1. TIME/タイム
《ネタバレ》 遺伝子操作により全ての人間の老化が25歳で止まり、左腕に埋め込まれた体内時計で生命が制御され、その残り時間だけ生きることが出来る近未来。生命=時間とも言える世界では時間が通貨となり、生活に必要なものは命を削って手に入れるしかない。貧困層はその日暮らしをする毎日で、一方、裕福層は永遠とも言える時間を手にする格差社会。そんな世界のスラムで暮らす青年ウィルは、ある日、ある男から100年という時間を譲られる。その時間を利用して、世界のシステムを覆すため富裕エリアに潜入する。そこで大資産家の娘シルビアと巡り会い、その後の運命を共にすることになる。しかし、そんな彼の行動を怪しんだ時間監視官が彼を迫い始めていた。と、なんともワクワクする設定と展開なのだが、少しも運動したことない大富豪の娘が延々と走り続けられたり、銀行強盗があまりにも簡単に成功したり、状況的に突っ込みどころが多く、もう少し脚本を練りこめばもっと面白くなったのにと、残念に思う。でもまあ、退屈せずにラストまで観れたので、及第点ってことで。 [DVD(吹替)] 6点(2012-11-28 22:51:57) |
2. 第9地区
《ネタバレ》 いきなりエイリアンが栄養失調の状態で第三種接近遭遇とは斬新なオープニングだった。見た目とか匂いが臭いとかで、人間はすぐに差別の対象とするが、種の保存という観点からすると本能的に当たり前のことなのかもしれない。倫理的にはよろしくないことだとわかっている人も多いのに、自分よりレベルの低い差別対象を無理にでも求めてしまうのが人間の宿命か。黒い液体は要素がイマイチ不明だが、エイリアンたちの文明が、自らのDNAを使用して燃料や機器制御に使用するものと解釈すれば何となく納得いくと思い込む。最初の方はブラックなギャグ満載でコメディタッチだが、だんだんと社会派的な重い話に移行し、人種や身体障害に対する偏見を暗喩しているかのごとき内容になっていく。ちょっと前半と後半のバランスが悪い感じがしてしまうのは否めない。母船が稼動してエイリアンの兵器類が自動起動した時は、彼らの周到な侵略作戦だったかと思ったがそうではなく、彼らはただ母星へ帰還したいだけだった、という事実がさらに重く圧し掛かる。ラスト間際のパワードスーツと傭兵の戦闘は、直前のヴィカスの裏切りと悔悛を受けて燃える効果を生んでいるし、ラストのブリキの花一輪は涙を誘う。稀に見る良品であると思う。 [映画館(字幕)] 8点(2010-04-11 23:58:05) |
3. ターミネーター4
《ネタバレ》 機械の側から人間を見詰める内容とは逆に、人間の側から生命の本質を見詰める内容となった新シリーズの開幕作品と言えよう。今ままでの作品で、「機械」を表現してきたターミネーターと、今作で「人間」を表現したマーカスは同じ立場に思える。生命とは?ブレードランナーに通じる哲学はいやが上にも鑑賞者に考えることを強いる。キャメロン監督の1, 2とはまた違った魅力を感じ、ファンとしては嬉しい限り。ただ、ラストの「心臓移植」関連のエピソードはいただけない。あなたは元々獣医ではないのか?どうせなら、ジョン・コナーに「機械軍のテクノロジーを使用」した上で、「機械の心臓を植付けても生き永らえさせる」状況の方が危機感や運命を圧倒的に表現できたような気がするのだが。ちょっと残念。 [映画館(字幕)] 8点(2009-06-14 20:24:04) |
4. ターミネーター
《ネタバレ》 映像的に昔っぽいのは否めないが、今観ても十分に楽しめる内容。感情表現のド下手なシュワルツェネッガーが、逆に機械を見事に演じてハマリ役となった。公開当時流行していた核戦争後の未来から送り込まれた刺客であるターミネーター。資金難から舞台を現代にせざるを得なかった状況を逆手に、未来と現在を上手く繋ぎ合わせた展開は秀逸。ストーリーは結構単純で単なる追いつ追われつの内容だが、タイムパラドックス的な内容も孕んでおり、当時は夢中になって何回も映画館に足を運んだ。撃たれても轢かれても燃やされても爆破されてもプログラム(命令?本能?)に忠実に追いかけてくるターミネーターは、非常に衝撃的で怖かった。あの頃の映画雑誌では、この映画、ゾンビ映画に分類されていたような。私にとってターミネーターは、私の青春時代を代表する映画の一本となっている。 [DVD(吹替)] 8点(2009-06-11 22:29:54) |
5. ダ・ヴィンチ・コード
《ネタバレ》 原作を長ったらしくまとめてみました、っていう感じの作品。2時間半は長いよ。原作は自分のペースで読み解けるので結構熱中して読めたのに、映画では間延びして眠くなってしまった。どうせなら2部構成とかの方が良い。大事な謎解きの部分を随分と端折っているので、原作未読の、ましてやキリスト教関連の知識に乏しい人が鑑賞するにはかなりきついかも。登場人物の人となりが上っ面しか表現できていないため、感情移入しづらく物語にのめりこむことも難しい。期待していただけに残念な出来だった。 [DVD(吹替)] 5点(2009-05-10 23:56:24) |
6. ダークナイト(2008)
《ネタバレ》 バットマンがあそこまで普通の人間になってしまうと、別に「バットマン」でなくても いい感じ。観客はある程度人間離れしたヒロイックなアクションを求めているわけで、 これじゃ、超大金持ちで格闘家の普通の人間を主人公にしてもいいんじゃない? どちらかというと、人間の心理を巧みに操るジョーカーの方がよっぽどひーろーだと 思う。あと、この作品、女性の描き方がひどく、全然魅力的なヒトが出てこない。 レイチェルも2人で取り合うような女かね?全編通してストーリーが非常に暗く、最終的 なカタルシスも無し。単純なアクション映画を期待していたのにな。でも、バットポッド の登場シーンは燃えた。タイヤの太さの理由が良く分かった。 [映画館(字幕)] 6点(2008-08-18 23:21:07)(良:1票) |