1. ブラックホーク・ダウン
《ネタバレ》 『プライベート・ライアン』と同時期・同系統の映画で、そのジャンルでは今なお(両作ともに)最高峰とされているのではないかと思います。若干の違いがあるとしたら、中でもコッチはごく高度に実話ベースとゆーか、リアリティの描き出しの方により全体の質感を寄せているとゆーか、部分的にはドキュメンタリチックにも感じられる…てのがまた確か、かとは思いますかね。 で、私も全然優れた方の映画だ、と思うのはまたまた確かなのですケド、何回観てもあまりしっくり来ない…てのがまた×3正直なトコロでもありまして、ナニかやっぱり「中途半端」な作品だ…という気がしてしまうのですよね。大作映画だからどーしたって興行面を無視するワケにもいかなくて、だからリアリティ重視とゆーても映画的展開運びを全くしないってコトにはならないし、でもでも(方針的に実話ベースで進むしかないから)実際の事件の展開同様に終盤はグダグダになって盛り下がってゆくしかないし…(+それは事態急変当初、ごくアクション映画的にメッチャ盛り上がった部分とだって確実に整合していないと思うのですし…)逆に、リアルにドキュメンタリ的に描いて戦争の悲惨さ・不毛さを際立たせるのが目的の大きな一つだとして、だとしたら(結局)米軍よりもケタ違いに犠牲者が多かった(+作中ではまた確実に「敵」としてしか描かれていない)ソマリア人の描き方ってのは、率直にコレは「正しい」のか、と。 それでも、評点としてはもう一点加える方が(個人的な感覚としてはまた)正しそうにも思われるのですが、な~んとはナシに今回はいったん低めに寄せたこの評価としておきます。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-02-26 09:46:38) |
2. プロジェクトV(バイオント) 史上最悪のダム災害
《ネタバレ》 この映画のコトを知るまでは元ネタの事故(歴史的な大惨事)とゆーのも恥ずかしながら知らなかったのですが、確かに色々と耐え難い事件ではありますよね。オーラスではソレをまずまず見事な映像でしっかりと表現してくれてますので、尚更にその悲惨さをヴィヴィッドに実感できると思います(観ていてだいぶ辛くなってしまいました)。その部分には、娯楽・趣味としての映画とは違うもう一つの大きな価値がある作品だとまずは思いますよね。皆様も是非。 集団心理における種々の「錯覚」に近いモノの産物…というコトかとも思いますが、別にこーいう人命に係る事象のみならず、シンプルに自分の仕事に落とし込める様な教訓も多々得られた、という気もします。「誰がソレで好い…て言ったんだ!」なんて私の仕事環境ですらモ~耳タコなお話なのですし、やっぱ「根拠は何か」⇒「ひたすら(客観的な)数字こそ頼りになる」とかってのも再認識しましたよね。もっとも、取り扱うデータの解釈…という意味では、コレもやはりとにかく「先入観」こそが最大の敵…だとは思いますね。なんらかバイアスがかかった状況では、例えデータ自体が客観的でも如何ようにも「(半ば故意の)取り間違え」は発生しうるワケで、だからそーいう人には(基本的には)正しい判断なぞ期待できないのだとも思うのですよ。まあ、この場合はソレでも結果フェイルセーフに倒れていれば好かった…という問題なのかも知れませんケドね。 [DVD(字幕)] 7点(2022-10-15 09:43:31)(良:1票) |
3. ブラッドレイン
《ネタバレ》 なんですかね…主に俳優陣の意味不明な豪華さに依るモノだとも思うのですが、他にもセット(ロケ地)がどれも中々に雰囲気好くゴージャスだったり、その他小物の多くも結構隅々まで(ある程度)凝って揃えてたり、少なくとも見た目は全然悪くないとも思ったのですよ(B級以上な感じ)。ただ、よーく見ると例えばアクションが非常にテキトーで陳腐だったり、演技が随所でだいぶボンクラだったり、イッテンバッハを招聘してのグロ描写もごく中途半端な出来だったり(量は豊富なのですが、そのドレもがそれぞれほんの一瞬しか映らないので結局あんましグロく感じないのですよね)、小物とかでも例えば武器(剣)なんかはよく見るとホントになんの刃も付いてないタダの鉄の板だったり(キョウビ玩具とてもうチョイ恰好を付けてるぜ、的な)、総じて「よーく見ると」かなりショボい、という映画だとも思うのですよね(隠し切れないショボさ)。取り分け、ほぼ全編アクションしか内容が無い様な作品なのにアクションがやっぱ絶望的にショボいっすよね。中でも主役のクリスタナ・ローケン、彼女のは「踊りじゃねーぞ!」ってレベルにすら達してねーもはや「盆踊り」のような代物ですよコレ。 もう一点、下衆い指摘で恐縮なのですが、終盤クリスタナ嬢が捕まって台の上に縛られてるシーン、ソコで全開にした脇に(コレもよーく見ると)青々とした見事な剃り跡が…重ねてゲスくて申し訳ありませんが、でも「脇が映る」ってのにこの状態でやって来る女優てのも、ソレを(知ってか知らずか)指摘すること無くOK出しちゃう監督てのも、どちらも(少なくとも)一流とは到底言えない、てのも個人的には間違いの無い感覚だと思ってますですね。 [インターネット(吹替)] 4点(2021-09-29 21:39:00) |
4. ブレンダンとケルズの秘密
《ネタバレ》 画の出来は文句無しに凄い。同じアニメでも、これは相当にカネの掛かってる方のヤツだし、誰にでも出来る仕事ではない。そこには大いに観る価値があるだろう。 ただ、お話の内容は前半から決して面白いとは言えないレベルで推移し、終盤はかなりテキトーでもはや不可解、という有様。典型的なある種の片手落ち映画で、万人向けとは言い難い。ポイントを絞って観にいく必要がある。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-04-17 08:59:15) |
5. 腐女子彼女。
《ネタバレ》 前半は腐女子の生態ネタでバカにハイテンションに大騒ぎしまくるが、一転して後半は重っ苦しい恋愛展開で以降はひと笑いも無い。ちょっとバランスとゆーのが悪過ぎるし、だから特にラブコメとしては率直にかなりのポンコツだと思ってしまう。 どだい、2人の恋愛にも前半で積み上げたモノというのが(あんまり)無いので、いきなり後半でシリアスなコトを始められても…ちょっとスッと頭に入ってこない。あと何より前半の腐女子ネタに関しても、松本若菜はヒジョーに頑張ってるとは思うケドやっぱチョイと「無理をしてる」感がプンプンで観ていてだいぶん辛い(コレもどだい、全くキャラに無いコトをやっているのが明白であり)。 どーでもいい事ですが、大東駿介は10年後の伊藤健太郎にソックリすね(丁度十歳くらい差らしく)。頭ン中でなんか時空がバグりかけましたわ。 [インターネット(邦画)] 3点(2021-04-05 23:24:58) |
6. ブラックブック
《ネタバレ》 最初の方はシリアス全開のヴァーホーヴェンとしては際立ってマジメな内容で、これはこれで全く全然悪くないと思った。それが、終盤は一転してサスペンス方面の面白さ・意外性を重視した極めてスピーディかつ濃密な目まぐるしい展開で、少ーしリアリティを欠くものの、個人的にはこっちも超面白かった(が、ここは完全に娯楽映画なんですよねえ…)。非常に穿った見方をすれば、序盤・中盤と終盤で雰囲気がだいぶ変わっている点に疑問を差し挿むことも出来ようが(マジメに撮るんだったら最後まで貫けよ、という)、個人的にはそこまで深刻に気になっている訳でもない(とは言え、全く引っかからないという訳でもない)。 監督の個性であるエロやら汚物やらも非常に効果的に使用されており、映画としても見応えが高まっているし、ファンならニンマリ出来るだろう。しかし、いくらゲテモノ好きの私でも、件の糞尿ぶちまけのシーンは流石に少しやり過ぎにも感じた(前述の、リアリティを損なっている、という意味でも)。ただ、そこも含めて脱ぎまくりの汚されまくりな主人公を演じ切ったファン・ハウテンの演技には、最大級の賛辞を贈りたい(こういう気が強すぎる女性って正直ニガテなんだけど、「ムンツェに惚れたな?」「そうよ、悪い?」のシーンの凛とした目付きにはビリビリ痺れました)。地味に、ヴァーホーヴェンでは一番素直に他人にオススメできるかも知れませんね。 [DVD(字幕)] 8点(2020-05-17 01:58:05) |
7. プラネット・テラー in グラインドハウス
《ネタバレ》 B級を装った完全なA級(ブルース・ウィリスとか出てるし)。グロ描写(ゾンビの造形・血飛沫・特撮等)はどれもかなりクオリティが高く、かつ大盤振る舞いでこれだけでも非常に爽快。随所に挿入されるお下劣ギャグもとても笑える。加えてアクションも爆発過多な上にまずまず出来が良い。ローズ・マッゴーワンは常に誘ってるかのような目付きで全編通して色気全開。B級映画の良さをA級に実現したある種の傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 10:51:25) |
8. フレディVSジェイソン
《ネタバレ》 この映画、やりたかったのは後半のアクション展開であり、その意味ではホラーではなくてスプラッタ・アクションですかね。前半はまだホラーと言えなくもないですが、フレディ&ジェイソンのいつもの仕業な展開にはあまり気が入ってる感じでも無く、大して怖くも面白くもありません。しかし、中盤からは(怖がらせるのはもはや放棄していますが)ショック描写がひたすらどんどん派手になってゆき、終盤の超バトルへとごく自然に繋がってゆきます。そのお待ちかねのバトル展開ではフレディもジェイソンも思いっ切りハッチャケており、キャラものとしてはある意味、これ以上無いホドに楽しめるでしょう(これが正しい『フレディVSジェイソン』だ、と思えました)。 かつ、懸案の脚本も(設定が無茶な割には)それなりに良く出来ており、その部分でもまあまあ面白く観れるのではないかと思います。ホラーの名優ロバート・イングランドの最後のフレディであることも含め、割り切って観れば十二分に楽しめる作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2019-11-19 20:53:17) |