Menu
 > レビュワー
 > アンドレ・タカシ さんの口コミ一覧。3ページ目
アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
41.  Dr.パルナサスの鏡
断片的な台詞が空虚に連なるだけで、何が言いたいんだかさっぱり分からない。伝えようと云う意思を持っていると思えない。ヒース・レジャーがいなかったら0点付けてました。
[CS・衛星(字幕)] 1点(2011-03-17 23:26:39)
42.  ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 
何がダメかって、正体不明のものを重ね合わせること。登場人物の不思議な能力に興味を持たせておきながら、それを説明する前に悪意を持ったエイリアンが出て来て焦点がボケボケ。下手くそです。更なる余計がモーガン・フリーマン。お話の展開上、彼はいなくても良い存在で、映画を分かりにくくしているだけでした。こんなに存在意義のないモーガン・フリーマンは初めて。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-17 01:54:24)
43.  トム・ホーン 《ネタバレ》 
トム・ホーンと云う人は実在した西部開拓時代の賞金稼ぎらしい。作中ではすでに伝説に近い存在だが、マックィーンが描きたかったのは時代の流れに付いて行けなかった人物像。無法がまかり通った開拓時代を生きたライフルの達人も、需要が無くなると居場所も無くなる。本作の放牧牛の見張り番のように特技を活かせる仕事もあるのだが、やり方が時代に適合しないことを証明するのが本作のストーリー。その視点が残酷だ。決して凶悪な人物ではないが、怒りに任せると絶命した者にも銃弾を撃ち込み続ける描写に本質が顔を覗かせる。このあたりの「感覚のズレ」の演出は上手い。やがて無実の罪で牢屋に繋がれる。そこから遠望する山並みに何かを感じて脱獄を計るのだが、それは「パピヨン」が目指した自由とは全く異質の解放への希求だった。彼は何かを目指して逃げたのではなく、規律と道徳が整い始めた「西部」から逃げたのだ。逃走は敢え無く失敗に終わるが、観ている側に失望感はない。それが前方に目的を持たない逃走だから。そして、本人もそのことを自覚していたと思える。裁判や絞首刑に臨む態度には時代への諦観がありありと浮かぶ。戦国時代に遅刻したのが宮本武蔵なら、西部開拓時代に取り残されたのがトム・ホーン。武蔵は多くの人の助けを得て剣を筆に持ち替えたが、トム・ホーンを助けてくれる人はいなかった。一世を風靡しながらも、廃れて行った男の哀れが滲む。「タワーリング・インフェルノ」以降、本作と「民衆の敵」「ハンター」の三作にしか出ていないマックイーン。Wikiには「カッコーの巣の上で」「遠すぎた橋」「未知との遭遇」「地獄の黙示録」などの主演オファーを断ったと書かれている。出演した作品と断った作品のを並べると、彼の心情が見える気がする。映画の魅力のひとつであるスペクタクル感を捨て、じっくりと「人」を演じようとした。稀代のアクションスターは、次のスタイルを確立する前に世を去った。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-01-30 02:54:00)(良:1票)
44.  ドクター・モローの島 《ネタバレ》 
確かに私も子供の頃にテレビで観ました。当時は怪獣映画を観ることど同義だったような…。エンドロールを見ているとライオンマンとかタイガーマンとかハイエナマンといった具合に動物の名前が並びます。丁寧に全部作り分けてたんですね。製作年度の1977年って「スター・ウォーズ」の年ですが、特殊メイクなどは技術が驚異的に進歩する一歩手前って感じで、手作り感に味があります。先日観直したところ、これはけっこう深い話だと思いました。やっていることはマッド・サイエンティストそのものだけど、モロー博士の紳士的・理知的な態度で倫理的な考察へ導く土壌を作ります。彼は科学の探求とは別に、作り出した動物人間を御するために「掟」を作り、「私がお前たちを創った」と言い、「死」を禁じます。これは動物人間側からは明らかに宗教であり、博士は「神」に他ならない。博士自身には「神」を気取るつもりは無かったが「死」の教義を破ったために暴動が起きて、動物人間たちの怒りが博士に向けられてしまう。これを啓示と取るならば、生物の形態に人間ごときが手を出して「神」に成り代わろうとしたために怒りがくだったと解釈できます。当時、生物工学の先端がどのあたりにあったのかは不案内ですが、警鐘を鳴らしている映画だったのですね。最近までただのゲテモノ映画と思っていました。ごめんなさい。
[地上波(吹替)] 5点(2011-01-17 11:39:16)(良:1票)
45.  トランスポーター 《ネタバレ》 
もっと車両の運転に特化したアクションものと思っていたらカンフー映画でした。フランスの映画なのに何故わざわざ外国人を主人公にするのかが良く分からない。外国での興行的な成功を狙ってるのかな。でも、米国(?)の元軍人という設定のジェイソン・ステイサムに「政治の都合で努力が踏みにじられ、世間も無関心」なんて皮肉を言わせるあたりがみみっちい。オープニングで「ルール」を強調した割には、すぐに破戒する。そこをシビアに貫いてくれれば硬派のアクション映画になるのに、この微妙に間の抜けた仕上がり感が昨今のベッソン節らしい。格闘部分は一応カタチにはなっているけれど、主人公の足が長すぎて蹴りにスピード感が無く、相手が蹴られるのを待っている感じでした。あのお姉さんは口にガムテを貼られて縛られているうちがいちばん魅力的に見えましたね。なんか悪口ばかり言ってますが、そこそこは楽しめました。警部さんの「愛車を磨く者は自分も磨く」という言葉にドキッ。私の愛車は水アカ迷彩仕様。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-11 20:08:03)
46.  トップをねらえ! 《ネタバレ》 
OVAを繋ぎあわせただけの体裁。ラストがいきなりモノクロになったのでテレビが壊れたかと思った。調べたところ元々の作業が間に合わずモノクロで世に出たらしい。映画にするならそこくらいは新たに描き起こさないとダメでしょ。内容は、庵野氏を始めとした当時の若手の製作者が趣味的世界をちゃんこ鍋に放り込んで混ぜ合わせたような印象でした。その悪ふざけ的世界はちょっとしつこい感じはするけど、SFファンだけに通じるような骨太な設定も随所に見られるアンバランスが、その方面のファンには堪らないのだろう。自分にも少しその傾向はありますが。ジョー・ホールドマンの「終わりなき戦い」をモチーフにしたらしいが、意外なことに相対論的時間概念を導入している映像作品は、本作以外には「猿の惑星」くらいしか思い浮かばない。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-04 15:52:30)
47.  トニー滝谷
市川準が映画のコードを総動員して村上春樹作品の映像化を試みた、というような印象を持ちました。そして、かなり成功していると思います。原作は未読だけど、小説の中の文章をそのままシナリオに転用していると思える部分が多々あった。彼の文章を映像にすると、結果として限りなく詩的なエッセイに接近するようです。ストーリーらしきものが無く、シチュエーションの断片が積み上がる。それぞれのシチュエーションに登場人物がどのように感じたかは語られるが、「なぜ」そのように感じたかは語られない。ただ、そこからは哀しみや孤独だけが立ち昇ってくる。事象の表層から、特定の感情だけをすくい取り、まるで人は何かを失くすために生きているように見せる。それを繊細と感じる人もいれば、意味不明と憤る人もいるだろう。私は村上文学のテーマは「喪失感の描き分け」と思っていますが、本作からはそのエッセンスが十分に伝わってきました。通常の文法で映画を作るとこの味わいは得られない。本作が面白いかどうかは別にしても、私は拍手したいです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-02 15:44:22)
48.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 
初作「トロン」は約30年前の、携帯もPCもインターネットも無い時代のコンピュータ・グラフィックス映画でした。そのパンフレットを引っ張り出すと、解説欄に「コンピュータが絵を描いた!」「ジョージ・ルーカスもコンピュータ・グラフィックスに注目!」なんて見出しが並んでいて可笑しくなる。作品としては大した見応えじゃなかったけど、当時はその手法自体がテーマでした。だから、このタイトルはCG作品の元祖であり、原点としての意味を持っている。本作は元祖CG映画として、そこにはプライドを懸けて取り組んでいました。濃紺から白へのモノトーン・グラデーションで統一された無機質で美しい世界。そこに、オレンジ系の色彩が「敵」の目印として分かりやすく配される。一貫したトーンで描かれる世界観の緊迫と躍動を盛り上げる音楽も、映像に調和し文句なく素晴らしい。初作からの「進歩」は楽しめました。でも、肝心の映画としての見応えはというと、疑問符が付きました。レーザーを照射されてサイバー空間に入るとか、プログラムが擬人化されるとか。続篇とはいえ、ITが進んだ現代ではすでにSF設定として陳腐です。その基本設定に縛られてストーリーを工夫するにも限界があった印象で、ビジュアルに相応しいSF作品としてのワンダーが感じられず、中盤は退屈でした。クルーが現実世界に進出する野望が語られ、改めてこの世界にインターネットの概念が無いことに気付かされた次第。そもそも「トロン」の世界でアナログな父子の親愛に取り組むことがミスマッチなんですね。それでテンポも悪くなったし。例えばクオラの存在意義などをもっと膨らませる方がビジュアルトーンにマッチしていたと思います。リンズラーがトロンだったというオチは「トロン」初心者には不親切だったようで、私の後ろにいた若者達は「トロンってなんだ?」と首を傾げていました。それと、これ3D映画だったんですが、手前にも奥にもほとんど3Dしていない。字幕だけが浮かんで見えた。現代の映像技術の先端が3Dなら、このタイトルとしては方手落ちでしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-28 17:26:07)(良:1票)
49.  トロン
「レガシー」を観たのでこちらもレビューしておこう。これ、リアルタイムで劇場で観たんですが「微妙」でしたね。表現手法としてのコンピュータ・グラフィックスはアートの分野が先行し、次いで広告業界でCMの企業ロゴ表現などに使われ始めた頃でした。それが商業映画に出て来た訳で、そろそろそんなものが作られても良い気運はあったのだけど、同時に大丈夫かとも思いました。映画全編をコンピュータ・グラフィックスで見応えを持って作れるほど、コンピュータソフトとハードが進歩していると思えなかった。実際、手描きアニメで作った部分も多かったそうな。それで、蓋を開けたらその懸念のまんまの出来具合いだった訳だけど、とても「それ見たことか」と貶す気分にはならず、よく先鞭を付けたと思ったのでした。この製作者たちがやったことは、生後数年の幼稚園児がフルマラソンに挑戦するようなものです。映画は面白くなかったけど、リタイアしなかったことを褒めてあげないとね。少なくとも本作は、全編、あるいは大半をコンピュータ・グラフィックスで製作するような映画を作ることは難しいという見本になり、その後のCGの使われ方にひとつの方向性を示したと思います。いわゆる「特撮」で作られていた部分を補うカタチですね。それでCGは徐々に力を付けていったように思えるのでした。その出来映えからコンピュータ映像のマイルストーンとしての価値は持ち続けることでしょう。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-18 23:31:42)
50.  父ちゃんのポーが聞える 《ネタバレ》 
小学生時代、体育館で観せられた記憶があります。板張りの床に膝を抱えて体育座りしてましたね。ネット上にはいくつかそんな書き込みがありましたので、私の小学校だけじゃなかったとすると、実はかなり多くの同世代人が観ている映画なのでしょう。典型的な不治の病もので、吉沢京子が演じる少女が遺した詩集がモチーフになっているらしい。当時、吉沢京子は「柔道一直線」のヒロイン役で誰もが知っていたと思います。小林桂樹さんの追悼番組で数十年ぶりに観ました。確かに学校が教育の一環として見せる映画としては、突っ込みを受けにくい内容なのでしょう。娯楽的な色彩は一切ありません。青春が最も輝く時間を前に、動けずに死んで行った少女の無念とそれを見守った父親の愛情が淡々と描かれます。今となっては、この種の作品でお涙頂戴的な過剰演出が無いことが新鮮でした。吉沢京子が中学3年で初潮を迎えて感激し「子供が産めるんだ!」って大声で独白してましたが、当時それをどのように理解していたかは記憶が無い。彼女が息を引き取る直接の原因は、枕元の緊急用の呼び出しボタンを掴めなかった為です。いずれは亡くなる運命とは言え、四肢の麻痺が進行する病気に対して明らかに療養所側の不注意じゃないかと、小学生ながらに疑問符が付いたことを明確に思い出しました。父親役の小林桂樹さんがSLの機関士を演じ、SLが走るシーンも豊富です。タイトルの「ポー」は仕事が忙しく満足に付き添えない父親が、少女を励ます意味で鳴らした汽笛のことです。少女が罹病したハンチントン病は現在でも治療法が見つかっていません。
[試写会(邦画)] 5点(2010-12-02 13:04:21)
51.  トランスポーター3 アンリミテッド 《ネタバレ》 
「そばかす、なんて、気にしないわ~♪」という歌詞で始まる主題歌で30年以上前に流行った「キャンディ・キャンディ」。テリュース君が「君はそばかすの中に顔があるんだね」と言って主人公をからかいます。その台詞を初めて実感してショックを受けました。そう、あれはナマのキャンディス・ホワイト嬢です。顔面だけですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-27 14:18:08)
52.  ドゥームズデイ 《ネタバレ》 
乱暴者のお姉さんが「北斗の拳」の世界に自分の居場所を見つける映画でした。設定とかテーマへの言及は別にしても、主演がもっと魅せてくれないと。ケイト・ベッキンセールに演じてもらいたかったです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-11-18 19:43:29)
53.  トランスポーター2 《ネタバレ》 
車を疾走させるシーンが多くて1作目よりタイトルらしくなったし、こちらの方が面白かったです。自分に課したルールを破って事件に巻き込まれた1作目に比べて、自分に課したルールが事件解決の動機付けに使われている。主人公の設定に筋が通り、その強さの説明にもなっています。どんなにピンチに陥ってもやられる訳がないスーパーマンぶりのおかげなのか、安直なCGもあまり気にならなかった。サブマシンガンを撃ちまくるお姉さんが、エロくてアブナくって、これも主人公が強すぎて負ける気はしないのだけど、男どもを相手にするより華があって良かったです。彼女の最期はちょっと呆気なかったかな。最後は「シェーン」でしたね。ちなみに車体の腹に付けられた爆弾は車を停めて手で外せば良かったんじゃないの。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-31 13:36:03)
54.  ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
副題が「最後のブルース・リー」となっているのは日本で劇場公開された順番が最後になったからです。ハリウッドで製作された「燃えよドラゴン」が本当の意味での最後の主演作ですが、それが日本で最初に公開されて大ヒットし、その後に主演第一作に戻って「危機一発」「怒りの鉄拳」と公開され、その次が主演3作目となる今作でした。製作順に並べてみると、この作品でアクションもお芝居も完成された感があります。ローマにやってきたウスノロのお上りさんが、体を動かした瞬間にスーパーマンに変身する。レストランの裏庭で放った最初の蹴りのスピードが鮮烈で、ウスノロとのギャップが痛快でした。彼を疎んじていたノラ・ミャオの態度が一変するのが分かりやす過ぎ(笑)。そのノラ・ミャオは毎回ヒロインを演じてますが、この作品がいちばん可愛いですね。若き日のチャック・ノリスもちゃんとアクションやってる。そしてブルース・リーに戻りますが、キャラの存在感が半端じゃない。香港製作の主演作では文句無く彼の最高作でしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2010-10-23 08:51:55)(良:1票)
55.  東京島 《ネタバレ》 
原作を読んだ者としてレビューさせてもらいますが、これは「おばさん映画」のはずが、そうでは無かったです。根本のところをアレンジしてしまった印象です。最大の失敗は清子のキャスティング。木村多江がきれい過ぎる。清子は本来、地下鉄の僅かに空いた座席の隙間に太った尻をねじ込んでくるようなおばさんです。見苦しいおばさん。そんなおばさんの、無人島での存在の浮き沈みが原作の読みどころだが、本作は沈む部分がない。もし無人島でなければ、くじ引き結婚に誰も立候補しないような女優を選んでくれないと。一般的に嫌われるおばさんの図々しさと、希少価値のバランスが、美人をキャスティングしたことで台無しでした。適当にチヤホヤされて、ゆる~いサバイバルを見せられてもテーマらしきものを感じません。この映画化で感心したのは海亀の甲羅を背負ったワタナベ。あれは確実に言葉の描写を越えていて、ひと目で声を出して笑いました。■ロカホリさんの【余談】は情景が目に浮かびます。とても爽やかな気分にさせていただきました。
[映画館(邦画)] 4点(2010-10-01 21:20:44)(良:1票)
56.  東京画 《ネタバレ》 
小津安二郎の「東京物語」に惚れこんだヴェンダースが1983年に東京を訪れた紀行映像という体裁。彼は小津の作品のなかに映画の「聖地」があると言う。それはおそらく、登場人物たちの本質を描き明かしたという賛辞だ。「東京物語」は1953年の製作だから、小津が描いた東京からはすでに30年の隔たりがある。高度成長を経て大きく変わった東京の見映えは「東京物語」ではない。花見・パチンコ・打ちっ放し・タモリ倶楽部・プロ野球中継・竹の子族、といった大衆文化の表層を意図的にモンタージュして、緩慢な堕落をイメージさせる。言葉には出さないが小津が探し当てた深い精神性の喪失を悼むかのようだった。中盤でヘルツォークに代弁させた内容が、この映画の本旨であり、ヴェンダースが東京を訪れた目的でもある。曰く「すでに地上には純粋で澄んだ透明な映像はない。それは考古学者のように発見する必要があり、そのためなら自分はどこへでも行く」。彼の言葉にある「映像」はそのまま「映画のテーマ」と置き換えて良いと思う。やはりというか、当たり前というか、映画監督もテーマ探しには躍起になり、苦労しているのですね。その本音がとても新鮮でした。ヴェンダースは映画作家として、小津が映した精神性に、たとえそれが残滓であろうとも、触れたくて東京にやって来た。街とそこに住む人から得るインスピレーションが映画の材料であり、小津のファンとしても同じものが見たかったのだと思う。でも、その願いは空振りに終わったようだ。日本人が持つとされる徳の文化や儒教的な世界観が失われたとは思わないけれど、しばらく滞在しただけの外国人には触れる機会は無いでしょう。個人的に一番面白かったのはヴェンダースのパチンコ評。あまりに納得したのでメモってしまった。「騒音の中、群集に紛れ、だからこそ孤独に落ちる玉を追う。催眠状態と奇妙な幸福感。得るものは少ない。ほんの一瞬、自分から抜け出し、忘れたいことごとを忘れる」。ははは、確かに。それと、ヘルツォークの登場には驚いた。怪作「フィツカラルド」を撮った直後だったことを考えると「どこへでも行く」という言葉は迫真でした。やっぱりかなり変な人だ。ちなみに、今作で使われていた「東京物語」の映像は尾道のシーンで、そこにはとびきり穏やかな時間が流れているが、東京の映像では無い。このあたりはドイツ人向けの演出なのだろう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-22 12:26:27)(良:1票)
57.  トワイライトゾーン/超次元の体験
怖い体験をした、という意味で特別な作品です。以下、作品内容とはほとんど関係ない余談です。■地方の大学で学生をやっていた私は、付き合い始めて日が浅い彼女と本作を観ました。それは田舎の夜道を帰宅する車中での出来事。本作と直接関係があったかどうかは覚えていないが、幽霊は本当にいるか、なんてことを話していた。それはよくある他愛ない話のはずだった。歯切れ悪く「幽霊はいると思う」と言う彼女。「見たことがあるの?」「んー、、実は今も見えている」「えっ?」「幽霊じゃないけど、あなたの周りに青い光が見えている」「・・・・・」「私、見えるんです」。その口調からジョークでないことは明らかだった。観たばかりの本作のプロローグが脳裏をよぎり、自分の隣にはとんでもないものが座っているのではないかと思った。路肩に車を停めたが、怖くて助手席を窺えない。ドアに手を掛けながら恐るおそる彼女の方に首を廻らせたところ・・・。「ギャー」ってなことには、ならずに済んだ。■彼女はいわゆる「霊感が強い人」でした。恒常的ではないが霊を認識するし、私の周りの青い光とはオーラのこと。暗闇では人の形をなぞるように、人によって色の違うオーラが見えるらしい。付き合い始めた相手にいつか伝えようと思っていたらしいが、タイミングが悪すぎだよね。彼女とはその後2年ほど続きましたが、その間に聞いた色々な話のおかげで霊の存在は当たり前のように信じています。一緒に観た映画はたくさんありますが、「トワイライトゾーン」はこの件で思い出深い作品です。浜村淳の「思い出は映画と供に」でした。
[映画館(字幕)] 6点(2010-09-15 09:56:56)
58.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 
細かいアイデアがたくさん詰まった、宝箱のような映画でした。すでに多くの褒め言葉がレビューされているので、私は少し気になった点を。あの悪役のクマさんが救われずに終わっているのが残念です。ピクニックで3体のおもちゃが置き去りにされて、持ち主のもとに辿り着いたらクマのぬいぐるみだけが新たに買い与えられていた。ここでクマさんは裏切られたと感じてしまう。愛し合っていた人が他の愛人に乗り換えて、自分は捨てられたような気分なのだろう。持ち主側の視点に立つと、個々のおもちゃの心情にまでは考えが及ばず、代用で喪失感を埋めたかったのでしょう。でも、クマのぬいぐるみだけを新たに買い直したのは、あのクマさんを嫌ったからではなく、彼が最もお気に入りだったからです。変心した訳ではない。他の種類のおもちゃで代用されるより納得して良い状況のはずで、誰かあのクマさんにそれを気付かせてあげろよ、と思いました。子供とおもちゃの間柄で普通に起こりえる紛失事件で、一体のおもちゃがダークサイドに堕ちたままというのが、作品に少しだけ翳りを落しているような気がしました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-04 08:20:36)(良:3票)
59.  ドラゴン危機一発
小学生だった自分は「燃えよドラゴン」で熱狂し、その勢いで今作を観ました。父親に引率されて観たのだけど、今にして思うと父親と二人で映画館に入ったのはこれが最初で最後だったと思う。父親は健在なので最後は言いすぎか…。余談でした。映画の感想ですが「燃えよドラゴン」に較べてお話のスケールもアクションも芝居も周囲の役者のレベルも、すべて数ランク落ちていてつまらなかった。でも小学生の自分はブルース・リーのファンとして、これも面白いと思い込もうとしていたように思う。後に今作が彼の初主演作だったことを知り、「ドラゴン怒りの鉄拳」で初めて怪鳥音を発してヌンチャクを使ったことを知り、「燃えよドラゴン」でハリウッドに進出したことを知った。つまりまだ彼の特徴が出ていない駆け出しの作品。この時点のブルース・リーはフットワークが良いアクション俳優の域を出ていない。父親に感想を聞くと「まあまあ」と言っていた。子供心にも気を遣われているのが分った。たぶんつまらなかったんだ。ちなみに小学校の漢字の書き取りテストで「ききいっぱつ」をこの邦題で回答したら×をもらって不条理を味わった。○・危機一髪。
[映画館(字幕)] 4点(2010-08-23 18:36:36)(笑:1票)
60.  ドラえもん のび太の魔界大冒険
ドラえもんムービーを初観賞。ここまで正統な子供向けとは知らなかった。クレしんは大丈夫だけど、これはしんどい。私はクレしんの「毒」を楽しんでいたことを本作で理解した。個人的な見どころは美夜子ちゃんの色気、かな。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-08-19 23:29:19)
0170.80%
1462.16%
21316.16%
32069.69%
432315.19%
548322.71%
636917.35%
728213.26%
81758.23%
9733.43%
10221.03%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS