1. 日の名残り
お互いに好意を抱きながら、ひと言の愛を語ることもない大人の恋。その言葉にならない微妙な男と女の想いのたけを、名優A・ホプキンスとE・トンプソンが絶妙な演技で見事に体現して見せてくれる。雨の停車場での別れのラストはただひたすら美しく、まさに万感迫る思いだ。 8点(2001-08-19 23:13:26) |
2. 評決のとき
白人の目から描いた黒人に対する人種差別を扱った映画は、結末がどうであろうとも製作者の“あざとさ”というものをどうしても感じてしまう。この作品も御多分に漏れず結末に甘さが残ってしまうが、エンターティンメントとしては実に良く出来ていて、好きなタイプの作品です。いわゆる法廷モノに弱いので点数も“甘く”なってしまいました。出演者の中では保安官役の、チャールズ・S・ダットンの人間味溢れる演技が印象的です。 8点(2001-01-30 23:55:21) |
3. 羊たちの沈黙
演出の構成上、無理なところもあるけど、なにしろ主役二人がすべてといってもいい程の、サスペンス・ホラーの傑作。どちらも一歩もひけを取っていないことは、アカデミー主演賞のW受賞が証明している。特に別れ際、鉄格子ごしにレクターがクラリスの指を撫でるシーンは、この作品を語るときには忘れてはならない名場面である。 9点(2000-10-19 15:41:12) |
4. 光る眼
才能を枯らしてしまったJ・カーペンターだから、出来としてはこんなもんか!?それにしても恐怖感が盛り上がらないねェ~。クライマックスはほとんどTVゲームみたいで、なんでああなるんだか??? 5点(2000-10-19 15:19:14) |
5. 秘密と嘘
主人公たちそれぞれに秘密があり、告白するべき嘘をもち、そしてそれに涙する。それはそれぞれの痛みを分かちあい、そこに愛の存在というものを確かめ、やがてファミリーという自然な姿となる。この人生の悲喜こもごもの物語を、マイク・リー監督は中産階級や労働者階級の人々の生活に、喜びや哀しみ、さらに戸惑いや感動をも含めた、親しみを込めて切々と謳いあげていく。出演者のすべての演技が素晴らしい名作。 9点(2000-10-16 23:11:29) |
6. ピアノ・レッスン
ハーベイ・カイテルは明らかにミスキャスト(だってサム・ニールと比べるのには無理がある!)。全体的にはなにか芸術的な“雰囲気”だけの作品のように思えます。 5点(2000-09-29 00:41:03) |
7. ピースメーカー
女流アクション監督としては、キャスリーン・ビグローが先駆者ではあるけれども、その映像の豪快さとスケール感では、このミミ・レダーが圧倒している。さすがスピルバーグが白羽の矢を立てただけのことはあると思いました。で、このポリティカル・アクションですが、国家や民族のために命を散らしていく者の悲しみをもキッチリと描いていて、決して派手なアクションだけに終わっていない点など、本当に良く出来た作品だと思いますが、ただ残念なのは某老舗映画雑誌のベストテンの投票では、なぜか誰一人として票を投じていなかったことである。 8点(2000-09-17 23:27:13) |