121. パウダー
《ネタバレ》 久々に自分の中では大ヒットした不思議系の作品。歴史上人類最高の知能を持ち、その存在自身が電解質という事実が、ストーリーが進むにつれて少しずつわかってくるという運びは王道ながら鉄板。また、彼の特異な才能を、食事中のスプーンや授業の実験、避雷針の数やロッカーに並べられた錠前で表現し続ける演出は完璧でしょう。 確かに、保護したパウダーをいきなり一人きりで食堂に放置するなんて、普通にありえないだろうとつっこまざるをえないような展開もあります。そういったストーリー上のディティールの粗さってのは存在します。でもそんな些細なことに目をつぶれば、これはもう年齢問わず多くの人に薦められる傑作だと思います。 そしてラスト。作中すべての存在は一つにつながっていると、彼だからこそ実感できる真実を実現するラスト。彼にとっては、あれは死ではなく、ただ形を変えたに過ぎないのですね。人の形をとっていても、雷の形をとっていても、彼にとってはすべては同じエネルギーであり、地球上のものはすべてつながっているわけですから。 ただ個人的には、そのような至高の存在になるラストでも構わないんですけど、もう少し俗っぽいラストで終わらせてくれるほうが好みなんです。彼がこの社会で、人の形のまま、その才能を如何なく発揮してみんなを幸せにしちゃう、もしくは見返しちゃうみたいなね。そんで続編もあるよー、みたいな終わり方。かなり俗っぽくなっちゃうし、娯楽色強くなっちゃうんですけど、好きなんですよねー、そういうの。 [DVD(字幕)] 8点(2014-03-24 02:17:02) |
122. バッドボーイズ(1995)
《ネタバレ》 テンポが良く、スピード感があります。マシンガントークの掛け合いが面白いです。カーアクション、ガンアクション、すべてあります。なのに、なぜいまいち面白くないんでしょう。肩の凝らない娯楽作品が好きで、ビバリーヒルズコップなんかすごい楽しかったのに、これはなんか全然盛り上がりませんでした。 多くの方が指摘されているように、コメディ、アクション、すべての要素において中途半端感が強いからかもしれません。どれもつきぬけきれていないんですね。 例えば、二人が生活を入れ替える設定ひとつとっても、説得力がなさすぎるんですよ。これが不可避な設定で、しかも絶対にばれてはいけないという緊迫感の中であれば、ばれないようにする工夫の面白さがよりひきたつと思うんですよね。でもさっさとばらしちゃったほうが早いじゃん、って、思うんですよ。しかも普通に気付いちゃっているし。この作品の盛り上がりにかける原因の一つは必然性の欠如だと思います。娯楽作品だって整合性のあるストーリーのほうが面白いんです。 もうひとつは、カメラワークがなんかいまいちな気がするんです。いや、技術的なことは全然わからないんですよ。ただ、一般人鑑賞者として、なんか、特にアクションシーンのカメラワークがいまいちな気がしたのです。アクション自体は派手なんですけどねー。見るべきところがいっぱいありそうで、実際はほとんどない、中の下くらいのコメディアクションでした。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-03-07 05:01:52)(良:1票) |
123. ハリウッド・トラブル
《ネタバレ》 実力はあるのに売れない俳優マット(ニック・ノルティ)と、その娘ジーニー(ホイットニー・ライト)の親子の絆を描いた物語。ただ、二人をとりまく人々にもかなりスポットライトが当てられているために、どうかすると主軸のテーマが見えにくい群像劇のようなドラマにも見えてしまうかもしれません。個人的には群像劇が苦手だし、ドラマ性がちょっと低いかなーと思ってしまったため、この点数になってしまいましたが、映画としては心温まるドラマとして完成度は高いのではないかと思われます。 マットはジーニー、キャシー(ジョエリー・リチャードソン)、バーク(アルバート・ブルックス)、ナン(ジュリー・カヴナー)といった人達に対して、優しく、温かく、誠実に向き合う好印象な人物です。そしてそんなマットといつの間にか心を通わせあっちゃうジーニーや、マットに恋心と尊敬の念を抱くキャシーが、俳優としてなかなか芽の出ないマットを励まし、応援してくれます。 どの人物も魅力があって良い感じなのですが、バークとナンのエピソードだけがちょっとくどい感じがしたでしょうか。それが、なんか群像劇っぽく見えてしまう一番の原因かもしれないです。 ラストはそれぞれ小さくハッピーになるハッピーエンドでして、余韻はかなり良いです。それぞれがそれぞれのスタートラインに立ち、きっとこれからハッピーになっていくのだろーなーと感じさせてくれる良い終わり方。ただ、その終わり方にちょっとだけ物足りなさを感じちゃったわけでもあります。 邦題がちょっと残念。このドラマの本質がわかっているのであれば、原題のままのほうがぴったりです。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-31 17:13:27) |
124. 破線のマリス
《ネタバレ》 冒頭5分、黒木瞳演じる遠藤瑤子の仕事ぶりにまずひきこまれます。 その後、春名誠一(白井晃)と名乗る男から、郵政省の内部告発のビデオが持ち込まれ、序盤からかなりの緊迫感。しかも、実は春名なんて男は郵政省にはいないし、カフェのマスターまで仕込みだとわかっちゃって、「いったいあいつは誰なんだー。目的はなんだー。」と、知的好奇心をさんざん刺激されちゃいます。 で、結局真相は・・!教えてくれません。なんともひどいサスペンス&ミステリーです。問題出しっぱなしで、さんざん時間かけて解かせといて、答えは教えてくれないなんてそりゃあんまりです。 それでも最後まで見れたのは、もうひとつのミステリーと麻生(陣内)がいったいどうなってしまうのかがすごく気になったからです。そしてそっちの結末には、個人的にはまずまずの驚きがあり、満足です。子供にだけは合鍵渡しておく可能性もあるわけですしね。ただ、ビデオを撮るのはわかるんですけど、撮ったビデオを母親に送るのはどう考えても意味わかりません。 最後の「笑ってるよこいつ」ってのは完璧な決め台詞でしたね。ラストにふさわしい締めくくりだったと思います。 [DVD(邦画)] 6点(2013-11-12 01:21:24)(良:1票) |
125. パーフェクト・ワールド
《ネタバレ》 完璧な悪人ではなく、完璧な善人でもなく、完璧な父親(がわり)でもなく、完璧な親子関係でもない、まさに中途半端なブッチと、そして父親のいないフィリップの擬似親子の関係に、ただもう素直に感動しました。 ブッチの善悪の価値基準というのはもう本当にあいまいで、だからクズのような殺人鬼と一緒に脱獄したことも、ブッチにとってはそんなに重要なことではなかったのでしょう。ブッチ本人のモラルというのも割りと適当で、犯罪を犯すことに対する罪悪感というのはあまり持ち合わせていないようです。 ただブッチにとっての『絶対悪』が、子供に危害を加える大人であり、そういった場面に出くわすと、画面全体からただならぬ緊張感が漂いはじめます。 最初のブッチの琴線に触れたのが相棒であり、彼は射殺されます。 そして次に琴線に触れそうになったのが道中親切に車に乗せてくれた家族です。車を汚した子供に母親が豹変したときのブッチから漂い始める緊張感。それを感じ取るフィリップ。ここは父親が肝要な対応を見せることで結局は何事も起こりません。 そしてブッチが撃たれる発端となった、黒人の子供が叩かれる一連のエピソード。 普段何事に対してもグレーな、どちらでも良いような対応を見せるブッチが、ただひとつだけ許せないものを感じさせてくれたとき、同調してはいけないのに、同調しブッチの幸せを願う自分がいました。 オープニングとラストシーンのつながりは最高です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-10-31 14:43:40)(良:2票) |
126. 白銀に燃えて
《ネタバレ》 真っ白な雪景色に、機関車の煙が流れる様子が最高に美しい。ディズニーならではの映像の美しさと、わくわく感たっぷりの音楽が気分を最高に盛り上げてくれます。 犬ぞりレースに一人の若者が夢と希望をもって挑む、そしてディズニーとくれば、もちろんひねりもなんもない、どストレートな映画なわけですが、それが良くも悪くもディズニーなんですよね。だけど、そんな映画だからこその心地よさってのがあるものです。 ただこちらの作品は、明るいムードで始まった割には、いったんレースが始まると結構過酷なムードが漂い始めます。何度もピンチに陥ったり、妨害されたり、なんか見ていて痛々しい。その一方で、ピンチを乗り越えるたびに、名声が上がっちゃったりして、観ている側の満足感はちゃっかり満たしてくれる、まさに王道の感動スポーツアドベンチャー映画。 唯一難を言うならば、父の突然の死だったり、ライバルが突然自分の犬にかまれたり、ゴール目前で力尽きそうになったり、ピンチの演出がやや唐突すぎるのがどうしても不自然に見えてしまう。そんなシーンが続くと、やっぱなんか作り物っぽく、安っぽく見えてしまって、そこだけが少し残念でした・・・。 でも家族とかで見るのであれば、これくらいわかりやすいのもまた良いかもしれないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-10-19 06:57:48) |
127. ハード・ターゲット
《ネタバレ》 父親が殺された理由を探していくにあたり、関係者が次々と殺されていく展開はありきたりですけど良かったです。この前半だけでフーション(ランス・ヘンリクセン)とヴァン・クリーフ(アーノルド・ヴォスルー)の悪役としてのキャラづけは完璧でしょう。 最後の関係者が殺されると同時に、ブドロー(ヴァンダム)たちも攻撃されて、更には刑事のマリーが応戦空しくやられちゃって、どうなることかと思いきや、まさかそこからラストまでひたすらアクション押しになるとは思っていなかったです。 悪くはないんですけど、もうワンクッションあっても別に良かったんじゃないかな。まだこちらの気持ちの用意がまだできていないうちに、ラストまで突っ走られてしまいましたね。 この手のアクションにはありがちの、主人公にはまったく弾が当たらないという設定はもはや鉄板なので気にはしませんが、もうちょっとだけ当たらないようには気を遣ってください。バイクの曲乗りも、ロープにぶら下がりながらの射撃もやりすぎです。笑えたけど。 ほかにも言いたいことはいろいろありますが、最後にひとつ。 撃って蹴るのではなく、せめて蹴ってから撃ってください。あほですか。 というわけで、最高に楽しいアクション映画でした。 いや、本当ですよ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-30 06:24:39) |
128. 発狂する唇
20年以上前に、恩師が「失敗したっていいから、まずは行動してみろ。何もしないことが最大の失敗なんだ。」と言っていましたが、恩師はこの映画を見ても果たして同じことが言えるのかな。 何はともあれ、映画は正直1~2点くらいです。ですが出演者の皆様に、僕は10点を差し上げたいと思います。 僕は今回この映画を見ることで、自分は仕事に対する認識がまだまだ甘いと痛感しました。 職種は違えど、プロとしてのあるべき姿を見ることができました。 阿部寛しかり、大杉漣しかり。 彼らの素晴らしい演技に感動しました。 こんな脚本、こんなストーリーに文句ひとつ言わず、ただ淡々と自分に課せられたノルマをこなすその姿が、ただただ感動的でした。 この映画は、明日への活力を与えてくれる奇跡のような作品です。 ですが、まだ観ていない人は絶対に観ないほうが良いと思います。 [DVD(字幕)] 10点(2013-06-26 00:09:30)(笑:1票) (良:1票) |
129. ハックフィンの大冒険
《ネタバレ》 アドベンチャーとしては、父からの虐待や奴隷制、人種差別に詐欺といった爽やかではない内容が続くので、はっきり言って爽快感や解放感は感じられないです。 つまり、アドベンチャーやファンタジーに求める要素がこの映画には正直少ないんです。かと言って、奴隷制や人種差別の話を掘り下げているかと言えば、そうでもない。要所要所では確かにまじめに奴隷制や人種差別の問題に対して強いメッセージを発信しようとしています。ただアドベンチャーやコメディといった、エンターテイメントの要素も入れて、楽しい作品にしようとしているため、当然ながら雰囲気が軽い。説得力もなくなっちゃっているんですよ。 エンターテイメントとしても、まじめな感動系のストーリーとしても、中途半端でどっちつかずな感じです。さらっと映画の表面だけを楽しんだ感じで、あまり物語りには入り込めなかったですね。 [DVD(字幕)] 5点(2013-06-07 15:02:32) |
130. パワー・オブ・ワン
《ネタバレ》 心に残る素晴らしい映画でした。 青年PKは、自分自身運命に翻弄され、幼少期に過酷ないじめを受け続けたからこそ、虐げられる立場にあった黒人たちの気持ちが痛いほどわかったのでしょう。 PKにとっては肌の色の違いによって人が差別されることが、あきれるほどにくだらないことでした。映画の中では常に異色の存在であるPK。彼の価値観は現代の私達に近く、当然当時のアパルトヘイト政策下では受け入れられるはずもありません。彼のまわりで悲劇が繰り返されるのはもはや必然だったのかもしれないです。 あまりにシビアな内容に、重く、暗くなってしまいそうなのに、全然そうならないのがこの映画の素晴らしいところ。むしろ、全編に渡って明るく爽やかなイメージが作品を支配しています。これはきっと、PK、ドク、ヒールピート、セント・ジョン、ポータ、マリア、ギデオンといった、彼とその周りの人達が、いつも希望を抱き続け、自分たちの信念を貫き続けたからでしょう。 この映画の中から感じられるのはいつも希望なのです。そしてその希望を信じて疑わないPKたちの心です。彼らの希望は、彼らの心は、言葉となり、歌となり、そして教育となって彼らの世界を駆け巡ります。 片目を失ったギデオンをPKが気遣ったときにギデオンが「俺の目なんかより教育だ。」と顔を輝かせているのを見たときは、涙が止まりませんでした。 どんなに過酷な状況に陥っていても、そこに希望があることが大事なのだと教えられました。 命がけで英語を学ぼうとする人々の姿に、教育の大切さを知ると同時に教育を当たり前のように受けられる現代の私達がいかに恵まれた環境にいるかを実感しました。 ドクが言った「人生で最も大切なのは健康と教育だ」と言ったことば、僕もこれからの人生で胸に刻んでおこうと思いました。 [DVD(字幕)] 10点(2013-06-06 02:29:03)(良:2票) |
131. ハネムーンは命がけ
冒頭からがんがん攻めてくる、アメリカンジョークなのかどうかもわからないギャグのオンパレードに、「うわぁー、これやっちまった系の借りちゃったかなー」と思いきや、ラストまで破綻することなく無難に楽しめるサスペンスコメディになっていました。 この作品、全然本格的なミステリーではないのですが、このミステリーが後半になって何気に良いスパイスになってくるんです。 コメディもミステリーもラブストーリーも、ひとつひとつはたいしたことないのですよ。ところが、この3つのバランスが意外に絶妙で、ちょっと面白い作品に仕上がっています。 まあ強くオススメできるような映画ではありませんが、たまに肩の力を抜いて気軽に観賞する分には、こんな映画も良いのかなって感じのテイストでございます。 興味のある方はどうぞ。 [DVD(字幕)] 5点(2013-06-01 23:22:42) |
132. バラ色の選択
《ネタバレ》 誰も彼も親切で良い人達ばかり。 そんな中ただ一人、アンドニー・ヒギンズ演ずるクリスチャン・ハノーヴァーがもうわかりやすいクズ野郎で、このクズ野郎がここぞとばかりにクズっぷりを発揮しまくるものですから、積み重ねられたクズパワーから発散されるラストのカタルシスと爽快感が半端ないのです。 そのクズっぷりはと申しますと、契約書の進展具合を小出しにしてはダグを良いように使いまくり、アンディのことはもて遊びの嘘つきまくりで、ダメ押しの国税局員との癒着にいたっては最優秀クズ野郎賞を受賞するかの勢いです。 それに対しますマイケル・J・フォックス演じるダグ君。 こちらはいつものスーパーラッキーっぷりで対抗。それはもう終盤に至るまで、ありえないほどの親切を大放出し、その度重なる投資を最後の最後でまとめて回収する大技をお見舞いします。 当然、百戦錬磨のスーパーラッキーご都合大王に、そんじょそこらのクズ野郎がかなうはずもなく、最後はお約束通り夢も恋も何もかも、オール総取りの一人勝ちで、クズ野郎に大差をつけて勝ってくれるのでした。そして彼の勝ちを疑わない観客にも、これ以上ない満足感を味あわせてくれるのです。 いや、いいんじゃないでしょうか、これで。だってマイケル映画だもん。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-31 02:12:30)(良:1票) |
133. 二十日鼠と人間(1992)
《ネタバレ》 ジョージとレニーにはささやかな夢があり、まさにここぞという大事な場面では、必ずレニーがジョージに夢の話をねだります。 きっと、ジョージの夢の話を真剣に、目を輝かせて聞くのはレニーだけだったのでしょう。ジョージは、その夢が本当にかなうとは思っていなかったような気がします。ですが、唯一レニーの前でだけは、ジョージも本気で夢を見ることができたのかもしれません。そう、きっとジョージにとって、レニーは重荷であると同時に、希望でもあったと思うのです。だとすれば、レニーと離れられなかったジョージの心情もわかる気がします。 ところが、ただの夢物語にすぎなかった希望が、実現するチャンスが訪れます。それは財産を蓄えていた老人の存在。急に出てきた彼の存在によって、夢はもはやただの夢ではなくなってきます。はっきりとした形を帯び始めるのです。 人って不思議なもので、ゴールが遠ければ、転んでも立ち上がることができるのですが、ゴールが目の前にあるときに派手に転んでしまうと、体より先に心が折れてしまうものです。 ジョージにとってきっとレニーは夢の一部でした。そして皮肉にも、そのレニーによってその夢はまた夢のまま終わってしまいました。もし、老犬と、老人のエピソードがなければ、ジョージはレニーと再び旅を続けていたかもしれません。 ラストシーンで、ジョージはレニーに夢の話をします。いつもどおりに、途中からレニーが夢の話をいつの間にか代わりに話しています。そして、夢の話を話し終える前に、ジョージは引き金を引いてしまいます。 それは、レニーとの永遠の別れを意味すると同時に、自分の夢との決別をもはっきりと示したのではないでしょうか。 冒頭とラストで、一人真っ暗な列車に乗っているジョージの眼差しがしばらく忘れられそうにありません。 正直苦手だし、嫌いなタイプの映画ですが、これ以上低い点数はつけられないです。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-21 06:32:34)(良:1票) |
134. ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌
《ネタバレ》 銃がもう一人の主人公と言っても過言でないくらい、あらゆる種類の銃がでてきます。ストーリー上も、よくある「麻薬密売組織の壊滅」ではなく、「兵器密売組織の壊滅」というのが徹底していて良いです。 また、こちらの映画では銃火器が凶悪なので、それにあわせて出てくる人達の耐久性が2割増しくらいであがっております。普通のガンアクションのように1発くらいじゃ倒れません。たとえ通りすがりの雑魚キャラでも、かなり撃ち込む必要があります。だいぶ根性があります。メインの人達につきましては、多少撃たれても跳んだりはねたりしているので驚愕です。 それから、個人的に粗がありまくりのストーリーってそんなに嫌いではないので、この映画のストーリーは結構好きです。わかりやすいし。彼が実は潜入捜査官っていうのはびびったし。 それにこの映画は、やはり純粋なガンアクションを楽しむタイプのようですから、ストーリーに粗がありまくりなのはスルーしちゃっていいんでしょう。 と、いうわけで、ガンアクションが好きな人であれば、わけ隔てなく楽しめる映画なのかなと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-13 01:44:18)(良:1票) |
135. PERFECT BLUE
《ネタバレ》 序盤から中盤にかけて、アイドル未麻の女優転身までのくだりがかなり面白かった。事務所の社長と、未麻のマネージャーで元アイドルのルミの言い争いがリアルで、その二人の間に挟まれて思い悩む未麻の様子がよく描かれていたと思います。所謂サクセスストーリーものとしての始まり方が良かったと。 中盤以降は物語のテイストは一気に幻想的なサスペンス路線へ。精神的に辛い仕事が続く未麻は、次第に現実と虚構の区別がつかなくなりはじめるほど衰弱していきます。その未麻の視点を私たちの視点と重ね合わせることで、私たちにも何が現実なのか分からなくさせていくわけですね。 方法論として否定する気はありませんが、濫用は感心できません。そりゃあ、これだけ画面が切り替わりまくり、虚構のシーンを挟みまくれば混乱しますよ。最初は、「あぁ、なんだ夢だったんだ、すげぇ・・・」「あ、これも夢だったんだ・・・」で、驚きと感心があったのですが、あまりにその手法を使い続けるものだから見ているうちにちょっと疲れてきたうえに飽きてきました。 夢のシーンっていうのはさ、現実の中にベストなタイミングで挿入するからこそ、効果てきめんなのではないかと思うわけです。この作品の使い方は、ちょっとずるいというか、逃げにさえ見えてしまいます。(逃げているわけではないのでしょうけど。) せっかく正統派のオチを用意しているわけですからね、夢のシーンの濫用だけが残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-05 14:43:23)(良:1票) |
136. ハード・トゥ・キル
《ネタバレ》 「セガールもの」って、「水戸黄門」を観賞するときの気分に近いものがあります。 いつもお決まりのセガール様の強さを堪能し、すかっとして終わる。これに尽きます。「セガールもの」に求めるものはいつも同じです。 ・・・だからさ、あんまりラブシーンとかは要らないわけですよ。黄門様や助さんがさ、何回もラブシーンやったら、「いや、そういうの求めてるんじゃないんだよねー」という気持ちになるはず。今作は、それさえなければもっと楽しめた気がします。・・・・看護婦のおねーさんはただの協力者にとどめておいてほしかったです。 「実は息子は、警察の友人がかくまってくれていて、生きていた。」とか、ストーリー的にすごく面白くなりそうなところはあったのに、そこの部分にはあまりウェイトを置いてないし、時間も割いてないんですよねー。うーん。おしい。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-04-20 01:00:28) |
137. ハーレーダビッドソン&マルボロマン
《ネタバレ》 「俺はこの店にずっと世話になってきたんだ」と、にこにこしながら、超さわやかな笑顔で、・・・銀行強盗の相談かい!共感しづらいっす。 しかも友人たちが殺された後のハーレー・ダビッドソンの対応はちょっと違うでしょ。そこはめちゃめちゃ反省して後悔して、復讐に燃えて欲しかったです。 娯楽映画として割り切ってみれば、面白い映画なんですけど、娯楽映画として割り切れないくらい前半がバッドすぎるんです。だから感情移入できないまま、ストーリー展開と二人のキャラ、殺し屋さんたちとのやりとりだけを表面的に楽しみました。 まあ、それでもそれなりに面白かったのですが・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-13 16:12:08) |
138. バード・オン・ワイヤー
《ネタバレ》 コメディと思って鑑賞していたら、意外にサスペンス色が強く意表をつかれました。特に序盤で人の良い修理工のおじさんが撃たれてしまったのが何気にショック。また、前半はリックの置かれている状況が全然わからなさすぎて、もう少しだけ情報を与えてくれたほうが映画に入り込みやすかった気がします。 テンポが早く、主演二人の演技も好きな演技なので楽しかったのですが、なんとなく途中から展開がパターン化して若干飽きが・・・ ■警察関係者?に電話する→スパイに居場所がわかる→更に状況が悪くなる の繰り返しなんですよねー。いい加減電話するのはまずいって気づけよって言いたくなります。ピンチになる原因がいつも電話一本っていうのはね。 まあそれをふまえても楽しい作品であることは間違いないです。 最後の動物を使った撮影はすごかった。虎にかまれた人とか大丈夫なんですかね。みなさん体張っててすごいです。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-11 12:48:31) |
139. ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場
《ネタバレ》 ブレない主人公の強さとキャラが、予定調和の王道パターンながらも、見る側にいつものエンターテイメントを約束してくれます。 例えるなら、結末はわかっているけどいつも見てしまう時代劇しかり、ヒーロー戦隊ものしかり。イーストウッドの映画はそういう映画なのだと再認識させてくれます。 リアリティや深いストーリーを求めているときには向かない映画かもしれませんが、これはこれで大好きな味わい深い作品。特にこのハイウェー軍曹のキャラは最高です。文句なしです。 現実の戦争をモチーフにしているため反論もあるのでしょうが、まったくのフィクションとしてみれば・・・ただやはり、若い部下が死んだのに、みんなであんな楽しそうなラストになってしまうところだけはひっかかってしまいます。やはりこの映画の見所は前半でしょうか。若い人達が成長していく姿は見ていてほほえましいし面白いし熱いです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-14 13:27:19) |
140. ハロウィン1988地獄のロック&ローラー
いじめっ子に仕返しする瞬間が爽快! テンポといい、ノリといい、思っていたより全然良いです。 確かにホラー要素は少なめですが、娯楽性は抜群。 アイデアも面白いし、時間も程よい。 何より、「ちょっと掘り出し物見つけた感」が良い。 日曜日の午後、何もすることがないときに、コーヒー飲みながら観賞するのがベストでしょう。 おススメすると怒られそうですが、おススメです。 [DVD(字幕)] 7点(2012-07-02 02:31:25) |