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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 
“人類VS宇宙人の戦争”という極めてマクロな事象を扱いながら、視点は10人足らずの小隊に固定するというミクロなアプローチは『宇宙戦争』(2005)と同じ。劇場の大スクリーンは、まさしく戦場そのもので、観客は砲弾飛び交う戦火の中に身を置くことになります。手振れカメラの使い方も効果的で、鑑賞のストレスになる一歩手前で抑制し臨場感を上手く演出していると感じました。不測の事態で狂っていく計画。仲間が一人また一人と減っていく中、信念と経験に裏打ちされた判断力と行動力で道を切り開いていく主人公の頼もしいこと。ナンツ二等軍曹というキャラクター名を無視し、勝手に“照英”と名づけて心の中で応援していました(だって映画版『スクール・ウォーズ』の泣き虫先生そっくり)。“絶対に死ぬわ”というシチュエーションを潜り抜ける度、サバイバーズ・ギルトに近い感覚を味わう事が出来たのも、感情移入出来ていたことの証と考えます。それにしても、こういうブロックバスターは劇場で観なければ損。TV鑑賞では面白さ半減でしょう。同じく劇場鑑賞した『インデペンデンス・デイ』を上回る9点を進呈させて頂きます。 
[映画館(字幕)] 9点(2011-09-22 19:58:46)(良:2票)
22.  THEM ゼム(2006) 《ネタバレ》 
プロットは至極単純。オチも分かってしまえば、大したことありません。けれどこれだけ恐がらせてもらえるとは、ハッキリ言って驚きです。身を硬くして画面を見入りました。監督の手腕は確かだと思います。現代人の性質を熟知しています。暗闇、物音、気配…普段疎かにしている感覚を研ぎ澄ませました。恐怖の源が分からないのは確かに怖いことです。けれど本当に恐れるべきは、勇気を持たないことだと知りました。敵の正体を見極める勇気、立ち向かう勇気。もしこの夫婦が勝手知ったる我が家を砦に、地の利を活かし冷静に相手と対峙していたら、結末は全く違うものになっていたことでしょう。相手の正体判明後のこと。慈悲を乞う眼下の敵に、持ち上げた瓦礫を落とせない女。教師としては正しい。大人としては正しい。でも生き物としては間違っていたと言わざるを得ない。ここは修羅場。相手を殺さないまでも、一撃は加えなくては。逃げても構いません。しかし、戦う意思だけは最後まで捨ててはいけないのだと思いました。権利というよりは、もはや生を望む者の義務として。そういう意味では、2人が助からなかった結末は、摂理だと感じます。救いは無く、後味は最悪。ゆえに反発を覚える方も多いかと思いますが、そこはひとまず置いておいて、純粋に恐怖を味わっていただきたいと思います。自分が主人公ならどうするか、と自身に問いかけてみてください。ちなみに「実話」との触れ込みですが、物語冒頭でアナウンスするのは勿体無い。エンディングで明かす方が、より衝撃度は増したと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-16 19:21:55)
23.  ゼラチンシルバーLOVE 《ネタバレ》 
永瀬の写真(作品)を見て「アートってヤツですか」と鼻で笑う役所。永瀬は監督自身を投影するキャラクターゆえ、監督がこの映画を指して「所詮他人には理解されない自己満足品ですよ」と自嘲しているものと推測されます。ただ、半分は謙遜だとしても、もう半分には写真家としての強烈な自負が隠されている気がしました。「美しいと感じるものを撮っている」という永瀬の言葉どおり、監督は本作に好みの画を詰めたのだと思います。濃い陰影の深みあるカット、開始25分間役者の台詞無し等、写真家らしい“拘り”が随所に感じられました。タイトル(銀塩カメラの意)からも自身の生業に対するプライドが窺える。監督の色が出ている映画は支持したいです。ただし、その拘りを技法だけでなく、物語の芯に通して欲しいとも思いました。気になったのは、ゆで卵の茹で加減。毎回同じだけ火にかけているのに、固ゆでだったり半熟だったり。半熟でもハードボイルドでも構いませんが、一定の茹で加減であることが重要と考えます。彼女の心の内を“黄身の硬さ”で量らせて欲しい。スタイリッシュな様式に凝るのもいいですが、より大切なのは人物の内面だと思います。壁一面に貼られた自身の写真を見て嫌悪の表情を垣間見せる女。それは、何処にでもいる女の顔。プロフェッショナルの冷酷さもなければ、男の想いを受け止める懐の深さも無かった。それが監督の主張なら構いませんが、そう判断するだけの手掛かりがそれまでの描写に隠されていたとは思えません。自分には作品の本質が見えなかった。物づくりにおけるコダワリの意味を考えさせられた映画でした。
[DVD(邦画)] 5点(2010-03-20 17:52:17)
24.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 
前作の不満“仲村みうは何故脱がないのか?”が、僅かながらも解消されている点が、本作唯一の長所です。それ以外は全ての要素で前作を下回りました。もうアクションでもサバイバルでも、何でもない。B級バイオレンスがチープ過ぎて、ギャグっぽく見えてしまうのは珍しくありませんが、本作のようにはっきりおふざけモードに逃げているのは意外と少ないかもしれません。それも一つの楽しませ方ゆえ否定はしませんが、どうせやるなら徹底して欲しい。手裏剣一つで人の頭を切り落とす度胸とセンスがあるなら出来るはずです。とりあえず全員の乳首に真っ赤なお花を咲かせてみませんか。話はそれからで。(余談)まさかずきゅーぶりっくさん、どうもです。それにしても、Ⅰでズッコケたはずなのに懲りずにⅡを観て、さらに感想まで書いているレビュワーさまの勤勉さには頭が下がります。今のところ、2作連続レビュー率100%。案外、愛されるタイプのバカ映画なのかもしれないですね。
[DVD(邦画)] 2点(2010-02-18 18:58:15)(良:2票)
25.  制服サバイガール I
「エロ・グロ・ナンセンス」には違いないのですが、どの要素も薄いです。C級グルメは健康度外視。味が濃くてナンボです。化学調味料で舌がヒリヒリしたって、辛過ぎて偏頭痛がしたって、味が濃ければオカズにはなるんです。そういう意味で、本作はその価値を見失っていると感じます。バイオレンス描写は『水戸黄門』レベル。血しぶきは大幅カットのECO仕様。お子様と地球には優しいかもしれませんが、スプラッターホラーを期待している観客には優しくない。特撮で経費を節約した分、おっぱいポロリのサービスでもあるかと思いきや、パンチラひとつありゃしない。仲村みうなんて、ずっと服を着たままでした。江頭がスーツを着込んでいるくらい奇妙な光景です。植物ゾンビに物理攻撃は効かない設定なのに、頑なに武器を手放そうとしない主人公たちも意味不明です。いや、これはナンセンスだからいいのか。どうもⅡに続きそうなエンディングですが、本作以上に評価が悪い次作を見るべきかどうか迷います。なんて言いつつ、もう観ちゃてるんですが。
[DVD(邦画)] 3点(2010-02-15 19:25:29)(良:1票)
26.  戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH 《ネタバレ》 
劇場でお化け屋敷を体感するアトラクションタイプの映画を想像していたのですが、どうも様子が違う。飛び出るお化け、迫り来る凶器、なんて描写は数えるほど。3Dを意識した陳腐な演出ばかりでも弱りますが、セールスポイントをないがしろにされても困る。“3Dじゃなくても面白い”のは当たり前。“3Dで見なきゃ損”と思えなければ、劇場まで足を運んだ甲斐が無いというもの。残念ながら本作は後者の作品ではありませんでした。では前者の映画かというと、そういうワケでもない。脚本は平凡。演出は拙いです。例えば、主役とヒロインが互いに手を伸ばし合う印象的なシーン。手の位置関係ひとつで、置かれている状況と気持ちを伝えられる。だのに構図は無頓着。天を見上げると降ってくる人の顔!フェイスクラッシュの戦慄が走る衝撃的なシーンなのに、ただのボディプレスに見えてしまうカット割の悪さ。恐怖演出はキレを欠きました。ジャパンホラーお得意の「切なさ」も空振り。人物造形が薄いので、感情移入が適いません。柳楽を筆頭に、ステレオタイプな演技プランも目立ちます。割り増し料金を払ってまで3Dで観るのはちとツライかと。ただ発見はありました。3D映画向きの女優がいるということ。日本の女優なら綾瀬はるか、小池栄子、佐藤江梨子あたり。その魅力5パイ増し、いや5割増しは固いでしょう。
[映画館(邦画)] 5点(2010-01-16 20:52:12)(笑:1票)
27.  接吻 (2006) 《ネタバレ》 
漆黒の背景に浮かぶ「接吻」の赤い文字。エンドロールをしばし呆然と眺めました。意味が分らなかった。でも改めて彼女に自分を重ねてみると、おぼろげながらその行動が理解できた気がします。以下自分なりの京子の心情の解釈。誤読ご勘弁ください。彼女が坂口に惹かれたのは、彼に共感したから。同じ虐げられてきた仲間。初めて出合った同胞でした。バッシングに立ち向かう私。悲劇のヒロイン。彼女は自らの境遇に酔い痴れます。ところが坂口は控訴すると言い出しました。なんで?世間が私たちを無視してきたように、今度は私たちが世間(司法制度)を無視する番じゃないの?彼女の想いは裏切られた。失意の中、京子は坂口を殺すことを決意します。彼と同じ人殺しの心境を味わうため。当初の計画通り、世間に復讐するためでもある。“2人を殺して死刑に”。それが彼女の新しい筋書きでした。ところが坂口を刺した瞬間、彼女の中の枷が外れた。もうどうなってもいい。錯乱状態の中、抑圧されていた願望が露になります。それは長谷川への愛。本能は彼女に接吻を命じました。交わりたい。一つになりたい。坂口との間で適わなかった同一化を、長谷川との間で成し遂げようとします。思い返してみると、京子が長谷川を意識した台詞は随所にありました。いつも自分を気にかけてくれた人。それが彼の職務だとしても、彼女は嬉しかったに違いありません。それに京子が坂口に傾倒したのは、辛い現実から逃れるための、ある種の逃避行動。一方、長谷川への好意は交流の中で芽生えた自然な感情。縛るものが消えたとき、彼女は自分の本当の気持ちに気づいたのだと思います。京子の去り際の言葉は、戻ってきた理性が言わせた偽り。本心は「助けて欲しい」「愛して欲しい」。以上です。タイトルにすっかり騙されましたが、こういう裏切りなら大歓迎。トヨエツの演技は圧巻でした。小池も及第点以上の出来。女優の素質十分でしょう。今後の活躍を期待します。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-07 18:23:36)(良:1票)
28.  全然大丈夫 《ネタバレ》 
人物造形が的確。各人がどのように考え、どう振舞うか理解し易く、物語の流れに合点がいきました。人がきちんと描かれている映画は好きです。では内容について感想を。主要キャラは、恋愛成就組と失恋組に分けられます。前者と後者の違い。それは“実力”の有無だと思いました。魅力と言い換えても構いません。蟹江には枯れ男の哀愁と弾き語りのスキルがあった。ココリコ田中は自然体の生活様式が素敵。木村もその美貌と独特のセンスが光ります。弱みの在る人間ばかり。でも、それを補う実力が他者を惹き付けた。一方、失恋組はどうでしょう。岡田の優しさは長所です。でも自己保身の術でもある。故に対人関係の踏み込みが浅い。荒川は大きな子供。幼稚な自我が勝っている。人として薄いです。でもだからと言って岡田や荒川がダメだとは思わない。自分も完全に後者タイプの人間ですし。小倉一郎の説教、「若者はギラギラしてなきゃダメ」は正論っぽいけど真っ平御免。だけど彼らを「全然大丈夫」と言い切ってしまう事にも躊躇いがある。「全然大丈夫」って言葉、額面どおり受け取って本当に大丈夫?例えば「毎日1杯のコーヒーを我慢するだけで人生が潤うんですよ。ローンなんて全然大丈夫」とか。ストレスで押し潰されそうなサラリーマンが口にする「全然大丈夫」とか。大丈夫と言われれば言われるほど、実は危うかったりする。ラストエピソードの地、奈良。観光客である岡田と荒川、そして其処に根を下ろしている田中夫妻の対比。観光として奈良を楽しむことと、生活して奈良を味わうことは違う。生き方も同じ。2人がこのままビジターの幸せを望むなら、今のままで多分大丈夫。でもそうでないなら、少し危機感を持ったほうがいいかもしれない。自分が変わらなきゃ、人生は変わらない。2人はこれからどんな生き方を選ぶのでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-28 21:29:20)
29.  選挙 《ネタバレ》 
本作を観れば一目瞭然。選挙活動とは「名前を覚えてもらうこと」に尽きます。主義主張など伝えられるはずもないし、伝える意味もない。候補者は「私、○○○○は…」という台詞を吐き続けます。バックボーンの無い本物の無所属候補ならいざ知らず、与党自民党の新人候補をターゲットにすることは、選挙報道の公平性を考えると、いささか疑問符が付くと感じます。観始めた頃は、正直快く思っていませんでした。ただ、そのマイナス要素を差し引いても、本作は面白いし価値があるドキュメンタリーだと思いました。こういうドキュメンタリーを望んでいた気がする。スタンスはあくまでニュートラル。カメラは透明人間のごとく、その存在を消し去り、とことん生身の候補者(及びその選挙対策本部)に迫っています。被写体はカメラの存在を忘れてはいないでしょう。しかし24時間意識できるものでもない。本音や見せたくない側面が出てしまうことはある。そこを逃さず撮り続けたことも、編集で切らせなかったことも素晴らしいと思います。自分は本作を観ながら、候補者に好意も悪意も抱きませんでした。純粋に「選挙」の姿を見せてもらった気がします。だから本作は“アリ”だと思う。ただこの手法は、被写体及びジャンルがよほど魅力的でないとツライかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-05 18:45:24)
30.  ゼブラーマン
自分が持っている三池監督のイメージは、マンガ雑誌で言うと『漫画ゴ○ク』です。野暮ったい。泥臭い。アクの強い劇画的な魅力とでも言いましょうか。もちろんこれは褒め言葉です。無味無臭で、毒にも薬にもならない監督よりはずっといいでしょう。ただ個人的には正直苦手です。本作も三池節炸裂の1作。でも好感度は今までのどの作品よりも高かったです。やはり脚本が良いのでしょうか。正義のヒーローに憧れる冴えない中年男。その彼が本物のヒーローに変わって行く様は、大好きな『サボテンブラザーズ』を彷彿とさせます。それに主演の哀川が素晴らしいです。この役に惚れているのが伝わってきます。彼が理想とするであろう“本当にカッコイイ大人”を好演していました。自分も仮面ライダーやウルトラマンで育った世代。そしてお父さんでもあります。主人公の悲哀に感じるものがありました。ただし、残念なことにツマラナイのです。テンポが合わないとしか言いようがありません。気持ち的にはもう少し高い点数を付けたいのですが、コレくらいで勘弁してください。
[DVD(邦画)] 6点(2008-01-19 21:19:55)
31.  青春☆金属バット 《ネタバレ》 
脚本は洗練されているとは言い難く、どのキャラクターも褒められません。主人公は金属バットを振り回して強盗を働き、アル中女の傍若無人ぶりは酷いものです。そんな2人が海まで行って、花火をやって楽しかった?「なんじゃそりゃ」な内容です。でも描かれている心の動きには、リアリティがありました。行動は支持できなくても、感じるものがありました。「青春」という言葉を辞書で引くと、「夢や希望に満ち活力に溢れる若い時代を人生の春にたとえたもの」とあります。若さはエネルギー。夢に対してムキになれます。それは直進する力。イメージ的には将棋の香車でしょうか。上手く機能したときの威力は絶大です。壁をぶち破る力を秘めています。でも頭に歩を打たれただけで、身動きが取れなくなることもあります。主人公も警官もアル中女もこの状態と言えましょう。金縛り。もちろん誰もこのままでいいなんて思っていません。でもどうにもなりません。否応もなしに、過ぎてゆく貴重な時間。だから焦るのです。警官は「どうだっていいよ」と自分を誤魔化し、男は闇雲にバットを振り続け、女は酒に逃げるという構図。行為の違いこそあれ皆同じです。不器用なんだと思います。そして根が真面目だから、こうなってしまうのだとも思います。迷惑な奴らだとは思いつつも憎めないのはこのため。3人の出会いと再会は、視点を変える良いチャンスでした。滅茶苦茶だけど、とりあえず動き出しました。動けば視界が開けてくるはずです。次の一手を思いつくのは、そんなに先のことじゃない気がしました。だって、彼らの青春はまだ終わっていないのですもの。それにしても、坂井真紀のダメ女ぶりは素晴らしかったです。マイナーな声がたまりません。巨乳ならぬ虚乳に、女優魂をみました。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-15 18:30:23)
32.  世界最速のインディアン 《ネタバレ》 
「レクター博士がバイクに乗って平原を疾走する」。本作について自分が持っていた知識はこの程度。でも鑑賞する動機には十分でした。風を切る爺さんの画が途方も無く魅力的に思えたから。ひとつのシチュエーション、一枚の画によってイマジネーションが広がりました。そういう空気を持っている映画は好きです。自分の夢を叶えるために、長旅を決める主人公。その決断までに劇中で要した時間は僅かです。しかし長い歳月、ずっと心に思い続けてきた夢。だから即断出来た。残された時間は長くない。今行動しなくては、夢は夢のまま終わってしまう。主人公の強い意志が伝わってきます。その決断には納得できました。彼と同じ境遇なら、誰もが同じような気持ちになると思います。でもほとんどの人は、現実の行動には至らないとも思います。失うものは目に見えるのに、得るものは定かではないから。勝ち目の薄い戦いに挑むのは、若者の専売特許だから。酸いも甘いも噛分けた老人が、自らの夢をまだ追える。それだけで元気が貰えます。羨ましいと思う。もっとも、残された時間の重みを知る老人だからこそ、決断できたのかもしれません。一歩間違えば死が待っている危険なレースに命を懸けられる理由も同じ。納得できる時間を使いたい。なるべく後悔が無いように。そういう時間を多く持てた人の人生は、きっと素晴らしい。良い結果が得られた人はベリーハッピー。そうでない人もハッピー。ですから、記録を塗り替えたこと以上に、あの場所までたどり着けたことに感動します。レースに参加できたことを喜びたい。沢山の良い出会い無くして、彼はあの場所に辿り着けなかった。インディアンに乗ることは叶わなかった。彼は人に恵まれました。半分は運です。でも、もう半分は彼の人徳ゆえ。主人公の人柄が幸運を呼び込んだのだと思います。人は一人で生きているのではない。多くの人の支えで生かされている。活かされている。旅は人生を端的に表しています。だから自分はロードムービーが好きなのだと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2007-09-25 18:41:10)(良:2票)
33.  千里眼 《ネタバレ》 
久しぶりにシビれました。悪い意味で。サイコサスペンスから一転、ワイヤーを使った本格的なアクションシーン。急激なギアチェンジにめまいを覚えました。一体、何をウリにしているのか分からない。しかもそのアクションに必然性を感じません。というか、あらゆる展開に合理性を欠きます。主人公を含めた患者達がアンテナの運び屋にされたのは、人目に付かないようにするためでしょう。でも明らかに挙動不審。あれならプロにやらせたほうが、遥かに早いし安全だと思ってしまう。本来ならこういうツッコミは野暮です。でも、荒唐無稽な設定を楽しんでもらうためには、気配りが必要です。誠意といってもいい。矢追純一のUFO特番や、川口浩探検隊が面白かったのは、アホバカ設定の中でも“説得力を持たせよう”とする意識があったから。担保も無いのに金を貸せと言われても頷けません。明らかに100円ショップの安物の皿でも、魯山人の皿だと言い切るくらいの“心遣い”は欲しい。それが礼儀ではないかと。いうならば、本作の魯山人の皿は“心理学もどきの理論”です。でもそれはバーベキューで使う紙皿みたい。いくらモノを知らない自分でも、流石にコレには騙されません。ウソは上手について欲しいと思います。ただしバカ映画として楽しむことは出来ますし、水野のアクションは良かったので甘めの採点でお願いします。
[DVD(邦画)] 3点(2007-09-11 19:20:03)(良:1票)
34.  セーラー服と機関銃
角川らしいアクの強い映画。凝った構図に派手な展開。娯楽性には富んでいます。ただ何かしっくりきません。たぶん主人公の心の動きが見え難いから。普通に考えれば、主人公の境遇はとんでもないもの。だのに彼女は動揺したそぶりを見せません。ただ、淡々と流れに沿って生きている。人の死が重く感じられない。だからクライマックスの殴りこみにカタルシスがありません。自分には別世界の物語に感じてしまいました。薬師丸の演技の問題というより、キャラクター設定が“新人類”のはしりだったような。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-18 00:21:48)
35.  千年女優 《ネタバレ》 
美しいビジュアルに巧みな展開で、最後まで観客を飽きさせません。制作会社社長とカメラマンの掛け合いもいいアクセント。(カメラマンの関西弁にちょっと違和感ありですが。)“たった一度の出会いが一生の恋になる”という物語にも、すんなり納得できました。彼女は彼女で幸せだったと思いますが、“愛を知ることなく終わる”のはやはり哀しいと思いました。多くの皆さんがご指摘の千代子のラストの台詞ですが、自分は不要と感じました。作中で表現されていることを、わざわざ口に出して言うのは艶消しかなと。ただ、外国市場を視野に入れるなら、これくらいハッキリと説明する必要があるのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-22 20:01:27)
36.  蝉しぐれ 《ネタバレ》 
ふくが江戸へ発つ前に文四郎と会えていたとしても、やはり結ばれることはなかったでしょう。そのことは、2人とも分かっています。しかし、それでも“もし”という想いは残ります。ふくが出家する前に、つかの間心を通わせる2人。会ってもどうすることもできないし、どうにもならない。でも会わずにはいられない。まるで“あの時会いたかった”という想いを遂げるかのごとく。これからも2人の心に想いは残り続けるでしょう。でもその想いに蓋をして生きていく。切ないです。恋する気持ちに時代は関係ありません。主家のお家騒動に端を発する一連の流れ。現実の社会(職場)でも、これに近い理不尽な経験をされた方もいると思います。親子の絆、友情にしてもそう。時代劇という設定ながら、本作で描かれる事柄はどれも身につまされるもの。それだけに心を打ちます。個人的にもこういう話は大好きです。でも表現がどうにも薄い。軽いです。画的な格好良さを優先させたかのような無理な展開や現実的でない描写が目に付きました。若手俳優陣も弱い。今田やふかわにしても、彼らに非はありませんが、本作向きではなかったと思います。物語自体は好きなだけに残念でなりません。そのため点数は辛めになりますがご容赦ください。なお、ヤマカガシは毒蛇なので見かけた時はご注意を。(有毒であると知られたのは、今から30年くらい前のこと。当時の認識としては、無毒で正しいです。)
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-24 18:43:32)
37.  ゼイリブ
だいぶ昔にテレビ放送で観た覚えがあったのですが、久しぶりにDVDで鑑賞しました。いや~いろいろな意味で面白かったです。ストーリー自体はほぼ記憶どおり。武力に頼らないエイリアンによる地球侵略という筋書きや、その侵略の手法は当時斬新だったと思いますし、今観てもやっぱり面白い。でも思いっきりB級作品だったということにも気付きました。とにかく1シーン、1シーンが無駄に長い。余韻とか間とかいう以前の問題です。とくに主人公と相棒の殴り合いシーンの長いこと長いこと。何やってんだという感じでした。その他にも主人公の行動のトンパチぶりといい、エイリアン側のセキュリティの甘さといい、ツッコミどころを探すのに苦労はいりません。でも笑って許せます。作品によっては、つくりの粗さに腹が立つ場合がありますが、本作は全然そんな気になりませんでした。人徳ならぬ映画徳とでもいったところでしょうか。いい感じに大雑把なB級SF。こんなの大好きです。
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-16 18:53:25)(良:1票)
38.  戦国自衛隊1549
ストーリー自体、発想自体は結構面白いと思いました。歴史の辻褄合わせなど良かったです。ただ実写映画向きではない気がしました。ノリ自体は漫画っぽいかな。一時の人気で左右されない月刊誌などで、もう少し展開を練りこんでから、じっくり漫画化をしたら面白いのではないでしょうか。鈴木京香はミスキャストだったと思います。本作をリメイクと呼んでよいのか疑問ですが、オリジナル「戦国自衛隊」の方がシンプルで勢いのある作品だと思います。
[地上波(邦画)] 4点(2006-07-02 14:24:09)
39.  セックスと嘘とビデオテープ 《ネタバレ》 
人間の根源部分である”性”を扱ったドラマとして十分面白い。何度か観るうちに、また人生経験を積むうちに様々な印象を持ちそうな作品だと思いました。ちなみに自分が思ったのは”男はつくづくバカな生き物だな”ということ。絶対に寝てはいけない女と寝る判断力の無さ。バカですね。自分の女が寝取られたと分かると、「自分だってお前の女と寝たんだぜ」と言わなくてもいいことを言う心理。バカですね。一時の自己嫌悪で捨てたエロビデオは、きっと後でまた見たくなるだろうということ。男はやっぱりバカですわ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-23 19:47:42)
40.  セントラル・ステーション 《ネタバレ》 
駅で代書屋を営むドーラ。ある事情から、母親を亡くした少年ジョズエを遥か遠方に住む父親のもとへ連れて行くことになります。ブラジルの社会や生活を感じられる心温まるロードムービーです。(以下ネタバレです)投函を依頼された手紙を破り捨てるドーラは善人とは言えません。しかし、手紙を棚へしまい込むところに良心の呵責が見て取れます。成り行きとはいえ、ジョズエと旅したことも同様です。代書屋として他人の人生を垣間見るうちに、また父との関係、孤独な生活の中で擦れてしまったであろうドーラの心。ジョズエとの旅で徐々に癒されていきます。旅の途中、今までなら捨てていた手紙を投函する場面や、ずっと自分の為の(言い訳としての)嘘ばかりついていたドーラが、ジョズエを思いやってつく嘘に心の変化が現れています。ラストで明らかになる事実、二つ並んだ手紙に、人生の機微を感じずにはいられません。ラストで記念写真を覗く2人の姿に自然と涙が溢れてきます。たまたま交差しただけのドーラとジョズエの人生。しかしそれは数多くの人生が行き交う「セントラルステーション」が生んだ小さな奇跡だったのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-05-11 17:54:18)(良:2票)
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