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1.  長江哀歌
まず目がいくのは映像の美しさ。ほとんどのシーンが曇り又は雨で、全体的に青白く霞がかかったような感じで非常に美しく、マイナスイオン大放出の癒し系映像となっております。ドラマは前半後半でふたつに別れていますが、殆ど接点もなくただ二本立てといった印象。しかしどちらも描き切ったという印象はなく、何のためにこういう構成にしたのかちょっとよく分かりませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-26 17:14:57)
2.  地下水道
地下「水道」なんて言えば聞こえがいいですが、実際のところはヘドロと汚物にまみれながら彷徨い歩く出口のない迷路。この汚らしさが異常なまでにリアルで、この「汚さ」だけでもこの映画は一見の価値とさえ思えるぐらいです(これに比べたら『第三の男』の地下水道はキレイ過ぎる!)。『世代』『灰とダイヤモンド』と同様、抵抗運動に関わる人々の悲哀という面においても勿論素晴らしい作品ですが、閉ざされた空間の中で徐々に追い詰められ狂っていく人間を描いたサイコホラーとしても十分堪能できました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-25 14:24:42)
3.  地下室のメロディー
泥棒映画としてみた場合、計画の壮大さの割には肝心の金庫破りがちょっと安易だったり、そして何といってもラストのプール(このシーン、主人公二人の台詞が一切ないのがまたいい)がちょっとあり得ないぐらいにお粗末に思えます。あのオチをやりたいがための強引な展開だとは思いますが、もうちょっと自然にあそこまで持っていってほしかった。でもジャン・ギャバンとアラン・ドロンの存在感が抜群なので退屈はしなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-09-15 09:55:26)
4.  父親たちの星条旗
本作とそれに続く『硫黄島からの手紙』を観てまず新鮮だったことは、戦争に対する一般市民の「距離感」。僕がこれまで観てきた戦争映画の多くは主に「戦場で戦う兵士/それを指揮する権力者/その犠牲となる罪無き民間人」という役回りによって構成されていたが、この硫黄島二部作はその基本構造を根底から覆している(特にそれが顕著なのが本作)。武器を持たない一般市民もまた、国債を買うことで戦争資金を生み出しているわけだし、自分たちの家族を最前線で戦う兵士として送り出している。つまり彼らもまた彼らなりに戦争に「参加」しているのであり、彼らが立つ場所は非戦闘地域ではなくあくまで戦線の最後方でしかない。ついつい忘れがちになるがそれが現実なのである。気がつけば「被害者/加害者」の二元論に陥りやすいこの問題について本作はまた新たな可能性を切り開いた。『硫黄島からの手紙』とともに長い付き合いになりそうです。
[映画館(字幕)] 8点(2007-02-28 22:40:13)
5.  父と暮せば
こりゃあ完全に舞台劇ですね(一寸法師のシーンなんてモロにスポットライト当ててるし)。主演二人の演技が抜群だったので退屈はしなかったけどそれでもちょっと間延びしてるなぁと感じる部分もあったりしたし、もう少し浅野忠信が話に絡んでいたらまた違っていたかも。ちなみに僕は広島生活が長かったんで広島弁は特に問題なかったけど、それ以外の地域の人って大丈夫だったんでしょうか?(劇中頻繁に出てくる「えっと」って言葉は「多い・たくさん」って意味です。決して台詞を噛んでるわけじゃありませんのであしからず)
[DVD(邦画)] 7点(2006-10-28 11:44:42)
6.  チャップリンの冒険
ストーリーらしいストーリーもなく、ひたすら動きの面白さだけで見せていく名作。少し前に『独裁者』とか『殺人狂時代』の様なメッセージ性の強い作品を立て続けに観ていたので、この作品にはいい意味で裏切られた感じです。でももう少しオチに何か欲しかった気もする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-27 20:31:24)
7.  チャップリンの独裁者
ラストの大演説、確かに凄かったです。ただ「国境をなくそう」なんて考えは、ある意味ナチスの民族浄化政策と変わらないんだから、そのまま全てを鵜呑みにするのはちょっと危険かも。でもチャップリンの戦争への怒りはひしひしと伝わってきました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-28 16:00:15)
8.  チャップリンの殺人狂時代
『独裁者』以降、堰を切ったかのように喋りまくるチャップリン。本作でも次から次へと喋る喋る(貴婦人を口説くあの寒い台詞は…)。ラストは『独裁者』同様チャップリンの演説となり、痛烈に戦争を批判しまくる。そこまではいい。でも何か引っかかる。ひとつは、最後に戦争を批判しまくる割には本編中に戦争の影がほとんど見えない点。よって最後の演説があまりに唐突に思える(『独裁者』では全編戦争の匂いがプンプンしてたのでそんなに違和感はない)。もうひとつが、アンリが今回の殺人事件を「戦争に比べたらまだアマチュア」と言って悪びれる様子もない点。確かに戦争に比べたらケタ違いに小さい数だが、殺人は殺人である(キューブリックの『バリー・リンドン』には「歴史に残らぬ戦闘だが殺し合いに変わりはない」なんて台詞がある)。連続殺人がアマチュアだという考えはチャップリンの意見であり、アンリのそれではないはずでは? その辺が少し引っかかりました。映画自体は十分名作だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2006-05-28 15:53:01)
9.  地下鉄のザジ 《ネタバレ》 
この映画、最初の30分で終わっていた方がスッキリしたのでは? ザジがおっさんに連れられて戻った後なんて、ほとんどストーリーらしいストーリーなどない。意味もなくひたすら大暴れするだけ。全体で約一時間半ほどの映画なのに、それでも長く感じてしまった。とはいえ、突然飛び出す意味不明なカット(フェンスに向かっていきなりおばさんが倒れたり、ピアノのうえにウサギがいたり)にちょっと笑ってしまいました。こういうのをシュールって言うのかなぁ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-11-27 01:25:01)(良:1票)
10.  チャップリンの黄金狂時代
初チャップリン。しかも観たのが大雪の夜だったので雰囲気は抜群。あのお馴染みの格好で雪山に登場した時点で大笑いしてしまった。あとはもうチャップリン節全開。別にチャップリンだからって崇拝する気はないけど、観ておいて損はない名作でした。ところで、冒頭に出てきた熊は本物なんだろうか?
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-20 20:50:05)
11.  地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
前作はやはりただの突然変異だったと痛感させられた第12作。敵の宇宙人の基地からの脱出劇がひたすら退屈で苦痛。ゴジラタワーって何よ。ガイガンもキングギドラの陰に隠れてしまってあまり目立ってなかったし。
[ビデオ(吹替)] 1点(2005-11-04 21:42:09)
12.  茶の味
夕暮れ時にお茶でもすすりながらのんびり観たくなる映画。断片的な小ネタの連続で特にストーリーらしいストーリーはないんだけど、たまにはこういうほのぼのした作品もいいです。クセ者ぞろいの春野家ですが、異彩を放っていたのはやはりジイさん。彼の「作品」を家族みんなで観るシーンが特に好きです。しかし、とてもあの変態ジジイがあれを描いたとは思えない…(爆)。
[DVD(吹替)] 6点(2005-10-28 23:54:05)
13.  血と骨
北野映画で見せるのとは全く異質なたけしの暴力シーンはちょっと意外でした。今まで見た事もなかった朝鮮長屋の生活風景などは新鮮でよかったのですが、この時間で金俊平の一生を一気に描くにはちょっと無理があった気がする。ポンポンと時間が過ぎ去っていくので、各エピソードの印象が意外と薄く、結局残るのは「たけしがなんか不条理に暴れまくってた」ってことだけ。どこかの時代だけに絞ってミッチリ描くか、三部作とかにしたほうがよかったかも。
[DVD(字幕)] 7点(2005-10-27 22:32:09)
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