1. 運動靴と赤い金魚
シンプルな佳作ですね。モチーフが日常的であるからこそ,如何に視聴者の神経を引きつけられるか,という難しさがあると思うのですが,そうした意味でも合格点です。↓多くの方々が仰ったように,私としてもイランの生活習慣や風俗等が興味深く映りました。また,洋の東西を問わず人間が生活を営んでいく上での感情の機微みたいなものは万国共通でしょうし,喜怒哀楽も然り。その上,物なんて豊かじゃなくてもそれを補ってあまりあるものがこの世には存在する,ということを改めて認識させられました。我が国だって,戦後の焼け野原から,両親や祖父母の代の頑張りと辛抱によって復興した訳ですから,この作品のような生活環境は決して他人事じゃありません。西欧文明によってすっかり俗化してしまい,生きることの根本を忘れかけた私にとって,懐かしくそして大切なものを思い出させてくれた印象的な一本となりました。97年作品にしては傷の多いフィルムの状態やSN比の悪そうな映像もむしろ微笑ましいくらいで,ぜひこの監督の他の作品も見てみたいものです。 8点(2003-04-13 21:06:07) |
2. 海がきこえる<TVM>
若者に人気の氷室冴子の原作。高知と東京と,何気ない日常の生活を割と淡々と綴っている。やっぱ美人は徳だ。などと思った以外,私には余り印象に残らない作品。この後の「耳をすませば」の方がどちらかというと好きだ。 6点(2001-12-31 19:34:53) |
3. ウェディング・バンケット
面白かったです。ラストシーンの両親の姿が哀れでならなかったことや,主役のアメリカ人が格好良かったこと,アメリカで生活する東洋人にとってのグリーンカードの存在等々,一緒に見た当時の付き合っていた彼女と飲みながら話した記憶があります。個人的に思い出深いと同時に,今思えば自分の将来を暗示するような内容でした(勿論男に趣味はありませんが)。 8点(2001-11-14 20:54:02) |
4. 海の上のピアニスト
期待しすぎたか?全編に流れるモリコーネの甘美な音楽が,主人公の尋常ならざる生涯から妙に浮遊した感があった。幾つかの挿話を繋げたようなちぐはぐさは,むしろこの作品の特色として是認すべきなのかもしれないが,何となく100パーセント感情移入できないままラストを迎えてしまった。きっとこれ見た人たちはみんな感動したって言うんだろうななどと思ってしまった天の邪鬼な私です。 6点(2001-08-12 23:40:50) |