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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 
※多分、二度三度と観た方が確実に好いという類のヤツだと思いますので、再見・再々見が前提のレビューとなります。情報量が多すぎて、私も到底初見で十分に把握できたという感覚は無いです。   勿論、ミシェル・ヨー演じる作中キャラとしてのエヴリンの(とゆーかその多元宇宙を貫く一つの「存在」としての彼女の)物語=ドラマもチャンと用意されては居ますし、ソレとて十二分に共感可能なクオリティでも在るのです。しかし私にとっては、も~ソコはどーでも好かったとゆーか、今作は個人的にはドラマでもアクションでもコメディでも(無論、カンフー映画でも)ナンでもありませんでした。今作とは、私にとっては唯々「マルチバースとは何か」という、端的に言うなら「世界観を語る」映画であり、より適切にはとある一つの「哲学」であったのですね。思い返せば確かに、昔から世界中に(何時でも何処でも)ソレっぽいコトを言ってる人って結構大勢居たよな…とも思いますし、劇中でも言及される様に近代の素粒子物理学なんてのも結局そーいうハナシでしょ?とも聞きますよね(実は、好くは知らんのですケド)。実際にこの世界って、宇宙って、本作で描かれる正にその感じに(意外に&ワリと&かなり)近いんじゃねーかな…と思いがけずも強烈に実感してしまった、とでも言いましょーか(=我々は単に、彼らの様に「バース・ジャンプ」がまだ出来ない…というダケのハナシであって)。  実のトコロ、昨今流行りの「所謂」マルチバースって正直ナメてたとゆーか、個人的にはアメコミ映画のご都合主義…位にしか思ってなかったのですよ(その意味では、モノの見事に足元を掬われてしまいましたよね)。取りも直さず、その「マルチバースとは何か」を2時間強の映像で語り尽す為にはナニを、ドレだけ放り込めばソレが「エブリシング・エブリウェア」を体現してくれるのか?という点での監督の「取捨選択」とゆーのは(ドコからドコまでも)実に「冴えてた」と思うのですし(大半の箇所でごく緻密で、でも且つは所ドコロは適切に「適当=カオス」であるコトも含めて)出来上がった作品だっても~アルティメットに創造的・独創的な優れた代物だったと思います。傑作かと。  また実のトコロ、どー見ても娯楽作…なテイで居るワリには全く全然そーいう映画じゃなかった(=相当に「人を選ぶ」作品だ)という点で、評価自体は比較的難しい方のヤツかもな…と思ったりもするのですが、一旦は(自分を信じて)この評価とさせて頂きます。シンプルに映画館で是非。  ※重ねて、再見・再レビュー前提で
[映画館(字幕)] 9点(2023-03-04 00:17:38)
2.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
主人公の再生と成長を、緻密なプロットと繊細な心理描写で丁寧に描く。リアルで深刻な内容ながら、真剣で前向きなメッセージを描き切っており、一つのヒューマンドラマとして文句無しに上等。映画観た後に原作も読んだが、必要な要素を取捨選択してコンパクトに纏めあげた映画版の仕上りは、決して原作に劣るものではないと思う。漫画でも映画でもよいので、是非。
[映画館(邦画)] 9点(2019-11-21 21:23:35)(良:2票)
3.  M(1931) 《ネタバレ》 
いや~、ド初っ端からあまりのスリラーっぷりに完全に引き込まれてしまったのですが、でも、ココなんかだってスリラーやホラーの観点からしたって、同時期のユニバーサル怪奇映画なんかと比べてもかなり異質…とゆーか私の好むトコロの現代的な「見せない」恐怖とゆーのが大いに感じられたりもしたのですよね。全編を通しても(時代相応に)ショッキングな描写に対する「制約」とゆーのはごく強力なモノとして感じ取れるのでして、暴力的・猟奇的な描写や反道徳的な展開なんかも中々描くコト自体が(そもそも)出来なかったという様に見える、その部分は当然(コレもやはり現代的な感覚からすれば)「演出の不自然さ」という印象にも繋がってくると思うのです。しかし、逆にそれ故に、全く語られない少女らの行く末を我々自身が如何ようにも惨たらしく想像し得るが為に、作中の幾つかの犯人と少女のシーンは却って実に寒々しく恐ろしいモノに見えてくる、この現象にはもはやある種の(恐怖映画としての)普遍性・不滅性が在る様にも思われますよね。そして、ソレは明らかに「監督の狙い」だ…とも(少なくとも私には)感じられるのです⇒その時点で、今今に私が観たトコロでもやはり確実にエポックメイキングな…と言うに値する傑作だと思われるのですね。  加えて、更に一つ優れていると思うのが、その映画史上に確実に残るだろう絶大な「ショッキングさ」が故に、本作にも辛うじて描くコトが許されたのであろう(極めて不埒な)終盤の「人民裁判」などといった作中の描写もろもろが、当時のドイツ社会の「歪み」という恐るべきリアルそのものをまた見事に体現している…という実に巧みな構成ですね。ココは、作中にも名前が登場するグロスマンやハールマンといった1920年代のドイツの実在のシリアルキラーについての知識が前提に無いと理解は難しいトコロかとも思われますが、おそらくこの映画は(前述した描写のまろやかさを踏まえたとしても・私なんかが現時点で観るよりも遥かに)当時の人々にとっては切実な恐怖だったのだろうと思うのです。もしかしたら、人類史上最も「本当に恐ろしい」映画のひとつだったのではねーか、とすら。だから、今作を観てのみの判断としてさえ、暢気な現代のホラー好きを自認する私の趣味の観点からとて、この時代のドイツ映画とゆーのは大いに絶対に鑑賞に値するのではないか…と一発で思わされてしまったのですね⇒そしてソレは、この時代のドイツとゆーのがまたある種、非常に高度に「狂って」いた…というコト自体を、残念ながらコレも非常に確からしい「歴史的」事実として(私も万人並みに)理解しているからだ、とでも言いますかね。なんか、全く思いがけずも実に高度なホラー的「閃き」とゆーのを勝手に拾い得てしまいました。
[DVD(字幕)] 8点(2023-10-30 22:33:21)
4.  エンパイア・オブ・ライト 《ネタバレ》 
舞台は80年代初頭のイギリス、オリヴィア・コールマン演じる主人公ヒラリーは、勤め先の映画館「エンパイア劇場」で黒人青年スティーヴンと出会って…みたいな建付けなので、最初は如何にもチョイ流行?風の「ダイバーシティ」なロマンスもの…カモ?な~んて見えてましたっすね。しかし、最後まで観ていくと必ずしもそーいうお話 or そーいう「ダケ」のお話では全くなかったのでして、もっと全然に複雑・多面的な内容を擁するドラマだったのです。で、その部分に係る脚本のごく繊細なつくりとゆーのが、率直にビックリするホド「巧かったな…」とモ~感動迄してしまいました。ナニを描こうとして居るのか、とゆーか、ナニを「幾つまで」かつ「どーいう質感・組立てで」描こうとして居るのかを、実に巧く(最後まで)悟らせなかったとゆーか・逸らかされ続けたとゆーか、でそのママ遂に辿り着いた結論…てのも「ピーター・セラーズに聞いて!」みたいなコトだったのですからね。観てるコッチとて(あくまで私は)かな~り気持ちが好かったですし、だから撮ってる監督だって(また)チョ~気持ち好かったでしょーね、と。  その、多面的で複雑なお話に対しては、この主役のオリヴィア・コールマンの演技力ってのは(コレもチョ~)ぴったしカン・カン!でしたですね(死語)。『女王陛下のお気に入り』は(私も確かに)衝撃的でしたが、ソレ以降はオスカー候補にもほぼ常連…てなモンですし、正にいま、脂が乗り切って居る…という感じっすよね(色々な意味で)。
[映画館(字幕)] 8点(2023-05-07 22:20:58)(良:1票)
5.  エル・スール 《ネタバレ》 
青春と自我の目覚め、その一つの顕れとしても、自分の知らない「親の人格」を意識し始める…とゆーのはある種普遍的な要素と言えるかも知れない(「エル・スール(南)」とはその象徴なのだろう)。その部分の分かり易さ・明解さも含め、『ミツバチのささやき』よりは多少取っ付き易い作品かとも思われるが、完成度とゆーのはこちらの方が更に上かも知れないすね。まずはとにかく、また何処も彼処もまァ~画が美しいコト!絵画的で、んで陰翳の使い方が実に絶妙なのですよね(コレは質素なよーで超・凝りまくってるってヤツだなと思えましたよ)。あと、音楽の入るシーンなんかも少ないのですがソコの選曲もまた絶妙で、その点からも要所の雰囲気は素晴らしく文芸的で心地好いモノになってましたです(まァのみならず、全体的にも雰囲気とゆーのはごく最高でしたケドね)。台詞も(字幕なのに)実に詩的で、原語で理解できたら尚感動できるというモノだろうと確信しております。(タルコフスキーを除けば)個人的には『ミツバチのささやき』『ツィゴイネルワイゼン』と今作が自分史上ベストという(文芸映画的)アート系映画になりますかね。重ねて、超ハイレベル作品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2022-05-07 18:32:08)
6.  永遠のこどもたち 《ネタバレ》 
ジャンルとしてはかなりミステリーに寄せたホラーという所で、その含む「謎」が本作の怖さの源泉である。特に、屋敷に潜むことが中盤から明白なこどもたちの霊が、一体どういう存在なのか(味方なのか敵なのか)が分からない、という点に怖さが在る(敵なら敵で警戒すればいいので、どっちか分からないとゆーよりは怖くない。それが際立っていたのが、件の「だるまさんが転んだ」のシーンかと思う)。  そして実際、この哀しいお話の出発点は、そのこどもたちのどうしようもない無垢な「残忍さ」にあった、とも言える。一度狂った運命の歯車は永遠に元には戻らないかの如く、ストーリーは再び悲劇的な結末を迎えてゆく。しかし、一方でこどもたちには何らの邪心も無かったことが明らかになるラストは、悲劇であると同時に、我々にとってもラウラにとっても、そしてこどもたちにとっても、一種の救いなのだと思う。ミステリーとして真相を解明することのカタルシスを、痛い程に哀しくありながらも心洗われる美しく幻想的なラストシーンに昇華させた本作は、私からすると単なるホラーorミステリーと言うよりは、それらをどこか超えた類いの作品であった様に思われる。だから実はジャンルは何だとも言えないが、個人的にはまあ傑作かと。
[DVD(字幕)] 8点(2020-05-19 23:50:15)
7.  エスター 《ネタバレ》 
単純なホラーとしては、2000年代以降では屈指と言える出来かと思っている。  一見は可憐な少女だが、その実は凶悪な怪物を家に招き込んでしまうという部分はままよくある展開ではあるが、複雑な過去を持つ夫婦の設定、子供を手玉に取る描写の巧みさ等、展開面での細かい工夫はどれも秀逸で飽きずに観てゆける。エスターの目的が父親の誘惑で、要は性的に歪んだ異常者(実を言えば普通なんじゃねーのという気もするが)だという点も、ある種良く出来たキャラ設定に思う(この手の異常殺人というのは、大抵満たされない性的欲求が動機の根底にあることが多いように思う)。  しかし、あんな絵を部屋中に描いてその中で夜を過ごしていたというのは、それだけで正に狂気を体現するこれも優れた演出に思う。中盤以降は比較的スピーディにその狂気が加速・過激化してゆき、終盤は相当に派手な展開になるのも個人的にはかなり好み。子役&ファーミガの熱演も素晴らしい。時代最高のホラー。
[DVD(字幕)] 8点(2020-03-01 12:40:35)(良:1票)
8.  映画立川談志
落語も映画と同様に、その最良のものは何らかの独特なテーマ・世界観を包含する。立川談志という落語家は、その生涯を掛けた真摯な「落語とは何か」という本質の追求をもって、非常に深い自らの「世界」を構築した表現者であった。  その談志の、バラエティに富んだ種々の思考・蘊蓄がただ炸裂しただけかの様な、一風変わった『薬缶』を導入編として持ってくるセンスがまずもって非常にニクい。そして『芝浜』。財布を拾ったのを夢と信じ込んでしまう様なただただ人の好い亭主、そしてよくある「賢妻」と言うよりもやや蒙昧ながらとても一途な女房を、たっぷりとした重厚な演技でつくり上げてゆき、少し独特で一味違った奥深い愛の物語に仕上げている。正に真骨頂と言うべき素晴らしい二席を存分に堪能した。立川談志の入門編として、非常にオススメ。
[インターネット(邦画)] 8点(2019-12-29 22:34:03)
9.  悦楽共犯者 《ネタバレ》 
奇想の変態6人が一点の曇りも無く我が道を征く話。あまりに奇天烈な行動に序盤は「何やってんのコイツら?」だが、中盤からは「何やってんのコイツらw」となる。稀代の珍作。
[インターネット(字幕)] 8点(2019-11-19 20:57:26)
10.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
本作の面白さは全て、実在のエド・ウッド個人とその珍妙な作品群に依拠している。そのため、まず彼の奇天烈な人生を知った上で、その作品群を鑑賞する「苦行」を成し遂げなければこの作品の真の価値は理解できない。  しかしその前提があった上で観ると、幾多の面白要素(すべて事実)を全体に上手く散りばめてテンポ良くダレずに展開する良質な脚本に驚かされる。(マニア限定だが)必ず笑って泣ける傑作伝記映画と言えるだろう。  また、ランドーは(再現度と実物を上回る凄さの両面で)演技の域を超えている。再現度で言えばクリズウェルやらヴァンパイラやらも相当ヤバい。ウッド本人は本物とは大分違うのだろうが、この物語の成立にはウッドにある種の「詐欺師ぽさ」が不可欠に思うので、デップも適役なのだろうと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-15 23:53:20)
11.  英雄の証明(2021) 《ネタバレ》 
監督作は『別離』と『誰もがそれを知っている』の二作しか観ていないと思いますが、ごくごく陰鬱でシリアスなお話をカタルシスも無いまま最後まで運び切る…という従前からの作風として今作もまたその通りだと言えますし、それがまた中東社会の中に描かれるという一種のエキゾチックさ(+でありながらのお話としての普遍性)といったトコロもまた仍て件の如し、という感じでもあります。この監督大好きなのよ!という人ならば、も~必見だよ!という感じでもありますかね。  やはり、特に宣伝文句にもある様に今般のSNS化社会の在り方を問う…といった部分が(全世界普遍的な社会的テーマなコトもあって)かなり面白く観れましたですね。メディアやSNSで「バズった」結果、チヤホヤと持て囃されたり小金稼ぎになったり…とゆーのは昨今、テクノロジー or プラットフォームのお蔭もあって本当にごく簡単なコトになった…てのはソラそーだ!と思うのですが、誤解を恐れずに敢えて言えば、多くのソレは只の「人間性の切り売り」になってもーてねーか?と思うコトがあるのですよ。言い換えると、ソレってスキル・芸や実績・経験値といった確たる裏付けの無いナニかを商品化しているという意味ではある種の「虚業」だとすら思いますし、特に表現者と言われる範疇の方々にとってはソレは非常に「危うい」コトだ、とも思うのですね。そして、どちらかとゆーと私にとっては、それこそSNS化でそーいう「商品化」の方が容易にもなった一方で、その商品が「偽物か否かの判別」とゆーのもある種、我々一般市民にとっては容易になったのではないか…とも思われるのです。なので、それこそ私自身は今作においても決して主人公側に強く感情移入して観ていたワケでもなくて(そもそも、彼が踏み倒してた1.5億トマンてイラン界隈では相当な大金だとも思いますし)ワリと結構冷めた眼で観ていた…と言っても好いのですよね(結論的には、私には今のSNS社会はその悪しき面と同じくらいに、良き面の方だって当然にまた見えている…様な気もしている、と)。  重ねての個人的結論、もし人間性を売って食ってきたいなら、とりあえずまずは「ホンモノ」を売りなさいね、というコトですかね。今どき、ソコの誤魔化しはも~ほぼ効かないぜ…というコトかな、と。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-19 01:25:13)
12.  エースの中のエース 《ネタバレ》 
これも実に楽しいですね。感情移入のし易い題材ですがともすれば重くもなりそうなトコロ、全体としてごくコミカルに明るく纏めてあるので非常に観易かったです(子供や動物もそーいう雰囲気の醸成には効果的でしたね)。かつ、コメディにしてもアクションにしても割かしアイデア豊富でその意味でも面白く観てゆけました。特にアクションはよく見ると結構に高度で(航空アクションにせよカーチェイスにせよ殴り合いにせよ)正直思いのほか楽しめましたですね。年代を考えても中々完成度の高い娯楽アクションでした。オススメ。
[DVD(字幕)] 7点(2022-03-20 19:03:00)
13.  SF核戦争後の未来・スレッズ<TVM> 《ネタバレ》 
結局のトコロ、本作が主張したいこととゆーのは、全面核戦争が起こってしまったら文明の復興は(少なくとも短・中期的には)困難だ(無理だ)ということなのでしょうね(それはある程度しっかりした科学的なシミュレーションでもそーいう結果が出ている、ということだったのかと)。その意味では、その「全面」という部分に関して、本当にそーいうことになってしまう可能性があるのかどーかを含めての一歩踏み込んだリアリティという部分には議論の余地があるのかも知れませんし、個人的にはもう一つ、事前の備えにせよ事後の事態収拾にせよ、もう少し「団結」してやれることとゆーのはないのか、と少しだけ疑問に思う面もありました。ただ、それは私の想定が甘すぎる、ということだとも感じています。例え現実的な対処方法が「人口の間引き」しかない状況に陥ったとしても、それを許容するだけの「逆」の意味での倫理観あるいはフレキシビリティというものを、もはや現代の人間社会は持ち合わせていないだろう、とも思うのですよね。  ある種、普通の映画とは「目的」が違う作品だと言えますし、だからこそ、鑑賞後感とゆーのも極めてユニークに超ネガティブです。単純にちょっと勉強・知識習得にもなりますし、一味違った作品としての観る価値とゆーのも確実にある映画だと言えるでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 17:04:38)(良:1票)
14.  エスケープ・ルーム(2019) 《ネタバレ》 
謎の招待状で集められた6人の男女、ミッションはただひとつ「部屋からの脱出」、失敗すれば、死…  というのはまま月並な(どっかで聞いたことあるとも言える)一種のテンプレートだと思うが、各部屋の仕掛け・ギミックはそこそこ面白いし(逆さ吊りビリヤード部屋は率直に色々と中々グッド)、全編通してコンパクトにテンポ良く纏められて緊迫感・スリルはかなり濃密、映画アトラクションなジェットコースター感を楽しめたと思う。B級っぽいが全体のつくりもまずまずソリッドで、チープさはほぼ感じない。いくらでも続編がつくれそうな(つくりたそうな)感じだが、ホントにできて来たらまた観ちゃうかも。
[映画館(字幕)] 7点(2020-06-02 12:45:25)
15.  エル ELLE 《ネタバレ》 
タイトルの仏語の意味「彼女」のとおり、ある一個人(女性)をクローズアップして描くことを主題とした作品で、話の内容自体には左程の意味は無いとも言える。特筆すべきは、その女主人公の非常に多面的な人物像(冒頭からのレイプ被害者に始まり、母、娘、経営者、等々)と、それらの中でも際立っている病的なまでの異常人格ぶりである。その異常性・変態性にせよ、もう一つの重要側面だと思われる性的魅力とその部分の奔放さにせよ、それらに重厚なリアリティを吹き込むイザベル・ユペールの演技は細部に至るまで実に見事で、かつ独創的だと言える(美醜を併せ持つ様な容貌のつくり込みにせよ、それでいて還暦越えにも関わらずの熟した色気を迸らせるのも自由自在だということについても、正に圧巻と言う他無い)。監督はユペールには演出を付けなかったらしいが、それだけ彼女の役作りが卓越していたということだろう。この演技の質だけでも、観る価値は十二分だと言える。
[インターネット(字幕)] 7点(2019-12-14 11:30:18)
16.  永遠の門 ゴッホの見た未来
魂の画家・ゴッホの伝記映画。特筆すべきはまず撮影で、ハンディカムによる極端な接写を多用すると共に、かなり凝った構図多々あり、ゴッホの主観視点での表現種々あり、更に逆光・ピンボケ・特殊レンズ等々の割とセンスの良い特殊撮影も数多く、これが非常に面白くてかつ芸術的な趣を映画にもたらすと同時に、主人公ゴッホの存在感と「生々しさ」を効果的に高めることに成功している(人物の躍動感・ヴァイタリティが画面から溢れ出るような画面の出来栄えは、情熱に満ちたゴッホの絵画をも彷彿とさせる)。  内容も、とにかく主演のデフォーの役作りが素晴らしく、精神を病みつつも人生を賭けてひたむきに芸術を追い求めたゴッホの「『病的な』求道者」感が見事に表現されている。ただ、あくまでゴッホという人物を描く映画でストーリーや映画的展開はあんまり無いし、状況の分り易さも少し欠いている(その意味ではもう少しゴッホの生涯について前提を入れた状態で鑑賞すべきだったと思う)。  一点、時にコアな芸術論、時にポエムな台詞回しは、会話のテンポに比して字幕の情報圧縮度が低く、意味も難解でちょっと頭に入ってこない場面が多々あった(もうチョイ思い切って意訳しないとダメかも)。とは言え、十分に良作に思う。そこそこオススメ。
[映画館(字幕)] 7点(2019-11-15 23:08:03)(良:1票)
17.  映画「立候補」 《ネタバレ》 
2011年の大阪府知事選挙を舞台にしたドキュメンタリで、7人の候補者のうち所謂「泡沫」の方の4人にスポットを当てた内容になっているのが特徴かな、と。かつ、その中でも主役っぽいのは例のマック○○という人なのでありまして、またその4人の他にも、その少し前にブッ飛んだ政見放送で話題になったT山さんとか、あと例の(手当り次第に出馬するコトで有名だった)H柴ナントカさん、等への取材も内容には含まれてます。ひと昔前とは言え、21世紀にもなったこの国の選挙の(決して美しくもない)姿・有様…てのを少~し垣間見るコトが出来る…という意味で、シンプルにかなり面白いドキュメンタリだったと思いました(+ワリかし、つくり手の思想とか主義とかを適当に排除できている、ごく「ニュートラル」な質感だった…とも思えますし)。  んで、あまりこの作品の内容そのモノ自体+(特に)ソコに対する個人的な見解、は述べる必要が無いかとは思うのですが、一点ダケ、やはりこーいう泡沫候補が何故に(勝ち目も無く)立候補するのか?という部分(⇒そーいうのも当然に作中には描き込まれてきます)については、とにかくタダ「一言言わせろ!」とか「こーいうコトを考えてるって人間が世の中には居るんだぞ!」てのを示す…だとか、政策実現とゆーよりは自己実現(・自己表現・自己顕示)の方が理由なのかな…と結果として思わされる様な方向性の作品ではありました。で、ソコに対する個人的な感想としては、まずソレはソレ(=自己実現)として、ゆーてまァそこそこ立派なコトでもあるかな、とは思いますし(+ソレをカネ掛けてでもやろうってんだから特に)、またソレは「政治活動」じゃあない…とゆーのとも実は全然違うかな、とも思うのですよね。なのでまた私としては、その実現の場としての選挙とゆーのを(あくまでソレは「副次的」なコトだとも思いつつ)社会として「保証」してゆくコトは必要だと思ってるのですし、また「当選の見込みがねーなら選挙に出るな!」なんてコトは(個人的には)微塵も考えてない…というトコロにはなるのですよね。  ただ、その上でもう一点ダケ…ソレでも結局、本来選挙に立候補すべきは「政策実現=他人の為のナニか(本質的には)」をやろうとしている人であって、翻って上記の様な「自分の為のナニか」をするのしか考えてない…なんて人は、少なくとも有権者としての我々としては(当然の如くに)相手にすべきではない、とも思ってるのですよ。で、また個人的にはその意味で、立候補する以上は当選するコトに少しでも現実味はあるのか=当選する為に必要で妥当な努力・積み重ね・(特に)組織化をしてきたか、という点において、ソレを「してない」って時点でモ~、その人がナニを言ってるかに関わらずソレは後者=自分の為に選挙に出てる人でしかない…とも考えて居るのです(「コッチは一人でやってんだぞ!」て、ソレはアンタの勝手でしょ?と)。結局、ホントに本気でソレをやろうとしてるのか+本気でソレをやろうとすればソレを実現出来るという人なのか、とゆーコトのみが、私におけるその判断基準なのですよね。だから、私は今後(未来永劫)赤坂さんに投票するコトはないかと思いました。以上。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-05-09 19:57:03)
18.  エスター ファースト・キル 《ネタバレ》 
とにかく再認識したのは、この『エスター』という作品のホラー部分の「キモ」とゆーのは唯々イザベル・ファーマンそのヒトだ…というコトですよね。そのクオリティとゆーのは今作でも全く錆び付いて居ない⇒否、寧ろ磨きが掛かっている…というレベルに(また再び)優れたモノだったと思います⇒前作から10年以上経っているコトを鑑みればもはや驚愕かと。だからとゆーか、途中までは(そのクオリティに頼って)基本的に「同じ話」をやってゆく続編、とも見えていたのですが、ソコに一発かなり奇抜なアイデアをブチ込んで来て⇒以降は全く予想外の展開になってゆく…というヤツではあったのですね。  だから内容としては高度にトリッキーな要素を含むので、ソコに直接言及することは今回は避けたいのですが、しかしその部分の評価としても個人的にはちょっと「苦しい」という感じかな…と思いましたかね。まず、あの方法でエスターが故国を脱出できたコトにもかなり疑問がありますし、何よりその黒幕の「動機」という部分がチョイ苦しいかな…と(不確実なメリットに対して、確実に抱え込むデメリットの方が明確すぎる…と)。まァココまでイカれたヤツが来ちゃうとは思ってなかった…てダケなのかも知れませんケドね⇒でソレは逆に、エスターにとっても同じコトかな…とも(=そもそもちょっと色々と「出来過ぎ」ではあるかな…とも)。  重ねて、前作はホラーとしても逸品でしたが、同時にサスペンスとしても同じく高クオリティだった…という部分までを「継承」したいという心意気は買いますが、そもそもその起承転結の「転」にアイデアを(前作同様)持ってきたトコロで、続編である以上「結」は見えてしまっているのだからその意味でも「分が悪かった」とも思いますですね。でも重ね重ね、ホラーとしてのクオリティは全然悪くはなかったですし、オーラスとかも(コレも前作同様)相当にデーハーでまた悪くなかったと思いました。前作のファンなら観て損は無いかと。
[映画館(字幕)] 6点(2023-04-02 15:06:05)
19.  EMMA エマ(2020) 《ネタバレ》 
原作未読、かつ別の映像化も一切未見ですが、内容的にはごく軽くてかつ実に普遍的なラブコメなので、全然楽しく観れるとは思いました。ただ、前半~中盤まではやや平坦なのと、普遍的とは言え流石に現代の価値観とは少し「ズレて」来ている部分もまま含まれるので、諸手を挙げて大喜びで観れる…という感じでもなかったかな、と。ステレオタイプなキャラではありますがやっぱ特に主役のエマちゃんにはアニャ嬢は完全にハマってましたですね(彼女もまた「目力」があるタイプの自信に満ち溢れた女優さんに見えるので)。このコの出来だけでも、観て損をするという作品ではないかとは思いますね。お暇なら是非。  もう一点、内容や演技自体よりはロケーションや衣装美術その他の「見た目」に凝りまくった…という系統の映画かとも思います。特に衣装・ヘアメイクの凝り様は結構凄まじかったかな~とも思いますね(アニャちゃんのファッションショーかよ!何枚衣装あんだよ!てなモンで)。ただコレも、いくら有産階級とは言えこの時代のイングランドの田舎のお話としては、ちょっとキラキラし過ぎてな~い?とも(少しダケ)違和感としては感じられましたケドね。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-01-04 23:10:40)
20.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
まず目標を定め、ソレに必要なもの・作業は何なのかを分析・洗い出して、更に日々のタスクにブレークダウンしスケジュール通りに着実に実行、そしてチェックポイントを定めて計画修正を繰り返す…就職すると否応無く気付かされますがコレがあらゆる仕事の基本です(仕事だともう一つ、常に一人で全部をやるモンではなくて「適任者のアサイン」とかってのが含まれてきたりしますケド)。必ずしも大学受験だけがそーではない…とも思いますが、この類のコトを高校時代に(ある程度チャンと)やったか否か、とゆーのはその後の人生にかなり大きく影響してくるモンだとも思うのですよね。その意味で、1~3ヶ年での長期的な計画および遂行、あとはほんの少しダケでも「背伸び」をした目標設定とゆーのが肝要なのかな、と。他にどーしてもやりたいコト・なりたいモノがあるってなら話は少し別ですが、そーじゃなくて暇ならまァやっといて損は無いな…とは思いますよね。  私は幸運にもこーいうのを経験できた人なので、今作でもやっぱ感情移入は非常に容易でしたよね。合格発表の瞬間てのは、今思い出しても人生で屈指のテンション爆アゲポイントだったとは思うのですし(私の時はフツーに郵便でしたケド)。あと三年生の夏にオープンキャンパス行ってモチベーションがハネ上がる…とかってのも経験済みですね(受験生の皆さんは絶対真似した方が好いヤツです)。一点だけ、塾+家で夜~深夜に猛勉強して、で学校では寝てる…とゆーのにはあまり感心しませんでした(事情が有る…とは言え)。学校の授業の所要時間は最低でも年間700~800時間、進学校ならもっとでしょう(=無駄にするのはあまりにも惜しい)。しかも入試本番は確実に昼間なのですから、深夜に頭をコキ使う訓練を日々繰り返したトコロで結局好いコトは何もありません。健康(と美容)にも絶対好くないですし。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-08 18:34:14)
040.25%
1120.74%
2191.18%
3905.57%
420312.57%
528017.34%
637423.16%
732320.00%
823314.43%
9704.33%
1070.43%

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