1. 武士の一分
《ネタバレ》 山田組の常連である名バイプレーヤーの笹野高史が中間役として良い味を出していますね。彼のおかげでこの作品はうまくバランスが取れたように思います。木村拓哉の演技はそんなに悪くないと思いましたが、ここまで分かりやすくしなくても…と思うくらいのベタというかあざとい人物設定が目立つのが気になります。おそらくかよを「まあまあよいではないか」と帯でグルグル回したであろう島田藤弥がその最たるもの。末席の武士生活を描くためではないと思うが、いわゆる「時代劇の悪代官」そのまんまでどうにかならないかと思いました。 離縁したかよと復縁するのも脚本的に甘く感じました。復縁しないほうがより深みのある物語になったはずだし、復縁するのであれば「飯炊女」という台詞だけ残して姿はみせなくても良かったのでは?飯炊女がかよであることは明白なんだし、それを新之丞が涙を流しながら食べている場面で終了…なんて良いと思うのだが。丁寧に作られた作品なのでもう少しこなれた脚本であればと残念に感じました。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-11 08:15:24) |
2. プラダを着た悪魔
《ネタバレ》 うん、どっかで見たことあるというか今まで何度も使われてきた御馴染みのプロット「鬼上司と戦い、頑張り、夢を見る普通の女の子」のお話。アンディの存在位置が曖昧な感じはあるけど女性観客には変身願望と共にひと時のファッション雑誌業界を仮想体験できる楽しい物語となっていると思います。メリル・ストリープは徹底的なワンマンやり手編集長を演じていてそのストレートさが気持ちいいですね。深みのある人物ではないけどさっぱりしてて(言動を)飾らない人柄が見事に表現されていて脱帽です。同僚は「実は良い人」でデキる人だらけなのに、アンディの友人や彼氏は器のチッコイ人ばかりなのはちょっと残念。これって作者の実体験を皮肉っているのかな?パリコレやN.Y.の街並みも堪能でき、各種スーパーブランドの作品や小物が出てくるのでこういうのが好きな人には飽きずに楽しめるでしょう。音楽・展開もスピーディーです。 余談。百貨店勤めしてたことありますけどミランダのような人、マジいます。怖いです。リアルすぎて。映画では笑ってみてられますけどリアルで関わるのは相当な体力が必要なので見ながら苦笑いでした(笑)。 [映画館(字幕)] 7点(2006-12-23 00:15:48)(良:2票) |
3. フラガール
《ネタバレ》 無くなりゆく産業・採鉱と、そこからの脱却を図りハワイアンセンターなる代物に手をつけた会社側。会社と労働者、そして時代から取り残されんとする炭鉱町の戦いを見事なテンポと演技で描ききった秀作。 蒼井優はもちろんのこと、男風呂に殴り込みをかける松雪泰子をはじめ炭鉱夫の実直な母を体現した富司純子、父親に反対され泣く泣く夕張へと引っ越していく徳永えりら役者陣の熱演も素晴らしい。とくに先生が列車で旅立とうとする駅の場面からハワイアンセンターのオープンに至る怒涛のクライマックスは観るものに笑顔と涙を同時に与えてくれ、映画という魔法のパワーを一身に感じられる見事な場面に仕上がっています。 ともすればしんみりとした話をコメディタッチにアレンジしたことが何よりも良かったと思う。蒼井優のダンスと笑顔、日本映画史に残る輝きといってもいいかもしれないです。少々泣かせる演出がくどいですが、まんまとのせられて泣いちゃいました。気持ちの良い涙でした。 この作品を気に入った方はぜひ『遠い空の向こうに』にも観てください。 [映画館(字幕)] 9点(2006-12-01 22:39:23) |
4. プロデューサーズ(2005)
《ネタバレ》 いやあ楽しかった。メル・ブルックスということで、さすがに卑猥な笑いも多いですけど、下品というわけではなくいきすぎないところで止めています。 運動神経の鈍そうなマシュー・ブロデリックがタップを踏んだり、長身のユマ・サーマンとダンスしたりとそれが見られただけでも楽しかったです。三谷幸喜さんも「THE有頂天ホテル」みたいなものより、こういうタイプの「くだらない笑い」の映画を作ってみたらおもしろいと思うなあ。 ライティングも古き良きハリウッドの雰囲気を残した画作りで、久しぶりに映画らしい映画を見たなって感じがします。役者も実力派を揃え、みんながこれまた楽しそうに演じているのが印象的。ネイサン・レインはジャック・ブラックのようなクドさもなく、ダメプロデューサーぶりが板に付いたさすがの芝居です。凝ったエンドクレジットと、最後まで楽しませようとするサービス精神におなかいっぱい。落ち込んだときに観たい、サイテーでバカみたいだけど楽しい映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2006-04-14 21:49:33)(良:1票) |
5. PROMISE プロミス
凄い。凄い映画だ。チェン・カイコーの真髄を見せられた。アン・リーが『グリーン・デスティニー』を、チャン・イーモウが『HERO』と『LOVERS』を撮って置いてけぼりを食ったチェン・カイコーが「僕もあんなぴょんぴょんワイヤーCG時代劇を作りたい!」と決心をして後追いした異色作。『覇王別姫』や『始皇帝暗殺』などの重厚感と精緻な画面構成は息を潜め、本気とギャグの間スレスレのとんでも描写が連発!いやいや、そんなに弾けたかったのか、チェン・カイコー(笑)。クラスの優等生が修学旅行先でハメを外して驚かされる、そんな映画です。 役者も豪華だし、2時間あまりの目のごちそうとしてはおもしろい映画じゃないでしょうか。内容は中国で人気の武侠ドラマの豪華版という趣ですが、好き嫌いは分かれると思います。私は二度目は…見ないです(笑)。そういやこの監督三人、みんな同世代なんだよね。興味深いものがあります。弾けっぷりと本気度はアン・リーに軍配かな? [映画館(字幕)] 5点(2006-03-10 08:13:43) |
6. フライトプラン
《ネタバレ》 空調なんて存在しない機首内部でジュリアが生存している、これですでにあり得ないお話。みなさんのおっしゃるように穴の多い脚本ではありますね。それでもジョディ・フォスターというスターのなせるわざか、そこそこ見られる映画にはなっています。でも…あんな乗客が本当にいたら嫌だなあ…。いくら子供が行方不明とはいえ、あれだけ騒ぎ立ててはいかんでしょう。 ハッピーエンドで終わるけど、見事に損壊した航空機や窓ガラスを破った車など、航空会社側は損害賠償請求するべきです!実在のエアラインからクレームがないのか心配になるパニックぶりでした。タイトルは「フライトプラン」よりも「パニックプラン」のほうがいいかも。ボーイング社の機嫌を伺うような機種名に6点。 [映画館(字幕)] 6点(2006-02-15 22:56:18)(良:1票) |
7. プライドと偏見
《ネタバレ》 キーラ・ナイトレイが美しい。好色な(?)ファミリーのいけいけどんどん攻勢におかしみがありますね。ダーシー氏がどのようにしてエリザベスに惚れたのか、詳しい理由が分からないのがちょっぴり残念だけど、放任主義のようで実はいちばんマトモなドナルド・サザーランド演じる父親が素敵。ダーシー、ちょっとは笑えよ! [DVD(字幕)] 6点(2006-01-26 00:43:12) |
8. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
奇抜さでは群を抜く作品。サントラやwebを使って独特の宣伝や世界観を構成したという点でも評価できる。でも、作品は学芸会の見世物映像のレベル。森で若者が発狂しながらただビデオをまわしつづけるだけですね^^;35mmフィルムにスタンダードサイズで焼き付けてあるのは新鮮でした。 6点(2002-05-07 08:45:00) |
9. 梟の城
原作をなぞることに集中しすぎたのでしょうか?あまりに陳腐な構成で残念でした。CGの使い方も上手とは言えないし、音響デザインもリアを強調しすぎて不自然でした。史実ものにも娯楽ものにもなっていないですね。 3点(2002-05-07 08:38:01) |