接している。 「親を大切にしろ」というシェーンの言葉に「約束するよ」という男と男の約束。少年の表情が急に大人びて見える。 一方のシェーンは「変わろうと努力したけど無理だった。1度でも人を殺してしまうと、もう後戻りできないんだ。」 ずっとシェーンに憧れ銃の扱いを習いたがっていた少年ですが、安易に銃で物事を解決しようとする大人にはならないだろう。 ただカッコいいヒーローではなく、そんな過去を背負って生きるシェーンにつきまとう哀愁とその眼差しもまたたまらないのです。
[DVD(字幕)] 10点(2019-05-05 09:53:23)(良:2票)
24.  ジェーン
美しく撮られた雄大な西部の風景、音楽、ストーリー。オーソドックスな西部劇です。 西部劇の世界観にナタリー・ポートマンが合うのかとは思ったのですが、 本作のナタリー、勿論奇麗ですがそれだけではなく、この時代を生きる女の気丈さを感じさせるなかなかの面構えを見せる。 90分程度の作品のわりには回想シーンが多く、この部分はもう少し整理できたのではないかと思います。 アクションよりも人間ドラマに重きを置いた西部劇ですが、それでも最後の敵との対決は面白かった。 真夜中、明かり1つ無い荒野の一軒家での対決。もう少し画が明るいと良かったんだけど…。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-01-16 17:22:05)
25.  地獄で眠れ
J・リー・トンプソン(あるいは「狼よさらば」以降のマイケル・ウィナー)+ブロンソン=復讐 あまりにも分かりやすい、この顔ぶれの毎度おなじみの復讐モノです。 中南米を舞台に暗躍する、人体実験や拷問を繰り返し庶民を苦しめる狂気の医師。親友が拷問の末この狂気に医師に殺される。 その奥さんと娘を引き連れ、中米某国に潜入し復讐を果たすというお話。ツッコミどころはいくらでもある。 しかしブロンソンをこよなく愛する者にとっては、もはや脚本や演出などはどうでもいい。 日本流にいえば還暦をとうに過ぎたブロンソンがアクションを頑張っている。 髪に白いものが大分増えてきた寡黙なブロンソンがまだまだ強いところを見せてくれる。 ブロンソン好きにとってはもうそれだけで十分なのです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-07 16:10:49)
26.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
15時17分パリ行きの特急に乗り合わせた乗客とテロリストとの闘いを再現するサスペンスと思っていたので この列車に乗り合わせた3人のアメリカの若者たちの生い立ちから見せるストーリーは意外でした。 悪ふざけをしては校長室に呼び出されるような、アメリカのどこにでもいそうな子どもたち。 その生い立ちや遊びを通して、3人のうち2人は軍人を志す。アメリカのどこにでもいそうな青年たち。 それもエリート軍人ではなく、戦地の村で忘れ物をしたり訓練に遅刻したりする姿が。 俳優を使わず、実際に英雄となった3人にそのまま自分たちを演じさせ、 ヴェニスやアムスを観光する彼らの姿は、本当にどこの観光地でも見かけそうなごく普通の若者の姿だった。 そんなごく普通の3人の若者の姿が効いてくる。15時17分パリ行きに乗り合わせた色んな国の名もなき人々が力を合わせ、 勇気を振り絞り被害を最小限に食い止めるべく闘い、重傷を負った乗客の命を必死で救おうと奮闘する様を描く。 思っていた映画とはかなり異なりましたが、これもまたイーストウッドらしい映画だと思えました。
[映画館(字幕)] 8点(2018-03-09 16:31:33)(良:1票)
27.  シャンプー
政治家の女に、女優に、と周りに常に何人もの女がいるプレイボーイにしてカリスマ美容師という主人公の男。 演じるのはウォーレン・ベイティ。なるほどという雰囲気はよく出ていたのですが、 昨日はあっちの女、今日はこっちの女という具合で ベイティが女の間を行ったり来たりがかなりの時間を占めるので、結構早い段階で飽きが来てしまいます。 ゴールディ・ホーンが出ている作品なので見たのですが、彼女も周りにいる女の中の1人です。 しかし彼女の見せ場はしっかり用意されており、期待通り全盛期のゴールディの魅力は全開の作品ではありました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-01-21 21:15:00)
28.  ジーサンズ はじめての強盗 《ネタバレ》 
近年、この手の爺さんトリオものが増えてきたなあと思う。 モーガン・フリーマンとアラン・アーキンはすっかりこの手の映画の常連になってきた感がありますね。 もう1人、今回はここに名優マイケル・ケインが加わります。 本作の爺さんトリオもまた無茶をする訳ですが、その下地にあるテーマはシリアスです。 ちゃんとした説明も無いままに銀行から住宅ローンを売りつけられた挙句、家を銀行に奪われ、 長年働き尽くしてきた会社は合併により、年金は払えなくなるという。弱者は切り捨てられる一方で銀行も合併した会社も安泰。 この3人でシリアスなドラマにしても見応え十分の作品になったと思いますが、 「冗談じゃないぜ!奪われた俺たちの年金を取り返すぞ!」 3人の名優(プラス忘れてならないのがクリストファー・ロイド)の力量による部分が大きい作品ですが 軽い犯罪コメディにした、これはこれでよかったと思います。 銀行強盗の決行前夜に3人で見ていた映画が「狼たちの午後」。 イメージトレーニングにはあまりにも不向きな映画だったんじゃないでしょうか・・・?
[DVD(字幕)] 6点(2018-01-08 17:04:43)
29.  人生タクシー 《ネタバレ》 
既に世界的な名声を得ているイランの監督ジャファール・パナヒの作品ですが、 反体制的であるという理由でイランでは映画製作を禁じられており、彼の映画は本国イランでは公開されていないという。 そんなパナヒ自身がタクシー運転手に扮し、次々と乗っては降りていく乗客たちとの会話から今のイランの庶民の日常を映し出しながらも パナヒらしく、ユーモアのある乗客とのやりとりの中にイランという国の今に対し物申すという作品になっています。 中国に次ぐ死刑大国であるイラン。最初に乗り合わせた男女の客2人に死刑制度に関し議論を戦わせる。 次に乗ってきた、もっと人々に自由に外国映画を見てほしいというレンタルビデオ屋の男とのやりとりも面白い。 そして〝上映可能な映画〝なるものを撮るという課題を出された姪っ子を乗せる。 その〝上映可能な映画〝とは何なのか?―姪っ子が課題のテキストに書かれているその内容を読み上げる。 「俗悪なリアリズムは避けろ、政治や経済には触れるな・・・」などなど。 俗悪なリアリズムとはあくまでも体制側からの評価であり、つまりはパナヒみたいな映画は撮るな、ということか。 最後に乗せた、バレーボールを観戦して逮捕され、長期間にわたり拘禁されている女性の面会に行くという女性弁護士も印象的。 イスラムの戒律のもとに、女性のスポーツ観戦が禁止されているというイラン。 パナヒの傑作の1つである「オフサイド・ガールズ」に描かれた内容そのままの話です。 こうして文章にすると抑圧的な世界に生きる人々を描く重苦しい映画のように見えますが、 登場する人々の多くは明るく強く、日々を懸命に生きていて作品の空気も実に明るい。 タクシーに乗って来る乗客それぞれの事情を通し、イランの現状の一端を世界に向けて発信する朗らかな語り口が見事な作品です。 最後にパナヒの短いメッセージが字幕で出ますが、本作もまた本国イランでの上映は許可されなかったという。
[DVD(字幕)] 8点(2018-01-07 18:33:42)(良:1票)
30.  上海の伯爵夫人
かつては有能な外交官だった。野望を持ちながらも紳士然としている。しかし孤独な盲目の男と、 かつてはロシアの由緒正しき家柄出身の元伯爵夫人、今は上海でタクシーダンサーで生計を立てる女。 1930年代、戦火が目前に迫った上海で、それぞれの過去を手放して生きる2人が出会うロマンス。 レイフ・ファインズはこういう役が本当に良くはまるし、 ナターシャ・リチャードソンも同じく。本作の数年後には若くしてこの世を去ってしまったのが惜しまれます。 関東軍の思惑で暗躍していたのであろう日本人、マツダをスマートに演じた真田も印象的。 アメリカ、ヨーロッパの列強に日本。それぞれの思惑が入り乱れる当時の上海の雰囲気がよく出ていたし、 主要キャストもこの時代のこの世界観にうまく溶け込んでいます。中盤以降、急速に時代が風雲急を告げる。 混乱する上海で、押し寄せる戦争の時代の荒波にもまれるそれぞれの人生ドラマはなかなかの見ごたえがある作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-11-11 00:12:34)
31.  地獄の女囚コマンド
アメリカ映画でありながら、本国アメリカでは未公開だという。もうそれでどの程度の作品かは分かろうというものです。 B級臭がプンプン漂う邦題がついていますが、女囚とか、こういう邦題の映画ってちょっとしたお色気の方にも期待しちゃうわけですが、 そっちを期待して見る映画ではないです。作品自体は真面目にやってる敵中突破ものですが、それにしては何か緊張感が無いですね。 某中東の国に潜入し、ある人物を救出に向かうのですが、色々訳があって女を中心に救出チームを組まなければならない。 という訳で候補者探しに各地の刑務所をめぐるのですが、アメリカの犯罪映画でしばしばその名が出てくる、悪名高きサンクエンティン刑務所に、 「ミッドナイト・エクスプレス」でもおなじみ、、麻薬密輸でトルコの刑務所に収監中のお方に、 皆さんなかなかの強者揃いです。しかし、何ですか?その後の緊張感のない訓練は・・・。 CSの吹替版で見たのですが、女囚軍団を率いる男が訳があって使うオネエ言葉が寒い・・・。 (中盤のこの辺りで見る気を無くす人も多いかもしれない) 脇を固める超ベテラン俳優の皆さん。この何気に豪華なベテラン勢が妙に切なさを誘います。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2017-09-19 22:06:45)
32.  幸せはパリで 《ネタバレ》 
相変わらずさえないサラリーマンをコミカルに演じれば天下一品のジャック・レモン。 一方こちらも相変わらず完璧に美しいカトリーヌ・ドヌーヴ。 それぞれの魅力を発揮すればするほど釣り合わない2人ですが、 今の生活に満たされていない2人が出会って、あっという間に恋に落ちて、パリに駆け落ちしてしまう。 90分程度の小品ですが、2人以外のキャストもなかなか豪華。そして音楽がハムリッシュとバカラックとは、なんという組み合わせ! 特にバカラック作の主題歌を歌うのは、これまで数多くのバカラックの曲を歌ってきたディオンヌ・ワーウィック。 2人の今の状況を原題の通り「エイプリル・フール」に例えた、ディオンヌが歌う主題歌に乗せて2人は飛び立っていく。 カエルが王子様になって、お姫様をさらっていく。大人のおとぎ話といったところ。 男の映画のイメージが強いローゼンバーグがほのぼの感たっぷりに描いてみせたロマンティック・コメディ。
[DVD(字幕)] 6点(2017-09-19 19:26:06)
33.  シノーラ 《ネタバレ》 
この頃のイーストウッドは西部のガンマンを演じてもサンフランシスコのアウトロー刑事を演じても 何をやってもカッコよく、それだけでも一定の満足度が得られます。 尺が短いので仕方がないのですがメキシコとの国境の町における 白人の悪徳地主と、彼らに土地を追われたメキシコ人達とのドラマが不十分なので イーストウッドのカッコよさが際立っている反面、ロバート・デュバル演じる悪役の存在感が今一つ。 中盤までは地味な展開が続きますが、スタージェスらしくアクションの見せ場はしっかりと挿入されています。 機関車で豪快に町に乗り込み、決着の時を迎える終盤の展開にはスカッとさせられます。 デュバルに弁護をする暇も与えず一発で息の根を止める。裁判所での寡黙な最終決着もイーストウッドらしかった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-26 17:06:03)(良:1票)
34.  ジャガー
ヴェベールの作品としては、特に後半のアマゾンに乗り込んでからはコメディ色が薄い作品にしてかなり微妙な味わいがある作品。 しかし前半、アマゾン先住民の霊媒師の男がとある事情でパリにやって来て、 ほとんど裸の恰好でパリの高級ホテルやパリ市内をさまようシュールすぎる姿と、 そこで出会った借金まみれのいい加減な(そしてちょっと優しい)男とのかみ合わない交流は結構笑わせてくれます。 ですが後半のアマゾン編のアクション・アドベンチャーはなかなかのグダグダ具合で落差があまりにも大きい。 失われつつあるアマゾンの熱帯雨林への問題提起が含まれているようでもありますが中途半端です。 ジャン・レノ演じる霊媒師の付き人と共に、この借金まみれのパリ男がアマゾンに乗り込む。 そしてアマゾンのならず者と闘う。この男に霊媒師の魂が乗り移るとあり得ないパワーアップを果たし ならず者たちを次々なぎ倒す様は、B級香港カンフー映画でも見ているような感じです。 このアマゾンのアクションアドベンチャーに合流する、ある事情を抱えたヒロインが可愛い。彼女が本作で一番良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-17 18:05:57)
35.  16ブロック
ニューヨークの16ブロック先。クルマなら少々道が混んでいてもすぐに着きそうな距離。 裁判所まで囚人を護送する任務を与えられたのは、ブルース・ウィリス演じる覇気が全く感じられない飲んだくれ刑事。 パッと見ではブルースだと分からないような老け具合です。 たったの16ブロックの範囲で、行く手を阻む悪徳刑事の魔の手が次々に延び、彼と護送する黒人囚人に危機が訪れる。 悪徳刑事一派との追いつ追われつのテンポもいい黒人と白人のコンビが奮闘するバディムービー。 根っからのワルじゃなく、独特のしゃべくりでいい具合にユーモアのある小物感を醸し出す囚人役のモス・デフもいい味を出しています。 ニューヨークの極めて狭い範囲を舞台とした、ブルース演じる一見冴えない刑事を主人公としたアクションサスペンス。 地味で小ぢんまりとしたダイ・ハードといったところですが、作品の中の短い時間、狭い範囲に限定されているだけに間延び感も無い。 ラストの相棒のキャラの良さがよく出た内容の手紙がいい余韻を残してくれます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-03 16:40:04)
36.  上海ルージュ
1930年代の上海。裏社会に生きる人間達の抗争と愛憎のドラマ。 日本や西洋諸国の思惑が交錯するこの時代の上海の混沌も、裏社会の抗争に付き物のドンパチもほとんど無い。 上海の裏社会を牛耳るドンの愛人にして上海の人々を魅了する歌姫。皆から"お嬢様"と呼ばれ栄華を極めるコン・リー演じるチンパオ。 この手の作品にしては静かなドラマですが、作品の視線を荒みきったこの世界の住人達に置くのではなく、 彼女の付き人を務めることになった、田舎から出てきたばかりの少年に置いたことで登場人物ぞれぞれの運命や結末が強烈な印象を残します。 チンパオがいなくなってしまっても何も変わらない。新たなチンパオの候補者を上海に連れて帰るだけ。 この少年もいずれは上海の裏社会の構成員に成長していくのか・・・。 こんな風に裏社会のシステムが受け継がれていくことを感じさせるラストが悲しすぎる。 チャン・イーモウが時折見せる映像美へのこだわり。本作でもそのこだわりが随所に感じられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-09 21:05:26)
37.  シング・ストリート 未来へのうた
ジョン・カーニーの音楽映画を見るのは本作が3本目。いずれもハズレが無い。本作もいい映画でした。 本作は過去の2作の落ち着いた味わいがある"音楽と大人のラブストーリー"とは異なり、 ベタな青臭さも魅力の躍動感あふれるロックと恋の青春映画の秀作です。 ジョン・カーニーの青春時代の実体験がベースになっているというこの作品、 キャメロン・クロウが同じく青春時代の実体験を映画化した「あの頃ペニー・レインと」のテイストが好きな方、 また、僕は40代のおじさんですが、80年代に洋楽を聴きまくった同世代の方にもぜひお勧めしたい作品です。 ジョン・カーニーもまた同世代。作品の至る所にロック愛がにじみ出ている。 台詞の中に次々とあの頃ヒットチャートを賑わしていたグループやアーティストの名前が出てくる。 The Cureの曲も挿入されていますが、主人公の少年のメイクした姿なんて、もろにロバート・スミスです。 また、主人公の少年が初めて出会うメンバーが何となくジョン・レノンを髣髴とさせる。 2人が作曲を始めるシーンは、かのレノン=マッカートニーもこんな風に曲を作っていたのかな?と思わせます。 こんな風にジョン・カーニーの思惑を想像しながら見るのも面白いと思います。 終盤のライブでの、ロック魂あふれる"校長に捧げる歌"など、オリジナルの曲も素晴らしい。 他のメンバーのキャラがほとんど立っていないのは残念ですが、主人公の少年の兄貴が実にいいキャラです。 ちょっと前のアメリカのロック映画ならジャック・ブラックがこういう役を演じて散々作品をかき回すところでしょうが、 ブッ飛び具合と落ち着き具合が絶妙で、この兄貴を演じた俳優さんを本作のMVPとしたいですね。 ラストは邦題"未来へのうた"の通り、希望を胸に未来へ向け、彼女と一緒に大海原へ飛び出していく。まぶしすぎる2人の姿。 そのラストに続く、エンドロール前の「すべての兄弟たちに捧げる」がなんか良かったな・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-21 21:27:29)(良:1票)
38.  少女は自転車にのって
ドイツとの合作ではあるのですが、初めて見たサウジアラビアの映画。 今でも女性の人権がイスラムの戒律の元に著しく制限されているこの国にあって、 サウジアラビアの女性監督がサウジアラビアに生きる女性たちを主人公とした女性映画です。 本作が製作された2012年のロンドンオリンピック。 それまでのオリンピックでは男性の選手しか派遣してこなかったこの国が、 初めて女性の選手をオリンピックに派遣したことがニュースとなりました。 そしてこの国の初の女性映画監督によって女性にスポットを当てた映画が撮られました。 少しずつではありますが、サウジアラビアの社会にも変化が起きようとしているのでしょう。 自転車で街を行く少女の力強い姿と、 車がひっきりなしに行き交う幹線道路を前に自転車を漕ぐ足を止めるラストの姿が印象的です。 未来への確かな希望を感じさせつつも、そのゆく手にはまだまだ多くの障害があるであろうことも感じさせます。 サウジアラビアには映画館が無いという。サウジアラビアの人々が本作を見る機会は無いのかもしれませんが、 主人公の少女を通して世界の人々にサウジアラビアの今とこれからを見ていて欲しい。監督のそんな思いを感じました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-08-31 20:48:06)
39.  シザーハンズ 《ネタバレ》 
ティム・バートンのダークファンタジーの傑作。 周りの様子を伺うように目をキョロキョロさせる。Jデップはコミカルな演技の中にに孤独感のようなものを見事に両立させて見せる。 ダイアン・ウィーストも素晴らしい。彼女ならではの微笑をたたえた独特の演技、魅力を存分に見ることが出来ます。 作品の舞台となる町の家の外観に、朝いっせいに出勤するクルマの色に室内装飾に女性達の衣装。 淡いパステルカラーでまとめられ、エドワード作の奇抜な植木が家々の庭先を飾っている街並。 夜の暗闇の中、エドワードが降らせる雪の中をウィノナが舞うシーンも美しく印象的。 ファンタジーならではの架空の世界を思わせる町。しかしそんな町にいるエドワードはやはり徹底的に異質な存在。 まるでゴシックホラーの雰囲気を漂わす町外れの古城の雰囲気もやはり異質。 中盤まではハサミを活かした特技を発揮し町の人々との交流にも温かみを感じさせながらも、 噂話好きな町の住民達にウィノナ演じる娘のカレの存在には思いっきり現実感が漂う。 架空と現実のバランスもいいのですが、これらは確実に悲しい結末を予感させるものでもあります。 エドワードとキム、2人の純愛ラブストーリーでもあるのですが、”goodbye”そしてキスの後、"I Love You” 短い単語に込められた2人の思いが確実に伝わってくる悲しきラブストーリーの結末でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-07-18 22:39:44)
40.  人生スイッチ 《ネタバレ》 
どこかで人生のスイッチを押し間違えてしまった人々。 自業自得もあり、ちょっとお気の毒なケースもありの6話からなるブラックユーモア満載のオムニバス。 10分程度にまとめられた第1話の飛行機のお話は本作の掴みとしてとてもよく出来ています。 第3話の2人のドライバーが追い越しを発端に怒りがエスカレートしていくお話も面白い。 スピルバーグの「激突!」にインスパイアされたストーリーと思われますが、 「激突!」の2人のドライバーがもし至近距離で対峙していたなら本作の2人のようになっていたのかも。 みんな何かしら不満や怒りを抱えながらも、それらを抑え込んで人々が生きている現代社会。 それでも一旦スイッチを押し間違え、間違ったスイッチが入ってしまったらこんなことになってしまうのかもしれない。 描き方はかなり極端ですが、生きづらい現代社会に皮肉を込めて。 「人生スイッチ」という邦題は本作をなかなかうまくとらえていると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2016-04-16 00:34:13)
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