1. ホドロフスキーのDUNE
《ネタバレ》 スターウォーズ以前の映画界でとんでもないプロジェクトが進行していた! それはとんでもないスケールの超SF映画。きっと実現していたらSF映画の歴史は大きく変わっていたかもしれない…。 という訳でドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による『デューン / 砂の惑星』が公開されるので、予習とばかりに見てみた本作。 その中身はエキセントリックな監督の映画に対する熱すぎる情熱が溢れ出すドキュメンタリー。 ホドロフスキー監督が才能の鼓動が感じるがままにこんな日本人でも知っている超天才、大スターたちを集め、己の超大作映画を作って行く…そう、「ホドロフスキーの」デューンを…。 という訳で80代とは思えないギラついた眼光の元気すぎるホドロフスキー監督の面白すぎる身振り手振りとパワー溢れる喋りでグイグイと引っ張られ、出てくる関係者…魂の戦士たちのあまりの豪華さに驚き、設定画のカッコ良さにまたビックリする。このデザインの宇宙船が動く姿は見たかったなぁ…。そして映画結末は原作とは全く違う監督の考えたストーリーへ…原作レイプなんて言葉があるが、この人はそれを高らかに「クリエイターなら原作はレイプしてなんぼじゃ!」と公言している。(マジでレイプって言ってる) そして上映時間が12時間ととんでもない長さになり、予算も膨大になり企画は頓挫に…。 その後リンチのデューンが公開されて見に行ったらあまりの駄作っぷりに元気になった話は笑いました。 しかしこの映画の遺伝子は映画にならずとも後の映画に大きな影響を与えている事は間違いではないようで、その凄さには驚きました。 そして僕もホドロフスキー監督のように元気であらねばと強く思いましたね。 本作はそんなわけで非常にエキセントリックな監督の凄味をこれでもかと味わえる凄いドキュメンタリーでした。 あとデューンの予習としては全く適してはいませんでしたが、このホドロフスキーのデューンの遺伝子が今回のデューンに影響しているのかは非常に気になりますね。素晴らしい映画でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-07 08:45:05) |
2. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 実はフレディを知ったのは魁クロマティ高校でして今思え酷い出会いをしたものです。しかも僕が知る頃には亡くなっていたアーティストでした。ですがそんなこんなでテレビのCMで聴き、ジョジョのスタンドの名前で知り、CDを借りて聴き、母親にクイーンの素晴らしさと当時の熱狂を聞き、いろんな映画の挿入歌で味わいまくった凄いバンド「クイーン」。 もういろんな映画がクイーンを使いまくる中ついに本家の映画が登場。 いろんな曲は聴いて来たけど、実はあまりその姿を知らないクイーン。そしてフレディ・マーキュリー。 自分の中にある他人と違う部分に苦しむフレディ。ゲイという事は知っていたが、その事の葛藤や愛するメアリーとの別れがあったのは知りませんでした。 そしてフレディ、そしてクイーンメンバーによる天才的な曲の数々を作って行く過程はとても面白かったです。We will rock youやAnother one bites the dustの生まれ方には驚きました。 そう、本作の見所はやっぱり劇場の大音量で聞くクイーンの名曲の数々です。とにかく浴びるように味わえます。 ラストのlive aidのシーンはまさに圧巻。元の動画も見ましたがすごい再現度です。 最後には不思議と涙が出てくる一本。素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2018-12-01 14:24:43)(良:1票) |
3. ホース・ソルジャー
《ネタバレ》 クリス・ヘムズワース目的で視聴。 911の悲劇の直後動き出した作戦はたった12人での特殊作戦。しかも現地の将軍率いる兵士達と戦う事に。 海外旅行だって現地ガイドはちょっと不安なのに、こちらは敵か見方かも定かではない将軍と一緒に戦うっていうんだから大変です。 しかも移動手段はバスでも車でもなく馬。すべてが想定外の展開にプロフェッショナルなアーミー達もたじたじ。仲間より先に腰がやられてしまう始末。しかも将軍は結構頑固な親父。ですが彼との友情と言うか信頼関係を築いて行く過程は良いですね。 それにクリスの目つきがだんだん鋭くなって行くのもいいですね。やっぱり彼はカッコいいです。 そんなこんなで戦闘シーンは多めにあるのですが、あまり代わり映えはしないのでそこまでの見所がありませんでした。まぁ実話ものにそういうものを求めるのもお門違いなのはわかっていますが、それに腰撃ちであんなに当たるものなのかちょっと疑問です。 いや、でも沢山の馬で坂を下って行くシーンはなかなか迫力がありますね。やはり馬は映えます。 そんな訳で12人ちゃんと生き残って任務達成とほんとに凄い事をしちゃってる本作。それなりに楽しめました。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2018-11-19 13:01:31) |
4. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 どうぞ奥さん!いい仕事ありますよ!え?離婚してる?そりゃ失礼。どうですメキシコをぶらっと回るのは。え?予定にない?いや、そんなことよくある話ですよえ?この男?あぁ気にしないで…ね?ねぇ…?奥さぁん…。 麻薬戦争は言うだけあって戦争だ。 初っ端からこれでもかと見せる地獄絵図は惨憺たる現状を脳裏にぶち込んでくる。そんな麻薬カルテルに対して順序よくお役所仕事でなんとかなると思うとそうも行かず超法規的手段がモノを言う。そりゃもう正義か悪かのボーダースレスレな所で。 そんな所に知らずに入ったFBIお姉さんの国境旅行は地獄だ。死体の山に爆発に買収された警官によるチョーク、自分の価値範囲外で行われる仕事人たちの正義の鉄槌にただただ唖然。 しかしこのお話正義を問う話だけかと思いきや終盤からは打って変わって驚異の殺し屋と化した男の復讐劇にシフトチェンジ。正義を問わぬ殺し屋と化した男の手際良い殺人術にまたまた唖然。 結局正義も悪もつかぬ麻薬戦争は新たな火種が燻り続ける終わり方で非常に後味の悪さだけが残ります。にしてもトレーニングデイに似た話で既視感が最後まで薄れませんでした。 でも良い。なぜか凄い良いのはその音楽と映像。美しい砂漠の夕陽や景色。緊張感の中では映し出される光景はどれも絵になるのはやはり監督ドゥニヴィルヌーブの職人芸。ドゥニドゥニした乾いた空気と温度が伝わってきます、それに重たく響く音楽もまた重苦しさと言い知れない不安をドゥニドゥニと煽っていきます。 重たく淡々としながらも次の展開が気になって仕方がないテンポ、常に目を楽しませる映像。今をときめく監督のサスペンスは想像以上の作品でした。 まぁそんなこんなでセガールのようなオジさんは去っていく。仕事は終わったのだ。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2017-11-26 11:46:11) |
5. ポッピンQ
《ネタバレ》 変身!ダンス!冒険! おじゃ魔女やプリキュアシリーズの『東堂いづみ』印ということで変身アクションあり、ダンスシーンありで要所要所多作品との共通点があるオリジナル劇場アニメ。 しかし本作の主人公たちの設定は卒業間近の中三という事で朝のアニメよりかは対象年齢を高めているような気がする。 『卒業』をキーワードに新たなステージに悩み苦しみながらも、己に向き合い、未来に向けて走り出せ…というまぁ文字や言葉にするとどうしても陳腐に見えるけれど、それをまっすぐにやりきった作品だと思える。まぁちょっと急ぎ足だし、かなり説明が多いような気がするけど。 5人の団結とネガティブ面からの脱出は、掘り下げれば面白くなりそうだけど、思ったよりあっさりしているのが残念で、結局センターポジションの女の子以外の迷いと成長がよくわからないまま良くなっているようにも見えてしまいました。まぁここに尺を使うのもアレな話ですが。 アニメーションとしてはのレベルやビジュアルはやっぱりレベルも高いし、女の子も可愛いし、チームワークを駆使したバトルシーンはなかなかの見応えだし、情報を可視化出来るという能力もありそうで無かったのでビジュアル的に面白かったです。そしてダンスシーンはさすが東映アニメーションなだけに良く出来ている…でも、この世の鍵を握るのが凡庸に聞こえるトランスっぽい現代ダンスミュージックってが勿体ない。もっと本作の雰囲気にあわせた作りに出来なかったのかと思ってしまう。 そして終盤、ラスボス的な奴が主人公に見せた「やがてくる現実」というものがただ年老いて行くというのも陳腐な感じであった。リアリティある現実のどうしようもない虚無感や未来への失望感みたいなものが描写されてくるのかと身構えていたのでちょっと肩すかしでした。 …とまぁ良いところと勿体ないところが混在する本作ですが、着地点はとても気持ちよく終わる事が出来ました。 …って続きあるんかい!なんだコレ本編よりおもしろそうじゃん!何かシリーズかにする予定なのでしょうか。とにかく今後が気になりますね。 [DVD(邦画)] 6点(2017-06-30 09:40:11) |
6. 仄暗い水の底から
《ネタバレ》 黒木瞳!あんたが一番怖いわっ!!! 情緒不安定な黒木瞳に映る世界はとにかく澱み暗い世界だ。関わる人間もどこか生気が抜けている気がする。特にこのアパートに関わる奴らは。 そんな見るもの全てが暗く感じる主人公に少女の霊が付きまとう。でもこの霊も「自分を見つけてもらいたい」「母親が恋しい」という欲求の強い霊で、呪い殺すとかの類いではない。ただやり方がヘタクソなだけなんです。 ただとにかく情緒不安定…というか被害妄想も強い主人公は不安をかき立てられめちゃくちゃビビりまくるリアクションが、そこまで恐怖ではないモノを恐怖に変えています。だってカバンが置いてあるだけなんですから、そこからのリアクションがたまらないんですよ。 ラストからの大洪水はなかなか見応えがありますね。髪の毛が混じるシーンより、部屋全体が水浸しのシーンは印象的です。 結末はなんだかんだ女の子は立派に育ち、結局アンタがいなくてもなんとかなったんじゃん感はありますが、それでも娘を身を挺して守った母のラストは良いのではないでしょうか。母子ともに救いはなんだかんだあるラストだと思います。 見所はエレベーターのボタンの悪戯を旦那のせいだと思い込むシーン。主人公の不安定さが絶頂を迎えるシーンはたまりませんね。 逆に馬鹿でもわかるように説明的すぎるカットがたびたび出るのはさすがにどうかと思います。 ホラー演出よりリアクションが怖い、黒木瞳の演技力が迸る映画でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2017-02-01 04:19:55) |
7. ホワイトアウト(2000)
《ネタバレ》 雪が轟々と吹きすさぶ山奥にテロリストが占拠。人質もダムも俺たちのものだ! それに一人で立ち向かうはマクレーン…ではなく織田裕二。 そう、これは織田裕二版ダイハード。彼は日本のブルース・ウィリスになったのだ! 映画のスケールも大きくアクションも満載。かなり気合いが入っていますね。 しかも主人公は立ちはだかる敵を次々と殺していく、最近の邦画には無いアメリカンなアクション洋画を意識した作りは面白いです。 それに織田裕二は日本人、しかも一般人。銃を持った事すらない人間が銃を扱えていく様が結構細かく描かれているのが良いですね。 ストーリーも敵の中でも二転三転状況が変わったりと、刻々と変化する状況が見ていてとてもハラハラします。 しかしこの映画、外の景色はどこも白いので織田裕二のいる場所や位置がわかりにくく、吹雪の中をゴロゴロ進んでいくシーンが多いのが残念です。 当時かなりプロモーションされた映画だけあって、かなり気合いの入った和製アクション映画でした。ただやっぱり二時間は長く感じます。 ラスト自分的好きだったシーンは一度も織田裕二と松嶋菜々子が言葉をかわさなかったところですね。なかなかヒーロー感がありました。 [DVD(邦画)] 5点(2016-10-11 00:43:05) |
8. ホワイトハウス・ダウン
《ネタバレ》 長い前振りで上手にホワイトハウスの内部を説明し、警護の厳重さをアピールしまくってから、一気にそれをぶっ潰す。どこか悪に肩入れしたくなるほどの手際の良さで簡単にホワイトハウス陥落(ダウン)です。 あとはダイハード。一人の無職の男がお国のため、娘のために死ぬほど頑張ります。そりゃもう凄い頑張りようです。 だけど世界TOPの国が崩れ始め、どんどん状況は最悪の事態へまっしぐら。上手く行きそうな事が全部上手く行きません。ヘリは墜落するし、爆発は何度もします。戦車も粉々。ミニガンだって出てきます。最高です。 そして刻々と迫る第三次世界大戦の秒読みに見てくこっちも「やべぇよ…やべえ…」という具合に焦りまくり、そしてそれをひっくり返す最後のカタルシス。 最後、なぜかこんなアホ映画なのに涙が…「よかった…本当によかった…」 主人公も無事就職出来ましたし、本当に良かったです。久しぶりにこんなにドキドキした映画を見ました。 [DVD(吹替)] 7点(2016-01-03 19:45:07) |