1. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 いわずと知れた前作から36年ぶりの新作。 まさに「満を持して」製作された意気込みが伝わって来た。 トム・クルーズを一気にスターダムにのし上げたあの大ヒット作の続編を作るなら、これしかないと思えるような完成度の高い脚本に加え、本作の白眉は言わずもがな、本物のジェット戦闘機に俳優が実際に(正確には後部座席に)搭乗して撮影したと言われる操縦シークエンスの「本物さ」であることは疑いない。 前作でのコックピットはブルーバックのセット撮影だったが、本作では空中で激しいGを受けながら操縦するパイロットの「本物の」息づかいや真に迫る表情を観ることができる。 これはまさに映画館で「体験する」映画という点で、過去のどの航空機アクション映画の追従も許さない高みに至った作品であり、今後、本作を凌ぐ戦闘機アクションは当面期待できないだろうとも思えるほど、完成度が高い。 端的にいえば、前作の主役をトム・クルーズ以外の俳優が務めたとしても、恐らくそこそこヒットはしただろう。だがしかし、この続編はトム・クルーズでなくしては生まれなかったと断言できるほどの、彼のいい意味でのストイックなこだわりが詰まっている。 他の主演作を含め、エンターテイメントとしての「映画」をこれほどまでに高い次元で提供し続け、世界中の人々を魅了し続けているトム・クルーズは現代を代表する映画人として長く名を残すであろうと改めて思った。 <2回目鑑賞後の追記> 2回目はIMAXにて鑑賞。 期待していた通り、高品質な視聴環境のおかげで、より一層作品世界に没入することができた。 本作はテーマパークの何回でも並んで乗りたくなる人気アトラクションと同じような体験型の映画だと改めて実感。 アトラクションは数分で終わってしまうが、本作は2時間余りも楽しめる点でコスパはかなり高い。(しかも身近にあって並ばなくてもよい!) その意味では、ストーリーの完成度は二の次でもよいはずだが、本作はその点でも一切手抜きはない。前作の伏線を多く回収しつつ、ワンカットも無駄なシーンはないように思える。(特にライバル・アイスマンとの友情あふれるシーンは、やはり本作には絶対に欠かせない) 36年を経たマーヴェリックは心に痛みを抱えたヤンチャな天才パイロットのまま、いい歳の取り方をしていたし、「戦闘機パイロットの役割はもう終わった」と言われても、「そうかもしれない。でも今日じゃない」とほほ笑むシーンは、稀代のエンタメ映画人トム・クルーズの生き様とも重なり、最も印象に残る名シーンだった。 誰しも歳を取るごとに何らかのトラウマをかかえ、いつかは時代や年齢といった壁に突き当たる。その時に背中を押してくれるようなマーヴェリックの活躍を見せてくれ、観客が観たいモノのさらにその上を見せてくれた本作は、やはり満点の評価にふさわしい傑作だ。 [映画館(字幕)] 10点(2022-06-06 14:01:41)(良:1票) |
2. ドント・ルック・アップ
《ネタバレ》 とにかく、超豪華なキャスティングに驚く本作。 出演料だけでもどれほどかかったのかと、下世話な想像をしてしまうほど… ブラックコメディとされる本作だが、扱うテーマが彗星衝突による地球滅亡なだけに、コメディ要素よりも相当ブラック色が強いことを覚悟して鑑賞するべき作品。 彗星が地球に衝突するというプロット自体は使い古されたものだが、本作ではよくあるヒーローや、地球を救うために立ち向かう人々はほとんど描かれず、現実をまともに見ようとしない大統領や、視聴率しか考えないテレビ番組、自社の利益誘導しか考えない巨大IT企業のCEOとか、真実を訴えようとする科学者を揶揄するSNSとか、「今」の世界(というかアメリカ)を風刺しまくる内容に、笑いよりも恐ろしさしか感じない。その点では冴えまくった感性を感じる映画だ。 最後、冷凍保存技術で地球を脱出して、生存可能な惑星に降り立った有力者たちが、皆中高年というところも、バカバカしくて全く笑えない。 決してハッピーエンドではないし、胸くそ悪い気分で観終わるため、評価が分かれるところだが、地球の危機は決してSFの世界とはいえない今、世界の指導者やマスコミ、巨大企業の経営者にはお願いだから一度鑑賞していただきたいと思った。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-20 16:35:29) |
3. トゥモロー・ウォー
《ネタバレ》 未来に発生した人類存亡をかけた戦いのために、過去(つまり現代の)私たちが徴兵される物語…というアイデアがまず斬新で興味を引く。 さらにその未来の敵の造形や威力が徐々に明かされるプロセスには丁寧に時間をかけており、恐怖が煽られやすい。 その後は、「スターシップトゥルーパーズ」的なバトルがひたすら展開されるわけだが、ここに家族のドラマを入れ込んで、お涙頂戴の展開にしてくるのがハリウッド映画らしいところ。 この手の映画では、普通は主人公が敵をやっつけて、未来から無事帰還してメデタシとなるところだが、本作では、もう一つの後半シークエンスが用意されており、その点ではなかなか見応えはあったと思う。 気分転換にSFアクションが観たいという期待にはしっかり応えるクォリティーはあったし、個人的には序盤で24-TWENTY-FOURのクロエ役の女優を見られたのは嬉しかった。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-19 10:00:01) |
4. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 原作は未読で大林監督作品も観ていないが、結構楽しめた。ありそうでなさそうな高校生の日常の中に、タイムリープというSF要素を絡めた、爽やかな青春ドラマ。主人公の行動は基本的に幼稚なのだが、その幼稚さゆえに誰の記憶にもある二度と戻らない青春の日々を追憶させる力を持っている。実際には本作のような「男2人と女1人」の友達関係を経験した人はあまりいないと思うが、誰もが憧れるシチュエーションだったりもする。夏の日、自転車、キャッチボール、堤防、そして友達……全てがかけがえのない日々だったことを思い起こさせる不思議なアニメだった。 [地上波(邦画)] 8点(2015-07-21 11:47:00) |
5. トップガン
二十数年前、公開当時に映画館で鑑賞。そりゃ大変な話題作だった記憶がある。劇場では戦闘機の重低音がリアルに鳴り響き、迫力ある戦闘シーンと、さわやかなトム・クルーズが躍動する当時としては上出来なアメリカ青春映画だったと思う。特に米海軍が全面協力した、リアルなオープニングは最高に格好良かった記憶がある(こうしたシーンを格好良く感じるかどうかでも本作の評価は分かれるだろう)。最近でもスバルのCMでこのシーンを再現したものがある位、インパクトがあった。現実の海軍パイロットの実情とは相当かけ離れたストーリーではあろうが、(当時としては)リアルな戦闘機バトルと、魅力あふれるヒーローの挫折と再起、友情が描かれ、サントラも大ヒットしたした本作は時代が変わっても記憶に残り続ける良作と思う。 [映画館(字幕)] 8点(2011-04-13 10:03:59) |
6. トイ・ストーリー3
当サイトを含め、高評価の呼び声がなるほどと納得できる、完成度の高いエンターテイメント作品。家族とでも、パートナーとでも安心して観られ、親しみやすい愛すべきキャラクター達と一緒に、ドキドキハラハラ、ユーモアあふれる大冒険を楽しめる。悪役の設定にも深みをもたせ、単なる勧善懲悪モノから超越している点や、誰しも幼少時に遊んだことがあるであろう、おもちゃと人間とのつながりや愛情をテーマにしているところなど、映画としての完成度が非常に高い。ブルーレイで鑑賞したが、ピクサーの画作りここに極まれり、といった映像クォリティーもこの完成度に花を添えている。映画の常道をゆく、誰にでもお勧めできる素晴らしい作品。 [ブルーレイ(吹替)] 9点(2010-11-11 16:48:41) |
7. ドーン・オブ・ザ・デッド
テレビCMを見て、怖いもの見たさで観に行ってしまいました。 ジョージ・A・ロメロのオリジナルを遠い昔に観ましたが、やはり「まわりはゾンビがうようよ、ショッピングセンターに少数の生存者」というシチュエーションはたまりませんね。 それだけで、どんな映画でも観たくなります。 観終わって映画館の屋上の駐車場に出ると、その辺からゾンビが走ってきそうで、外にもうようよいそうで怖くなってしまいました。臆病な自分にはそれなりに怖かったです。 それと、ゾンビがトラックにひかれるシーンは、超リアル! それにしてもゾンビの足の速いこと・・・。あれに追っかけられたら生きた心地しないでしょうね。映画の構成としては、主人公達の行動に不可解な点や説明不足も多く、もう一つでした。 6点(2004-06-07 15:22:32) |