1. フッテージ
《ネタバレ》 主人公がイーサン・ホークだったので、彼なら後半に事件の真相を知ってあえてそれを食い止めようとするのではと思ったのですが、単に「怖がらせておしまい」でした。逆に言えば、イーサン・ホークだから期待感を持って見続けられたわけで、プロデューサーの勝ちとも言える。でもこの手の作品ばかり出ていたらやばいぞイーサン。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-13 09:51:29) |
2. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 映画はいかに最初に「大嘘」をつくかが勝負だ。手短なモノローグによる自己紹介、そしてすぐに天の声、主人公を取り巻く環境を極力省き、ついにはスタジアムの幻想まで、と畳み込むような展開のおかげであっという間にこの映画の世界に引き込まれていく。トウモロコシ畑をいきなり野球場に変える男を下手に説明しなかった作り手側の勝利だ。そのおかげで次から次へと浮かび上がる疑問とその答えへの導き方に「んな、訳ないだろう」なんて事は考える暇もなくストーリーが展開していく。こうなると、強引な展開ではなく最終的な答えを見つける旅に観客も付き合うようなある種の「目的」が生まれていくのだ。年老いたドクター・グラハムを見つける1970年代の町並みも、途中で拾うヒッチハイカーもすべては「目的」のためのファクターなのだ。目的を目指すいわば観客代表であるケビン・コスナーはまさに適役。投げ方で本当の野球少年だった事がわかる。また妻役のエイミー・マディガンも素晴らしい。「娘を紹介したら?」という素敵な助け舟を出し、そっと球場のライトをつける彼女は最高だ。バート・ランカスターも晩年としてこの映画にあれほど素敵な役で出てくれたこと自体がうれしい。そしてこの作品のすごいところは俳優に負けず劣らず演出がさえまくっていること。たとえば全編通してぐっと来るのはシューレス・ジョーの声だ。彼の声はどんなに離れていてもささやく程度だ。普通なら絶対聞こえない距離も彼は小さく語る。その言葉は主人公にしっかり届いているのだ。まさにファンタジー!そしてすばらしいのは、球場に現われる彼らはすべて自分が何者かを自覚していること。それが老ドクターに姿を変えたムーンライト・グラハムへの暖かい言葉へつながり、最後に残ったあの人との会話に結びつくのだ。それにしてもラストのキャッチャーミットを脱ぎ、こちらに気づき振り返るあたりから目頭が熱くなる。映画史上でも屈指の名シーンだ。彼はフルネームを名乗り、主人公は躊躇してファーストネームしか名乗らない。それでもなお感極まって最後に一言「DAD」というと、あの人はためらうことなく振り向くのだ。今年で7回忌になる父とのキャッチボールの思い出がこの映画を見るたびによみがえる。 [映画館(字幕)] 10点(2009-02-03 02:07:10)(良:4票) |
3. 復活の日
《ネタバレ》 パンデミックという言葉のかけらすら知る由もない中学時代に前のめりになってみた思い出がよみがえる。日本人のみのシーンは役者全員が力みすぎて泥臭さムンムンで気恥ずかしい。日本独自の演出と演技が海外のそれとは異なるだけでなく、一歩遅れていることが明確だ。事件の発端となる無名のウイルスの持ち出しシーンは別にして、主要の親日外国俳優陣に支えられてぎりぎり持ちこたえた印象。特に大統領と上院議員の最期の会話やボー・スベンソンのLIFE IS WONDERFULは泣ける。日本の俳優の中で主人公・草刈正雄だけはその顔つきもあって見劣りせず、ラストはウルウルモードへ。主題歌とチリ軍に借りた潜水艦と南極風景の功績大。感染列島よりハリウッド監督で今一度リメイクしたら…と頭をよぎる。放送するたびについ見てしまう作品のひとつ。 [映画館(字幕)] 7点(2009-02-01 02:56:18)(良:1票) |
4. フェノミナン
この頃すでにジョン・トラボルタは癖のある役、アクの強い役も演じていた。にもかかわらずこの朴訥な男を演じきっている。まさに脱帽の一言。空からの啓示なんてSFチックにせず、身の回りの自然を見ているうちに急に「悟った」のでも、彼の演じるキャラは納得させられるのではないだろうか。また、この作品に厚みを出しているのは共演陣。R・デュバルの父親的まなざし、F・ウィテッカーの白人・黒人を超えた友情、キーラ・セジウィックの節度をわきまえた関係などがしっかり主人公をサポートしている。それにしてもクライマックスのトラボルタの別れのシーンはあまりに切ない。たった1分足らずのシーンだが一人の人間にとって最高の別れのシーンのひとつだ。あんな形で迎えられたらと心からうらやましく思う。ゆったりとした自然描写、少な目の台詞、秀逸なバラードの数々、エリック・クラプトンの名曲はもちろんだが、そのほかの曲も素敵だ。彼の誕生パーティで締めくくるラストシーンも見事。ちょっと疲れた時に見たくなる一本だ。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2008-10-13 12:42:11)(良:1票) |
5. プリンス・オブ・シティ
長い作品ゆえかつてテレビ放映で前後編に分けていた思い出。「1941」で女の子を追い回す軍曹役だったトリート・ウイリアムス主演のドキュメンタリータッチのシリアスドラマ。「街の貴公子」と呼ばれたNY市警麻薬捜査チームの内幕を淡々と描く本作は、確かに今流行のどんでん返しや奇抜なストーリー展開はない。チーム内に根付く腐敗に疑問を持ちはじめた主人公が、内部捜査機構の圧力に屈し徐々に協力させられ、仲間を密告していくのだが、当然明るい結末になるはずがない。それでもなお25年以上も覚えているのは、俳優の「密告による正義」と言う苦悩をしっかり演じていたことだったかもしれない。今にして思えば「16ブロック」のB・ウィリスの心境と通じるものがある。ただし決定的に違うのは、仲間全員がそれなりの悪事を働き(ひどい悪意ではなく)自分もそれに同調し、少なからず恩恵を受け立ていた男が、自らの過ちと決別するために反旗を翻すのではなく、内部捜査によって追い詰められることだ。確かに能動的の方がかっこいいに決まってる。本作の主人公は追い詰められての内通だ。ある意味最低かもしれない。それでも彼にカメラは焦点を当てる。後悔と自己嫌悪にまみれる主人公になぜか惹かれる不思議な感覚が今も記憶に残っている。 [地上波(吹替)] 7点(2008-01-16 18:21:30) |
6. フロム・ダスク・ティル・ドーン
《ネタバレ》 この作品を見てこの「先入観」という思い込みが、いかに知らず知らずに形成されていたのか痛感しました。知人からビデオを借りる時、彼は「おれは途中で腰が浮いた」と言っていましたが、そのときは意味がわからず。観始めてみたら、破滅的でけだるい雰囲気…。そしてあのお店へ…。ふーん、こんな展開ね…少し眠いなあ…などと鼻をほじりながら寝そべりながら見ていた私。数分後、もちろん飛び起きました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-24 22:33:33) |
7. フォーエバー・フィーバー
試写会での視聴でした。ブルース・リー好きが役立つシーン、試写会場は拍手喝さい!見事に伏線が効いた瞬間です。それにしても、優秀な弟の告白は驚いた。思わず声が出てしまった。映画への愛情を感じさせるいい映画です。 [試写会(字幕)] 8点(2005-10-27 14:52:46) |