1. 野菊の如き君なりき(1955)
政夫の60年後の回想の映像は卵形のフレームの中。笠さんが淡々と読む時々の短歌も印象深い。信州の千曲川あたりだろうか、、懐かしい綿畑、一面の野菊、キキョウやリンドウ、ワレモコウの咲く野辺の美しい田舎の風景。モノクロなのが残念、今ではこんな風景は失われてしまった。幼くも深い二人の心がこの風景と共に叙情的に描かれとても心を打つ。二人が美しい夕日に向かい、頭を垂れる後ろ姿はかつての美しい日本人の心をも思い出させる。全てが美しい絵画のような作品。 7点(2003-10-10 18:51:32) |
2. 野良犬(1949)
ギラギラした真夏の中、汗をたらたら流しながら、同じくギラギラとした表情の三船敏郎が奪われたピストルを追っていく。ラストの犯人(木村功)との追っかけっこと対決のシーンは緊張感いっぱい。ベテラン刑事役の志村喬さんも良かったが、なんと言っても三船敏郎の男っぽい魅力が全開だった。 8点(2003-05-11 16:13:14) |
3. 野ばら
ウィーン少年合唱団のお話。天使の歌声もたっぷり楽しめます。少年とおじいさんとの愛情も描いて、心温まる作品です。 7点(2003-05-11 16:02:09) |
4. 野のユリ
世間知らずの子供か、はたまた天使のような尼さん達に見込まれて、彼女達に協力するハメになるポワチエ。奇跡と人間の善意を信じ、またそれに応える善良な人間。「あー人間も捨てたもんじゃない」とほのぼの思わせてくれる。純真なドイツ人の尼さん達がとっても可愛い。ポワチエの笑顔もね。 8点(2003-05-11 15:57:50) |
5. のど自慢
のど自慢が映画になっちゃうなんてのが驚き。これは出場する人全てが素人で、それぞれの人生、生活があるというのがミソなんでしょう。ちょっと臭かったりするきらいはあるけど、超長寿・人気番組だから許します。 5点(2003-05-11 15:48:18) |
6. ノッティングヒルの恋人
ありそうもないファンタジックなお話。ジュリアとヒュー様ならロマンティックだし、出てくる人は善人でいいお話なんですが、現実的な私にはいまいちぴんとこない世界でありました。 5点(2003-05-11 15:43:18) |
7. 典子は、今
奥州亭さんが言われるように、典子さん自身が典子を演じるドキュメンタリータッチの映画。素人の彼女がとても素直に演じていて、彼女の暮らしぶりもよく分かりとても感心しました。ハンディがあっても前向きに生きてる姿に心を打たれます。結婚して子供さんの育児など、その後の「典子は今」を撮ってもまた多くの人に感動を与えたことでしょう。海で泳ぐシーンも印象的でした。普通の映画とはまた違った意味で忘れられない作品です。 7点(2003-04-20 16:16:19) |
8. ノー・マンズ・ランド(2001)
これは究極の戦争映画だと思う。戦争のなかで1対1で対峙する兵士。そこには国籍も殺し合う理由もない普通の人間がいるだけ。お互いに怯え、立場は入れ替わる毎に変わってくる。そこにおかしさもあるけどコワイ。話はメルヘンではなく現実的に展開し、ますます怖い。生きるか死ぬかの究極にある人間の心理を描いて、戦争が人間の殺し合いであることをはっきり教えてくれる。 8点(2003-04-20 16:00:55) |