101. 地獄に堕ちた勇者ども
《ネタバレ》 かねがねビスコンティの女性像はおかしいと思ってはいたのだけど、この映画はそんな歪んだ女性像から発展した、歪んだキャラクターを主人公に置いている。フリードリッヒの狂気は凄まじい。「時計仕掛けのオレンジ」並みの狂気だ。しかもそういう狂気をユーモアを混ぜず、ストレートに描いてくるから、始末におえない。ビスコンティが狂っているか、彼の属した貴族社会が狂っているか、どちらかだ。多分、ビスコンティがおかしいんじゃないかなぁ。でも恐るべきは、彼は歪んだなりに、映画としての体をなしているかのような作品を創り上げる、その気品だ。歪んでいても、しゃんと立っている貴族のプライドというか・・。ビスコンティが自分でも気づいていたとしたら、天才だね、こりゃ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2017-08-08 00:47:53) |
102. 白いドレスの女(1981)
《ネタバレ》 まぁこんな悪女、いないんでしょうけどね。話の面白さに重点を置いた映画。ローレンスカスダンは「再会の時」でもそうだったけど、男性に精神的に頼らない女性をいち早く描いてた監督。男性の目線から、そのような女性を描くというのはやっぱり画期的(?)だったんだと思う。それにしてもキャサリンターナーは冷たい美人に見える風貌なのかな。後に「女と男の名誉」では殺し屋まで演じてる。まぁ冷たい女性じゃないんでしょうけどね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-08-21 14:36:34) |
103. 銃殺(1964・英)
《ネタバレ》 この頃のジョセフロージーはいいね。イギリスで制作されたみたいだけど、キューブリックとかアメリカの作家を意識してたみたい。最後、銃殺したら、基地ごと吹っ飛んで、みんな死んだ、みたいな話だとエスプリ効いて面白いのにね。映画が落とし前の美学だとすれば、ちょっと完成度低いのが残念。 [DVD(字幕)] 6点(2014-05-06 05:57:36) |
104. ジェリーフィッシュ(2007)
《ネタバレ》 エドガーケレットって女性監督なんですか? 自分はこれは男性の感性じゃないな、と思ったんですけど。映像の暗さも、男性監督ならもっと器用にこなすと思いました。死の匂いがするとこは、イスラエルが舞台ってこともあるんでしょうね。 [DVD(字幕)] 6点(2014-02-10 06:02:44) |
105. 重犯罪特捜班/ザ・セブン・アップス
《ネタバレ》 アクションのみで人間描いてるので、複雑な話になると、感情移入ができず、よくわからなかった。でもカーアクションはピカイチ。これは「フレンチコネクション」のスピンオフなんだろうか? [DVD(字幕)] 6点(2013-06-25 12:14:49) |
106. 心中天網島
《ネタバレ》 篠田監督の「無頼漢」にならぶ、古典モノ。 さすが篠田監督、古典をこねくり回して、自分の映画にしてしまう。 こんな監督、令和の今、いないね。残念です。 古典を掘り起こせば、ボロボロ傑作が出てきそうなのにね。 岩下志麻が、二役。その演出がまた効いてる。 奪う女と奪われる女。 両者に交わされた、女の意地の勝負。 もはや男の魅力とかじゃないんだね、女にとって大事なのは・・ そこを篠田監督が思う存分に料理する。 見応えある一本です。 昔観た時は、演出に目がチラチラして、イマイチのめり込めなかったけど、 年齢重ねて観ると、いいんだなぁ、これが・・ この時代は、黒澤、溝口を追いかけて、さらなる才能がしのぎを削ってた。 篠田さんもその一人ですね。 [DVD(邦画)] 6点(2013-05-04 01:54:47)(良:1票) |
107. 白いリボン
《ネタバレ》 ミヒャエル監督は「ピアニスト」を観て、かきむしるかのような痛さに苦手だと感じていた。でもこの作品は全然テイストが違った。結局、最後まで観てもすっきりしないのだが、面白い展開だった。ミステリー仕立てで、最初、時代の空気に敏感な子どもたちを描き、後半、やっと悪人らしき男爵、何も分かってなかった神父など出てきて、それを解決するのが、若い学校の先生、というストーリーかと思っていたら、あれ?という感じで村民の噂だけで話は閉じる。結局、戦争に突入していき、後のナチスなどを生み出す空気はこのあたりの民衆のモヤモヤしたところだった、という話のようだ(某映画雑誌より)。でもミヒャエル監督はこういう人間描写もできるんだと思い、有名な「ファニーゲーム」なども観てみようと思った。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-29 21:33:34) |
108. 17歳の肖像
《ネタバレ》 もっとひどいペテン師じゃないか、家ごと持ってかれるんじゃないかとヒヤヒヤして観てました。まぁ不倫男もひどいですけど、彼女も社会「勉強」したんですね。それが原題のeducationってことなんでしょう。格差社会にあって、勝ち組演じる中身のない奴っていると思う。そういう奴が、どんな人生の仕打ちを受けるか、見てみたかった。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-05 19:23:38) |
109. しあわせの隠れ場所
地味な作品なんですが、アカデミーのノミネートになったってことは、この話のベースになった実話がよほどアメリカで有名なんでしょうね。悪い奴がほとんど出てこない、という爽やかな作品でした。サンドラブロックがまた良きアメリカを体現しているかのような役で、とても良かった。彼女はひょっとしたら、これから歳をとって行っても、色んな役で映画界に貢献しそうな感じがしました。主人公のマイケルが本当大人しそうな青年で、その役を演じている俳優からアメリカの役者の層の厚さを感じた。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-05 16:55:57) |
110. ショーン・コネリー/盗聴作戦
《ネタバレ》 自分はルメットのちょっとした犯罪を、さもありなんという風な粋な演出をするところが好きです。例えば、この映画では押入れに隠した無線で犯罪をしらせる喘息の子だったり、金庫の番号を教えろと犯人が奥さんに暴力をふるおうとすれば、怪我は治るとかいう旦那だったり、警察に押し入れられそうになったら、逃げるのにびびってしまうオカマの仲間だったり。あと傑作なのは、警察に通報したら、電話代の料金は誰が持ちますか?ともめるとこ。彼の作品はどれも因果応報の部分があり、そこだけとってもルメット映画を語れそうなくらいです。また監督は社会派で有名ですが、この映画は何もかも監視されてる社会を描く事で社会派なのかなぁと思ってたのですが、前のレビュワーさんのコメントを読んで、なるほどなぁと思いました。さすが、ルメット、映画の面白さを広めてくれます。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-04-18 05:35:17) |
111. シャッター アイランド
観ていて「ビューティフルマインド」を思い出した。観る者は、前半と後半、まったく違う視点でこの映画を観てしまう。映画のひとつの楽しみ方だ。そういう映画を、あのマーティンスコセッシが撮ったというところが面白い。「その土曜日~」でシドニールメットがタランティーノのような映画を撮ったり、アメリカの映画監督の演出に対する向上心には感心させられる。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-10 21:04:09) |
112. 死んでもいい(1992)
《ネタバレ》 和製「郵便配達は二度ベルをならさない」といったとこでしょうか。高校球児のような永瀬くんがこんな過激な役を演じているとは驚きです。大竹しのぶの落ち着きのない目も、二人の男が争う時、どうしていいか分からなくなってしまうのに、大いに役立っています。劇中では32歳ってことになっていましたが、私生活ではこの頃、いろんな男性と付き合っていたようで、今はようやく落ち着いた役も演じられるようになりました。良かったですねぇ。しかし、永瀬くん、あの前半のシーンでのアレは大竹しのぶが体を開いてくれたから良かったけど、完全に犯罪ですよ。まぁ何にせよ、ラブシーンは良かったです。この映画、それがなかったら、心の荒む映画になったと思います。キネ旬でも好評価の作品ですが、自分にはこの点数が精一杯です。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-12-06 07:56:24) |
113. 死と処女(おとめ)
政治運動している女性って相当、危険なんだと思いました。学生時代にそういう女性がいましたが、ここは日本。良かったですよ。この男(キングスレー)は、拷問の時、もっと非道いことをした男性がいるので、自分の罪は軽いと思い、時代が変わると、平気で紳士面したのでしょう。それがますますシガニー演じる女性が気に食わなくなり、生理的に許せない!と思ったんだと思います。最後の男の自白で、もうこのおっさんは紳士面できないでしょう。もう変態道をつきすすむしかないのでは?それが最後のキングスレーのシガニーへのアツイ視線だったのかな?正直、よく分からなかった。ここらへんが皆さん、言うところのポランスキーらしさかもしれません。ポランスキーって「戦場のピアニスト」「フランティック」しか観てないですが、自分はポランスキーをまだまだ知らないのだと思いました。それにしても彼の人生、かなり痛いです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-07-20 03:44:11) |
114. 商船テナシチー
《ネタバレ》 寅さんじゃん、このラスト!テレーズが堅物の方に行くのかなぁ、と思っていたが、結局、根はマジメな遊び人の方になびいた。この辺のムダのなさが良かった。真の自由は心の中にある、というセリフ。う~ん、感じ入った!ただ、もう昔の古典なので、6点にしました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-03-04 23:23:00) |
115. 勝利への旅立ち
《ネタバレ》 初めて映画を観る人に奨められる映画。特に子供に最初に見せる映画は厳選しないと。スポーツ映画の入門編とも言える。バスケ映画ならこれ。映画の免疫のない人にいきなり「コーチカーター」のような映画を観せたら、かえって、バスケを嫌いになるかも。自分は「炎のランナー」を観て、走るのが好きになった。ジーンハックマンって不正な人物を演じさせても、この映画のようなフェアな人物を演じさせても、何となく説得力あって、巧い。役者ではなく、人間としては、どっちなんだろう。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-10-26 20:12:36) |
116. 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
《ネタバレ》 なんで「殴る」事が総括になるのか?その辺がよく分からなかったです。そもそも劇中の森や永田の言っていることもよく分からなかったです。遠山さんが普通に喋っていたのに、リンチにあって自分を偽らなきゃいけなくなり、死んでしまうのは恐ろしい事です。まっとうな人間の方が間違いとされる、そんな空気はノルマ重視の会社やいじめのある学校でも、今でもあるのではないでしょうか?とても恐い映画でした。 [DVD(邦画)] 6点(2009-05-30 13:24:03) |
117. ジェレミー
これで終り?これから先どうなるかが大事でしょ!?そりゃないよ~ [ビデオ(字幕)] 6点(2008-12-04 22:17:35) |
118. シルビーの帰郷
《ネタバレ》 女性の細やかな心情が丁寧に描けてると思います。糸の切れた凧のようにふらふらと生きているシルビー。彼女が何故そのような性格になってしまったかは、はっきりとこの映画では言いませんが、何か痛々しく見えます。姉の自殺か、戦争に行った男性のせいか。何が原因なんだろう?シルビーの姉の子どもの二人の姉妹。いつも一緒だった姉妹も、やがて別れの時は来て、いつも自信なさそうに歩いている姉は、シルビーと交流を深め、最後、排他的な町の文化から逃れるように、戻ってくる家のない放浪の旅に出ます。変わった形のアメリカのニューシネマだと思いました。観終わって、寂しさが伝わってきましたが、よくあるロードムービーのニューシネマの寂しさとはちょっと違う。二人のこれから先が暗いものではないからでしょうか?「アリスの恋」のようになればいいんでしょうけど。女二人、犯罪に巻き込まれないといいんですが、などと思ってしまいます。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-11-14 02:24:02) |
119. しゃべれども しゃべれども
《ネタバレ》 香里奈さんが素敵だ。彼女の「火焔太鼓」は、今までむっとした表情しかしなかった彼女が一気に魅力が発散させた瞬間だった。彼女の今後に期待。関西弁の男の子も良かったし、不器用な野球解説者も自分に合った仕事がめぐってきて、話は大団円。地味な作品だけど、観終わった後、さわやかな感じがした。 [DVD(邦画)] 6点(2008-07-04 15:48:55) |
120. ジュラシック・パークIII
《ネタバレ》 「ジュラシックワールド」観るために、見逃してた本作を鑑賞。スピルバーグは、新しい要素がないと、メガフォンとらないんだね。シリーズ1、2作と監督してたのに・・。やはりプテラノドンくらいでは、彼の食指は動かなかったみたいですね。今度は恐竜と戦争だ!って感じで、キャメロンの「エイリアン2」とどっちが面白くなるか張り合ってもらいたかった。ジョーヒューストン監督(一文字違うと名監督)も頑張ってましたけど、カット一つからスピルバーグとは違うもんなぁ・・。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-02-28 19:56:03) |