21. シルク(2007)
《ネタバレ》 自己陶酔映画ですね。「高尚な作品撮りました」みたいな製作サイドの独りよがりで、見る方はポカ~ン、という感じ。行間読め! というのなら、書いてあるものがしっかりしていなくては、読みようがないんですよ。なぜエレーヌは夫の日本での浮気を勘付いたのか、がこの映画のキモなのに、そこが分からないって、致命的。夫婦のベッドシーンで読み取れってことなんですかねえ・・・。それにしちゃあ、随分、ありきたりな濡れ場でした。なんか、誰々がどーしてこーして、こーなりました! というだけの映画だったような。日本語のセリフも聞き取りにくいところがあったし。唯一の救いは、中谷美紀サマでした。改めて、良い女優さんだと感じました。 [DVD(字幕)] 3点(2009-01-07 14:07:05) |
22. 自虐の詩
《ネタバレ》 原作未読。阿部ちゃん、ほとんど喋らない。「西日が貧乏臭い、あー、ビンボクサ!」は笑えた。・・・が、この映画、物凄く薄っぺらい中身のない映画です。幸江が幸薄い女性なのはよく分かりました。イサオがヤクザ上がりのダメンズなのもよく分かりました。でもさ、そのイサオが、幸江の妊娠→流産危機で一気に改心! でハッピーエンドって、あんまりじゃない? そんなんで、ダメダメ男が改心してくれるなら、世の女性はみんな苦労しませんて。こういう、「妊娠」(にまつわる出来事)を話の解決手段に使うの、大ッ嫌いです。ハッキリ言わせてもらうけど、子どもが生まれた後の方が現実問題、物凄く大変なんだってば。子育て、お金かかるよー。親がヤクザ&風俗上がり、何故かバレて、後ろ指さされるよー。世間はそんなに寛容じゃないし、甘くない。それでもイサオが真っ当でいられるか? 怪しいねえ。所詮映画の上でのハッピーエンドなんだからいいじゃないの、と言う方々も多いでしょうが、私はやっぱり「妊娠」や「出産」にその光明を見出そうとする発想の貧困さと安易さを、敢えて批難しておきたい。他にも多々思うところはあるが、一番ツッコミ入れたかった点はここなので、これくらいにしておこう。 [DVD(邦画)] 3点(2008-05-28 14:18:33)(良:2票) |
23. シッコ
一応ドキュメンタリー映画なので、「ウソ」はないと思いますが、問題の「真相」をえぐっているかどうかは、ちょっとギモンです。確かに、アメリカの保険制度に大いなる問題があるのは分かりました。でも、外国の無償医療をただただ絶賛してしまっていいの? 無償医療が成立している背景は? 制度は? 問題点は?・・・などなど、取りこぼしが多過ぎて、ちょっと「告発映画」としてはキモが抜けている感じです。ただ、ちょうど日本でも「後期高齢者医療制度」が問題となっている時期でもあり、個人的には「国民皆保険」ってものを考える良い機会になりました。日本でも、病院による患者路上放置なんて実際起きていることだし、低所得の人が病院に行くのを躊躇しているのも実態として既にあるわけで。とにかく、この映画を見て痛烈に肝に銘じたことは「ピンピンコロリ」を実現できるように、普段から健康には気をつけて生きねばっ!ってことでした。それにしても、「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」に比べて、このレビュー数の少なさって・・・? この映画、先の2本にまして、より多くの人が見るべき映画のような気がしたんですけれど。そういえば、メディアでの取り上げ方も、あの2本より地味だったような。厚労省のヨコヤリでも入ったんでしょーか? あり得るよね。姥捨て保険、浸透させようとしてるんだもんね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-05-16 15:21:58) |
24. 私家版
《ネタバレ》 表情一つ変えずに復讐を遂げる、その恐ろしさ。せっかく仕上がってきた本の束を暖炉の火に掛けてしまった瞬間は、ギョッとしたけれど、その理由も後で分かり、全てが計算しつくされた、小粒でピリリのサスペンスでした。ただ、制作したあのお店から“アシがつく”ってことは絶対にないのだろうか? と、チラッと思いましたが・・・、ま、良しとしましょう。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-09-13 11:03:38) |
25. シャイニング(1980)
ホラー映画Best5を選ぶとしたら、これはそのうちの1本。ジャック・ニコルソンの演技だか地だか分からない狂態ぶりはもちろん見ものなのですが、恐怖感が心理的にギリギリ来る演出がイイ! のです。血の洪水とか、血まみれの双子ちゃんとかよりも、ダニーが延々三輪車でホテルの廊下をグルグル回ったり、ひたすら繰り返されるAll works and no play make Jack a dull boy.のタイプ文字の方が、ジワジワ来るわけです。しかも、タイピングされた紙を見て恐怖におののく妻の背後から「面白いか?」と低い声・・・。こぇーー。原作はもっと怖いらしいので、読んでみようかな。 [DVD(字幕)] 9点(2007-06-19 15:19:45) |
26. ジョニーは戦場へ行った
乱歩の「芋虫」を読んだ時の、あの何とも言えない衝撃を再び受け、言葉がありません。でもこの映画のほうが、より絶望感を感じたのは、やはりラストの違いでしょうか。安倍首相をはじめとする、戦争を出来る憲法に変えようとしている人々に、繰り返し見せたい。それでも9条改変が必要だと言うのでしょうけどね。偉い人は戦場には行きませんものね。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-05-16 11:33:36) |
27. 十二人の怒れる男(1957)
2度目。面白いし、あっと言う間にエンドマークというのも確かなのですが・・・。突っ込みどころがないかと言うと、そうでもないかな、と。でも、まあ、あまり深く考える必要もないので。・・・というわけで、7点としました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-11 21:42:15) |