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1.  ブルー・リベンジ (2013) 《ネタバレ》 
冒頭からのけぞる展開。とある囚人が司法取引によって刑期を全うせずに釈放される。2人も殺害しているのに? アメリカのサスペンス映画では「司法取引」は当たり前のように出てくるし、まあそんなものかとこれまで何となく思っていたけれど、「犯罪者を逮捕・収監するたび刑期短縮の司法取引を延々と繰り返せば、ドミノ倒しのような有様になる。そんな状況下で『人を逮捕する』という行為に果たして意義があるのか?」と、本作で初めて疑問に思ってしまった。  警官がドワイトに余計な進言を入れているように思えるが、犯罪率の高いお国柄ではやむを得ないアドバイスなのかもしれない。加害者が釈放されたことを知らずに暮らすリスクは、おそらく私たちが想像する以上に大きいのかもしれない。それにしても、一般市民がマフィアにしか見えないおぞましさ。今自分が見ている映画は『ゴッドファーザー』じゃないはずだと何度も頭の中で戸惑っていた。社会的地位もそこそこ築いて人間らしい生活をしているように見えるドワイトの姉ですら、「(加害者を)苦しませたでしょうね」と弟に確認するくらいだ。いや、本当にありえない。  とにかく呆れるばかりの倫理観のなさ。置き引き、車上荒らし、不法侵入、病院の治療費の踏み倒しと、罪の意識を全く感じることなく次々と犯しつづけるドワイト。殺人の替え玉がまかりとおるゆるゆるの司法。ライフル銃、散弾銃がふつうの家から当たり前のように出てきて、十代の少年ですらしっかり的を狙って撃つことができるバリバリの銃社会。 それに、とても清潔とはいいがたいロケーション。ベニヤ板で作ったような隙間だらけのトイレとか、銃痕だらけの錆びついた車で寝泊まりとか、簡単に侵入者が出入りできるような戸締り不完全な木造住宅とか。治安の比較的よい日本でも、犯罪者の部屋は不衛生で荒れていることが多いと言われているけど、この法則はアメリカでも有りなのではと思ってしまった。  それにしても、どうして登場する人々は誰も彼も直情的なのだろう。なぜこんなに短絡的に、武器をもって人を傷つけることができるのか。不倫をすることは確かに褒められた話ではないけれど、その前に話し合うとか、弁護士を呼ぶとか、いくらでも理性的に話を勧める手立てがあるだろうに。そもそも加害者側であるクリーランド家の人間は、遺族に対して初めから何の引け目も感じていないのだろうか。  物語を全て観終わって強烈に感じたことは、登場した人物に成熟した者が誰一人としていないこと。加えて、法が驚くほど機能しておらず、大なり小なり何のストッパーにもなっていない。皆本能的に、後先考えず憎しみの連鎖にやすやすと巻き込まれていく。この地の学校では、他者とのかかわり等、社会面には重きをおかず学業ばかりを教える教育が主体なのか? 生活圏にあふれる銃器に住民は思考力を奪われているのか? 諸悪の根源はどこからくるのかと真剣に考えてしまった。最後に「ヴァージニア」という文字が入ったちらしがドワイトの姉の家に新聞とともに投げ込まれる。ドワイトが町を出るとき購入した地図もまた「ヴァージニア」のもの。原作者はこの州名をよほど強調したかったと見える。青いオンボロ車の復讐劇は、強烈なインパクトを残して幕を閉じた。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-07-30 01:36:59)
2.  ブレイン・ゲーム 《ネタバレ》 
2016年に起きた障害者施設殺傷事件で「生きている価値がないから殺した」と豪語した犯人を思い出しながら、本作をとても複雑な思いで鑑賞した。  超能力を持ち、人の生殺与奪を握っているのに、チャールズは神になる気はないという。彼の犯罪は果たして「情け容赦がない」という形容が妥当なのだろうか。痛みや苦しみを最小限に抑えてその命を奪う、いや終わらせる。「彼らの苦しみを終わらせる」という動機をもち、「究極の愛の行為はこの上なく辛い」と声を震わせて語るチャールズに、もし人の不幸な未来を見出す特殊能力がなかったら、彼は殺人者になどなっていなかったのではないか。ともかく、殺めることで人に慈悲を与えようとする彼のやり方は絶対に間違っている。間違っているのに・・・・・・ 細かい設定で引っかかる点が多かったにもかかわらず、本作に深く考えさせられた。 自分の身に置き換えたら、私は何一つ確信をもって行動できないと思い知らされたからだ。   もし自分が絶望的な痛みに苦しむ難病に侵されていたら、チャールズの行為を「大きなお世話」とはねのけられるのか。  自分の医療費は家族の家計に響かないか? 家族の未来を奪ってしまわないか? と脅えながら、  愛する家族を殺人者にさせないために安楽死をねだったりせず、自然な死が訪れるまで病とずっと向き合っていけるのか。  そして、  一切の苦しみから救ってくれる殺人者が現れたら、感謝の気持ちを抱かずにいられるだろうか。  チャールズは、ジョーの息子の教育費まで考慮しているのだ。  考えれば考えるほど、この作品が問うている生死の問題は奥が深い。
[インターネット(吹替)] 8点(2020-03-10 02:07:27)
3.  ブラック・ファイル 野心の代償
サスペンスだからって、もったいぶった謎をごてごて付け加えればいいってもんじゃない。 登場人物たちの各々の「動機」が全然整理されてない上、時系列もお粗末で、何より巨額の資産が全く活きていない。ちゃちな人間模様で、どたばた走り回っているだけ。 同じアル・パチーノの『インサイダー』がいかに優れた社会派サスペンスドラマか、逆によくわかった。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-03-06 23:36:51)
4.  ブリッツ 《ネタバレ》 
皆さんの評が低いのでびっくり。面白かったけどなあ。粗暴で、喧嘩っ早く、眼付きの鋭い暴力刑事は、基本的に同性にはやりたい放題無作法を押し通すのに(タレこみ屋やバーテンダーなど)、女性には一様に穏やかなまなざしを向ける。相棒になるゲイのナッシュにも、一度としてすごんだりせず、まあまあ普通に話をし、拍子抜けするほどすんなりコンビを組む。それが、ひとたび悪党を相手にすると、手の付けられない野獣と化す。そのギャップが面白かった。  ブラントは上司には持て余されていたかもしれないが、クレイグといいロバーツといい、署内では意外にもそこそこ良好な人間関係を結んでいる。最も印象的だったのは、ワイスを釈放するシーン。署員たちが横一列にずらっと並ぶど真ん中に、ぎらぎらとしたオーラを放つブラントが立っていた。粗暴で不器用かもしれないが、彼は仲間たちを誇りに思っている。そして署員たちも、お荷物になりがちなこの暴力刑事を決して否定していない。彼らのあの一体感は、途方もなくかっこよかった。  ワイスを捕獲するときもブラントは寸でのところで仲間に制止をかけられたし、釈放もせざるを得なかった。彼の鬱憤はたまるばかり。だからこそワイスのラストは大体ああなるだろうなという予想はしていた。ただ、白になったワイスの幸運を逆手にとるしたたかさには驚いた。一見真面目そうなナッシュも、一応キレた過去を持つ男。なるほど、ブラントと息が合うはずだ。  また、舞台が舞台だけに、イングランドやアイルランドの事情も少しは関係あるかもしれない。人種の微妙なニュアンスは、日本人としては感じ取るのが難しい。  細かいつっこみどころはたくさんあるけれど、「持つのは鉛筆じゃねえ」など、ブラントの骨太のセリフがいちいちかっこいいし、ロケ地も見ていて楽しかった。ドアを開けると、下に降りる階段があり、意外に奥行きの広いフラットの部屋の様子も、労働階級と中流階級の各部屋の違いも、石造りのモノクロのロンドンの街なかで、真っ赤なダブルデッカーがさっと通り過ぎる様子などなど、見どころがたくさんあった。もう一度見てみたい。
[インターネット(字幕)] 8点(2018-08-11 00:16:50)(良:1票)
5.  舟を編む 《ネタバレ》 
タイトルの「ふね」は「船」ではなく正しく「舟」だ。軽くてもろく、孤独な舟で言葉の海を渡るのだから、本来なら「舟で編む」が正しいのでは?と思うところだが、「に」を「を」にするだけで、単なる説明ではなく詩的な深みが出るのだから、言葉というものはつくづく油断がならないと思う。馬締君や西岡君の成長ぶりを見ていると、辞書とともに編集者たちも年月とともに練られている。だから、辞書作りの現場や空気感、人間関係、作業の成果などひっくるめて、「舟を」になるのかなと思う。ただ、時の流れを表すのに、キャラたちの髪型だけでは辛い。もっと明確に、10数年たったという背景映像が欲しかった。 それと、バーガーショップでのシーンではたと気がついた(このシーン、かなり好き)。ラーメンや税金、スーパーなど1つのテーマをとことん追究して面白い作品を撮った伊丹監督なら、「辞書の男」とでも名づけたんじゃないかと。彼の作品だったら、煙草の煙が充満した編集室になり、かぐやさんはくわえ煙草のミニスカートで登場したかも。伊丹バージョンの「舟を編む」 できることなら見てみたかった。この映画は個人的にはすごく好きだが、ユーモアが中途半端だった。原作は笑いどころがいっぱいあるのに、それだけが残念。
[DVD(邦画)] 8点(2014-02-13 13:55:13)
6.  フライト 《ネタバレ》 
 この映画を観て得たものは、人間は目が覚める瞬間が来たとき、それに気づきさえしたら、人生をやり直すことが出来るということ。ウィトカーは最初、アルコール依存者の会に参加したとき、せっかくその瞬間がきたのにむしろ逃げた。元恋人に自分の罪をなすりつけるタイミングで、やっと目が覚める。人間はいつどのようにして、神の啓示を受けるかわからない。電気に打たれたように今まで見えていた世界が突然180度違って見えるようになる、などという体験はそうできるものではないけれど、憧れてしまう。実は、自分を変えるネタは見えないだけで、そこらへんに散らばっているのだろう。それを謙虚におしいただいて現状を打破する力に変えていく・・・・・・細かい点でたくさん突っ込みたいところはあるけれど、深い人間賛歌に満ちた作品ではないかと思った。   ところで、「うまくつぶした、あとは君次第だ」と繰り返していたチャーリーとラング弁護士。機長の血中アルコール値をどうやってつぶせたのか、具体的な種明かしはなかったけれど、公聴会のエレンの反応を見て、チャーリーたちが機長の数値を死んだカテリーナのものと交換して報告したとしか思えなくなった。そのとたん、この2人のイメージが最悪に。そうだった、こいつらパイロット組合の連中だった! (まさしく180度の逆さ視点に!) 考えてみたら、この作品中人命をもっとも軽んじていたのは彼らではないのか。「有罪になったら終身刑だ」というのも、彼に飲酒の自白をさせないためのブラフだったのではないかと思う。現にラストで機長本人が刑期は数年間と言っているし。(そこは一応「英雄」なのだから温情措置になったのかも) とにかくすべてのやり方が汚すぎる。公聴会前に酔っ払ったウィトカーに絶句した彼らを見たときはつい同情したが、全くバカバカしい!
[映画館(字幕)] 8点(2013-03-13 23:58:17)
7.  プロメテウス 《ネタバレ》 
予告編で「プロメテウス」と称された迫力満点の宇宙船とクロワッサン型のUFOに魅了され、ぜひとも映画館で視聴したいとすごく楽しみにしていたのだが、ヒトデのおばけみたいなエイリアンが出てきた時点でTKO、治療用カプセルで大暴れしていたエリザベスよろしく「わたしをここから出してくれ!」と叫びたくなった。 ぬるぬるにちゃあっと糸引くあのグロい生物を、真っ暗闇のだだっ広い劇場のど真ん中、ズームアップした3Dで見ることになると分かっていたら、絶対にDVD視聴を選んでいた(ちなみにレイトショーで観客10名だった)。 そもそもあんな強烈な捕食生物(人工的に作られたものであったとしても)がいるのなら、被捕食側の生態系もきちんと描いてくれなければ、惑星そのものも非常に薄っぺらく感じられる。その点、人間にあだなす肉食系、ロマンをかきたてる草食系の恐竜の世界を描いた「ジュラシック・パーク」は素晴らしい。 DVDをレンタルしたら、惑星の風景や砂嵐、各宇宙船の雄姿などのダイナミックな映像を繰り返し見るだろう。ストーリーが絡んでいるシーンははっきり言ってどうでもいい。ストーリーありきではなく、まず映像ありきで制作されたとしか思えないほど、キャラやテーマに重みがないからだ。そういう作品は、残念ながら見事なシーンだけ選んでぶつ切りのように楽しむしかない。
[映画館(吹替)] 6点(2012-09-06 21:08:07)
8.  フローズン 《ネタバレ》 
氷点下20度で居眠りをすれば、低体温に陥って死ぬだろう。リフトに乗る時点ですでに空腹の女性が2晩も耐えられるはずがない、など突っ込みどころは満載だが、ずっしりと心に残った作品だった。逃げ場のない高さから下を眺めれば飛び降りられると思うのは本当らしい。その錯覚と戦って、いかに冷静に危機を脱するかという決断力が生死を分けるのだ。リフトに乗る前に聞いた「天候が荒れる」という話をちゃんと覚えていれば、月の出ているうち、思考力、体力のあるうちに迅速に行動すべきだと分かったろう。力の勝る方の男性が支柱へ移り、スキーで一気に下山するというベストの選択肢をとれたはずなのに。リフト券の損得でプレーを要求するなど、遊び優先で冬山の怖さに少しも留意しない。自然に対する彼らの甘い認識が、来るはずもない助けを待っていたずらに時間を費やし、まさに生還できる貴重なタイミングを奪ったのだ。またスキー場を営業する立場として見れば、改善策が見えてきて面白い。営業終了時はその旨を広域放送して客の下山を促し、全リフトに人がいないか光源を搭載した車で点検する。狼が出る山ならば、ゲレンデのあちこちに避難小屋を設置し、緊急電話が無料でつながる設備を整える。自然を相手に楽しむスポーツは、サービスする側、受ける側の危機意識なくては始まらない。
[DVD(字幕)] 8点(2012-01-04 10:47:12)(良:2票)
9.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
人を殺したと思いこんだ後のニナの、全てが吹っ切れた「悪」の演技に圧倒された。まさに猫を噛むほどに追い詰められた鼠のイメージだ。この狂気なくして、あの黒鳥のすごみは出ない。しかし、バレエは決して個人プレーではありえない芸術なのに、徹底してニナにのみ集中していた。「一人で」勝手にもだえ苦しみ、結局は満足のいく踊りを踊って、誰ともその喜びを共有することなく「一人で」満足するヒロイン。自分だけが成長し、周囲と何ら分かち合うことがない。見ごたえがあったものの、不自然で、どこか薄っぺらさが感じられて仕方がないのは、この点だ。コミックの『ガラスの仮面』では、ライバルの2女優が火花を散らすが、それだけではなく、演劇とは何か、役とは何かを深く追求した上で表現力を培っていく過程が描かれている。この作品では、仕事の重責や仲間への嫉妬、自信喪失と、個人の事情が中心となって描かれているので、プレゼンやオーディションのからむ世界なら、何でも代用が効くのではと思ってしまった。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-23 23:38:07)
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