41. ハムレット(1948)
最初ハムレット王子が母ガートルードより年取って見える(ローレンス・オリヴィエがアイリーン・ハーリーより年上)のに違和感があったが、それはお芝居だから仕方がない。映画を見る前に大筋は知っていたので、有名な台詞「生きるべきか、死ぬべきか」や「尼寺へ行け」などがどの場面で出てくるか、興味を持って見た。今またDVDで見直してみるとさすがに中盤は長く感じられるが、メル・ギブソンやケネス・ブラナーらの後世のハムレットと違って、原作に近い演劇調と白黒の陰影がとても良いと思うし、ローレンス・オリヴィエは貫禄があって他を圧倒している。 [映画館(字幕)] 7点(2013-03-31 20:22:54) |
42. ハムレット(1990)
ローレンス・オリヴィエのモノクロのハムレットと違ってカラーで色がきれい。反面幽霊が出る場面は明るすぎかも。シェークスピアの原作を踏襲しながら、うまく映画としてなじんでいるように思う。キャストが豪華で、メル・ギブソンだけでなくグレン・クローズやヘレナ・ボナム=カーターなどそれぞれの見せ場があるのが実に良い。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-31 20:18:33) |
43. 馬喰一代(1951)
馬喰とは馬の売買をする人という意味らしいが、ただ売り買いをするだけではない。馬とともに暮らし馬を育て、立派な馬として世に送り出すわけだ。三船俊郎はこの乱暴者の馬喰がとてもよく似合っているし、想いを寄せる京マチ子も子役の少年も良い。だがストーリーは・・・。相撲や競馬のシーンを見てるとどうも安っぽい。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-02-25 20:58:57) |
44. 馬鹿まるだし
「無法松の一生」も好きだけどこっちの映画も好き。桑野みゆきのご新造さんが安五郎の身を案じて「本当は強くないのよ。運が良かっただけ」と言ってを止めようとするときほろっと来てしまった。無法松の松五郎よりも馬鹿さ加減が目につくけど、人間くさくて良い。 [映画館(邦画)] 7点(2013-02-15 21:42:23) |
45. ハウルの動く城
多少ストーリーがわからないところもあるが、まずまず楽しめる作品だと思う。荒地の魔女が悪役だと思っていたら、後半やさしいお婆ちゃんになったことにまずびっくり。そして声優は倍賞さんが若い娘と老婆の両方をやっていることにびっくり。途中までは別の人だと思っていた。絵が大変美しいし、音楽も格調高い。 [DVD(邦画)] 6点(2013-01-04 18:09:19) |
46. 幕末太陽傳
登場人物が多く最初の方はごちゃごちゃして落ち着かなくせわしない感じだったが、中盤フランキー堺が活躍し始めて途端におもしろくなった。品川心中、三枚起請など落語の世界が映像化され痛快きわまると言ったところだし、さすがフランキー堺である。長州藩士も入っての大騒動になるかと思いきや、その方は・・・。石原小林の大スターを引っ張り出したのは良かったが、映画にちょっと溶け込んでいないような気がする。 ところで「起請文」といって今の若い人たちにはわかるのだろうか、ちと心配。 [DVD(邦画)] 8点(2012-12-02 07:13:44) |
47. ハワイの夜
日本で生まれ日本で育ちハワイに移り住んだ1世(日本人)と、彼らの子どもでありながらハワイで生まれハワイで育った2世(米国人) その日本と米国が戦争となれば、おのずと物語はあらましは見えてくる。だが鶴田浩二、岸恵子という美男美女の2枚看板スターを配しても、映画の描き方はまだまだ甘いように思える。もっともっと日本と米国の二つの国の板挟みになった人たちの苦悩は大変だったろうにと思う次第。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-19 22:03:18) |
48. ハッピーフライト(2008)
コメディあり、パニックありでなかなかおもしろかった。主役は一応パイロットの田辺とスチュワーデスの綾瀬なのだろうが、それを上回る脇役陣の活躍だ。特に機長の時任とチーフの寺島の存在と安心感がすばらしい。パニックになっても平然と冷静な態度をとれるのはさすがベテランというものだ。この映画は専門用語がたくさん出てきても感覚的に理解できるし、何よりも大勢のチームワークが良い。飛行機に限らずだが、便利さより安全第一に願う次第だ。 [DVD(邦画)] 8点(2012-10-19 00:30:52) |
49. ハッピー・フライト(2003)
えっ、こんなのでスチュワーデスになれるの?からスタートして、よくぞ国際線になれたものと思うが映画だからいいだろう。だが今ひとつストーリーは好きになれないし、マイク・マイヤーズのコメディはちょっと苦手。 [DVD(字幕)] 4点(2012-10-18 21:47:59) |
50. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 斬新な内容と手法でなかなか良かったと思う。要はバタフライ効果、蝶が羽ばたけば地球の裏側で台風が起こる。ちょっとした違いが後に大きな差異となって現れるということか。タイムトラベルに似て、記憶と意識によって状況が変わる。途中までわかりにくかった物語にだんだん引き込まれ、最後は大きな感動となる。別バージョンのエンディングがDVDにあったけど、断然本作のエンディングに限る。 [DVD(字幕)] 8点(2012-10-13 22:52:32) |
51. ハワイ珍道中
アチャコを筆頭に伴淳、キートン、堺駿二のコメディアンが勢揃いし、おもしろさは十分。土人の王様が登場し楽しませてくれるのだが、笑わせ方が少々安っぽい。バタやん(田端義夫)までもがそれにつられているくらいだ。このとき江利チエミ17歳ずいぶんぽっちゃりした容姿だが、歌は可もなし不可もなしというところか。目を見張るのはエキゾチックな安西郷子、本当のハーフだと思ってしまうくらいだ。この人が後に三橋達也の奥さんとなる。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-12 21:39:36) |
52. 遥かなる大地へ
この壮大な映画は、アイルランド移民や米国オクラホマにおけるランドラッシュなど19世紀末の歴史が土台になっている。こういった歴史を知らないと、多くのアイルランド人がなぜ米国をめざしたかとか、土地に対する執着といったものの理解が難しいと思う。ラストのランドレースだけでも結構見応えはあるが・・・。 トム・クルーズとニコール・キッドマンの息のあった演技は見もの、鼻っ柱の強い金持ち娘が貧しい小作の男とよく結びついたものと感心するが、大ロマンには間違いないだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-21 23:54:58) |
53. 裸で御免なさい
アニエスったらよく考えてみたら、無賃乗車から始まって詐欺まがいのことたくさんやっているのだけど、美人でかわいいからみんな許されちゃうというような映画だ。だけどこういうことにいちいち目の色を変えていたのでは映画はおもしろくない。ひとことで言えば、BBの魅力に尽きるということか。名うての女たらしが参ってしまうほどだからだ。ところでラストはどこの国? まさか日本ではないだろう。 [ビデオ(字幕)] 6点(2012-09-16 08:12:04) |
54. バイオハザード(2001)
《ネタバレ》 最初の方だけSF的な雰囲気と謎に満ちていて期待されたが、レーザー光線?で身体が切り落とされるシーンからついて行けなくなった。ゾンビが出てくるともう嫌でたまらなくなり、主演のミラ・ジョヴォヴィッチにつられて見たのがまずかった。最後の方ではストーリーもどうでもよくなり、早く終わってほしいと思ったほど、私が見る映画ではなかった。 [DVD(字幕)] 1点(2012-08-18 02:59:52) |
55. はだしのゲン PART3 ヒロシマのたたかい
原爆が落ちた後の広島で生き抜くことはとても大変だった。焼けてしまった家には食べるものすらない。親を亡くした孤児たちは他人のものを盗んだりもするが、生き抜いていくためには仕方がないことかもしれない。一方、生き残った人の中にも原爆症で亡くなる人が次々と出てくる。 映画としては必ずしも良いできとは言えないが、私たちが知っておかなければならないことがたきさん含まれているように思う。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-16 00:46:30) |
56. ハモンハモン
情熱的=本能的なのかもしれない。悪くはないと思うが、好きになれない映画だ。救いはペネロペの魅惑的な美しさのみ。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-11 22:19:38) |
57. パンツの穴
青春映画には違いないが、とても爽やかとは言えず品がない。途中目を覆うようなシーンが多数、これでは若者に勧めることはできない。その上ストーリーも安易で、ビールを中学生に出したりするなど問題も多い。一番笑ったのは糞合戦にUFOが登場するシーン、金八先生もトンだところに使われたものだ。救いは女の子たちのかわいさだったが、菊池桃子も評判の割にいまいち、個人的にはむしろ友人大石麻衣役の矢野有美の方が、もっとかわいいと思うが・・・。 [映画館(邦画)] 3点(2012-08-05 06:30:39) |
58. 巴里の空の下セーヌは流れる
《ネタバレ》 エッフェル塔にセーヌ川と言えば必ず思い出されるのがシャンソン「パリの空の下」 エディット・ピアフ、イブ・モンタン、ジュリエット・グレコなど数多くの歌手によって歌われたこの曲は、私が子どもの頃から慣れ親しんだ大変懐かしい曲である。映画の主題曲(正式には挿入曲)と知りつつも、当の映画にはなかなかお目にかかることができなかったのだが・・・。 猫と住む老女、銀婚式を迎えた労働者、心を病む彫刻家、国家試験に何度も落ちる見習い医師など、セーヌ河畔に住むさまざまな人たちのまる一日のエピソードを綴ったものだ。そこにはうれしいことや悲しいこと、悲喜こもごものできごとが微妙に重なり合って実に味わい深い。 ところでこの映画の中で歌っているのはジャン・ブルトニエールという歌手らしい。少し早めのテンポでさらりと歌っている。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-31 08:25:29) |
59. パリ、テキサス
こういう映画を心打つ感動の映画だというのだろうと思う。しかし昔映画館で見たときは、とてもすばらしく思えてもトラヴィスの心境を理解することができなくて、私自身この映画を封印してしまっていた。以来二十数年、DVDを手に入れてからもなお、わだかまりがあってもう一度見ようとしなかった映画、非常に良かったという印象はあっても、フランスのパリではなくテキサスのパリだということくらいしか思い出せなくなってしまっていた映画、意を決してようやくDVDを見た。すると見ているうちにどんどん記憶が蘇ってきた。そして最大の難所のラストシーンもありのままに受け入れることができた。これも当時ハンターよりまだ小さかった我が子が一人前になって独立するだけの年月が経っていたからかもしれない。 年月が経てば映画に対する思いも変わっていくものだとつくづく感じる。今では素直に10点満点。 [映画館(字幕)] 10点(2012-07-30 15:08:30) |
60. 八甲田山
物語の設定と同じように、実際の冬の八甲田で撮影するという極めて過酷な状況の中でできあがった映画だ。映画は原作と同様に大変な人気を呼び、私の勤務する高校でも学校をあげて鑑賞することとなった。 事細かに雪中行軍に至った経緯が語られ、青森の第5連隊と弘前の第31連隊がともに真冬の八甲田を踏破する計画が進められる。しかし案内人を用い少数精鋭の小隊で編成された31連隊と、大隊長らも加わって統制のとれなくなった第5連隊とでは、計画内容は大きく違っていた。この辺の描き方が実に丁寧で、前半からすでに見応えのある堂々とした映画になっている。 ところが大規模なスケールで始まった映画も、悪天候の雪の中では誰が誰だかわからず、豪華キャストも形無しになっているように思われる。そしてまた、雪の中で彷徨する過酷な重苦しいシーンが続くが、それはまた観客にも同様の体験を味わってもらいたいとさえ言っているように思える。 その中にあって回想シーンがアクセントとなって映画を引き立てている。また全編繰り返し流れる音楽もまた良い。 ただ心配なのは、時代背景や走行ルートなどある程度の知識を持っていないと、ただ単に雪の中を歩く映画に思われてしまいそうだ。 [映画館(邦画)] 7点(2012-07-19 06:53:48) |