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Y-300さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 87
性別 男性
年齢 31歳
自己紹介 採点は甘め。
でも、10点は特別に好きな映画にだけ。

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1.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
画面が暗くなり、エンドロールが始まったとき、「嘘だろ?」と呟きそうになった。ここで終わるのか、と驚いたのだ。 自宅に帰ったサリーが涙を流す奥さんを抱擁したり、公聴会の日から数ヵ月後にサリーがパイロットとして再び旅客機に搭乗するようなシーンを期待していた。 自分がハリウッド映画に毒されてしまった結果とは言えど、まだ続きがあると思っていた矢先に突然訪れたエンディングには物足りなさを感じた。  しかし!本作のエンドロールにはちょっとしたサプライズがある。 “サリー”ことサレンバーガー機長と妻のローリーさん、そして、あの日、USエアウェイズ1549便に乗っていた人々が登場するのだ。 そこで僕はハッと思い出した。「そうか、これは実話だったのだ」と。 失われるかもしれなかった多くの命がそこにあること。その事実を本当の意味で思い出したのだ。 実話モノにありがちな、感動を押し売りするシーンなんてこの映画に必要なかったということに、そこで気が付いたのである。 顔も名前も知らない人たちだけど、彼らが生きていることに素直に「良かったー!」と思えた。  ベテランパイロットの豊富な経験による英断を称える映画であると同時に、「生きている」ということを祝福する映画でもあると思った。  本作の原題は“Sully”だが、公聴会の場面でサレンバーガー機長は、自分一人が155もの命を救ったのではないと述べる。 映画の中では、「頭を下げて!姿勢は低く!」と連呼し続ける客室乗務員の声や、高ぶる感情を抑えながら1549便に着陸地点の選択肢を与え続ける航空管制官の声が何度か聞かれ、印象に残る。  飛行機に乗っていた人間の、そして、乗っていなかった人間の、『死を回避したい』という意志が、“ハドソン川の奇跡”を引き寄せたのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2016-09-29 19:51:30)(良:3票)
2.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
豪華キャストが売りの映画は数多く存在するが、本作のキャスティングにはしっかりとした意図が感じられた。様々な大作に出演した俳優たちが勢揃いしているので、「何か凄い展開が始まりそう」という期待を観客に与えてくれるのだ。そして、見事に何も起こらない。エンドクレジットが始まる頃にはズッコケたくなる。観ている側の期待を裏切るためのキャスティングなのだと思う。  この映画に出てくる人たちは皆、自分たちが特別な人間だと思っていたり、国際社会を揺るがす情報を握っていると考えていたりする。しかし、結局はその全員が特別でも何でもない人々だったことが露わになる。ジョージ・クルーニー演じる不倫男も人目の届かないところで何やらヤバそうなマシンを製造しているように見えたが、結局ただただ壮大なオモチャを作ってるだけだった。本当にただの不倫男だった。  実際は人間なんてこんなもんだよと、ちっぽけな存在なんだよと、そういうことを再確認させてくれるそんな映画だと思う。  世界中から絶賛された“ノーカントリー”のすぐ後にこれを制作したのがコーエンらしくて好きだ。常に観客の一歩先に行って遊んでいる。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-22 15:59:21)
3.  バートン・フィンク 《ネタバレ》 
一度ハマったら抜け出せない、そんな中毒性のある映画。  大手映画会社のオファーで脚本を書くことになった作家のバートン・フィンク。 普段は労働階級の『普通の人々』を描いているバートンだが、今回はとにかく書けない。 『ブラッド・シンプル』から10年も経たずして世界的に評価されたコーエン兄弟・・・彼らもいろんな著名映画人からアプローチを受けたのだろうけど、創作に苦しんでいたのだろうか。 二人が抱いていた苦悩がバートン・フィンクに投影されているようだった。  バートンは自分を崇高な存在だと思っているようで、彼のいう『普通の人々』も含めて周りの人間を見下してる気がするけど、これもコーエン兄弟が自分たちがそうなってしまっていると感じていたのだろうか。 観ていていろいろなことを想像させてくれる映画。  チャーリーを演じるジョン・グッドマンが強烈。 彼は一体誰なんだろうか。もう一度観ないとなー。
[DVD(字幕)] 8点(2016-05-11 20:26:32)
4.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
商業主義に中指を立てつつも、結局は自分のキャリアや野望を捨てていない。アーティストとして生きることのもどかしさを滑稽に、そして切なく描いているように思えました。何故、自分はこの世界にいるのか。自分のやりたいことをやるだけではダメなのか。もっと高みを目指さないとダメなのか。自己満足ではダメなのか。自分はダメなのか。・・・それでも自分はアートを創り上げてみせる。自分はこうやって生きるんだ。・・・そんなアーティストたちの叫びたちが聞こえた。ワンカットに見えるように撮られているので、途切れのない一つの劇のようでした。圧倒的な台詞量がこれまた劇っぽい。アツい映画でしたよ。
[映画館(字幕)] 9点(2015-04-13 01:57:16)
5.  バベル
登場人物の取る行動に理解ができないことが多かった。「何故?」の連続。でも、人間ってそういう生き物なんです。目の前にいる人間だって、頭の中では何を考えているかなんて分からない。そして、軽い気持ちで取った行動が自分はもちろん周りの人間の人生まで大きく変えてしまう。長い歴史の中で人間は分断されていった。同じ種族の中で。それぞれが集団を作り、独自の言語を生み出し、互いに境界線を引いていく。他人に対する不信感が生み出す悲劇。ちょっとした行動で深まる溝。そんな中でも人と人は繋がっていく。繋がろうとする。良い映画だと思いますよ僕は。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-12 12:29:39)
6.  パルプ・フィクション
ジョン・トラボルタが投げキスするのを真正面から撮ったシーンがあります。これがめちゃくちゃダサいのに、めちゃくちゃカッコいいんですよ。「カッコいい」と「ダサい」は表裏一体どころか、ほぼ同質なのかなと思いましたね。この映画が全体的にそんな感じでした。「どんな感じだよそれ!」と思った方も居られると思います。そんな方々は是非見てください。見ると分かります。分かると思います。とっても馬鹿らしくて、最高にクールな映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-04 18:30:20)
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