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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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21.  バッド・ティーチャー
90年代にはロマコメの女王と呼ばれていたキャメロン・ディアスが、本作のような負け犬の毒女を演じるようになったということには感慨深いものを感じました。途中で反省したり人間性に目覚めたりせず、最初から最後まで一貫して腐った人間であり続けたという展開には賛同できるのですが、コメディ映画であるにも関わらず笑いどころがほとんどなかったという点は厳しかったです。
[地上波(吹替)] 4点(2014-05-18 10:18:22)
22.  ハード・トゥ・キル
セガール2作目にして、初めて全米1位を獲った作品。今ではVシネマ俳優と化し、一体誰が見ているのか分からない作品を濫造しているセガールですが、この頃は少ない制作費で堅実に稼ぐ、優秀なマネーメイキングスターだったのです。。。 前作『刑事ニコ/法の死角』は後のセガール映画の基礎を確立した作品でしたが、一方で本作は、セガールにとっては異例尽しの内容となっています。ケツを揉み、乳を頬張るという激しいラブシーンを演じた後に、不意を突かれて凶弾に倒れるセガール。セガールも人の子、ベッドでは無防備だったのかという、いろんな意味で衝撃的な展開を迎えるのです。また、ベッドシーンでは、明らかに緊張しているセガールの顔を拝むことができます。さらに、肉体を晒すことに消極的なセガールが、本作では上半身裸を見せているという点でも、妙なお得感があります(ホモじゃないよ)。ステロイド漬けのムキムキが基本だった当時において、ノンステロイドの肉体はどこか味気ないのですが(ホモじゃないよ)、その一方で、見せるために筋肉をつけているわけではないという武道家としての飾り気のなさがかっこよくもあります。。。 内容の方は、それなりにしっかりしています。とにかく適当だった当時のアクション映画の中では、よく作りこまれている部類に入るのではないでしょうか。とはいえ、セガール作品としては微妙。セガール作品を見る者は、セガール無双を見に来ていると言っても過言ではないのですが、本作では「セガールやられる→鍛え直してパワーを取り戻す→仇に復讐」という3部構成を90分強という短時間に詰め込んでいるため、セガール無双の時間がとても短いのです。また、セガールに惚れたヒロインが強力な保護者兼支援者となるという作品の要の部分が、「んなわけねぇだろ」とツッコミを入れたくなるほど説得力がないという点も、思わぬ弱点でした。なんせ、彼女が惚れたセガールは、ヒゲ伸び放題で仙人状態ですからね。こんなのに惚れるだなんて、この人の感性はどうかしちゃってるでしょ。セガールに意識がないのを良いことに、ち○こをチラ見して「ひゃっはー」ってテンション上がってるし、セガールの枕元に子猫を置くし、完全にイっちゃってますね。これを演じたケリー・ルブロックさんは本作での共演を機にセガールと結婚したそうですが、セガールの意外なバカップルぶりにもガッカリさせられました。
[地上波(吹替)] 4点(2014-03-07 23:32:10)
23.  バレット(2012)
シュワルツェネッガーの『ラスト・スタンド』と併せて見たので余計にそう感じるのですが、60代後半でここまでの体力を維持し続けているスタローンの役者魂には心底恐れ入ります。シュワ氏が完全におじいちゃんとなり、小走りすらキツそうだった『ラスト・スタンド』と比較すると、上半身裸での格闘や、ジェイソン・モモアとのタイマンを余裕でこなす本作のスタローンは、本当に輝いて見えます。その一方で、歳をとって年季の入ったスタ氏の顔は、若々しさとは別方向での迫力を見せており、老いと若さが絶妙にブレンドされた現在のスタローンは、映画史上でも非常に稀なポジションにいると言えます。。。 ウォルター・ヒルの演出は、良くも悪くも昔ながらのものでした。勢いや迫力よりも風情を重視した演出により、殺し屋稼業というものをじっくりと映し出そうとしているのです。老いた殺し屋と若き刑事との掛け合いなど、それなりに見るべきものはあるのですが、その一方で、21世紀のアクション映画としては残念すぎるほど展開がチンタラしているという欠点も気になります。陰謀の正体も大したものではなかったし、こんなどうでもいい謎解きに観客を付き合わせることなどせず、もっとストレートに情念をぶつける内容にした方がよかったのではないかと思います。ジェイソン・モモア演じる殺し屋が非常に良かっただけに、黒幕ではなく彼をフィーチャーした殺し屋バトルにでもすれば、より盛り上がったのではないかと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-11-06 01:10:45)(良:1票)
24.  PARKER/パーカー
『悪党パーカー』シリーズは過去に何度も映画化されているものの、私が観たのは『ペイバック』のみ。そんなわけで、本作については必然的に『ペイバック』との比較となってしまうのですが、今回の映画化企画にはハードボイルドな空気が足りていないという印象を受けました。。。 この企画の骨子は「毒をもって毒を制す」という点にあり、仁義を守らない小ズルい悪党を、本物の悪党パーカーが度胸や腕っ節を武器に容赦なく追い詰めるところに面白さがあると思います。実際、『ペイバック』ではたったひとりでヤクザの事務所に乗り込み、大親分と対峙しても一歩も引かない主人公の姿が痛快だったのですが、一方で本作の主人公は身分を偽って隠密行動をとり、素行も控えめなので、犯罪者を主人公にしたことの意義が薄くなっています。探偵や元刑事を主人公にしても似たような映画が撮れてしまうのです。また、敵となる悪党たちの悪ぶりが足りていないし、彼らの後ろ盾となっているヤクザがいかにヤバい連中であるかも伝わってこないので、この内容に求められるスリルやカタルシスも不足しています。。。 さらには、主人公達の行動原理が不可解なので、彼らへの感情移入も困難です。南部の成金だと思っていたパーカーが、実は犯罪者であることを知った不動産営業のレスリー。普通ならマッハで警察に駆け込むところですが、彼女はパーカーの前に再度姿を現し、「土地勘のある私が仲間になるから、分け前をちょうだい」と言い出します。いくら金に困ってても、素人はそんなことしないって。そして、そんな怪しい提案を受け入れ、「よし、明日連絡する」と言ってアッサリと仲間にしてしまうパーカー。序盤では、周到な計画の下に動くプロの犯罪者というキャラ付けがなされていたはずなのですが、これでは考えの足らないバカです。そもそも、素人が数分調べただけでバレるような偽装をやってる時点で一流の犯罪者とは言えないわけで、この脚本は設定を煮詰めきれていません。。。 本作で褒められる点は、役者がしっかりとしていたことでしょうか。ステイサムはさすがのB級番長ぶりですが、意外だったのは、アラフォー・バツイチ女を演じるジェニロペのハマり具合です。10年前は女王様だったジェニロペが、ヒロインにすらしてもらえない世にもあんまりな中年女役を熱演。執拗に繰り返される尻ネタも悲しい笑いを誘っています。本作のジェニロペは必見です。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2013-10-04 01:23:42)
25.  バベル
一応は劇場公開時にも鑑賞したものの、記憶喪失にでもなったのかと思うほど内容を覚えていなかったので、再度の鑑賞となりました。作品賞を含むオスカー大量ノミネートにカンヌ映画祭監督賞受賞と、完成時には恐ろしく評価の高かった本作ですが、果たして本当に優れた映画なのだろうかという点には大きな疑問符が付きます。タイトルが示す通り、本作は人類のコミュニケーション不全を壮大なスケールで描いた作品なのですが、劇中起こるトラブルはどれもバカな奴がバカなことをしでかした結果のものであって、「人間の悲しい性」みたいなものは感じさせられませんでした。そもそもの問題として、感情移入可能な登場人物が一人もいないというのは、ドラマとして失格でしょう。出て来るのは、感情の振れ幅の激しいヒステリックな人間か、恐ろしいほど考えの足りないバカのどちらか。観ていて疲れましたよ。。。 また、4つのエピソードを交錯させるという構成も、さほど効果をあげていないように感じました。この手の映画は、バラバラに進行していたエピソードがクライマックスに向けて収斂していき、最終的にひとつの結論を導き出すという構成をとることが常套手段なのですが、一方で本作は最後まで各エピソードが独立したままなので結論部分が弱くなり、そのために肩透かしを食らったような気分にさせられました。。。 さらに、ひとつひとつの場面が妙に長いことも、観客のテンションを下げる原因となっています。一目見れば分かることを数十秒かけて見せる。こういうムダな時間の積み重ねにより全体が非常に間延びしてしまい、せっかくの美しい撮影も、観客にフラストレーションを抱かせる原因にしかなっていません。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2013-09-29 02:56:25)
26.  バビロン A.D. 《ネタバレ》 
宗教団体が政治利用目的で聖母マリアのレプリカを作ったら、思いがけず本物が出来てしまったという簡単なお話なのですが、完成した映画は「どうすればここまで意味不明にできるのか」と思うほどにとっ散らかっていて、もう何が何だかでした。個々の登場人物が何を考えているのか分からない、序盤はダラダラしている割に、終盤では物凄い勢いでネタが明かされて理解が追いつかない等、この映画の語り口は大いに問題ありです。。。 本作はマチュー・カソヴィッツが映画化権を取得し、5年もの時間をかけて脚本を練り上げたという入魂の作品。しかし、撮影に入ると悪天候が原因で大幅な予算超過に陥り、保険会社からの追加融資を受けるまでの状況となりました。この状況になれば映画会社は損切りを考え始めるわけで、「芸術性とかメッセージ性とかどうでもいいから、早く映画を完成させろよ」という雰囲気になってきます。一方でカソヴィッツは自己のビジョンの実現に拘り、現場は泥沼化しました。苦しい中でも会社と現場が協力しながら製作を進めればそれなりの映画になったかもしれないのですが、両者が完璧な対立関係になってしまったことが本作の出来にトドメを刺しました。フォックスはカソヴィッツから無理矢理に映画を取り上げ、監督の意向を無視して適当に編集したものが劇場公開版となったのです。。。 本作の舌っ足らず感、どこかで観たことあるなぁと思ったら、デヴィッド・リンチの『デューン/砂の惑星』でした。あちらは年月とともに熟成してカルト映画化し、現在では一定数のファンを獲得するに至っていますが、本作もカルト化する要素は充分に持っています。アクションなどの完成度を見れば映画としてのベースは非常にしっかりとしていることが分かるし、主題に関わる部分も悪くありません。宗教とテクノロジーという壮大なテーマをたった一人の少女にまで圧縮し、さらには信仰心とは何かという深淵なテーマをミシェル・ヨー一人に象徴させているのです。語り口が不十分だからこそ、観る度に新たな発見があって飽きさせず、カルトに必要な中毒性というものも備わっています。実際、私は連続で二度鑑賞してしまったし、こんなレビューを書いているうちにまた見たくなってきました。フォックスとカソヴィッツの関係を見る限り実現は難しいようですが、アラン・スミシー名義でもいいから全長版をリリースして欲しいものです。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-07-02 22:27:52)
27.  ハード・ソルジャー 炎の奪還
今回のヴァンダムは、元傭兵で奪還のプロ。「なにが『今回の』だよ、いつものヴァンダムじゃねぇか」とも思うのですが、本作の設定はもう一歩踏み込んでいます。一人を救うために大勢を犠牲にすることが問題視され、引退にまで追い込まれた老兵役なのです。とにかく派手だった90年代アクションの後始末とも言える設定、ヴァンダムのキャリアを総括するような物語となっています。そのような内容を反映してか今回のヴァンダムは老いを隠さないのですが(今やヴァンダムも52歳、ショーン・ペンやジュリアン・ムーア、黒木瞳と同い年です)、この人は基本的に演技が下手ではないので、時代から取り残された殺人マシーン役を実に哀愁たっぷりに演じています。時代や社会からのけ者にされた彼が再び銃を取るまでのドラマには、なかなか熱いものがありました。。。 一方、アクションの方はかなり控えめです。上述した作品内容とのバランスをとるためにドンパチは最小限にとどめられているのですが、ヴァンダムのアクションを見に来た者としては、少なからず物足りなさを覚える配分でした。さらには、今回のヴァンダムは回し蹴りも封印。これも作品内容を考えれば致し方ないのですが、それにしてもヴァンダムの回し蹴りはジャイアント馬場の十六文キックや森光子のでんぐり返しに相当する名物であり、これを見られないのはファンとしてとても寂しいことでした。。。 全体としては力作であるとは思うのですが、90年代アクションの破壊と同時に新たなスタイルのアクションを提示してみせた傑作『ユニバーサル・ソルジャー/殺戮の黙示録』などと比較すると、アクション映画としての着地点を見出せていない点が映画の勢いにブレーキをかけているように感じました。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-05-27 01:59:40)(良:1票)
28.  パーフェクト・センス 《ネタバレ》 
世界中が奇病にかかるという物語ですが、『アウトブレイク』や『コンテイジョン』のようなパンデミックものとはまったく別の内容であり、感覚が失われるという大惨事を通して人間の本質を描いた哲学的なドラマとなっています。そういう意味では、『ブラインドネス』がもっとも近いのかも。。。 この映画の特色としては、絶望と希望の対比が非常に巧いという点が挙げられます。露悪的な描写ばかりを重ねた『ブラインドネス』とは対照的に、「人間には良い面も多いのではないか」というポジティブな描写が随所になされているのです。感覚を失っても人々はその制約条件を受け入れる道を見つけ出し、なんとか秩序を取り戻そうとします。略奪や暴行に走る人間もいるにはいるものの、大多数の人々は家庭や職場へと戻っていくのです。こうした人々の力強い姿には感動させられたし、この壮大なドラマをひと組のカップルの物語にまで収斂させた脚本家の構成力には舌を巻きました。。。 これに対する絶望の描写も見事なものです。人々は強く健気に生きようとするものの、そんなことはお構いなしに人類の感覚がどんどん失われていく様には恐怖を覚えました。希望を持とうとする人々の姿が一方に置かれている分、この容赦のない展開には胸が苦しくなるのです。「もうこれ以上、悪いことは起こらないでくれ」と観客に思わせたところで、次の試練がやってくる。なかなか底意地の悪い脚本です。。。 人類が聴覚と視覚を失ったところで映画というメディアの限界を迎え、本作はプッツリと終わります。70年代の映画のような呆気ないエンディングですが、この去り際の良さも私は評価します。この後に起こることは観客が推測可能であり、野暮な締めなど必要ないからです。全人類が『ジョニーは戦場へ行った』状態となった今や、人々は死ぬしかありません。直前に愛する人と再開させたことが神の最後の慈悲だったようで、人類は愛する人の胸の中で死ぬのです。言葉を交わせない、顔も見ることは出来ないが、ぬくもりだけは感じられる。人類滅亡を扱った映画は数多くありますが、ここまで叙情的で、しかも絶望的なものは他にありません。これは傑作だと思います。
[DVD(吹替)] 8点(2013-05-01 01:10:55)
29.  8mm 《ネタバレ》 
1999年は映画史的に重要な年で、一般の観客には馴染まないとされてきた難解なSF映画『マトリックス』が大ヒットしたり、暴力をテーマにした問題作『ファイト・クラブ』に大スター・ブラッド・ピットが主演したりと、映画界の常識を打ち破る映画が続々と登場した年でした。そんな中でも、本作『8mm』の異色ぶりは際立っていました。『セブン』以降は他人の脚本のリライトばかりを務めてきたアンドリュー・ケビン・ウォーカーの4年ぶりの新作にして、テーマはポルノ。これをメジャースタジオであるソニーピクチャーズが直接製作し、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったニコラス・ケイジを主演させたのですから、どんなものが出来上がるのか誰も想像出来なかったのです。。。 かくして、大きな注目を浴びる中で完成した本作ですが、内容は実に中途半端でした。テーマがテーマだけにスタジオ側も相当な覚悟をもって製作したのかと思いきや、どこまでやるべきかの迷いがはっきりと見て取れるのです。アングラの世界はステレオタイプで面白みに欠けるし、主人公が暴力に飲まれていく様には深みがありません。この企画で観客が期待したものは、我々が住む社会のすぐ隣に存在するであろうユニークでグロテスクな世界だったはずなのに、そういったものを徹底的に見せてやろうという気概がまったく感じられません。事の発端となるスナッフフィルムの内容や、怒り狂ったニコラス・ケイジがジェームズ・ガンドルフィーニを殴り殺す場面など、作品の要とも言える描写を編集で誤魔化している辺りの腰の引け具合には失望してしまいました。極めつけは、取ってつけたようなハッピーエンド。このラストで、重苦しい作品は完全にぶち壊しにされてしまいました。。。 オリジナルの脚本はもっと凄かったようなのですが、内容に恐れをなしたスタジオが勝手に書き換えてしまい、最終的にはアンドリュー・ケビン・ウォーカーが「あれは自分の作品ではない」と言い出すほどに形を歪められてしまったのだとか。前述の成功作が作家性を信じて振り切った結果として歴史に名を刻んだのとは対照的に、本作は商業的打算の末に、興行的にも批評的にも記録を残せなかったようです。唯一の救いは、メジャースタジオがノウハウを投入した作品だけあって、探偵ものとしてはそれなりに面白く出来ていたということです。残酷描写の大半はカットされているので、安心して楽しむことができます。
[DVD(吹替)] 4点(2013-04-16 01:50:24)(良:1票)
30.  パーフェクト・スナイパー
規模が小さくとも良作への出演が多く、一般に信頼できる俳優とされているケヴィン・ベーコンと、アクション大作への出演が多いジャイモン・フンスーの共演作ということで、「傑作ではないが、それなりのレベルには達したB級アクションなのだろう」と思って鑑賞したのですが、これが超の付く程の駄作でした。バンコクを舞台にしたハリウッド映画といえば、ニコラス・ケイジ主演の脱力アクション『バンコック・デンジャラス』が思い浮かびますが、それをも下回る完成度でした。。。 本作の主人公はジャイモン・フンスー演じる殺し屋チャーチ、このキャラクターの設計に無理があり過ぎました。彼はバンコクを拠点とする殺し屋なのですが、アジア人の中にいるジャイモン・フンスーはあまりに目立ち過ぎ。殺しの腕前のみならず秘密の保持も要求される殺し屋稼業にはまったく向かない人物だと感じました。爆弾で標的を倒す冒頭が彼の登場場面となるのですが、目撃者が大勢いる中でバレバレの偽装工作をやるという頭の悪さも大きなマイナス。さらには、売春宿の現実を目の当たりにして大変なショックを受け、金や身の安全を度外視してでも売春組織を壊滅させようと躍起になるというメンタルの不安定さにも、殺し屋らしからぬものがありました。彼は自分探しの学生バックパッカーではなく、バンコクで活動する現役の殺し屋ですよ。裏稼業に生きる者であれば、売春宿の実態くらい知ってるのが当然でしょう。キャラ設定と話の内容がまったく噛み合っていません。。。 本作の監督を務めたのは、『マッハ!』で注目されたプラッチャヤー・ピンゲーオ。アジア人監督のハリウッド進出作としては異例な程の豪華キャストに恵まれたわけですが、発言権のほとんどない雇われ監督だったことがその実態のようです。東洋の神秘を履き違えたおかしなスピリチュアル描写があったり、仏教の力で主人公が一時的に無双状態になったりと、まともなアジア人ならば絶対に採用しないアイデアが目白押し。おまけに、タイにとっては国辱に近いほどの物語だし、これだけ意に反した内容の映画を撮らされたことが気の毒になったほどです。アクションの方も遠距離からの狙撃がメインであり、彼が得意とする肉体アクションはあまり登場せず。なぜこの企画にピンゲーオが雇われたのかと不思議になったほどです。
[DVD(吹替)] 2点(2013-02-06 18:36:32)
31.  ハンガー・ゲーム 《ネタバレ》 
【TANTO】さんが詳しく述べられていますが、とにかく設定に穴が多すぎます。指摘事項の多さたるやトンデモ映画の域に達しており、本サイトの字数制限内ではひとつひとつを挙げきれないほど。そもそもの問題として、地区代表の未成年に殺人甲子園をやらせることが、なぜ国家の統治に役立つのかという理由がサッパリわかりません。深作欣二監督は、殺人ゲームに合理的な説明を付けることは不可能だとして『バトルロワイヤル』の背景説明を放棄し、いきなりゲームを開始するという英断を下しましたが、一方本作はゲーム開始までにたっぷり1時間もかけ、挙句に設定を伝え損ねているのだから話になりません。また、本筋においても、「権力者vs民衆」「金持ちvs貧乏人」「虚構を垂れ流すメディアvsメディアの情報を鵜呑みにする愚かな大衆」等々、多くのテーマが提示されるのですが、そのどれもが上っ面ばかりで煮詰めきれていません。これじゃあ21世紀の『バトルランナー』ですよ。。。 肝心のバトルも、これまたヌルくて参ってしまいます。生き残るのはたった一人、嫌いな奴を殺すことは容易くとも、最終的には仲間と殺し合いをしなければならないことがこの設定の最大のキモだと思うのですが、主催者側からの度重なるルール変更によってこの点がボケボケになっています。さらには、登場人物達の戦力設定もいただけません。弓を得意とする以上、主人公が参加者中もっとも有利であることは火を見るよりも明らかなのです。他には格闘に優れた者や、ナイフの名人もいますが、飛び道具を得意とする主人公に狙われたのではひとたまりもありません。そして、主人公が有利すぎるゲームなど、面白くなるわけがありません。そこで監督が考え付いたのが、主人公に弓を使わせないというシナリオ(笑)。見晴らしの良い広場のど真ん中に敵集団が突っ立っていても、この主人公は彼らを狙ったりしないのです。得意技を封じられた主人公の戦いには、当然のことながら緊張感は宿りません。なぜ、こんなにもバカバカしいシナリオが通ったのでしょうか。。。 以上、さんざん悪口を書きましたが、観ている間は不思議と楽しめたことはきちんと明記しておきます。スターなし、製作費も控え目ながら全米だけで4億ドルも売り上げた作品だけあって、娯楽作としてはそれなりにまとめられているのです。ツッコミどころも含めて愛せる映画だと感じました。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-01-19 18:37:43)(良:1票)
32.  ハングリー・ラビット
眠たくなるほど鈍重な娯楽作(『スピーシーズ』『ダンテズ・ピーク』etc…)の合間に、突如としてキレのある傑作(『追いつめられて』『バンク・ジョブ』etc…)を撮るロジャー・ドナルドソンの、現時点における最新作。ドナルドソンが得意とするサスペンスアクションにして、ニコラス・ケイジが出演を熱望した優秀な脚本というだけあって期待は高まったのですが、残念ながら今回は悪い方のドナルドソンでした。サスペンスに必要な緊張感も意外性もなく、予定調和の物語がダラダラと進行するのみ。とにかくツッコミどころの多い作品なのですが、最大の問題点は、闇の仕置組織の存在に説得力を持たせられなかったということです。犯罪者の行動を詳細に把握し、あらゆる機関に根回しをするという高い組織力を持ちながら、ターゲットの殺害という最も重要な場面においてリスクの高いド素人を使う点があまりに不合理。この点を誤魔化す方便がなかったために、かの仕置組織が大マヌケの集団に見えてしまっています。ここんとこ出演作が連続しているニコラス・ケイジは代わり映えのしない演技で面白くないし、終始「雇われ仕事です」という顔をしているガイ・ピアースも魅力に欠けます。
[DVD(吹替)] 4点(2012-12-12 14:43:35)
33.  バンク・ジョブ
“Based on true story”とはいうものの、真相が闇の中にある事件を好き勝手に解釈して作り上げた物語であり、内容はほぼフィクションです。我が国における3億円事件ものと同様の立ち位置にある作品なのですが、本作が掲げる仮説には大胆さと遊びがあって非常に楽しめました。この脚本を引き受けたロジャー・ドナルドソンによる演出も絶好調であり、終始勢いのある犯罪ドラマとして見事に成立しています。この監督さんは物語の交通整理が抜群に巧い人で、『追いつめられて』や『13デイズ』でも雑多なキャラクターの入り乱れる複雑な物語を簡潔な切り口でまとめてみせていましたが、本作においては過去作品以上に洗練された演出を披露しています。これだけ複雑な物語を、ここまでシンプルに見せられる監督は他にいないのではないでしょうか。さらには、30年超のキャリアを誇るベテランでありながら、ガイ・リッチーやマシュー・ヴォーンの演出をうまく吸収してみせるという柔軟性も披露。文句なしの仕事ぶりだと思います。。。 主人公を演じるジェイソン・ステイサムはさすがの安定感で、男にも女にも惚れられるかっこいいあんちゃんという役どころを完璧にモノにしています。サフラン・バロウズは過去最高の美しさを披露。彼女があまりに美人すぎて、時にステイサムがちんちくりんに見えてしまっていたほどです。デビッド・スーシェはベテランならではの威圧感で映画全体を引き締めているし、キャストの動かし方は総じて素晴らしいと感じました。。。 以上の通り、本作は文句つけ所がないほどによくできた犯罪サスペンスだと評価できます。このジャンルで本作以上のものを作ることは、ちょっと無理ではないかと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2012-12-10 01:35:29)(良:1票)
34.  ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝 《ネタバレ》 
『インディ・ジョーンズ』の新作に合わせてのシリーズ復活、おまけに同年開催の北京五輪に因んで舞台は中国という商業的打算の塊のような本作ですが、出来は想像通りでした。バカバカしいストーリーにVFX満載のアクション、良くも悪くもシリーズの個性をきちんと継承した内容となっているのです。前作までの舞台だったエジプトをあっさり捨ててもなお『ハムナプトラ』として成立していることが驚きで、このシリーズにおいて設定やストーリーとはあってないようなものであることを再認識させられました。その分、見せ場は特盛大サービス状態です。主人公達の窮地を救う雪男、キングギドラに変身する始皇帝、兵馬俑vsミイラ軍団の大戦争、この突き抜けたバカさ加減には大いに楽しませていただきました。これぐらいやってこその『ハムナプトラ』です。娯楽作を多く手がけるロブ・コーエンによる演出は抜群の安定感で、速すぎず遅すぎず見やすいテンポを終始維持しています。役者としての達成感はゼロに近い仕事にあって出演者達は楽しげに役柄を演じており、本作の関係者は皆、期待される仕事を十分にこなしていると言えます。。。 問題なのは、『ハムナプトラ』というコンテンツの賞味期限が完全に切れていたということです。90年代末に登場したハムナプトラの魅力とは、CGという新しいツールを用いて古き良き冒険活劇を甦らせたという点にあり、CGによる映像そのものが観客を動員する力を持っていた時代だからこそヒットした作品でした。しかし、現在ではアクション映画にCGを用いることは当たり前であり、見せ場をどうやって面白く撮るか、見せ場以外の部分をどう充実させるかという、脚本力や演出力を問われる時代となっています。CGによる見せ場の連続を売りとしていた『ハムナプトラ』にとって、これは非常に厳しい状況であると言わざるをえません。おまけに、過去と同一メンバーで製作されたこと自体に意義のあった『インディ4』と違って、このシリーズに骨董品としての価値があるわけでもなく、結果は単なる時代遅れのアクション大作。数あるコンテンツの中で、なぜユニバーサルは『ハムナプトラ』をチョイスしたのだろうかと不思議で仕方ありません。。。 最後に、吹き替えはどうにかならんもんですかね。話題作りのためとはいえ下手すぎるでしょ。作品をぶち壊さない程度の品質を維持することは、映画を扱う業者さんの義務だと思います。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2012-11-23 21:57:34)
35.  ハートブルー 《ネタバレ》 
キャスリン・ビグローによる演出は素晴らしいの一言。ハイライトであるサーフィンの美しさのみならず、強盗シーンの臨場感やチェイスシーンの疾走感も素晴らしく、もし彼女が多作の監督であれば、今頃はリドリー・スコットやデビッド・フィンチャーのポジションに居たのではないかとすら感じさせられました。ただし、脚本がボロボロなので映画としてはイマイチです。とりわけ、潜入捜査官とサーファー強盗団が互いの素性を認識して以降の展開は酷いものでした。FBIにマークされていることが分かったのだから強盗団はさっさと海外逃亡すればいいものを、キアヌ捜査官を誘ってスカイダイビング&最後の銀行強盗とはちょいと悠長すぎるでしょう。キアヌもキアヌで、女を人質にとられているとはいえ、言われるがままに銀行強盗のお手伝いまでしてしまうのは頭悪すぎ。逮捕して尋問した方が手っ取り早いと思えてしまうのは、脚本の工夫が足りない証拠です。最悪だったのは、後半の展開でパトリック・スウェイジ演じるボーディを完全な悪人にしてしまったことで、このために捜査官と犯罪者との間に生まれる友情物語という基本的な構図が崩れてしまっています。彼は、盗みこそするが決して人は傷つけない義賊に留めておくべきだったのです。
[DVD(字幕)] 5点(2012-10-30 01:09:38)
36.  バンコック・デンジャラス
殺し屋とはフィクションの世界でこそメジャーな職業ではありますが、現実の世界で彼らに会ったことのある者はごく少数。ほとんどの人がよく知らない職業だけに、これをどう描くかには脚本家や監督の発想力が重要となってくるわけですが、その点について本作は完全に赤点です。。。 本作の殺し屋は、なんと現地入りしてからターゲットの情報を受け取ります。プロならば事前に依頼内容を精査し、ジョブの成功と身の安全を考慮した上でこれを引き受けるかどうかを決定すると思うのですが、そういう慎重さは皆無のようです。現地での行動もかなり適当。金に困っていそうな地元のチンピラを助手として雇い、そのチンピラに依頼者との間の連絡係をいきなり任せるという、恐ろしく危険な行動をとります。自分との関係を第三者に洩らされたり、敵対組織や公安に捕まって尋問を受けるというリスクは考えないのでしょうか?肝心の暗殺場面も脱力で、簡単に現場の下見を済ませるとその翌日には早速殺しを実行するというお手軽加減。よくぞこれでヤクザな世界を生き抜いてこられたものだと感心します。。。 その上、この殺し屋の心はオープンカフェ状態。使い捨てのつもりで雇った助手に対して素直に友情を抱き、彼に頼まれれば殺しの技を伝授してやるし、街を歩けば聾唖の薬剤師に一目惚れし、彼女の実家にまでお邪魔する始末。もはや車寅次郎に匹敵するレベルのおおらかさであり、ストイックなプロの世界など微塵も感じさせられません。冒頭で得意げに披露した殺し屋4箇条も言った端から破っていくという有様で、どうしてこんなにおかしな脚本になったのかが不思議で仕方ありません。
[DVD(字幕)] 4点(2012-10-07 01:56:06)(笑:1票)
37.  ハンター(2011) 《ネタバレ》 
絶滅種タスマニア・タイガーを仕留めろと命じられたあるハンターの物語と聞かされた時には「え?そんなものが映画になるの?」と不安に感じたのですが、それは無用な心配であり、意外にも本作は真っ当な映画として成立しています。父親のいない家庭があって、その家庭は好戦的な他の住民とのトラブルを抱えていて、そこにやってきた流れ者が用心棒兼父親として家を守るという筋書きは、まさに王道のウェスタン。観ていて「なるほど、これがやりたかったのか」と納得がいきました。ハンターと一家の交流は丁寧に描写されているし、対する他の住民達の悪辣ぶりもなかなかのもので、このドラマにはかなり引き込まれました。同時に、両者の対立構造は一面的ではなく、開発と環境保護という大きなテーマを観客に投げかけている点でも見応えがあります。さらには失踪した父親の謎の絡め方も良く、非常に端正なシナリオだと感じました。また、これを支える演技も素晴らしく、ウィレム・デフォーは生涯最大の当たり役ではないかという程ハンター役にハマっています。彼の相手となる子ども達の演技も非常にナチュラルで、子役特有のわざとらしさやイヤらしさをまったく感じさせられませんでした。。。 と、前半パートは良い感じに進行していたのですが、後半になると映画は突如として方向転換をします。前半の問題が何らの解決もしないまま一家は退場させられ、同時に憎まれ役だった住民達も映画から姿を消してしまいます。代わって、会社から送り込まれた他のハンターとの戦いや、タスマニア・タイガーとの出会いが描かれるのですが、前半のドラマを断ち切る形で後半パートが開始されるので、この構成には大きな違和感を覚えました。ラストに主人公がとった行動も分かったような分からんような微妙なものだったし、後半パートはまるで楽しめませんでした。前半のドラマを貫徹すればウェスタンの傑作になっていた可能性もあっただけに、謎の方向転換が悔やまれます。
[DVD(吹替)] 6点(2012-09-15 14:33:51)
38.  パンドラム 《ネタバレ》 
ポール・W・S・アンダーソン(通称:ダメな方のポール・アンダーソン)率いるインパクト・ピクチャーズ製作なので『イベント・ホライゾン』のやり直しかと思ったのですが、微妙な出来だった『イベント~』とは比較にならないほどの素晴らしいSF映画でした。とにかく脚本が良すぎます。『エイリアン』から『猿の惑星』、果ては『宇宙空母ギャラクティカ』まで、既存のSF映画のアイデアを総動員した内容ではあるのですが、それらの元ネタを思いもよらぬ形で料理しており、二転三転どころか五転も六転もするストーリーには驚かされました。『パンドラム(原題も同じ)』というタイトルのチョイスも素晴らしく、このタイトルによって脳内オチ系の物語と勘違いさせておいて、誰も予測しない意外な結末へと導いていくという見事な動線を作り上げています。ここまで見事にやられた映画は久しぶりでした。お見事。。。 これだけ盛りだくさんの内容をコンパクトにまとめ上げた監督の手腕も光っています。観客に与える情報量のコントロールや、ネタを明かすタイミングなどはほぼ完璧。同時にカッコいいメカ描写や音を使ったショック演出などポール・W・S・アンダーソンの得意技はうまく吸収しており、なかなかやってくれます。監督を担当したクリスティアン・アルヴァルドはサイコサスペンスの佳作『アンチボディ/死への駆け引き』を手掛けた人物なのですが、この人のアレンジ力は非常に高く、要注目の監督さんだと思います。
[DVD(吹替)] 8点(2012-09-05 23:29:43)(笑:1票)
39.  バットマン(1989)
10数年ぶりの鑑賞でしたが、ヒーローを現実世界に引きずり出そうとする最近のアメコミ映画にすっかり慣れてしまっていたので、コミックの世界の完全再現にこだわった本作にはかえって新鮮さを感じさせられました。この映画がすごいのは、わざわざ説明をしなくてもすべてが自然に成り立っているということ。ジョーカーが毒入り化粧品や毒ガス散布でゴッサム市民を虐殺しようとするトンデモない話なのですが、その動機や目的は一切語られません。悪人であるジョーカーと舞台となるゴッサムシティが完璧に作り込まれているので、もはや悪事の理由を説明する必要すらないのです。背景や理由をくどくどと説明するブライアン・シンガーやクリストファー・ノーランの映画とはまるで違い、画だけで観客を納得させる構造になっている点には感心しました。。。 だからといってこの脚本が頭空っぽというわけではなく、目に見えない設定部分は徹底的に理詰めで考えられています。例えばバットマンの設定。仮面をかぶって犯罪者をこらしめて回る大富豪などマトモな人間であるはずがないので、常人を装いつつも激しい凶暴性を内包した狂人という設定としています。この映画のブルース・ウェインはノーラン版と違って社会正義を一言も口にせず、己の暴力衝動を充たすために犯罪者をターゲットにしていることが明確化されています。恋人ヴィッキーに正体を明かす場面は象徴的で、彼はバットマンであることを誇ることはなく、「やめようにもやめられないんだ」とあたかも悪い中毒のようにヒーローとしての自分を語ります。バットマンの働きに感謝したり、その活躍を応援したりするゴッサム市民が一人も登場しないのも意図的な演出でしょう。。。 以上、本作が図抜けた映画であることは認めるのですが、娯楽作としてはそれほど楽しめないことが難点。バットマン・ヴィッキー・ジョーカーの三角関係が物語の核となるのですが、生粋のオタクで恋愛に不慣れなティム・バートンがこの部分をまったく扱えていません。さらにはアクション演出ももたついており、スリルや迫力をまったく感じさせない見せ場が連続します。もうちょっと引き締まっていれば見違えるような傑作になったかもしれないだけに、本作製作時点のバートンの未熟さを残念に思います。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-20 01:10:31)
40.  パニッシャー:ウォー・ゾーン
そこそこ面白かったものの、普通のバイオレンスアクションとして製作され『パニッシャー』である必要のなかったドルフ・ラングレン版、悪い意味でマンガだったトーマス・ジェーン版と来て、三度目の正直で製作された本作ですが、ようやく『パニッシャー』実写版を見られたなという印象です。躊躇のない残酷描写、良い意味でやりすぎなアクション、キャラ立ちしまくりの悪党と、『パニッシャー』に必要なものは揃っています。『ソウ』のライオンズゲートに製作会社が移行したことで残酷描写には恐ろしく気合いが入っており、脳天吹っ飛びまくり。銃撃戦の演出もなかなかカッコよく、三度に及ぶ実写化企画の中では一番だと思います(前2作が酷過ぎただけとも言えますが)。。。 ただし、映画としての完成度はイマイチ。フランク・キャッスルに魅力がなかったことが主な原因で、冒頭からチョンボを重ねるわ、大きなこと言ってる割にサシの殴り合いになると簡単に劣勢に立たされるわと、カッコが悪すぎるのです。こんなことでは悪党をバッタバッタと倒して回る爽快感など味わえるわけもなく、部分評価はできても全体としてはつまらん映画だと言わざるをえません。
[DVD(吹替)] 5点(2012-06-30 18:20:04)
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