1. 太陽の雫
タイトルはおそらく“ゾネンシャインの子孫”という隠喩だろうか。本作はそのゾネンシャイン家の親子三代を通しての、ハンガリー激動の近代史を描いたもの。常識的な感想としては、長尺でありながら一大叙事詩としてよく纏め上げられている。が、しかし3時間という上映時間の中にエピソードを詰め込みすぎた為か、場面展開が目まぐるしく変わり、“何故”という疑問の余地を挟むことも、また余韻に浸る間もなく、ストーリーは忙しなく流れていく。だから話の繋がりが解り難く、肉親や家族らそれぞれの登場人物の描き方やその消息など、実に曖昧な印象となってしまっている。おそらく実際はもっと多くのエピソードを入れたかったに違いない筈で、いっその事あと1時間ほど長くしていれば、もっとゆったりとスッキリした作品になっていただろうに。なかなかの力作であり、またレイフ・ファインズが見事に三役を演じ分けていただけに、惜しいと思う。つくづく長編歴史ドラマの難しさを感じた。 7点(2003-02-13 18:16:05) |
2. 太陽に灼かれて
ロシア郊外の別荘を舞台に、明らかに特権階級だと分かる人々の優雅な日常会話からドラマは始まる。しかしやがて、スターリンの恐怖政治という時代背景が重苦しくのしかかっているのが分かるようになる。その状況下で引き裂かれた男女と、もう一人の男とを中心に物語は進展していき、やがて破滅的な結末を迎える。不幸な時代に生き、その時代がもたらす悲劇を誰もが味わい、しかしそれでも確かに生きたという人間の真の姿を、静かだがドラマチックに描き出した名作。 9点(2001-12-14 23:33:11)(良:1票) |
3. ターミネーター2
“PART1と2とどっちが好き?”と聞かれたら、“どっちも好き♪”としか言いようがない。PART1はややマイナーな良く出来たアクション映画と言った印象だったが、今回はSF色がより鮮明になりそのテクノロジーはまさに驚異と言う以外になく、見世物映画としてはひとつの頂点とも言える見事さだ。ただSFXに頼り過ぎたきらいも否定できない点で、PART1のようなペシミスティックな味わいは薄まったように感じる。 9点(2001-06-03 17:38:08) |
4. ダンス・ウィズ・ウルブズ
ヴェトナム戦争以降、アメリカの、とくに正義というものの価値観が大きく変化した事で、映画の中でも西部劇というジャンルが衰退していった。その中で本作は、忘れた頃にやってきた大型西部劇で、長尺であるにも拘わらず良く出来たエンターティンメントとして、素直に楽しめたし感動もした。しかし一方で冷静になってみると、インディアンに擦り寄っていく白人という図式に、なんとなく胡散臭いものも感じてしまうのも正直なところ・・・。 8点(2000-11-11 17:26:47) |
5. TAXi
せっかくの題材をピントのボケた間延びした演出でダメにしてしまった典型的な例。キャストも魅力なし! 5点(2000-11-11 17:10:40) |
6. ダイ・ハード3
第一作目の作品的成功は単なる“まぐれ”だったのか?。あれ以来、J・マクティアナン作品はロクなものがない。そこで起死回生の最当番となったわけだが、かえって墓穴を掘ってしまったようだ。彼は本来この程度の力量なのかも知れない。全体の批評はDANGOさんのコメントどうりですが、やはり一番の問題はB・ウィリスがこの役柄に慣れてしまい、よく言えば余裕しゃくしゃく、悪く言えば手を抜いているかのような印象を、我々観客に与えてしまっている事だと思う。 6点(2000-09-21 12:04:32) |
7. ダイ・ハード2
輸送機に閉じ込められて機銃攻撃を一斉に浴びせられる中、緊急脱出装置で危機を逃れるという場面を、俯瞰で見せてくれるシーンが印象的で、レニー・ハーリン監督は前作の雰囲気を継承しつつ、尚且つ新しいアクションの見せかたに腐心していることが良く分る。アクション監督としてマクティアナンへの強烈な対抗意識ともとれるんですが・・・。ただ中盤の爆弾をセットした教会での攻防戦は、ちょっとした演出上のミスで盛り上がりに欠けたようにも思えます。前作以上にド派手なシーンが多い分、ちょっと節操がないようにも思えますが、PART2ものとしては良く出来ているほうです。ただ愛すべきキャラクターのパウエル巡査長の出番が少なかったのが残念です。 8点(2000-09-21 11:38:21) |
8. タイタニック(1997)
ほとんど外れのないJ・キャメロン監督の一世一代の入魂の一作。これぞ万人受けする映画の中の映画と言えるでしょうね。歴史的事実をよくあれだけ創作できるもんだと感心すらおぼえます。こんなスゴイのを撮って、アカデミー賞をも独占してしまったあと、彼はいったいどんな作品を用意するんでしょうか?。 8点(2000-09-14 12:57:30) |
9. 太陽の誘い
女性に縁の薄い中年独身男にめぐって来た純朴な愛。戦闘機が大空を自在に飛び回る姿が、2人の愛の高揚を象徴しているかのようで実に効果的です。そして何気ない誤解で別れた2人が再会するラストも感動的です。地味な作品ですが好きですね~。 9点(2000-08-27 17:46:12) |
10. 太陽は、ぼくの瞳
マジディ監督の前作「運動靴と赤い金魚」の健気な子供達や、ほのぼのとしたエンディングを期待するむきには外されます。ここで描かれるのは盲目の少年と、貧困と過酷な人生を懸命に生きようとする父親との物語。たびたび映し出される野花畑の眩しい美しさは、子供達の無垢な心象風景のようでもある。そしてこれでもかと言うような残酷なラスト!・・・が、しかし太陽(神)は決して彼らを見放さない。より強く生きろと・・・。 9点(2000-06-11 14:53:31) |
11. 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ
このシリーズの売りで、大好きなスキーとボートチェイスの出来がよく、◎。 8点(2000-03-01 00:14:01) |