1. 鉄男 TETSUO
モノクロの映像から溢れだす色彩!観客は、その映像が発する得体の知れないパワーに浸食される!平凡なサラリーマンである「男」。ある朝、出社の身支度を整える「男」は、自分の頬に金属のニキビが出来ていることに気付く。気にしつつも「男」は通勤の途に就く。だが通勤途中、突然、金属に浸食された「眼鏡の女」に襲われる。「男」は何とか「眼鏡の女」を撃退し逃げ果せるが、その日から「男」の日常は奪われることになる。「男」の身体は凄まじい痛みを伴いながら、徐々に金属に浸食されてゆく。恋人との情事。巨大なドリルへと変貌した股間が彼女の肉体を引き裂く。何故こんなことに...。金属による肉体改造に失敗した「やつ」。それは「やつ」を轢き逃げして山に捨てた「男」の末路だった。「男」と「やつ」は金属に蝕まれた身体同士を融合させる。巨大化。「こうなったら世界中を鋼鉄化し、錆び腐らせてやろう」。金属に蝕まれながら融合した「男」と「やつ」は、どことも知れぬ街を疾走して消えてゆく...。訳分からん!レビューが書けない!...だが、感じるパワーは兎に角<<凄い>>の一言。クレイアニメ調のストップモーションアニメによる身体の変化や、パンクロック調のBGMなどが程よく脳に突き刺さるその感覚!一見の価値あり。ハナマル!! [試写会(邦画)] 7点(2017-06-14 23:56:31) |
2. テルマ&ルイーズ
《ネタバレ》 メキシコへの道のりは遠く、行きつく先は断崖絶壁。不条理な現実。不運の積み重ねで運命が一変してしまうことは、誰にでも起こりうる。冒頭の会話シーンだけで彼女たちの性格や親密さ、置かれた状況が自然に理解でき、これからの展開を期待させる導入部は見事。思わぬ殺人から逃亡劇は始まり、だんだんと引き返せなくなっていく展開も、人物描写が深く掘り下げてあるお蔭で、なぜ2人が犯罪を犯すことになったのか、なぜお互いがお互いに付き合うのか理解できる。当時の女性の立場や差別を適度に盛り込み、追われる身となって初めてテルマの心が解放されていく様子や、そんな彼女を手放しで喜ぶルイーズの優しさには感銘させられる。観客もこの時点は、2人の逃亡劇にすっかり魅了されているのだ。2人を追うこととなるハル警部は、最後まで本気で2人を救いたいと願い続けていた。彼女たちは本来は普通の女性だと彼には分かっていたのだろう。彼は観客の代表であるかのようだ。ラスト間際、2人の車を追いかける彼の後ろ姿は痛々しい。結末は衝撃的であるが、同時に心地よい開放感も感じさせるものであった。ハナマル! [DVD(吹替)] 7点(2016-11-15 22:01:35) |
3. 10 クローバーフィールド・レーン
共通点は「巨大な何かに夜襲われる」。恋人とケンカ別れし夜道に車を走らせるミシェルは、何かにぶつかりクラッシュする。ミシェルが目覚めると、適切な治療をされ見知らぬ部屋に手錠でつながれていることに気付く。彼女を助けたと言う男ハワードが現れ、ここがシェルターであり、何かの攻撃を受け世界が破滅したことを知らされる。外は危険だからと外出を禁じるハワード。そしてもう一人の同居人エメット。ミシェルは、彼らの言葉を信じるべきかどうか悩む。そんな3人の奇妙な共同生活が始まるのだった...。ほぼ3人で展開する物語は、密室劇だ。善意で助けられたのか、悪意で閉じ込められたのかも判然としない。外では何かが起きているとしか情報が無い。こういった状況での共同生活は疑心暗鬼を生む。『ミスト』『SAW』『CUBE』などを想起させ好み。脱出劇、サスペンス的な流れまでは良かったのだが、やっと...。????。何だろうか、この「やっちゃった感」。メイン3人の俳優の演技が良かっただけに、残念感も一入。イマイチ! [DVD(吹替)] 6点(2016-11-03 21:17:39) |
4. デッドプール
面白かった。何も考えずに気軽に観れるヒーローものが少なくなってきたからね。物語の構成も観客を飽きさせないものになっている。主人公ウェイド・ウィルソンが能力を手に入れるまでの経緯を、だらだら時系列に沿って見せることはせず、最初からバリバリとアクションで魅せてくれる。そして観客の気持ちが温まったところで、彼がいかにして不死身となり、あの赤いコスチュームに身を包むことになるか、が丁寧に描写されるのだ。映画ファン、コミックファンへのサービスも満載。主役のライアン・レイノルズが出演した『ウルヴァリン X-MEN:ZERO』『グリーンランタン』絡みのギャグを始め、ファンが楽しめる小ネタが、嫌みにならない程度に随所に散りばめられている。あと、ヒロイン、ヴァネッサとの「純愛」も、物語にいい感じのエッセンスを与えている。おススメの一本。 [DVD(吹替)] 8点(2016-10-10 13:58:53) |
5. デッドゾーン
《ネタバレ》 不慮の事故で多くを失った代わりに手に入れた超能力のため、世間との軋轢に苦しみ次第にその運命に飲み込まれて行く男の悲劇を描く。とにかく悲しい。叙事的で盛り上りとドラマ性に欠けているが、主人公ジョニー・スミスを演じたクリストファー・ウォーケンの、哀愁溢れる演技は一見の価値アリ。原作では、やがて世界を破滅に導く議員グレッグ・スティルソンの視点での記述もあったと記憶しているが、映画ではジョニーの視点のみに焦点を当てた内容になっている。小粒だが、スティーヴン・キング原作の作品にしては及第点。 [DVD(吹替)] 7点(2013-02-09 12:23:13) |
6. デス・プルーフ in グラインドハウス
ダラダラと長いおしゃべりを見せられて正直退屈だったが、後半もラスト近くなり、スタントマン・マイクが被害者になってからが俄然面白くなった。最後のシーンは思わず大笑いして「何じゃこりゃ!」といってしまった。チアガールの姉ちゃんのその後はどうなったか心配だ。 [DVD(吹替)] 7点(2008-04-20 06:12:25) |