1. スーパーの女
宮本信子はこれくらいのどこにでもいそうな、かつエキセントリックな役柄のほうが好ましい。無理にヒロインぶられると見るほうも辛い。映画はというと、ああ、伊丹監督はそっちにいっちゃったか・・・。という感じ。マニュアル映画を前面に押し出している。伊丹映画の真骨頂は本当はそっちではなかったのでは?マニュアルなら映画館で見なくともテレビで幾らでも見られるのに・・・。計算ずくの伊丹監督の誤りが、のちにマルタイの女の大失敗へと続いていくのだと思った。 5点(2004-02-16 00:26:15) |
2. スティング
軽妙で口あたり爽やか、にもかかわらずどっしりした風格のようなものを感じるのは、脇役も含めた俳優陣のうまさなんでしょう。ポール・ニューマンの登場シーンにはひっくり返ってしまいました。ただひとつ残念なのは、この復讐劇を敢行する必然性の説明が弱かったこと。これだけのクセ者を一瞬にして集められるのならば、わざわざここまで趣向を凝らさなくても乗っ取れるのではないかと思いました。やはり登場人物を後押しする形で楽しむ映画は、この部分が弱いというのは物足りない気持ちがします。 8点(2004-01-09 22:13:25) |
3. スコア
いわゆる「小品」的映画といってもよいのではないか。この手の筋書きなら日本では2時間サスペンスで見ることができる。デニーロ・ファンとしてはもはや、「未来世紀ブラジル」でのタトルの「ハイテク版」として、そのマスク姿を拝めるということぐらいしか、劇場で見る価値を感じることができない。なぜこういう風に思ったのか考えてみたのだが、全編若気の至りを漂わせているエドワード・ノートンがあまりにも見た目どおりだったという描き方が、どんでん返しのはずがどんでん返しになっていなかったということがひとつ。せっかく愛らしい演技を見せているのに、このオチはもったいなかった。それから、デニーロの奥さん(恋人?)の存在。ストーリー上ではなかなかその位置づけや抱える問題など読み取れず、これにまつわるシーンは完全に間延びしていたということ。また、マーロン・ブランドはというと、つかみ所のない役柄を好演しているのはわかるが、「ベテランの大打者が代打で出てきてヒットを打ち、出塁後は代走と交代でお役御免」といった位置づけ。クライマックス前に映画から離脱した。これらはすべて、脚本に問題がある。とてもじゃないが、丁寧に作ったとは思いがたい。世界を代表する名優を取り揃えても、脚本が悪ければこんなバラバラな映画ができるのか、と感じた。キャストの熱演をプラス評価として6点。 6点(2004-01-01 04:00:07) |
4. スリーパーズ
名前の大きさだけでなく、演技派として名を成す人ばかりなので、超豪華キャストを嫌味なく堪能できる作品だと思います。話の展開がスリリングで、先の展開を読むのが楽しみ。大人になってそれぞれ違う人生を歩むわけですが、あまりにも違いすぎて、現実感が薄くなっているのは残念です。出所後の過程についても説得力のある描写が欲しかったと思います。 8点(2003-12-25 18:08:43) |