1. 12人の怒れる男/評決の行方(1997)<TVM>
一場物なのに飽きさせない展開。面白い。「顔の無い」被告を通じて「名も無い」陪審員たちの深層が浮き彫りにされていく!これはある意味『二重の謎解き』だ。被告の罪の有無と陪審の人間性の立証。挑むは我等がグランパ、ジャック・レモン。一見温厚なれど、その洞察力はナイフの如く鋭いコロンボ系。後半のレモン翁の台詞「被告人は貴方の息子じゃない!」には心底シビれた。そして最後に『第三の謎』が残される。決して解けない謎、即ち「全ての陪審の素性を手に取るように晒していった翁自身の素性は如何なるものだったのか?」。傑作の宿命ゆえか、映画である必然性が薄いのが唯一の欠点か。【吹替版の評価】 9点(2003-06-23 19:46:38) |