1. Helpless
《ネタバレ》 さも難解な映画に見えるが、それにはワケがある。本作の登場人物たちは、誰もが自分の考えやルールに従って生きていて、他人の意見に耳をかさない。そして、他人に対して一方通行である。だから当然、会話はかみ合わないし、行動も揃ってセオリーを逸脱しているので、ストーリーに理由を求めようとすると、難解な映画という印象になるわけだ。 ちなみに、まるで広告のように目につく (笑) ニルヴァーナの「Nevermind」が発売されたのが、1991年の9月。あのアルバムの登場によって、ロックシーンは激変した。まぁ、それはさておき。そして、本作の時代設定は、1989年の9月。つまり、健次 (浅野忠信) が着ていたあの「Nevermind」Tシャツは、まだ本作の世界には存在しないはず。しかし、あの青山真治監督がこういう初歩的でかつ致命的なミスをするとも思えず、何らかのメッセージを込めている、と解釈することにしたい。察するに、この映画は粗 (あら) だらけです、でも内容 (ストーリー) の完成度よりは、美術や音楽面の芸術性を重視して (評価して) ください、、そういう意図ではないだろうか。 確かに、北九州の風景と乾いた映像美、そして暴力性と対比的に音楽は素晴らしいので、雰囲気映画、芸術性の高いアート系映画、(考えるな感じろ、の映画ね) そういう映画もたまには良いかと。 とは言え、、やはり主要な登場人物の誰にも共感できないのでこの点数。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-06-23 18:03:30)★《新規》★ |