4. 象の背中
《ネタバレ》 好き勝手して生きてきた「勝ち組」男が余命宣告をされたらこういう展開が理想的、という中年男の幻想を映像化したおめでたい話。本当に余命数ヶ月でスネに傷持つ男性には最高の癒し映画なので、ホスピスに常備すべき。物わかりの良すぎる妻、思春期なのにやたら素直で従順な子供たち、とことん男にとって都合の良い理想的な愛人、理解ある上司や同僚…どこまでも主人公にとって都合の良すぎる展開。真っ先に初恋の人、喧嘩別れした親友に会いに行き、聞かれてもいないのに自分はガンで余命数ヶ月だと触れ回っていちいち同情を買うのが情けない。「死ぬまでにしたい10のこと」の主人公アンとえらい違いだ。さらに自分が破滅させた男に謝りにいき数回蹴りを入れられて「許してくれたんだ」と勝手に解釈、懺悔完了。修羅場は華麗に切り抜け、誰からも憎まれず、経済的な心配も無く、家族の愛に包まれて旅立つ幸せな主人公。嘘くさ~!!死期が近づくにつれガリガリに痩せていき、本気で苦しそうな役所広司の瀕死演技に2点献上。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-09-13 09:25:51) |