81. 黄金の7人・1+6/エロチカ大作戦
《ネタバレ》 黄金の七人とは全く別物のと思っていたら、監督のマルコ・ヴィカリオは同じだし、愛妻ロッサナ・ポデスタもちゃんと登場している。ただシチュエーションが男1人に対し女6人と逆になり、男の方は大忙しで大変だ。 途中で見るのもだれたけど、侯爵夫人の腹上死いや腹下死があってちょっぴりサスペンス。そして最後はまずまずで終わる。この結婚する羽目になった娘を演ずるのはシモネッタ・ステファネッリ(名前が下ネタでよくないが)、ゴッドファーザーでもシチリアで結婚式をあげたんだったっけ。 ところでロッサナ・ポデスタだけど、前よりもっときれいになったのでは・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2011-11-25 09:26:19) |
82. 黄金の七人
《ネタバレ》 最新式の大金庫だろうと教授にはお茶の子さいさい。見事な科学的頭脳作戦?でまんまと金塊ゲットと思いきや、裏切りの欺し合い、そして最後は・・・という展開がおもしろい。 米国ギャングなら欺されたら殺し合いになるところが、最後は水に流して再度挑戦!で終わるところがまさにイタリア的。おかげで続編へ続くことになるのだが・・・。 前半のチームワーク大作戦とロッサナ・ポデスタのお色気が何ともすてき。 ところで手下の6人、国籍は違っても名前の頭文字が全員Aなのは何だったっけ。 [映画館(字幕)] 7点(2011-11-23 22:25:28) |
83. 奥様は魔女(1942)
私の子どもの頃流行したテレビドラマシリーズに「奥様は魔女」というのがあった。またそれが映画化され、後にニコール・キッドマンも魔女をやったとか。それらの映画やドラマの原点がこれである。 西洋では魔女は不吉なもの災いを招くおそろしいものとして恐れられていたが、それをコメディの中に取り入れたことで大いに評価されるべきであり、これ以降たくさんの魔法を使った物語が生まれることになった。 この映画はまさにお洒落でキュートなファンタジックコメディであり、脚本もしっかりしている。何せ監督がルネ・クレールというから驚き。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-06 20:58:29) |
84. 落ちた偶像
《ネタバレ》 大人の保身のための嘘と少年との秘密の約束、それに偶然の出来事が重なり、事件の捜査は微妙に揺れ動く。そして夫人の靴跡は寝室をのぞこうとしたときのものだと結論づけられる。しかし真実はそうではなかった。それを訴えようとするフィリップだが、取りあってもらえないうちに映画は終わる。まさに虚と実が錯綜する物語であり、映画はそれをうまく表現していて秀作だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-06 15:00:23) |
85. オールド・ボーイ(2003)
今まで見た中で、見たことを一番後悔している映画。私にはまったく合わないと言う以外何もない。 [DVD(字幕)] 1点(2011-11-04 21:21:29) |
86. お家をさがそう
まだ妊娠6ヶ月というのに異常に大きなお腹、しかも主人公夫婦が出会う人たちは奇妙な人ばかり。なかでも乳母車を持たない主義の夫婦は傑作だ。 しかし回り回って最後は・・・、というのは結局何だったのか。 [映画館(字幕)] 5点(2011-10-10 19:55:54) |
87. お嬢さん乾杯
《ネタバレ》 34歳の自動車修理工と26歳の学習院出のお嬢さんか、よさこい節と幻想即興曲との違いは何といっても大きすぎる。うまく行きかければだめになるし、だめになったかと思ったら・・・。追っかけていくところで終わるのが、いかにも木下恵介らしい人情劇。昔はこういうのが多かったなあ。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-10 14:19:31) |
88. おばあちゃんの家
子どもはクソガキでも何でもない、ごく普通の男の子である。おばあちゃんもまた、耳が不自由で話ができないし文字も読めないというだけで、田舎のごく普通のおばあちゃんである。 ただ年齢と生活環境が大きく違っていたので、子どもが祖母の生活に馴染めなかったことと、障害のため祖母が思いを伝えられなかったということだろう。 子どものいたずらは常だしエスカレートしても仕方がない。しかし祖母はあくまで寛容であり、暖かくひたすら見守る。表情にも出さず淡々としている感じが実によい。 いたずらはエスカレートしていったが、孫は少しずつ祖母を理解できるようになっていった。そして、母親が迎えに来る寸前、いたずらは祖母への愛情と化す。 我々大人でも、父母の愛情を素直に受け止められないまま、永遠の別れを迎えることもある。かくなる私もその一人だと思う。この子は良い子だったし幸せだった。祖母との絆をしっかりと結ぶことができたであろう。 私は自分の子どもの頃とオーバーラップして涙が止まらなかった。多くの賞を得、異例の大ヒットになったのも頷ける。 [DVD(字幕)] 8点(2011-10-05 01:53:33) |
89. お茶漬の味
《ネタバレ》 庶民的な題材としてパチンコや競輪が出てくるが、どうも小津映画には似合わないし、上品すぎる。パチンコや競輪は、もっと騒々しく庶民的なもののはず。パチンコ屋のおやじが笠智衆というのは論外で、おやじがパチンコ台から顔を出したらお客は誰も来なくなる。 夫婦のけんかだって、もっと大声を出したり、ののしりあったり、ぶつかりあったりするものだと思うのだが、小津映画ではそういうものにならない。やはり上品なのである。 飛行機の故障で夫婦の危機脱出するがストーリーもあまり好きでない。もちろん夫婦でお茶漬けのシーンには、ほのぼのとしたものを感じるが・・・。飛行機がそのまま飛んでいったらとしたら、どうなったのだろう。 [DVD(邦画)] 4点(2011-10-02 21:30:33) |
90. 男はつらいよ 寅次郎忘れな草
ピアノの置ける広い場所から、広大な北海道へとなり、リリーさんと運命的な出会いとなる。そうか浅丘さんも若い頃は裕ちゃんや光男とよく歌を歌っていたのを思い出す。 「あなたと二人で来た丘は、港が見える丘」終戦直後平野愛子さんが歌ってヒットした歌だ、なつかしい。 さて旅の似たもの同士、さらりと別れてまたいつかどこかで会いましょうというのが実に良い。 [映画館(邦画)] 6点(2011-09-09 15:15:00) |
91. 王様と私(1956)
「サウンド・オブ・ミュージック」の大ヒット以来、70年代にかけて日本では多くのミュージカル映画が上映(リバイバル)された。この映画も「オクラホマ」や「南太平洋」など多くのミュージカルを生み出した同じコンビ(作詞作曲)の、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世がてがけただけあって、よくできている。作品賞を始めアカデミー賞の多くの部門にもノミネートされたほどだ。なかでもユル・ブリンナーのシャム王は、ブロードウェイミュージカルで当たり役となっただけに堂々としたもの、主演男優賞も頷ける。また映像も美しく、東洋的な雰囲気がよく出ている。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-08 07:36:13)(良:1票) |
92. 男はつらいよ 寅次郎夢枕
ヴィヴァルディの「四季」をはじめ、クラシック音楽がいくつか登場する。どうもいつもと違う。変だと思っていたら大学の助教授まで登場。 さらに変なのは、いつもはふられてばかりの寅さんが逆にふってしまう。お千代さんがかわいそう、寅さんのことをあれだけ理解してたのに・・・。 シリーズのこの映画を異色作と思うかどうかは分かれるところ。最初見たときは何とも思わなかったが、シリーズを通してDVDで改めて見ると、「チャンスは大事にせろよ」と言いたくなる。 前半で田中絹代が出るが、これだけ? もったいない。 [映画館(邦画)] 6点(2011-09-06 05:59:39) |
93. オアシス
これが多くの映画賞を獲得したという映画か、なるほどと納得。主役の二人、特にムン・ソリの演技は神かがりというべきだろう。 この映画を見ると何が健常者で、何が常識かを考えさせられる。それほど強烈な映画だ。好き嫌いは人によっていろいろだろうが、名作というのは間違いないだろう。 [DVD(字幕)] 9点(2011-08-16 18:54:58) |
94. 大人は判ってくれない
子どもはいたずら好きだ。しかしそれはちょっとしたもので悪意はほとんどない。いたずらが大人の包容力で受けとめられないとだんだん悪意を帯びたものになっていく。 愛情のない叱責や放任がどうなるかは、この映画が示してくれている。しかしこの映画の主人公はひねくれてしまうのではなく、最後は自分で自分の道を切り開いていこうとしているように思える。 ところでジャンヌ・モローはあれだけでお仕舞いというのは、ちょっともったいないような気がする。 [DVD(字幕)] 7点(2011-08-03 05:20:45) |
95. 男と女(1966)
シンプルながら実に良い映画だ。男と女の感情の違いをまざまざと見せてくれる。 夫を事故でなくした女と妻を自殺でなくした男、男には息子がいて、女には娘がいる。しかも同じ寄宿学校に預けていて仲良しであれば、美男と美女の二人の運命は最初から決まったようなもの。それが確実にその方向に進みながらも一直線といかないところが良い。 ところでこの映画、DVD特典やHPなどを見てみると低予算で作られ、ハンドカメラを使ったり、撮影にも監督自身が携わっている。脚本もよくできているが、細かいところは演技者任せだったりしている。つまり演技が自然なのだ。 だから最初映画館で見た時に気になったA・エーメがしきりに手を髪にやる動作も、おそらく彼女自身の癖なのだろう、それが逆に自然の動作に思えるようになった。 ひとつだけ驚くのは、24時間レースをやった後にさらにモンテカルロからパリそしてドービルと立て続けに運転できるタフさ、さすがレーサー。 [映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 07:28:48) |
96. 男はつらいよ 柴又慕情
寅さんシリーズで最初に見た映画。「男はつらいよ」は人気映画としてシリーズ化されていったが、渥美清さん演じる寅次郎には何となく抵抗があり、見るのをずっとためらっていた。この映画は、まさに吉永小百合さん目当てで見た映画である。 吉永小百合さんは歌手として女優として人気絶頂にあり、多くの男性が熱を入れていたと思うし、私もその端くれだった。 映画を見ているうちに、寅さんに対する偏見は見事に吹き飛んでしまった。吉永さんの魅力もあったのだろうが、寅さんの周辺にいる人たちが何と言っても良い。妹役の倍賞さんについては、「家族」「故郷」「霧の旗」の山田洋次映画でそのすばらしさを知っていたので文句なかった。 この映画の翌年、吉永さんは15歳年上の男性と結婚した。そのとき、「泣け、サユリスト」と見出しが付いていたのを今でも覚えている。 [映画館(邦画)] 7点(2011-07-16 12:18:46) |
97. 男はつらいよ 寅次郎恋歌
何かいつもの寅さんらしくなかった。池内淳子さんは良い女優さんだけど初めから寅さんに合わない気もする。 前半のお葬式シーンは妙にシリアス、諏訪家を中心にした別のドラマができそう、それにしても志村喬さんの存在は凄い。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-15 23:07:23) |
98. オー!マイDJ
とぼけた馬鹿げた映画で、イ・ウンジュさん以外魅力ないと思っていた。特に音楽に合わせて歌いまくるバスの運転手には、そのとんでもなさに驚いた。目の不自由な女性に対し、自分の年齢を大幅にさばよむ悪どい奴かと思いきや、そうではなかった。 最初おもしろおかしく、徐々にシリアルになって最後はハッピーエンド、先が読めるにも関わらず引き込まれてしまう。こういうさえない男の純情ってやつ大好き。 ところで何度も出てくる「行進」という曲だが、私には「へーんじん」(変人)と言っているように聞こえて仕方がない。 [DVD(字幕)] 7点(2011-07-07 09:22:44) |
99. おかしなおかしな大追跡
《ネタバレ》 この早口で喋りまくり、スピーディに展開するコメディ、いわゆるスクリューボール・コメディというものだが、その代表作と言えば「赤ちゃん教育」ハワード・ホークスである。そのハワード・ホークスに敬意を表して作られたのがこの映画だ。 この映画は若い頃映画館で見たものだが、そのときは深いことは知らずただおもしろかったという印象しか残っていなかった。 何十年か後、「赤ちゃん教育」などのスクリューボール・コメディを見た後、DVDでこの映画を再鑑賞した。DVDには主役のストライサンドや監督のボグダノヴィッチの解説があり、映画の進行とともに語られているので、実にその様がわかる。 バーブラのコメディはお手のもであり、ライアン・オニールは初めてのコメディだったそうである。特にライアンは「ある愛の詩」を撮ったばかりであり、その変容ぶりには監督自身が驚いたそうである。私ももちろん・・・。 ところでサンフランシスコはさすが坂の街ですね。これまた改めて感心。 [映画館(字幕)] 7点(2011-07-03 22:15:03) |
100. 男はつらいよ 奮闘篇
《ネタバレ》 寅さんも第3作以降渡世人ぽくっていまいちと思っていたが、ここで久しぶりのヒット(だと思う。)いつもの馬鹿さ加減もほどよくセーブされ、世話好きで人情味のある寅さんになっている。 映画2作目の出演となる榊原るみが、津軽から出てきた少女(一番若いマドンナ)を好演している。寅さんも女性の方から結婚を持ち出されたのは初めてであり、訳ありとは言えいじらしかった。 その他久々登場の実母お菊さんや妹さくらさんの、寅さんを心配する心もひとしお、この映画には心打たれてしまった。 「緑は異なるもの、味なるものよ」は私もさくらさん同様わからなかったが、博さんはさすがだった。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-30 22:21:35)(良:1票) |