1. エターナル・サンシャイン
現実ではありえない選択記憶消去という話や、記憶が消えかけたり消すのを様々な映像で見せるのが面白い。細かい話や展開にやや判り辛いところもあるものの、大筋では言わんとするところは理解できる。辛いから記憶を消そうとして、でも楽しかったその記憶が愛しくて記憶を守ろうと逃げ回るあたりが話も映像も面白い。ジム・キャリーは気まぐれ女性に翻弄される気弱なキャラをうまく見せたと思う。ただジムが記憶消去というのは分かるが、肝心のケイトの記憶を消したいと思う理由に説得力がないので彼女には共感し辛く、ラブストーリーとしてはそう心に迫るほどでもない。 まぁ、記憶というのは意識すればするほど残るものなので、忘れたければ何度も思い返したりしないことが一番かと、、 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-10 21:13:37) |
2. 永遠のアフリカ
感想は皆さんとほぼ同様です。特に【きりひと】さんが言われてる「実話イコール感動という訳ではない」に全く同感。 出ずっぱりで大奮闘のキム・ベイシンガーは好演してるし、描き方一つで感動作にもなったかもしれないのに、ただ「こういうことがありました、こんな大変なことがありました」と見せるだけではせいぜい「ふ~ん、いろいろあったのね」と思うくらいで心には響かない。アフリカに暮すという生活実感が希薄で、だいたいキムの裸だって全く必要性を感じないシーンだし。蛇足ながらお話上いろんなヘビが登場するがこれが苦手な人はだめかもしれない。 5点(2004-07-05 20:00:55) |
3. エレファント
なぜこんな事件がおきたのかということは、マイケル監督の「ボーリング・フォー・コロンバイン」でも言われてたように、高校生でも簡単に銃が手に入り使うことが出来るからというのが一つ。次になぜ彼らはこんなことをしたのかという一番の疑問には、いじめにあってたのに誰も何もしなかったから、と言っているシーンがある。だから教師も生徒も学校も全部憎い、死ぬ気で計画的にやった、ということらしい。淡々と生徒達の行動を追うだけのくだりは退屈にすら感じるが、惨劇が起こるという不安感が妙な緊張感を保つ。次第にそれぞれの映像が重なって凶行に至る衝撃はなんともいえない。あんな格好で止められもせず易々と学校に入り、まるでゲームのように狙い済まして殺していく冷静さはとても理解できない。したがって事件はこうだった、と見せられるだけで闇はそのままだし、ただただ恐ろしく不気味な感じがする。 6点(2004-05-12 23:33:54) |
4. エリン・ブロコビッチ
大企業の公害問題告発というのを、シロウトの一女性が、たまたま・発見して・精力的に取り組んで・勝利した・というのは快挙で、時の人にもなるでしょう。でもね~、、エリンという実在の人物もこんな感じなんでしょうか、すごいがんばりと逞しさには圧倒されるんですけど、自信満々でずうずうしい態度に私は引いちゃいます(汗)。弁護士のアルバート・フィーニーがいい人なんで、彼に同情しちゃいました。ジュリアはその素晴らしいプロポーションをいかんなく生かして役柄にはまってました。 7点(2003-12-13 15:37:53) |
5. エデンより彼方に
《ネタバレ》 「メロドラマ」と宣伝しているが内容はそんな甘い話ではないので、それを期待していくとがっかりすることになるかもしれない。1957年という時代設定の背景を知れば、この黒人差別が決して誇張されたものではないと分かる。主人公・キャシーが楽園から去る(追われるように)この話にはまるで救いがない。リベラルで正しい彼女にはあまりにも冷たくて暗い描き方で、気持ちは沈み込むかも知れない。それでも素晴らしいと思うのは、J・ムーアや黒人俳優・D・ヘイスバードの抑えた演技が素晴らしいこと、心理劇でもあるこの地味な話に深く考えさせられるものがあること。オープニングから何度も出てくる鮮やかな紅葉は、彼女のいる楽園を象徴するかのようで本当に美しい。それがラストは茶色い街の色彩の中、彼女の車が去っていく。でも上からのカメラが引くと白い花の咲いた枝が映る。(最初と最後の上空俯瞰は神の目のよう)これが唯一、彼女の前途にある一筋の希望の印のように思えた。 8点(2003-10-17 17:47:59)(良:1票) |
6. 永遠のマリア・カラス
アルダンのカラスが最高~ 容姿は似てないのに雰囲気でカラスそのものに見える。彼女なくしてはこれほどのカラスを再現できなかっただろう。劇中のカルメンのオペラはほんの一部だけど演出と衣装が本格的で見ごたえがある。彼女と親交の深い監督ならではだが、失恋や納得できる歌が歌えなくなって苦悩する生々しいカラスが描かれる。作品で使われたカラスの最盛期の歌はもちろん、本人が失敗だったという日本公演の歌でさえ素人耳には素晴らしかった。 8点(2003-10-17 17:05:29) |
7. A.I.
私は皆さんが酷評するほどにはひどいとは思わなかった。人は人とかかわり愛・情を受けなければ生きていくことが出来ない。AIオスメント君(監督)はあからさまに人ではなく、ロボットとしてそれを伝えようとしたかった・・時が流れてはるかな未来の世界イメージを見せてくれたし、ジュード・ロウの無機質なロボットぶりもよかった。 7点(2003-02-19 21:37:32) |