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no oneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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1.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
以前ある場所で、庵野秀明は『エヴァ』でやり残したことについて語っていた。それは簡単にいえば、観客に向けて、現実の世界で生きていくためのエネルギーを届けることだったと思う。  『エヴァ』はもちろん傑作だったけれども、反面問題作でもあり、観客にも監督自身にもやりきれなさを残した。十代を中心とするファンの強い共感を得ながら、その鬱屈を完全に昇華することはできなかった。十四歳の子どもが破綻していく過程をつぶさに描いておいて、「現実に帰れ」などと主張したのだから無理もない。良くも悪くも先鋭的すぎて、すべての観客を納得させる力は持てなかったのだ。  しかし今、監督は前回の借りを正面から取り返そうとしている。時代を席巻した代表作を自らの手でリメイクするという、失敗したらキャリアを台無しにしかねないやり方で。アニメや映画に限らず、なにかを表現しようとする者にとって、これ以上ないほど困難で、真っ正直過ぎる挑戦だ。こんな形の『リメイク』は前代未聞だろう。  そしてやってのけた。普通に面白くて、観終えた後にお腹の底から力が湧いてくるような作品を。  これはまったくの個人的な考えだが、フィクションはそこに依存して現実から逃げ出すための場所であってはならない、と思う。大切なのは、ほんの束の間そこに浸って現実に帰ってきたとき、視界が前よりも開けて見えること。元気が出て体が軽くなって、明日からも頑張れる、自分自身も人生も変えていけると感じられること。観る前と観た後とで、ほんの少しでも強くなれたと思えること。それが物語の、とりわけエンターテインメントが持てる最良の力なのだ。  『ヱヴァ』はまだ途中だ。しかし続編がどうなろうと、筆者は製作陣を称賛せずにはいられない。断っておくが、なにも監督を神様みたいに思ってるわけじゃない。この作品も欠点がないわけではないのだから。ただ確実にいえるのは、庵野秀明は表現者としても人としても、とても純粋に仕事に向かっているということだ。  恥ずかしい話、ほんの二三滴だけ筆者は泣いた。正直言って、今まで自分にとっての『エヴァ』は思い出でありつつ、ちょっとした若気の至りの証でもあった。だが今は素直に、この作品のファンでよかったと思う。そう思えたことがほんとうにうれしい。
[映画館(邦画)] 10点(2009-07-03 01:22:47)(良:7票)
2.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
我ながら9点は高すぎると思いつつも、やっぱり旧来のファンとして満足度は高かったので正直につけます。でもファンならともかく、前知識ゼロだと少々辛いかもしれない。  もっと丁寧に描写すべきだと感じる場面は多かったけれども、シンジの成長する姿を最後の決戦に集約させる編集は、成功しているといっていいと思う。とくに旧作にはなかった、クライマックスでシンジが壁を乗り越えるところ、あれは不覚にも涙腺にじわっときた。それまでがうざいくらいへたれ(笑)だっただけに、必死になって戦う姿に熱くならずにはいられなかった。それにしても長尺というわけでもないのだから、こんなに駆け足の展開にする必要はなかったんじゃなかろうか。その点はすごくもったいないと思う。  SF的な見せ場への力の入りようはものすごく、ほとんど「怪獣映画」の域に達している。対使徒戦の費用で日本の国家予算が破綻するんじゃないかとアホな心配をしてしまうくらい、凄まじい。兵器だの軍隊だのにはほとんど関心がない自分でも、それなりに感動してしまったくらいだから、多少なりとも心のなかに“男子”が残っている人なら、きっと楽しめることだろう。  にしても、旧作よりもサービスシーン(つまり、裸)が多いのはどうかと思った。綾波どころか、あの人まで……。そういう方面への心配りも欠かさないのも、いかにもエヴァらしい。良くも、悪くも。
[映画館(邦画)] 9点(2007-09-23 15:20:15)
3.  エレファント
正直にいえば退屈だったけれど、これだけ殺伐とした気分にさせられる作品も珍しい。強い主張を感じるわけではないし、例の事件の実像を描ききれているとも思わない(そうであれば犯人の少年たちのバックグラウンドの書き込みがどうしても必要だろう)。ただただ絶望的な空気だけがあり、その意味では映画にしかできない表現だろうと思った。  ほとんどが普通の学校の映像なんだけど、日本のそれに比べると病院っぽくて温かみがない。最初から最後まで、日常生活という名の荒涼とした風景を見せられた気がする。殺人犯の二人の少年が「キスしたことがない」といってお互いの唇で感触を確かめる場面はどうしようもなく哀しい。  岡崎京子の作品で引用されている詩を思い出した。「ぼくらの平坦な戦場」ってやつ。
[DVD(字幕)] 6点(2006-08-03 13:15:06)
4.  エトワール(2000)
親戚にダンサーの女性がいるのだが、彼女は温泉の電気風呂にはほとんど入っていることができないそうだ。体脂肪率の低い全身筋肉みたいな体だから、身体が過剰に痙攣してしまい、まともに動くこともできない(!)のだという。その話を聞いたときは冗談だろと笑ったけれど、この映画を見て改めて慄然とした。針金のように細い身体が、精密機械のように完全に統制された動きをする。かといって機械的な訳ではなく、しなやかさと力強さを併せ持った、間違いなく生き物にしかできない動きだ。とにかく、すごい。人間にしかできない動きを人間業ではない領域まで昇華する。それに必要とされる気の遠くなるような努力。バレエのために他の何もかもを捨ててしまうだけの情熱は、一体どこから出てくるんだろうか? 想像するに、ダンスの快感は音楽や絵画といった芸術表現の快楽と、スポーツの身体を動かす快楽が一体となったものだ。自己表現の気持ちよさと、身体を動かす気持ちよさが同時になされる――それらの快楽の一端しか味わったことのない自分にも、なんとなくその凄まじさは理解できる。精神と肉体の快楽の頂点。それはきっと、性的快感をも凌駕しているだろう。だが、間違ってもバレエダンサーになりたいとは思わない。アーティストの苦しみとアスリートの苦しみを一身に背負うこと、精神も肉体も極限まで研ぎ澄ませることの苦しさを、いやというほど観せられたからだ。変な話だが、観終えた今は彼らを羨ましいと思う気持ちと、死んでもああはなりたくないという気持ちの両方が混在している。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-10 10:28:33)(良:1票)
5.  エターナル・サンシャイン 《ネタバレ》 
詩的な映像と音楽がツボにはまり、最期まで夢中になって観ることができた。崩壊していく記憶のなかでの追いかけっこのシーンは美しく、ファンタジックで、それでいて身を引きちぎられるように切ない。幼年時代の記憶に紛れ込んで、ジョエルは「子供の頃に君と出会いたかった」という。愚かしい夢だけど、誰しも似たようなことを考えたことがあるんじゃないだろうか。クレメンタインが昔は自分をブスだと思っていたと話して泣き、ジョエルが抱きしめるシーンも好きだ。氷上に寝っころがった夜、転げて笑いあった雪の日、シーツごしの日差しのなかで抱き合った時間。美しい記憶の結晶が生み出した万華鏡。壊してしまって初めて価値に気づくなんて、ちょっと間抜けが過ぎる。二人で過ごした日々はお互いの心に深く深くくい込んでいて、記憶が消えたときには自分自身の一部をも失っている。失くした破片を捜して最後に再会したことは奇跡のようでいて、ある意味では必然だった。あまりにもきれい過ぎる恋愛物語は鼻につくのが通例だが、ここまで素敵な作品を差し出されては文句は言えない。斬新な脚本と洗練された映像で、『人を愛することの素晴らしさ』という普遍的過ぎてほとんど陳腐になりつつあるテーマを見事に現代的に描いてみせた。素晴らしい手腕に、素直に拍手。
[DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 11:26:35)(良:2票)
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