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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2598
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  マイマイ新子と千年の魔法
「この世界の片隅に」の衝撃的な感動から6年あまり、片渕須直監督のアニメーションの真髄は、そのさらに7年前に製作された本作の中に既に息づいていたことを、今更ながら思い知った。ある平日の深夜に気軽に鑑賞したのだが、想像以上に傑作だった。  山口県防府市の農村に生まれ育った主人公の新子と、東京から転校してきた貴伊子との出会いと育まれた友情。 共に過ごしたその日々は、一年にも満たない短い期間のできごとではあるけれど、深く、瑞々しく描き出される。 不可思議ながらも安らぐアニメ世界。澄み渡るように深い情感と、膨大な時間を超えた邂逅が、ちょっと味わったことの無い感動を生んでいる。  何やらファンタジックなタイトルではあるけれど、実際に描き出されるできごとは、実は決して特別なものではない。 この時代の日本のどこにでも存在していたであろう少年少女たちの他愛もない日々と、時代がもたらす普遍的な悲しみや苦労、そしてすべての子供たちが一度は巡らせたであろう“空想”によって、本作の物語は紡がれている。  ただ、描かれるできごとが普遍的であるからこそ、本作は形容しがたい情感を生み出しているのだと思える。 決して誰もが裕福ではない時代の中で、子どもたちは時に寂しさや悲しさを覚えつつも、それでも笑って、明日もまた会う“約束”をする。 その一日一日の積み重ねが、間違いなく「今」に繋がっているということを、千年という膨大な時の流れを引用しつつ、本作は雄弁に物語っている。  それはまさに「この世界の片隅に」で描かれた“すずさん”の人生模様に通じるアプローチだった。 そして、“すずさん”が生き抜き、命を継いだその先に、本作の時代と少女たちの人生が存在するのだということを“空想”すると、より一層芳醇な感慨を覚えた。   空想する喜びを既に知っていた新子は、生活の傍らにあった「現実」の悲しみを知る。 現実の悲しみを既に知っていた貴伊子は、新たな環境の中で「空想」する喜びを知る。 そこには時代に対する真摯な視点と共に、少女たちの成長に対する慈愛が満ち溢れていたように思う。  エンディング、コトリンゴが奏でる楽曲に包み込まれながら、「ああ、いい映画だ」と確信した。
[インターネット(邦画)] 9点(2023-01-30 23:14:22)
2.  間宮兄弟
久しぶりに一人で過ごす土曜日深夜。実はこの日はすでに3本も映画を観ていて、3本目のレイトショーを観終わって0時過ぎに帰宅後、一人晩酌をしながら、録画していた今作を何気なく観始めた。眠くなれば、途中でやめて寝てもいいやという気持ちだった。  思うに、ある映画を観て、その映画を「面白い」と思えるタイミングというのは、同じ人間であっても“あやふや”で、そのタイミングというものは、もはや「運命」だと思う。  休日前の深夜、一人でお酒を飲みながら、ニヤニヤしながらこの映画を観た。 このタイミングこそ、この作品を観るためのベストタイミングだったのだと思う。  酔っているので、前置きが長くなってしまったが、詰まるところ、物凄く良い映画にめぐり会えたと思う。  良い歳をして気持ち悪い程に仲良く二人で生活をする間宮兄弟。 その姿は、はっきり言って”非現実的”で、むしろこの映画はファンタジーなのだと思う。 ただ重要なことは、非現実的だとかファンタージーだということではなくて、「兄弟」という結びつきの普遍的な強さだ。 そして、そこから描き出されるのは、“男同士”という関係性の可愛らしさであり、滑稽さ、その素晴らしさだと思う。  映画を観ながら、自分に男兄弟が居ないことを、これほど残念に思ったことはないなと思った。   奇しくも、この日、同じく森田芳光監督の1983年の作品「家族ゲーム」を観たばかりだった。 20数年の月日を越えて、同じ映画監督が描き出した「家族」の映画を観たということ、これもまた感慨深い。   主演の二人以外、キャストの予備知識を持たずに観始めたので、意外に豪華なキャスティングに驚いた。 それほど女優としての魅力を感じていなかった、沢尻エリカ&北川景子の二人が演じた姉妹が、とても良い味を出していて、良い意味で裏切られた。 そのあたりの要素も、この映画が素晴らしい作品であることを裏打ちしていると思う。
[DVD(邦画)] 9点(2010-03-14 03:45:33)
3.  魔法にかけられて
劇場で予告編を観た時から、これはただのディズニー映画ではないし、ただのパロディー映画でもないなという直感はあった。  「メルヘンなおとぎ話」+「現実のNYでの恋人模様」=「今まで見たことのないラブコメ」という構図が、とても面白く、巧い。  もっと安直なアニメと実写映画のコラボレーションを想像していた。 しかし、物語は、メルヘンの世界から現実世界へ送り込まれたプリンセスの揺れ動く絶妙な心理描写と、理路整然と現実世界で生きるシングルファーザーの心理変化までを、とても丁寧に描き出している。  メルヘン世界に対する現実世界の厳しさや哀しさを描き出しつつ、常にファンタジー性やファニー感を保ち、最後には登場するキャラクターも観客も、すべてを“ハッピー”にさせてしまうストーリー展開に、ディズニー映画の強さとプライドを感じた。   現実世界の人生は、当然おとぎ話ではないから、嬉しい時、悲しい時に歌って踊ってなんていられない。 でも、だからこそ歌って踊ってみれば、人生は大きく変わるかもしれない。  ディズニーが真剣にディズニー映画のパロディーに挑んだ意味と答えは、そういうことなのではないかと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-25 15:42:54)(良:2票)
4.  マイ・ブルーベリー・ナイツ
「2046」以来、久方ぶりにウォン・カーウァイの映画を観た。この映画監督の味わいを思い出すと共に、自分が彼の作品を大好きだったことを思い出した。  ストーリーに深みがあるわけではないが、映画自体が薄っぺらいわけではない。 それは、登場するキャラクターの息づかいと振る舞いを、独特の映像世界の中で丁寧に映し出しているからだと思う。 何気なくも美しいものを、確実に美しく描き出すことに、この映画監督は長けているのだ。 映画初主演のノラ・ジョーンズを筆頭に、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン、この映画に出演するそれぞれの女優は、もちろん確かに美しい。ただ、描き出されるものは、ビジュアルを超えた彼女たちの内に秘められた絶対的な美しさだったと思う。 その言動を見ているだけで、ただ幸福になる感じ。それはイコール、映画を観るという「幸福」の本質的な部分だと思う。  自分の好きな映画が、良い映画。映画に対する価値観とは、本来そういうものであり、それ以上でもそれ以下でもない。 ただ、春の夜に、温もりと甘さに溢れた空気に包まれる。
[映画館(字幕)] 8点(2008-03-29 01:09:55)
5.  舞妓Haaaan!!!
「IWGP」で池袋を、「木更津キャッツアイ」で木更津を、「タイガー&ドラゴン」で浅草を、それぞれの街の独自色をマニアックに抽出し、コメディドラマに昇華してきたクドカンが新たな題材として選んだのは、満を持しての「京都」。  主演に阿部サダヲを抜擢し、舞妓好きの常軌を逸したサラリーマンを,破天荒に描き出した様は、まさにクドカンワールドと言える。 ヒロインに柴咲コウ、ライバル役に堤真一と、配役的にも豪華な面々を揃え、花街の華やかさに彩りを添えている。  コメディ映画として笑いどころは全編通して繰り広げられており、ラストには心地よい爽快さも垣間見せるが、どうにも手放しで楽しめない雰囲気が残る。 それは、これまでの宮藤官九郎脚本によるコメディ映画においてもそれぞれ感じてきたことなのだが、映画の長尺になると、彼のコメディ作品は間延びしてしまう感がある。 「GO」「ピンポン」「69」などドラマ性の高い映画作品の脚本では、持ち前のコメディセンスと作品のドラマ性がバランスよく合致して、それぞれ優れた脚本力を見せつけてくれる。 しかし、「木更津キャッツアイ」の映画版や今作などコメディのウエイトが高い映画作品の脚本では、どこかテレビ的というか、深夜枠の範疇を越えられない感が残ってしまう。  もちろん、その独特のマニアック感がクドカンの脚本の面白味ではあるのだけれど、その面白味が映画作品の尺でも発揮された作品が生まれることが、今後の「期待」かもしれない。 
[DVD(邦画)] 4点(2008-01-14 14:09:40)
6.  マリー・アントワネット(2006)
「マリー・アントワネット」というタイトルが示すように、もちろんこの映画はマリー・アントワネットという実在のフランス王妃の半生を描いた作品である。 が、いかにもな史劇的な色合いはこの映画世界にはまったくない。フランス史に明るくない者、マリー・アントワネットという人物自体をよく知らない者にとっては、結局どういう状況でどういう人生を送った人物なのかということが、最終的によく分からない映画かもしれない。歴史的な掘り下げや、人物関係の説明がほとんどないのだから当然だろう。  そもそもソフィア・コッポラという女流監督が描きたかったのは、フランス史の中のマリー・アントワネットではなく、ただその時代に生きたマリー・アントワネットという一人の女性そのものの、文字通り“等身大”の姿だったのだろう。 だからこそ、映画の大半は、豪華で煌びやかで、ある意味滑稽な宮廷社会の中で、時に奔放に、時に繊細に、一日一日の生活を送り、妻となり、母となり、王妃となる一人の女性のそのままの姿を延々と描いたのだと思う。 そこに具体的なドラマ性はほとんどない。なのに、最終的には彼女の生き様が、その哀愁が、心に染み渡ってきた。不思議だ。何気なく描き連ねた人間描写の中に、実に巧みにキャラクターの本質が浮かび上がってくる。  この繊細な人間描写こそ若くして巨匠のDNAを確実に受け継ぐソフィア・コッポラという監督の“チカラ”だと思う。 等身大の“女性”としてのマリー・アントワネットを、人間としてとてもキュートに表現してみせたキルスティン・ダンストも素晴らしかった。  「史劇」を「青春」として描くことを貫き、完成させてみせたとてもユニークで、良い映画だったと思う。 
[映画館(字幕)] 8点(2007-01-29 23:54:16)(笑:1票) (良:1票)
7.  マリといた夏
決して悪くはない。悪くはないのだけれど、何が良いかと言われれば、それもまた返答に困る。主題は、少年時代の不思議な記憶とノスタルジーなのだろうが、それがいまひとつ、全面に伝わってこない。 原因のひとつとして、おそらく、キャラクターデザインが少し平凡すぎるように思う。背景デザインのシンプルさは雰囲気があって良いのだけれど、そのままにキャラクターもシンプルなので、どうも感情が伝わってこないのだと思う。 加えて、ストーリーの展開もややまどろっこしい。シンプルなストーリーなのに、どうもテーマがそのままに伝わってこないのは、ストーリー展開のテンポの悪さゆえであろう。 逆に言えば、韓国アニメーションは、表現方法の部分でまだまだ伸び白があると思う。
[DVD(字幕)] 5点(2005-12-28 13:02:54)
8.  マシニスト 《ネタバレ》 
ハリウッドきっての“能面俳優”と言ってもいいクリスチャン・ベイル。彼の映画は近年何本か観ているが、なかなか本当の風貌が掴めない。そして、今作でのゲキ痩せっぷり。なんなんだこの痩せ方は。ファーストカットからその尋常のなさが画面から放たれる。凄い。 一年間眠ることが出来ない人間なんてものは、現実に有り得ることはないだろうが、もしそれが起こりえたなら、人間の風貌はこうなるに違いないと疑わない。あらゆる意味で蝕まれていく人間を表現しきったベイルの怪演を観るだけでも、この映画は価値がある。 ストーリー的にも決して悪くはなく、全編を通して主人公を陥れていくものの正体が、自らの“良心”であったというのは、面白い設定だと思う。ただ、この手の「自分とはまるで風貌の違う人物が自分の精神の姿だった」というアイデアは、もはや近年使い古され気味で、パッと見では目新しさを感じることができないのは、難しいところだろう。 しかし、映像的感覚も素晴らしく、総合的に見て非常に完成された映画であることは間違いない。
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-10 13:00:30)
9.  真夜中の弥次さん喜多さん
たぶん“ナニガナンダカワカラナイ”というのが、この映画を観た人のかなり正直な“感触”だと思う。ただひたすらに、ただ盲目的に、「お伊勢参り」に向かう混迷を極めたふたり。そうして彼らを待ち受ける、幾重もの混沌。“映画”として客観的にこの旅を見ている以上、そこに明確な“意味”など見つけられるはずもなく、観客さえもただただ混迷と混沌の渦の中に放り込まれる。しかし、この映画の、この物語の、このふたりの旅の“すべて”は、すべての人が味わうであろう冒頭の感触に尽きるのだ。「果てしなく深い映画」も「陳腐でくだらない映画」もこの映画の感想として正しいだろう。そう、ひたすらにこの映画は問い続ける、「じゃああんたたちのその現実は、一体どれほどに“リヤル”なんだ?」と。
[映画館(字幕)] 8点(2005-05-05 11:17:40)
10.  MASK DE 41 マスク・ド・フォーワン
日本映画きっての“脇役”田口トモロヲが主演のこの映画は、「流石」というべき役者たちの絶妙な演技を楽しめる作品だったと思う。まずやはり、田口トモロヲの驚異的な肉体改造(DVDの特典を見ると更に驚き)と、それに相反して共存するいつもの彼らしい“くたびれ感”が素晴らしい。だいたい「リストラされ人生のどん底からプロレスラーになって這い上がる」なんて役柄は彼しかできない。そして、今作を単なるスポ根にとどめなかったのは、多感な異母姉妹を演じた伊藤歩と蒼井優の存在であろう。彼女たちの混乱と純真の中での掛け合いが、この映画を高めている。まあ何にしても、プロレスに面白味を感じない僕をここまで熱中させたこの映画の熱量はスゴイ。
7点(2005-01-27 04:13:17)
11.  MIND GAME マインド・ゲーム(2004)
世の中のほとんどすべてのものには、“限界”がある。悲観的な響きは拭えないが、それはほぼ間違いないことだと思う。だがその中にあって、そうでないもの。“ヒトのイメージ”ただこれだけには「限界が無い」ということを改めて感じた。怒涛のごとくおし流れていくイメージの羅列に、リアルに呼吸を忘れそうになる。なんて果てしない世界をヒトは持っているのだろう。なんだかおこがましい言い方だけれど、その無限の世界を携えたヒトという生物に生まれたことを誇りに思う。自分の精神・肉体の限りに果てしなく“感じる”ことを許されているまさにこの状況に身が震える。
9点(2004-12-22 19:00:25)(良:1票)
12.  マッハ!!!!!!!!
昨今のアクション映画といえば、右を向いても左を向いても“ワイヤー”に引っかかる。そんな中で飛び出したトニー・ジャーのアクションは、アクション映画において、なんだか懐かしい革新であると思う。蹴る、走る、跳ぶ、そして飛ぶ。“わあ人間てこんなに動けるものなのかあ”ととても根本的な部分で驚愕する。ジャッキー・チェンの引退が近づいてきた今、彼の存在はアクション映画ファンにとって、大きな希望であろう。今後の伝説の構築に期待したい。しかし、この映画何人怪我人が出たのだろうか?(主役も捻挫してエライ腫れてましたけど……)
6点(2004-11-26 11:47:11)
13.  魔界転生(2003) 《ネタバレ》 
今作を観る直前に深作欣二版「魔界転生」を観て大満足を得ていたので、多少の落胆は事前に覚悟していた。その意識もあってか、思ったよりは見れたというのが率直な印象。しかしながらやはり、どの点をおいてもオリジナルの方が勝っていることは否めない。第一にストーリーが希薄すぎる。悔いや恨みをもって転生に応じる武芸者たちの描写を丁寧に描いた深作版に対し、今作は唐突に伝説的武芸者たちを登場させてしまう。これでは何の面白味もない。特に宮本武蔵の描写は酷い。長塚京三演じる宮本武蔵は雰囲気は良かっただけに描写の軽薄さが非常に残念だった。深作版にはない徳川家康の転生はインパクトがあったが、登場シーンだけで終始してしまった。まあいろいろと問題点はあるが、何よりも本作がオリジナルに対して甘いのは、窪塚洋介演じる天草四郎に「エロイムエッサイム~」と唱えさせなかったことだろう。一見、陳腐に見えるそれを徹底的に沢田研二に表現させたことが深作欣二版「魔界転生」の圧倒的なパワーであった。
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-04-03 10:43:10)
14.  マトリックス リローデッド
映像面でもストーリー面でもやや破綻してしまっているというのが正直な感想。映像的には、めまぐるしく動き回るアクションシーンの創造力は確かに圧倒的であるが、それがクオリティ高くまとまっているかと言えば疑問が残る。いろんなものを詰め込みすぎてどのシーンも少しずつ完成度を欠いたという感は否めない。ストーリー的には、3部作の中間作ということを差っ引いてもあまりにも混乱しすぎである。特に終盤怒涛のごとく繰り返されるコンピュータ用語の連発には、詳しくない者には少々参ってしまう。娯楽大作と割り切ってしまえば、充分に完成された映画と言えるが、これが「マトリックス」である以上、そういうわけにはいかない。
6点(2004-01-30 22:28:27)
15.  マイノリティ・リポート
流石スピルバーグとうならずにはいられない映像世界には圧倒された。しかし、スピルバーグのテイストはフィリップ・K・ディックのオリジナルの持つクセを消してしまっているように思う。それくらい他のK・ディック原作映画と比べるとあまりにストーリー展開が凡庸である。物語の持つテーマ性に対して映画の結末はあまりに安易で、チープだった。スピルバーグでなければあの映画世界はなかったかもしれないが、やはり他の個性派監督が撮っていればもっと興味深い映画になっていたように思う。
[映画館(字幕)] 6点(2004-01-27 23:50:37)
16.  マジェスティック(2001)
「ショーシャンクの空に」「グリーン・マイル」の質の高さを見れば嫌が応にも期待してしまうフランク・ダラボンの新作であったが、完成度が低いとも言えないが、満足できる内容でもなかったと思う。ジム・キャリーのシリアスな演技や映画世界自体の作り込みは秀逸と言えるクオリティの高さだったけど、物語のテンションが中途半端だったと思う。ファンタジー調な雰囲気に乗せた感動作であることは明らかなのだから、そのテンションをもっと貫いてほしかった。下手に複雑な社会問題を本筋に取り込んでしまったことが、逆に説得力に欠け、感動を薄めることにつながってしまったと思う。
[映画館(字幕)] 5点(2004-01-17 04:12:49)
17.  マルホランド・ドライブ
正直なところ、結局この映画は何だったのかまったく理解できなかった。ただただその映画世界に引き込まれたままいまだ抜け出せないでいるという現状。個人的には観客が理解できない映画は、どんな巨匠の作品であろうとその観客にとっては駄作であるという考え方なのだけれど、今作ばかりはそう安易に駄作とは言えない崇高な味わいがあった。どうしてもその真意を知りたいところではるが、この難解さ、もう一度観るのも怖い。
[映画館(字幕)] 5点(2004-01-09 13:54:07)
18.  マレーナ
少年の痛いほどの恋心の視点から一人の美しい未亡人の辛辣な人生が描かれる。非常に重く暗くなりがちな物語をシチリアの美しい景観と旋律で艶やかに見せるあたり、流石はジュゼッペ・トルナトーレ監督と思わずにはいられない。まさに映画の核となるマレーナを演じたモニカ・ベルッチの存在感が素晴らしく、妖艶な演技を見せてくれた。恋心、戦争の悲痛、誘惑、あらゆる感情を熱情をもって描き出した傑作。
[映画館(字幕)] 8点(2003-12-17 14:10:11)
19.  MONDAY
泥酔した男の暴走を軸に展開する破錠感たっぷりのストーリーは、まさにSABUワールドでありエネルギッシュでユニークだが、やはり傑作「ポストマンブルース」などと比べると完成度の低さは否めない。細かい演出、映像や音づくりにはまったく問題ないだけに、やはり問題は脚本のまとまり不足か。
4点(2003-12-13 20:23:18)
20.  マトリックス レボリューションズ
もはやその誕生と共に伝説的映画となったシリーズ最終作にふさわしく、怒涛の映像的迫力には言葉が出なかった。今シリーズの場合、映像的評価についてはもう何も言う必要のないクオリティーであることは周知の事実であるので、あえて触れる必要はないだろう。まさにあらゆる「圧巻」の連続で繰り広げられてきた三部作であったが、そのラストには正直、解放感がなかった。個人的には今尚、マトリックスに閉じ込められたままの気分である。「リローデッド」によって闇雲に広げられた謎と疑問は解消されることなく、半ば強引に終戦へと持ち込んだ印象さえ否めない。ストーリーが難解で謎が残るというよりも、物語自体の完成度の高さに疑問が残る結果となってしまった。それでも「面白い」と言えるし、劇場に観に行ったことに後悔などは微塵もない。が、それだけに圧巻のままに終わらせてほしかったと思う。単純なヒーロー物でないことは重々承知であるが、やはりラストはネオとトリニティーと共に新たな世界の日の出を見たかった…。
7点(2003-11-12 01:42:02)
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