21. その男、凶暴につき
静かな間を置いて唐突に描かれる暴力描写。今ではすっかり定着した北野武のこの暴力描写は、それまでのバイオレンス映画には無い身近な怖さを再現することに成功している。当時、バイオレンスでありながら、なかなか撃たないので一発の重みがある、なんて評を読んで見に行ったわけですが、最後の方はけっこうドンパチしてて、今にして思えば北野色よりも奥山色が強い作品だなぁと思う。もともと奥山×深作の予定だった映画なのであたりまえといえばあたりまえなんですが、その中で北野色をしっかり垣間見せたのは、監督・北野の手腕として評価できると思う。でもあのオチはガク-ッときました。アレさえ無ければねぇ。まさに蛇足。 [映画館(字幕)] 5点(2005-04-11 16:19:12) |
22. 組織
たしかに1シーン1シーンの人物の配置は絶妙である。そしてストーリーの根本となる強盗を初めとする過去の描写が一切無いのに十分に登場人物それぞれのバックボーンを解からせてしまう演出も巧い。しかし犯罪もの大好きな私としては非常に物足りなさを感じる。一番の原因は「組織」がしょぼすぎること。やすやすと盗られ、やすやすと逃げられ、やすやすとボスとご対面。またやすやすと盗られ、やすやすと逃げられ、やすやすと侵入。あきれてしまう。本当は凄いことをやっているのにそう思えなくなってくる。それから色々な銃器が出てくるのに全部同じ音というのも勿体無い。サイレンサー付けると全部同じになるのかもしれないけど..。ラストはびっくりするような展開ではないが、あの(アメリカンニューシネマっぽい)雰囲気からあの終わらせ方に持っていったのには参った。 6点(2004-01-23 18:51:45) |
23. 卒業白書
もっとエッチなだけの映画かと思ったらストーリーがちゃんとある。ある意味がっかりしたりして...。 5点(2003-11-13 12:27:44) |
24. ソナチネ(1993)
キタノイズム、キタノブルーと言われる北野監督の映画のカラーを完成させた作品だと思っています。独特の間が、陰と陽、笑いと悲しみを相反するものではなく同じものにしている。ただ閉め方に納得がいかない。どうしてそうなるのかが解からない。 8点(2003-10-15 14:03:52) |
25. ソードフィッシュ
アメリカ国民に危害を及ぼし得るテロリストを秘密裏に殺害していく超タカ派テロリスト、資金集めで一般市民にも犠牲が出ることで、所詮テロはテロ、と超タカ派を牽制する映画か?一昔前なら資金集めをしなくても国家予算でCIAがやれたのに、と超タカ推進か?それとも単なる娯楽か?単なる娯楽でしょうねぇ。アイディアはいいのに、いかんせん緊迫感に欠ける。いくら娯楽映画でもこのテの映画で緊迫感は絶対必要。トラボルタに怖さが無い。街中での派手なドンパチも緊迫感を損ねている。 4点(2003-04-30 18:07:08)(良:1票) |