1. ドリーマーズ
《ネタバレ》 同性愛や近親相姦っぽいテーマを除けば、後は普通に映画として楽しめました。ジャン=リュック・ゴダールにアンリ・ラングロワ、果ては「はなればなれに」ごっこと、まるで本当にヌーベルヴァーグの世界に入り込んだような錯覚を覚えます。それから映画のシーン当て遊び、あれは良いですね。この作品の魅力の一つだと思います。オープニングのエッフェル塔を降下していく映像とは対照的に、最後のエンドロールを遡っていくエンディングが印象的でした。映画はいつの時代も戦争!? [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-11-18 15:01:01) |
2. 友だちのうちはどこ?
《ネタバレ》 間違えて持って帰って来てしまった友達のノートを返すために、その友達の家を探しに行くというただそれだけのストーリーに脱帽。一体どうしたらこんな天才的なストーリーを考え付くのでしょうか?巨額の制作費を掛けて無味乾燥なアクション大作を撮り続けている日本やアメリカの映画産業が馬鹿らしく思えてきます。殺し屋も謎の大金も出てこないのにこんなにもスリリングな物語を作れるなんて…。正直中盤までは子供版『自転車泥棒』という感じがしなくもありませんでしたが(^^;。それにしてもこの映画に出てくる大人たちは何と無理解な人たちなんでしょう!「次に宿題をやってこなかったら退校だ」と生徒を脅す先生や、そしてお母さんまで。友達の家にノートを返しに行かなければならないというのに「まず宿題をしろ」とはこれ如何に、その癖自分は「赤ちゃんの面倒を見ろ」だの「盥を持ってこい」だのと命令するし。それでもやっぱり最後は優しい。「四日に一度は子供殴る」と豪語していたお祖父さんも確信犯っぽいし、一見厳しそうに見えて実は子供たちを思う気持ちは誰よりも保護者としての親が一番強いのではないでしょうか。最後はてっきり先生が「おいちょっと待て、これよく見りゃ同じ文字じゃねえか」と気付くのではないかとハラハラしたけど、無事上手くいって素直に良かったです。しかしこういう映画を観せられると、我らがのびの○太という人間が如何にだらしない存在かがよく分かりますね(汗)。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-14 17:26:19) |
3. ドクトル・マブゼ
これはあらゆる犯罪映画の原点とお見受けしました。おそらく黒澤明や清さんもご覧になっているのではないでしょうか。まさか催眠術(と言うかほとんど超能力)までもが話に出てくるとは思いませんでしたが、その催眠シーンがひたすらに凄い!スポークンタイトルまでもが極端に変形してしまうほどの迫力。金持ちの御曹司やスリルを求める伯爵夫人など、様々な人間模様が複雑に絡み合う人間ドラマも面白い。サイレント期のとんでもない傑作に出会えて大満足です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-23 20:59:08)(良:1票) |
4. トータル・バラライカ・ショー
ドキュメンタリーとか言いつつも果たして意図しているのかどうか分からないけど、冒頭から何やら面白い映像が流れてきます。メンバー全員が同じ衣装を身に纏った総勢167名の赤軍退役軍人バンド、レッド・アーミー・アンサンブルとフィンランドの面白バンド、レニングラード・カウボーイズが組み合わさった構図は正に圧巻の一言!普段はライブドキュメンタリーなんて全然興味のない自分ですが、これはなかなか良かったです。演奏中にピョコピョコと飛び回るレニグラ・メンバーのパフォーマンスや、アンサンブルバンドによる大合唱シーンは感動ものです。今でも「悲しき天使」のメロディを口ずさんでしまう、それくらいノリノリな一本でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-17 12:47:51) |
5. 東京ゴッドファーザーズ
前作「千年女優」同様、ストーリーは面白いのですがそれの見せ方が下手というか、どうにも間の悪さを感じてしまいます。相変わらず東京の風景は綺麗なのですが。それでもディテールが上手く出来ているので細部でクスクスッと笑えるし、最後はちょっとフランク・キャプラを思わせるファンタジックな展開に少々感動してしまいました。それから観ている間中ずっと何かに似ているなと思っていたのですが、ここの方々のレビューを読んでいてそれが「フィッシャー・キング」だと分かりました。どうも有難う御座います(何が)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-06-13 18:54:20) |
6. 毒薬と老嬢
《ネタバレ》 月並みなことしか言えないけど…あー笑った笑った、面白かった!まだ見ぬフランク・キャプラ作品の中にこんなにも面白い映画があったとは。結婚という考えに否定的な劇評論家のモーティマー氏が結婚したあるハロウィンの日、実は彼の叔母二人が十二人もの老人を毒殺して地下室に埋めていたことが発覚する。何とか事件を収拾しようと奔走する主人公の元に、叔母の家に同居する自分をルーズベルト大統領だと思いこんでいるラッパ吹きの男や、刑務所に入っていたはずの殺人犯の兄が入り乱れて一大騒動へと発展する。例えるなら内容はヒッチコックの『ロープ』と『ハリーの災難』を掛け合わせたような代物で、個人的にここまで完成度の高い密室喜劇は初めて観ました。「ロンドン式」だの「メルボルン式」という地名だけで観客を震え上がらせてしまう演出力には脱帽。そして更に特筆できるのが、世にも稀なケイリー・グラントの超エキセントリック演技。「突撃ー!」と奇声を上げて階段を駆け上がったり、縛り上げられて何やら危険な格好になったりと、これが本当にあの『めぐり逢い』で甘い愛の言葉を囁いていた彼なの?と思わず疑ってしまいます。「奥さまは魔女」のようなタイトルバックも物語の雰囲気をよく掴んでいて良く、最後の最後に起こるマル秘どんでん返しも必見です!『オペラハット』同様、現代リメイクの餌食になりそうな気がするけどそれはそれで面白そうです。二時間の上映時間の間、一瞬足りともダレることが無く「この映画の面白さが分からない人は可哀想」と、ついおこがましいことまで言いたくなってしまう程の傑作と認定します(褒めすぎ…)。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-08 18:14:10) |
7. ドラゴン危機一発
《ネタバレ》 実は僕ブルース・リーって初めて見たんですが、本作ではどうしてもアクションとストーリーに不自然さを感じてしまいます。まず最初から自分たちで警察へ行けよという気がするし、いくら何でもあの跳躍力は有り得ないでしょう。肝心のブルース・リーはオルゴールの音色ばかり響かせていてなかなか戦わないし、戦ったら戦ったで今度は人を殺しすぎ!これじゃあちっともヒーローには見えません。煽てられて酔っ払っている姿にも幻滅したりと、何とも苦い思いの初体験となりましたが彼が伝説と呼ばれているからにはそれ相応のちゃんとした理由があるはずなので、これからも他の作品群を観ていきたいです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-05-05 00:32:19)(良:1票) |
8. 時の支配者
確かに伸びやかなアニメではありますが、未知の生物のデザインは良いのにそれが人間になると急にショボくなるのはどうしてでしょう?親近感のあるキャラクターに、謎に満ちた世界観には引き込まれます。最後のオチも衝撃的でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-06 15:41:01) |
9. ドリームキャッチャー
「ブリキの太鼓」以上にうなぎが食べられなくなってしまった…。まぁ、"飽き"はしなかったので5点。 5点(2005-02-25 00:58:52)(笑:1票) |
10. となかいロビー 炎のランナー
さすがアードマンにハズレ無し。躍動感あるアニメーションに、ユーモアとウィットに富んだジョーク。そしてハイテク。各キャラクターも個性があって良く、特に小さな胸を付けたメスのトナカイ・ドナーが色っぽいです。他にも年寄りのトナカイ・オールドジングルや、最後の方に出てくる謎の実況解説・雪男と雪だるまが脇役ながらも良い味を出しています。パロディ満載の続編「伝説の勇者」も秀逸。主人公のロビーは個人的にアードマンで「ウォレスとグルミット」のグルミットに次ぐ名キャラクターになりそうです。 8点(2004-12-25 20:12:34) |
11. ドア・トゥ・ドア/バッグに愛とまごころを…
TV映画だけどなかなか良い。実在するハンディキャップを背負った訪問販売人ビル・ポーターの半生を描いた伝記ドラマ。この映画を観ているとビル・ポーターに限らず、生きていく上では根気と忍耐が必要なんだということが分かります。名脇役ウィリアム・H・メイシーの演技が光る秀作ヒューマンドラマ。 7点(2004-11-23 11:29:34) |
12. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 最初は低予算ホラー特有のB級感がプンプンしていて「ああ、やっちゃったかぁ…」と思ったのですが、物語が進むにつれて「お、こりゃ意外と面白いぞ」に変わっていきました。とりあえず走るゾンビになってもしっかりとゾンビしているところには感心。別段物凄いゾンビファンというわけでもないので、これはオリジナルの雰囲気を台無しにしている!とか言ったようなことはありませんでした。が、物語全体の怖さがほとんど視覚的なものばかりで、もっと根底からジワリジワリと迫って来るような恐怖がなかったのがちょっと残念です。映画が終わった時点では一応ハッピーエンド、そのまま観続けるとアンハッピーになるという一風変わった趣向の結末。これはこれで有りだと思いますが、ただ、個人的に蛆虫だけは勘弁して下さい(泣)。ゾンビよりキツイ!!/余談:それにしても本作を観ていて妙にヒッチコック映画を連想してしまったのは僕だけでしょうか?犬を助けに行った少女を双眼鏡で追うシーンは『裏窓』、炎に包まれた街を上空から見下ろす俯瞰ショットは『鳥』を想起させました。 7点(2004-11-09 23:00:26)(良:1票) |
13. ドグマ
よくこんなストーリーを考え付くな~と感心する。ケビン・スミス監督って毎回馬鹿みたいな映画ばかり撮っているけど(褒め言葉)、まさか宗教にまで手を出してしまうとは…。これは「ライフ・オブ・ブライアン」と「パッション」に並ぶ問題作だ!と言っても冒頭でお断りしている通り、あくまでただのジョークですからね。あまり深く考えないで楽しめば良いんじゃないかなと思います(何じゃそりゃ)。 7点(2004-10-24 19:38:53) |
14. 鳥の島の財宝
カレル・ゼマンの長編人形アニメーション。ややシニカルで教訓的な話ながらも、やっぱり根底にあるのは純粋に子供たちを楽しませようという監督の優しい姿勢だと思う。本作は兎に角もキャラクターたちの表情が凄く良い。財宝があると知った時の住民の表情や、ずる賢そうなペリカンの目付きなど。繊細なパペットの動きに語り手の優しい口調が伴って、より一層ファンタジックな世界を創り上げています。 8点(2004-10-17 13:13:38) |
15. ドッグ・ショウ!
ちょっとツボにハマった(笑)。これは犬好き&映画ファン以外の方は観なくていいです、ていうか観ても面白くないでしょう。もう分かる人にだけ分かるような感覚の世界です。 7点(2004-07-23 19:20:50) |
16. 都会の牙(1950)
結婚を目前に控えた独身男性が、いつの間にか毒を盛られ余命あと1日と宣告されてしまう物語。医者が主人公に対して放った一言、「君は殺されたんだ」という言葉は非常にショッキングです。最初はなぜこの男が毒を飲まされたのか?というミステリーで話が進んでいき、次第に事件の真相を暴いていくサスペンスになります。裏でうごめく陰謀が明らかになっていく後半場面はストーリーがグングンと面白くなり、物語の中に引き込まれます。それにしても死を覚悟した人間というのは末恐ろしいもので・・・、もはや自分には何も失うものが無いわけですから、どんなことだってやってのけられるわけです。もし自分がこの映画の主人公と同様、毒を盛られ死の宣告を受けたら?と考えさせられてしまいます。主人公と同じように命を懸けて犯人究明に乗り出すか、それともひたすら絶望に打ちひしがれているか。はたまた最愛の人と最後の時を過ごすのか・・・。そういうことも考えさせられるとても奥深い映画です。 8点(2004-06-12 12:53:36)(良:1票) |
17. トラフィック(1971)
粗方この人の作品群を観終えて、最終的に一番好きなのは一番最初に観たこの作品だと分かりました。ずばりオモシロイ!ジャック・タチさん、ユーモアのセンス抜群ですね。おそらく交通渋滞などの文明風刺も含んでいるのでしょうが、何気ないワンシーンがめちゃくちゃ面白いギャグになっていてクスクスと笑ってしまいました。それからいつも何処かをウロウロしている小さなワンちゃんも可愛い♪60年代にゴダールの映画で「ウイークエンド」という作品がありましたが、あちらがサスペンスならこちらは完璧なるコメディです。 [ビデオ(字幕)] 9点(2004-03-30 21:55:50) |
18. ドラッグストア・カウボーイ
ドラッグに対する恐怖というのは本作ではあまり描かれていませんね、どちらかと言うと退廃的な日常を綴った青春映画という感じ。個人的には前半よりも更正してからの後半が好きだったりします。ジャンキーの神父演じるこの手の大御所ウィリアム・バロウズの登場や、主人公を追う刑事が実はライバルながらも良き理解者だったと分かる辺りが良いです。最後はまぁ今までのツケが回ってきたというところでしょうが、あれで全てが清算できればメデタシなのでしょう、多分。 7点(2004-01-27 22:00:30) |
19. トッツィー
大好きな作品です。笑えて、最後はホッとする。しかしホフマンはこれでオスカーを貰えなかったとは…、一体誰が獲得したんだ?と思って調べてみたら「ガンジー」のベン・キングズレーでした。う~ん、納得出来るような出来ないような。まぁ何はともあれ、映画史上でここまで女装が似合う俳優はいないでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2003-09-11 16:34:51) |
20. 逃走迷路
「怖いわ」なんて言いつつも、しっかりとラブストーリーよろしくダンスを踊っている二人に7点。 7点(2003-08-29 10:08:48) |