Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんの口コミ一覧
あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  パコと魔法の絵本 《ネタバレ》 
従来の映画的概念を徹底的に壊しまくるところから結果的にこれが映画だってところまで持ってゆくという、実はもうヒネりまくってある映画。全部が作り物の映像、舞台演技にカメラ目線、あからさまにここぞとばかりに存在を主張する照明、作り物の中に作り物が入れ子細工状態になっていて、ひたすら見立てで描きながら、いちばん肝心な見立ての部分はCGで実映像化。メーテルの星空、惣流・アスカ・ラングレーの青空、アニメのフィールドから続いてゆく世界・・・。真っ当な映画としての機能はしていないように見えながら、フェイクな映像が作り出すドラマに結局は虜になって、でも、それこそが映画でしょ?って。劇映画の起源はオペラを撮影した事だという説がありますが、この映画はそこから遠く離れたようでもありつつ、原点回帰してもいるようで。映画の定義にうるさく拘れば、これはとても遠いところにある異端だけれど、でも、そんな拘りが本当に意味を、価値を成すものなの?みたいに考えたり。・・・なんてワザとややこしい話に持ってゆかなくても、ココロ、キモチで見られる映画です。出だしこそ、コレで最後まで見られるんかいな、と不安になりますが、毒気を放ちまくるキャラクター達にキモチをシンクロさせてゆき、終わってみれば最初の不安なんて何処かへすっ飛んでしまいます。子供にはちょいとその毒気がキツ過ぎかなぁ、ってカンジもしますが、ファンタジーなんぞは、元々毒気が強いモンだったりしますからね。元の役者のイメージがぶっ飛んでいる状態だったりしますけど、だからこそ、彼ら、彼女らのスゴ味を楽しめるって点でもこれは凄い映画。脱帽。
[映画館(邦画)] 10点(2008-09-13 19:45:57)(良:2票)
2.  母なる証明 《ネタバレ》 
ポン・ジュノ監督お得意の、社会の下層の人々が、ただ足掻き続ける物語。英雄願望という点でも見事なまでに従来作から一貫しております。母は正義を貫いているつもりだった、そしてその姿は冴えないオバさんながらカッコいいとすら言える状態だった、でも、真実が明らかになった時に、何もかもひっくり返ってしまい、映画を捉える視点すらも変わり・・・。いや、正直なところ、真実の線はワリと予測されてはいたのですが、そこが重要ではなくてね、『ほえる犬は噛まない』あたりにもあった、価値観がコロリと転じる突き放した感じ、容易な感動を与えてたまるかとばかりにひっくり返すシニカルな感じに苦笑しつつ、今回もまた妙に感心せざるを得ないワケで。毎度の事ながら、その容赦のなさ加減に「監督、またキッツイわぁ」と。「覆水盆に返らず」とばかりに劇中何度もこぼれ、流れ出す液体、そして繰り返される、それを無駄に隠そうとする母の姿が切なく憐れです。息子の心の真実までも見えなくなって孤立したラストの残酷さ、救いのなさ、それがああいう明るい動のカタチとして表現されるあたり、この監督のアクの強い才に魅了されないワケにはいきません。ポン・ジュノこそは今や世界にも数少ない「戦う映画監督」、そこがとても魅力的です。
[映画館(字幕)] 9点(2009-11-02 20:17:11)(良:1票)
3.  花とアリス〈劇場版〉
あれこれと書いたところで、全部言い訳になりそうな気がして仕方ありません。元々は岩井俊二という人があんまり好きじゃないとか、デジタル撮りの映像が部分的にとっても汚いのでもう少しナンとかして欲しいとか(べったりした黒から毒々しく浮き上がる赤の不自然なこと!)、ゲストキャラ的な存在があれこれ煩わしいとか、カメラワークがどうとか物語やテーマがどうとか、なんかそういうコトをごちゃごちゃ言ってもね、結局、自分の正直なキモチ、蒼井優と鈴木杏がすっごく良かったぁ!ってホンネの前では意味がないですなぁ。ひたすらかわいい、キレイ、ってワケじゃなくって、すっごいカオしたりするんですけど、そのヘンなカオまで含めてイイ! 蒼井優の「じょ・お・だん・です・よ」、アレだけでもう全肯定!みたいな。二人がとっても魅力的なのでいい映画。これでいいのだ。
[DVD(邦画)] 9点(2006-09-30 01:08:59)
4.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 《ネタバレ》 
【激しくネタバレなのでご注意!】見る前はテンション低い状態だったんですけれど、見ているうちに、自分が『ハリー・ポッター』が大好きだった事、どんどん思い出してうるうるしてました。前2作は、『ハリー』の世界を映像化したら、この程度のモノなんだなぁ、って感覚しかなかったのですが、今回、やっと1本の映画としての魅力、映画としての『ハリー・ポッター』のアイディンティティを確立したんじゃないかな? 原作のエピソードが削られまくってますが、多くを盛り込んでダラけてたこれまでと違って、一つの大きな流れを形成していましたし、脇役をあえて切り捨てる事で、ドラマが明確になりました。実のところ、世間では評価の高いこの3作目の原作、私は、ハッピーエンドとは言えず、まとまりもイマイチなのであまり好きではなかったのですが、この映画は原作では感じられなかった魅力を得られました。特にクライマックスからエンディングにかけては、原作のモヤモヤした展開をハッキリ具体的な画として描く事で、説明不足を補っていたように思います。これまでのハリウッド的オモチャっぽさのない画風と、ジョン・ウィリアムズの、繰り返しを避け、独自性を出した音楽により、原作の地味目な舞台に新たに格調の高さを付加させた感じ。でも、監督が変わるだけで、こうも印象が変わってしまうと、一体クリス・コロンバスは何をやってたのさ、って感じがしてしまって・・・。それにしても、みんな大きくなってきてびっくり。特にネビル! もー別人みたいに成長しちゃって、「まあ! おじさんびっくりだわよ」ってカンジ。そうそう(もーコロコロ変更しててごめんなさい)、ハリーのアレ、どう見ても『タイタニック』のパロディにしか思えないんですが、唐突にどーしちゃったのさ、ハリーってば。
[映画館(字幕)] 9点(2004-06-19 18:59:02)(笑:1票) (良:1票)
5.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 
「人様の食卓に勝手に上がりこんで、糞タレておきながら、てめえのケツを拭くのに苦労してやがる」ってのはあるんですけどさ、そこで思考停止してたら結局戦争を始める連中なんかと同じ視点でしかモノ見てないんじゃねーの?とも思うワケですよ。現場で動いてる人間ってのは、実のところ、国を背負ってたり、義務感を抱いてたりっていう、国家が生産したロボットっていうかクローンみたいなモンではなくってね、自分達と同じ次元に存在している人間なワケです。戦争に行くにも色んな事情を抱えていて。ハナっから好きで戦争に行くようなヤツぁ、そういなくてね、どんどん戦場に慣れて行ったり、どんどん戦場を嫌悪していったり、怪我したり死んだり。仲間同士での意思の疎通もままならない人間が個として責任背負って向き合うには限界があって、その個を呑み込んで政治があり、戦争があると。そのデカいケツを拭かなくちゃならないハメになるのは一体、誰の、何のせいなんだ?と。人としてプロフェッショナル魂と戦争の異常性との折り合いを付ける、あるいは付けられない人々のギリギリな状態を描いた力作だと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2010-03-11 14:40:09)(良:1票)
6.  BALLAD 名もなき恋のうた
山崎監督って、いい意味で色のない人だと思うんですよ。自分の色みたいなのがない(或いは出さない)がゆえにアクの強さがなく、毎回、広く人々に見られる作品になっている感じ。だけど、この作品は映画版『クレヨンしんちゃん』の映画化、今世紀に入ってから作られた最近の作品をわざわざ実写映画化してしまうっていうのは大変に無粋なように思え、また、元の作品に原監督の色が濃く出ているがゆえに、山崎監督ではなく原監督のモノとしか言い様のない映画になってしまうのではないかと危惧しました。結論としては、原監督と山崎監督のハイブリッドになって実写なりの面白さが出たな、と。原監督的こだわりはかなり薄まりました。でも、キャスティングのそのアクのなさ加減、色の薄さ加減まで含めて、これはかなり巧妙に計算されているんだな、と。つよぽん、ガッキーから筒井、夏川と、見事なまでに強い個性で押すタイプではない役者を揃え、アクの強さをいかに消しこんでゆくか、と。そう、オリジナルのアニメをそのまま映像化したら、とんでもない事になってしまうという危うさをきっちり回避してるんです、これ。実写で「野原一家、ファイヤー!」をやっちゃったら、ボディブレードでフルスイングをやっちゃったら終わりになってしまうという。そこら辺、『20世紀少年』なんかとは違いますね。結果として、広く口当たりのよい娯楽時代劇の出来上がり。シネスコ画面に展開する合戦シーン、一対一の殺陣など、必要な画も撮れてますしね。本格時代劇を、また『クレヨンしんちゃん』を大前提とした視点で捉えてしまうと物足りなさ大爆発でしょう。しかし、いい意味での俗っぽい仕上がりであるがゆえに、「『しんちゃん』でかつ大人なドラマ」という、客観的に見ると実はシリーズ中でもかなりマニアックなシロモノであった『アッパレ!戦国大合戦』よりも敷居は低く、間口は広い作品に仕上がっています。ポイントは『クレヨンしんちゃん』の実写化ではなく「おマタのおじちゃんと廉ちゃんの物語」の実写化。純化され、透明感を与えられたラブストーリー。そこに実写化の意義も価値もあったと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2009-09-06 18:36:01)(良:3票)
7.  ハリー・ポッターと謎のプリンス
もうここまで来ると完全に一見さんお断り、これまでの映画を全部見ていてナンボ。1作目から5作目までリンクしているエピソードだらけ、1つ1つの物事にどんな意味があるのかなんて説明なし、知っていて当然状態。なので映画としてはメチャクチャです。これ一作で何かを得ようとしても、なーんにも得られません。しかし、個人的には今回は大変楽しめました。あの余分な贅肉がブヨブヨしてる原作のうち、学園ラブコメディ部分はきっちり残し、冗長なだけで無駄に多過ぎたエピソードはさっくり簡潔に端折ってしまって。欠点だらけになってしまった原作を前作に続いて上手く料理したな、って感じです。それに、1~5作目からの多数のリンクゆえ、過去の色々なシーンが見ている間にどんどん呼び起こされて、1本の映画を見ていると言うよりも1つの歴史を眺めているような風情。1作目からみんな同じ役者が演じ続けているという(ダンブルドア校長を除いて)事でリアルな時間の流れが生み出す重さ、深さが出来不出来とは別に表れていて大変に感慨深いです。なので評価は個人的な価値というところ。1~5作目を未見な人はまずそちらを見る事が必須、既に見た人もできれば復習してから見る事をお勧めします。
[映画館(字幕)] 8点(2009-07-18 17:20:31)(良:1票)
8.  ハプニング 《ネタバレ》 
世間の評判のあまりの悪さに、シャマラン擁護派な私も今度ばかりはダメかと思ってましたが、映画を見ている間、評判の悪い『ハプニング』とは別の『ハプニング』を見てるのではないの?あるいは気付かない間に誰かが私にシャマランフィルターを埋め込んだ?みたいな、なんでなんで?ってカンジで。まず、事象の原因とか大自然の人類への逆襲とか、そういうのは実のところ、どうでもいいんじゃない?と。マクガフィンってヤツ。死に追われて生きている状態が人の世ならば、人は死ってモノといかに折り合いを付けるのか、という事を描いた、これは結構真面目な映画なんでないかな、と思いました。死に対する本能的な恐怖を提示して、そこから逃れようとしながら組織や家族という集団、あるいはシステムに属する事でしがらみに縛られて翻弄される姿を描き、それを削ぎ落としていって、最後に個の状態まで持って行った上で、情報を拒絶し無知である個と対比させて、死と向かい合う=生を見つめる、と。人はいつか必ず死ぬのに、何故、人は死を恐れるのか。そんな映画。シャマラン監督おなじみの寒々しい映像が、死の世界と人の儚さによくマッチしていて、妙な味わいのあるSFホラーと言った趣きでした。
[映画館(字幕)] 8点(2008-07-26 23:16:27)(良:2票)
9.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
面白かったです。どれくらいか、っていうと昔『ダイ・ハード』を初めて映画館で見た時くらいに。ああ、その手があったか!って。綿密に伏線を張るとか、どのキャラが実は・・・とか、そういうサスペンスのセオリーみたいなのはとりあえずこの際、置いといて、少しずつ包装紙を破くが如く、ほんの数十分の間に起きた出来事の全容を徐々に見せてゆく、っていう。別に映画そのものにはヒネリがある訳ではないので、既存のスタイルに当てはめてしまうと楽しみ方が判らなくなってしまいそうな映画ではあります。実は完全な娯楽映画で、テロだの国際的な背景だの犠牲になってゆく人々の姿だのアメリカ批判の視点だのっていうのが、単なるエッセンスでしかないので、割り切って見るにしてもどうにも割り切れないヨ・・・って感じがあるのは確かですが(強い大統領ってのを見せられるのもどうも鼻白んでしまったりもして)、まずは無駄なくタイトにまとまった娯楽映画を堪能しました。同じ手はそうは使えないとは思いますが、きっと類似品が出てくるでしょうねぇ。
[映画館(字幕)] 8点(2008-03-18 18:12:22)
10.  バーバー吉野 《ネタバレ》 
ひと言で言っちゃえば小学生版「フットルース」。都会からやってきた一人の少年が封建的な田舎の町に波乱を呼ぶという。でも、なんて愛らしい映画なんでしょ。なんとなく大人を意識し始めた子供達の、ベタなエピソード(ありゃ、今の子供って言うより私くらいの世代の感覚ですけどね。昭和40年代の子供感覚)が懐かしく楽しく。伝統を重んじる、風土を愛する、っていう古い日本人気質と、子供の自立心との対立の物語なんですが、その両方をきっちり大切にしているのが見てとれて、一体どっち側にオチを付けるんだろう?っていう不安を払拭してくれたラストシーンに、素直に良かったね、と思いました。まあ、現実的ではありません。今時、そんなコトないよ!ってファンタジーです。でも、町の子供達がみんな同じ髪型をしている、ってヘンな発想を、ほのぼのとした笑いと情緒で良質な子供映画に仕上げた感じがステキでした。最近の日本映画界は子供向けというとアニメばっかなんですけど、もっともっとこういう実写作品が出て来て欲しいところです。って、これミニシアター系で、子供向けってワケじゃないのかな?
[DVD(邦画)] 8点(2006-08-01 01:41:48)
11.  バトル・ロワイアル 特別編
あんまり前と大きく変わってはいなくて、新たに挿入された部分がかえって映画のテンポを殺してしまった印象もあります。また、結局本編内には入らず、ラストに取って付けたように流れる映像も、不自然なばかり。なので、映画としては、ちょっと前作よりも落ちます。でも、光子の存在を大きくした点は良かったですね。そうそう、大人の人達は、何でこの中学生同士で殺し合い、って映画が若い人達に支持されたのか、作品を否定する前に考える必要があるんじゃないかな、って思います(私も大人だけどね~)。フツーに考えたら、友達殺しちゃうハナシなんてとても共感できないハズで、だけどそこに共感しちゃえるのは、そーゆー残虐な生き物だから、では決してなくて、そこに今の問題の本質があるんじゃないの?って思います。最大のポイントは、この映画の彼らは「殺しあっている」のではなくて、「殺し合いをさせられている」ということ。
[映画館(邦画)] 8点(2003-12-18 21:46:29)
12.  バトル・ロワイアル
冒頭の、父親が「秋也ガンバレ」の文字を残して死んでいるシーンで「無責任な親」と思った瞬間から、この映画が言いたい事がどんどんと伝わってきて、見ていて心が痛い映画でした。反社会的な映画ですが、実のところ、青春映画の秀作なのではないかな、と思います。政治家がケチをつけたあたりも、なんとも象徴的というか、この映画にふさわしいエピソードですね。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-21 14:13:25)(良:2票)
13.  ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝 《ネタバレ》 
元々このシリーズって私にとっては微妙なシロモノでしたし、今回はレイチェル・ワイズも降板ということで、まるで期待薄でした。見ていて、前半のウダウダして見せ場が全然ない展開とか(カーチェイスシーンでやっとこさ映画が弾みだすカンジ)、イエティ登場でいよいよファンタジー化しちゃった状態に「やっぱり二流シリーズだよね」って。それでもリー・リンチェイとミシェール・キングの対決シーン!なんてのを見せられればそれなりにトキメいちゃったりもして。前作のザ・ロック様同様、リーはあんまり生身が出てこなくて、ガチャガチャCGキャラになっちゃったり、アップでカメラ振り回しまくりで見づらいことこの上もなく、せっかくのアクション台無しだったりしますけど、それでも全編に溢れるオリエンタル趣味が、聖林映画・ミーツ・中国映画みたいで楽しく。合戦シーンのスケール感やケレン味もなかなか。これで、もう少し呪われた皇帝と愛する者を奪われた妖術師の対決のドラマをこってりと見せてくれたら良かったのですが。ここが淡白過ぎてしまったので(オコネル一家のドラマとバランスを取って薄くしたのでしょうが)、食い足らない感じが残ってしまいました。まあ、中国映画じゃないのだから、これが限界ってところですか。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-16 17:28:35)
14.  バイオハザードIII
前2作も映画館で見てるし、すっかり興味も薄れたけどお付き合い程度に、って感じで見ましたが、前作よりは面白かったですね。ゲームの『バイオハザード』から遠く離れて(いや、『1』、『2』、『ベロニカ』しかやってないのでそれ以降どうなってるのかよく知りませんが)、ある意味正統派な終末ゾンビものの匂いを醸してます。前作ラストで示唆されたように超能力は出てきちゃいますけど。でも、カラスのシーンでの圧倒される映像はかなりワクワクさせられましたし、それをバーン!とやっつけてみせるミラのカッコ良さったら。ホラーらしさも復活して、一作目の人間トコロテンも再登場、パワフルなゾンビものとして意外に楽しめる作品でした。ただラストの倖田來未の歌はねぇ、やめて欲しかったですねぇ。彼女は嫌いじゃないし、彼女に罪はないですけど、商売のネタにするために映画に愛のない人達が映画を壊すような事はしちゃいけません。avexはあちこち土足で踏み荒らさないで、音楽できっちり商売して下さい。お願いします。
[映画館(字幕)] 7点(2007-11-04 16:25:10)(良:1票)
15.  ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 《ネタバレ》 
まずは、あのダラダラした原作をよくスッキリとまとめたと褒めたいところです。米語版を辞書を片手に読んだので時間がかかったせいもあるのでしょうが、ホグワーツと魔法省の対立、ヴォルデモートの復活という一大事展開のハズが、こんなモンでいいの?と頭ヒネリまくり状態だった原作は、映画化でスリムになる事で楽しめるものになりました。監督生、クィディッチあたりはばっさりカット(ロンかわいそ)、延々ぶちギレハリーやOWLはさらりと、そして出来の悪いロールプレイングゲームみたいだったクライマックスのアンブリッジの部屋~森~魔法省の展開も畳み掛けるような展開でスッキリ。もちろん、毎度の割愛し過ぎ感は今回も健在でしたけど。子供向けな匂いはもはや消え失せ、冒頭からずっとダークな雰囲気に支配されて陰鬱な感じではあるのですが、演出センスはいいです。それゆえクライマックスで皇帝対ヨーダみたいな凡庸なノリになってしまうのが残念。各派の面々の展開もちゃんと見えないままに肝心なシーンまでさらりと流されてしまいますしねぇ。しかしこれだけキャラに愛着が湧いてると、もう何でも許せちゃいそうな気がしないでもないです。原作で魅力的だった新キャラのトンクスとルーナ、トンクスは残念な描かれ方でしたが、ルーナは原作以上に魅力的。今回の映画は原作の欠点を補ってる感もありました。
[映画館(字幕)] 7点(2007-07-14 18:08:27)(良:1票)
16.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
うーん、原作は未読なのですが、ハチャメチャな意味なしセリフから察するに、これ、元はもっと馬鹿馬鹿しい不条理物語、毎度の筒井節の世界だったんじゃないでしょうか。なんか妙に真面目に作られていて、どうも物語と今監督との馴染みが悪い気がして仕方ありませんでした。説明的不条理という、創作においてあんまり面白くない状態になってしまっているんですよね。『千年女優』のような、全てが1つの芯の上に存在する不条理と、この物語の不条理とは全くの別物なのですが、同じ様な感覚で作られてしまっているような。逆に説明的に作るのならば、敦子が時田に抱いていた感情に何らかの説得力ある描写が欲しかったです。あれだって本来はどう考えても不条理なお笑いネタなんじゃありません? あと、林原めぐみの声がパプリカには合っていても、敦子には合っていない感じ。しかし一方でアニメーションとしてはかなり面白い出来だったと思います。映像を見ているだけで存分に楽しめてしまう状態。物語は懸命に意味を求めていたけれど、結局は映像の快楽にこそ本質があった、そんな映画でした。
[映画館(邦画)] 7点(2007-04-08 16:49:02)(良:1票)
17.  ハリー・ポッターと炎のゴブレット 《ネタバレ》 
例によってミーハーあにやん舞台挨拶を見に。エマ可愛かった~。お人形さんのよーでしたよ。さて、映画の方はと言うと「賢者の石」「秘密の部屋」なみにエピソード羅列な上、「アズカバン」を更に上回る原作の省略で破綻寸前な状態。原作を読んでいない人にはワケの判らないセリフや描写続出、原作を知る人には『おいおい、いくらなんでも飛ばし過ぎだろ!』とツッコまれるであろう世界。やはりあの長さの物語を1本の映画にするにはかなりムリがあったようで。それでも初期2作のギャーギャーうるさい状態から「アズカバン」で叙情的なタッチに軌道修正した事が今作にも影響を与えている分、見られる映画になっていたとは思います。もっとも、本筋はそんなに面白くなくって、ラブラブ話の方が微笑ましく楽しく見られてしまうのですが。原作ラストの「さあ、いよいよ大変な事になりましたよ」感が薄められて、無理してハッピーエンド風にしているあたりからも、ファンのためのお祭り映画とハリウッド娯楽映画との間の妥協が垣間見えてしまい『仕方ないのかなぁ』と見ているこちらも少々諦め気味。ここだけは納得行かないぞ!っていうのはジョン・ウィリアムズとはタッチが全く違ってしまった音楽くらいのものでしょうか。でも『ああ、あのちっこくて可愛かったコがこーんなに綺麗になっちゃって』と父親のよーな感動を覚えてしまうハーマイオニーの見事なドレスアップショットだけでも、この映画の価値は十分あるのですわぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2005-11-19 22:41:43)(笑:1票)
18.  パニック・ルーム
デヴィッド・フィンチャーとしてはあまりに普通な映画なんで肩すかし、かもしれませんが、私は必ずしも彼の映画が好き、という訳ではないので、その至極真っ当な娯楽サスペンス、って感じを結構楽しめました。犯人達がプロの最凶に悪い連中ではなく、少々マヌケであるがゆえにサスペンスが高いレベルで持続する、という訳にはいきませんでしたけれど、ごく限られた空間で展開する物語、余計な枝葉もなくて映画に集中できました。でも、この映画の先行オールナイトを見に行っていちばんびっくりしたのは、ママと一緒にフツーに並んでてフツーにお客さんとなってた梅宮アンナかなぁ。彼女、テレビで見る印象より美人でちっちゃかったですよ(って映画と関係ないし)。
[映画館(字幕)] 7点(2003-12-18 22:01:18)
19.  ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 《ネタバレ》 
最初に謎を散りばめて、それをいかに回収してゆくのかって映画だと思ったら、更に次々と新たな謎が生まれ、大混乱に陥ってゆくって物語。ダレる事なくスピーディな展開で楽しめました。しかもその広がりまくった大混乱をも最終的にはエンドクレジット部分まで使ってちゃんと回収しますからね。とてもじゃないけれど愛着が湧きそうにもない、クセの強すぎなキャラ達で楽しめるのかいな、と最初は思ったのですが、なかなかどうして、その強烈な個性まで含めていい感じだったりして。8万ドルゲットの部分は都合良過ぎな気がしたものの、きっちりと計算された気持ちのいい脚本。ただ、笑いの元となる素材の多くが下ネタ。下品な話と映像とが列挙されて、それで笑ってね、という状態なので、個人的にはイマイチ。スクリーンが汚い状態っていうの、あんまり好きじゃないんですよね。最近のアメリカンコメディって下ネタやグロネタで笑いを取るものが多いのですが、もう少しスマートなコメディはないもんですかねぇ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-07 17:44:09)(良:2票)
20.  HACHI/約束の犬 《ネタバレ》 
とーちゃんはハチ公と同じ年生まれで、子供の頃に生ハチ公を見た事があるそうで。私にとって「ハチ公」っていうと地名というか場所名ですね。さて、そんなハチ公の戦前のエピソードを現代アメリカに置き換えた物語、なんか色々と無理があります。そして、その無理をちゃんと映画に昇華できなかったなぁ、と。人間のドラマが大変に曖昧に作られていて、特にご主人様が死んでしまって以降はドラマが全く人間に乗ってゆかない作り。その分、ハチの視点から映画を見る事になるのですが、そうなると今度はひたすら可哀想。予告編で語られた「人々の心を云々」と違って実際には人間は最後までハチと距離を置くばかりで、半分放置。ご主人様の死後、この映画は何を描くべきか、何を見せるべきかを見失ってしまっているような感じ。せめてウソでもいいから、人々の優しさに見守られてやがて天に召されたのでした、くらいの話にしておくれよ、と。この監督特有のせわしない作りが、子犬ハチの落ち着かなさにシンクロして、前半はちょっと落ち着け!って感じの状態ですが、終わってみれば、前半のハチの可愛らしさこそがこの映画のキモだったなぁって思いました。点数はもう全てハチ公の愛らしさ、けなげさに。
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-13 16:47:57)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS