3. 地球が静止する日
《ネタバレ》 実はワタクシ、キアヌ・リーブスって、ルックスだけの大根役者だと思っているのですが(あ、ファンに殴られそう…)、この宇宙人役は良かったです。演技力いらない役だし、あのノッペリ~とした雰囲気がぴったりでしたね(ほめてない…)。 まあTVだし吹き替えだし、巨大ツルツルロボット出現シーンでは「あ、キングダークだ!」と隣で相棒くんが叫ぶし、非常にアンフェアな状況での観賞ではあるのですが、それでもこの点数が精一杯かなぁ。 映画として肝の部分の、宇宙人が説得された地球人の「いい面」「変わる可能性」に、まったく説得力がない。 人間は、自分の愛する人のためならば自分の命も投げ出せるよ。ええ。でもそれは、決して「人間のいい面」ではない。そんな単純なもんじゃない。 愛国心と同じで、自分の愛する人や国のためなら、人間は平気で他人や他国を虐げる事ができる、という「悪い面」につながっているんだから。 だから、人間の表層的な部分だけを見て「人間は変われる」と納得しちゃう宇宙人の単純さ、思考力の浅さ、にガッカリしこそすれ、感動なんてするわけナイ。 ラストで車を運転したヒロインの友人のマイケル博士?が、軍に攻撃されて死んだところで、「時間がない、走れ!」って死体を置いて走って行っちゃう3人の姿を見て、ワタシは思わず「人類は変われない…」とつぶやきましたよ。 宇宙人、彼を生き返らせることが出来たハズなのに、置き去りですよ。ヒロインも頼みもしません。非常事態だとはいえ、要は自分の命を優先!って事でしょ。 自分の命が一番大事。 人の命にプライオリティをつける。 そうやって、人間は愛するもの以外を平気で傷つけて来たのに、人間以外の生き物たちを絶滅させてきたのに、宇宙人さんはその事実に気づきもしません。 こりゃダメだ~っと、白けてしまっても仕方がナイ。 まあそのシーンは置いとくとして、もしどうしても、「子ども」を使って宇宙人に人類の可能性を信じさせるシーンを描かなきゃならなかったのなら、子どもが継母をかばうか、宇宙人をかばうか、まったく利害関係のない誰かのために命を投げ出すかしなくちゃ、説得力は出ないし、観客には何も伝わらないんじゃないかなぁ…。 いろいろ浅すぎて、なんとも残念な作品でした。 [地上波(吹替)] 3点(2013-01-30 00:07:40)(良:1票) |