21. 変身(2005)
原作を読んでいないので、それとのギャップに悩まされること無く普通に鑑賞できました。たぶん原作は「アルジャーノン…」のような人格変化がテーマなのでしょうが、この作品に関しては蒼井優ちゃんの映画にとどまったという印象です。気になったので、脳移植のことを少し調べたけど全くのフィクションでもないようですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-09-09 16:21:39) |
22. ペイ・フォワード/可能の王国
《ネタバレ》 良いことを言ってるようなのだけど、鑑賞後にはスッキリしないものが残った。それはトレバーが死んだからではない。結局、この映画の中には自分の息子に火を放って満足感に浸る奴とか、更生すると言い続けて出来ない奴とか、イジメを制止された程度で人を刺し殺すような奴がいる。善意を拡げて行く提案も、一部の者の間でしか巡回しないような限界を覚えるのだと思う。また、一日一善的なアクションでは無く、誰かを「幸せ」にするというニュアンスだけど、他者の「幸せ」を量るのはとても難しいことだと思う。少なくとも、自分を犠牲にしてやることではない。事故性が高いけど、イジメの制止に入ったことでトレバーは彼を刺した少年の「不幸」を当確にしました。そのあたりにもテーマに対する矛盾を覚えるのだと思います。ラストシーンはトレバーの遺志が継がれて行くという描写ですが、「死んで2階級特進」的にも見えて好きじゃない。穿った見方をしていることを自覚しつつも、もう少し上手いまとめ方があったように思う作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-31 00:33:10)(良:2票) |
23. BECK
《ネタバレ》 佐藤健のオドオドした態度と忽那汐里のツンデレ。前半はその甘酸っぱい距離感が面白く、ギターとボーカルでブレイクして行く前向きな青春ムービーとして楽しかったです。後半、盗んだギターを巡る騒動でトーンダウンしました。原作にあるエピソードなのでしょうが、嘘くさくて仕方なかった。それが原因で起こるバンド内の諍いも見慣れたレベルです。最後のライブシーンでは、交通事故的に観客を持って行かれたライバルバンドに少し同情しました。 バンドをやっている人たちは、自分たちの演奏が多くのオーディエンスを熱狂させるシーンを夢見て練習に励むのでしょう。劇中に現れるそのイメージがバンド好きへの普遍的なメッセージとして好感だったんですが、最終的には強引なオチに繋げるための材料だったことが残念でした。それと、盛り上げるべき歌唱シーンを最後まで口パクで通されると、さすがに少し萎えます。最初は上手い演出だと思ったんだけどね。 難敵だった女性も歌えば一発で墜ちる。「コロッ」って音が聞こえました。歌が上手いと得します。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-10-27 12:45:00) |
24. 蛇男
「慰めの報酬」でボンドガールを勤めたオルガ・キュリレンコを目当てに。いやいや、色っぽいです。ヌードもたくさんです。前半でいなくなるのが残念だけど、当初の目的は十分に達成されました。さて本編ですが、男が蛇に化ける映画ではありません。中学生時代のイジメで人生を狂わされた男がイジメた男に復讐するお話。そこに離婚調停や無能な警察や探偵っぽい弁護士などが絡んである程度は楽しめます。復讐は成功するんですが、その反撃もあってやがては泥仕合の様相。主人公はイジメた方で、身から出た錆ってことで特に同情も出来ず。どちらに転んでも良かった印象です。やっぱりオルガ・キュリレンコ目的で観るのが正しい態度かな。原題は「蛇」そのもので、同時に狡猾や陰険という意味もあるらしい。「蛇男」って邦題を思い付くのは分かるけど、ホントにそれを邦題にしちまう感覚が面白い。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-02-07 22:33:53) |
25. ベロニカは死ぬことにした(2005)
《ネタバレ》 自殺未遂の巨乳女性が、ほぼ初対面の異性の前でいきなり自慰にふけり、絶頂を迎えることで生きる希望を取り戻すお話。言葉にすると凄いですな。特に不自由しない生活に対して感じる絶望とは、日々の生活の緩慢な永続感と希望を持てない未来の狭間から生まれてくる。「死ぬことにした」という無造作なタイトルはその気分を表現しているけれど、本作の導入はそれが表現できているとは思えず、出発点があやふやな為にその後の描写が迷走気味。都市生活を送っていた自殺未遂者がいきなり人里離れた精神病のサナトリウムで目を覚ますのはファンタジーの手法だけど、作品全体がファンタジーとしてまとめられている訳でもない。主人公以外の登場人物が抱える心の闇を積み重ねた上で、主人公がブレイクスルーする方法がオナニーって云うのはどうなんでしょう? すべては真木よう子を脱がせることから始まった企画のような印象で、それに執着してコケた感じです。その肝心のシーンの見応えも微妙でしたし…。原作は読んでませんが、そちらは相当に深いことが想像できる。だけど、睡眠薬で心臓心室の細胞が壊死するってホラを主人公が信じた時点で、映画の方はIQがガタ落ちした音が聞えました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-12-01 23:08:23) |
26. 平凡ポンチ
《ネタバレ》 変なタイトルに惹かれて観たんですが変な映画でした。でもレビューに先客がいてちょっと安心しました笑。↓目隠シストさんが仰るように、秋山莉奈が魅せます。いきなり「パルプ・フィクション」のモノマネから入るんだけど、その堂々とした恫喝の雄たけびにオオッと刮目する。グラビアの紙面より100倍魅力的に映りました。いや、彼女の本職を貶すつもりは無いんです。グラビアも充分に魅力的です。でも女優の方が花開く可能性を感じました。事務所に頑張ってもらいたいです。さて本編ですが、映画好きは自分がその主人公だったなら…と夢想するものです。秋山莉奈は無理矢理に劇的な状況を作り、その中に自分を置くことで映画気分を味わおうとします。同時に、売れない映画カントクにそれを撮らせて文字通り「人生を映画にする」ことを目論見ます。この命題は面白いのですが、売れない映画カントク(本作の監督)の態度が煮えきらない。ただカメラをまわして彼女から「映画は面白くなくちゃだめなの」とたしなめられる始末。あくまで商業映画を撮りたい気持ちが先行して彼女とシンクロできません。彼女への下心が邪魔してたようでもある。劇中劇を逆手に取って映画自体を俯瞰させる構成で、最後はカントクが解脱して「人生を映画のように生きる」ことに辿り着いたよう見せていましたが、自分にはそうは思えず。彼女とヤッちゃうだけのオチはダメでしょう。脚本の詰めに疑問符が付きました。ちょっと気難しいかな。秋山莉奈にプラス1点。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-01-24 22:52:59)(良:2票) |
27. べクシル 2077 日本鎖国
《ネタバレ》 まずタイトルが良くない。覚えにくい。主人公の名前をタイトルにするなら「アキラ」や「ゴジラ」くらい物語を背負っているべき。 ストーリーが進むとすぐに全編CGの必然に疑問符が付いた。アクションやチェイスシーンは迫力あったけど、キャラクターが酷い。薄っぺら。決して主人公の声のせいだけではない(笑)。 肝心の鎖国も、謎が明かされたような見せ方をしていたけど、?がたくさん。なぜ国土から山と川がが消えたのか、アンドロイドになりかけの人が集まる東京が、なぜ闇市か縁日みたいな様相になるのか、知ってる人がいたら教えてください。 エンディングもとても情けないオチで、そのオチの結果として、日本は絶滅。ちょっと悲しい気分になったのは自分が日本人だからだろう。 観る前は「鎖国」という響きにかなり魅かれたけど、外国に見せない(見せられない)という意味だけで使っている言葉のようだ。どんなふうに技術が進化すれば国内資源だけで経済が回せるのか、な~んて興味を持った自分が馬鹿みたい。結局ストーリーは二の次で、実験映像が作りたかったんだと解釈すれば、頑張ってる方だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-09-18 16:54:15) |
28. 変態島
《ネタバレ》 ははは。こりゃ確かに詐欺だわ。↓3737さんのレビューを、事前にしっかり改行表示して読ませていただき、そのうえで観てるんだからまぁ文句は言えません。「怖いもの見たさ」と同様に、自分には「くだらないもの見たさ」もあるようで、そこをくすぐられました。「変態シリーズ」なるものは知らなかったけど、おかげで入り口に立てました。ちなみに詐欺は引っ掛かる方が悪い、とも言われますが、それが本作のストーリーでもある。つまり、二重詐欺。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2010-12-12 00:14:29)(良:1票) |
29. ペイチェック 消された記憶
《ネタバレ》 うん? 未来を見たから封筒アイテムが用意できたってことは、その未来にもあの封筒アイテムがあったということか? では、そのアイテムの必要性を考えた奴はどの時空に存在するんだ? ちょっと考えると、未来を一度見たからといっても、アイテムで橋渡しすることの無茶な理屈にはすぐに気付く。それを除いても、20個のアイテムを状況に応じて瞬時に使い分ける手際の良さは異常じゃないか? それを除いても、主人公のジェームズ・ボンドかジェイソン・ボーン並の強さはどう説明するんだ? アホくさいぞ! [CS・衛星(字幕)] 2点(2010-03-19 00:12:39) |