1. 評決のとき
単眼的に差別をやめましょう、って主張を押し付けてくるのではなくて、人の心の中にある差別意識を見つめさせる内容で、その志は高い映画なのですが、役者や演出、脚本は、力足らずって感じがしました。娯楽映画ゆえの守りや逃げの姿勢が出てしまっていて、最終的に情でケリつけてしまうのはどうもちょっと。音楽を過剰に鳴らし過ぎていて、ドラマを安っぽいものにしてしまった感があるのも気になりました。 6点(2003-12-21 15:28:10) |
2. ひみつの花園
色気も愛想もなくて日頃はぐーたらのへーっとしていて、でも、お金が絡むと俄然弾み出す咲子。欠点だらけなのにとっても咲子が魅力的なのは西田尚美の好演に尽きますね。情感だのドラマだのを差し込まず、ひたすら咲子の行動だけを描いてゆく展開も好感が持てます。あと、わざと安っぽいミニチュア特撮が、この映画の脱力加減を更に彩っていていいカンジでした。 [映画館(邦画)] 7点(2003-12-21 14:33:43) |
3. 陽のあたる教室
リチャード・ドレイファスが老けまくっちゃった!という衝撃が強い映画ですが、それはともかく、文句を挟む余地もないなぁ、って感じで感動的でした。教師として夫として父として成長してゆくホランド先生の30年、時代時代を映してゆく生徒達の姿を素直に見られて。脚本の分配に多少バランスの悪さが感じられる部分もありましたが、全体的には満足です。ホランド先生、最初に夢見た生活とはかけ離れていたけれど、とても幸せな人生でしたね。 [映画館(字幕)] 8点(2003-12-20 15:50:05) |
4. 必殺! 主水死す
《ネタバレ》 主水の死を描くのであるならば、そこを中心に物語が動いて当然だと思うんですけれど、実際にはメインになるのがお城のお家騒動話で、しかもややこしい設定。主水がメインの物語となるのは、本当に最後の方。映画的なダイナミズムは全然なくって、テレビサイズに納まってしまって、シリーズにあった映像美もなし。せんとりつをもう全く無視の幕、ってずっとシリーズを見てきた人にとっちゃ納得できないんじゃ?(たまにしか見てなかった私としちゃなんとも言えないんですけど)。主水の死にしても、あわわわ~、みたいな感じでなんかカッコ悪いですし。もっと最後の花道を飾ってあげるべきだったんじゃないかなぁ。 [映画館(字幕)] 4点(2003-12-20 15:33:12) |
5. ビッグ・ヒット
《ネタバレ》 人種入り乱れ状態、延滞しちゃってるビデオが「キングコング2」、ヒロインがパンツ丸出し、ってトコだけですかねぇ、面白かったのって。人殺しやら死体処理やらを明るくノー天気に描かれてもねぇ。アタマの悪い人達が勝手に殺し合いをする映画、というのは、いくらコメディでもあんまり楽しめません。ルー・ダイアモンド・フィリップスなんかキャラクター的に、もうひとひねりあるのかな?って思ったら、結局最後までただのヤなヤツのまんまでしたし。あと、ゲ○で笑い取るの禁止。 5点(2003-12-20 15:26:52)(良:1票) |
6. 美女と野獣(1991)
アイマックス版で初めて見たのですが、ここでいいのかな? 450平方メートルのスクリーンにベルの超どアップがどどーん!とゆーのはどうなんでしょー?という感じではありましたが、映画は本当に魅力的。ベルは淑やかさよりもアクティブさを前面に押し出していて素敵なキャラクターですし、脇の道具キャラクター達がいい味を出してます。ただ、ガストンってちっとも魅力的ではないので、彼のミュージカルナンバーは余分かな、って感じはしました。絵のクオリティは後の作品に一歩譲る感じですけれど、綺麗で夢があって、ディズニーアニメの魅力を十分伝える作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-20 14:16:13) |
7. ビーン
なんか、「ビーンがいい人」っていうのはヒジョーに居心地悪く、かつ気持ち悪いんですけど。物語がホームステイという形を取ってる事で、拠点が存在して移動が少なく舞台に広がり生まれないです。もっと黒々した行動でアメリカを混乱に陥れてくれるのかと思ったんですが、事の原因がビーンだったとしても、それをビーンがキチンと収束させちゃってたら面白くはならないですし、ビーンらしくもないですし。あと、ゲ○で笑い取るの禁止。 [映画館(字幕)] 4点(2003-12-20 13:59:08) |
8. ヒート
どっしりたっぷり、あー映画見た~!って満足させてくれました。やっぱりデ・ニーロとパチーノってだけでも十分見応えありなんですけれど、長い上映時間の中にドラマが散りばめてあって、決して飽きさせる事がありません。悪人側の方がじっくり、ドラマティックに描かれていて、パチーノ側が不利な感じはありましたけれど。ちょっと気になった点は、デ・ニーロとパチーノの二人だけの会話シーン。二人して視線がきょろきょろ。あのー、プロンプター読んでるのがモロバレなんですけど~、って。でも、実は似た者、孤独な男同士の対決の物語、堪能させて貰いました。ただ、この映画を見た渋谷の映画館は音響が過剰で、銃撃音が大砲状態、飛行機の着陸音が実物レベル状態だったのには参りました。音の自己主張が強すぎると気が散るとゆー事を実感した映画でもありました。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-20 13:54:06) |
9. ピースメーカー
私はこれを「アメリカ・西欧諸国の欺瞞によって国際問題が起きてるんだよ!」っていう、反省しろ型映画だと思いました。デューサンを襲った悲劇がテロへと駆り立てる事になるのですが、無神経な平和主義の題目の下、他国の内政に干渉する結果が生み出す悲劇の物語、という視点で見ていた私としては、ワリと硬派な映画だなぁ、って。その分、痛快な娯楽アクションという訳にはいかず、大義の前で任務に徹するしかないケリーとデヴォーの限界を感じさせ、見終わった後も重苦しい気分が残る映画でしたけれど。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-20 13:35:55) |
10. ビッグ・ショー!ハワイに唄えば
インチキな映画なら、とことんインチキを通せばいいのに。こういう、中途半端なインチキさ加減がいちばんタチ悪いです。室井滋演じる赤城麗子は、仮にも演歌歌手なんだから、たった1シーンでもキチンと歌っているシーンがあっていいハズでしょ。なのに、重要なクライマックスですら、マトモに唄えてません。逃げてます。いつも通りなのに、この映画では浮きまくりのカトちゃんは、この中途半端さの犠牲者ですね。ってゆーか、この映画、そもそも誰のために作られたんでしょ?映画館、がらがらなんてモンじゃなくて、貸切状態でしたが。 [映画館(字幕)] 2点(2003-11-22 22:30:08) |