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1.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 
パパに殺されたママは一体どうなったの? という疑問がずっと頭から離れなかった。下の子を産んでまだ1年しか経っていない、かわいい盛りの娘たちと理不尽に死に別れてしまった若い霊は、古い霊の前では何の主張もできないのか。彼らが存在するのは、時の観念などない同じ霊界なのだから、この件をスルーされると違和感が大きい。我が子を救うために、実母の霊が狂暴なママと闘うというストーリーなら、もっとしっくり見られたと思う。  昔の霊がこの世を生きる子供に絡んでくる話としては、『シックス・センス』の方が断然自然で面白い。大仰なCGなど使わなくても、本当にこんな世界があるかもしれないと錯覚するほどのリアリティがあった。本作では、霊感の強弱に関係なく誰もがまざまざと霊の姿を見たり、物理的に触れるなど設定にこじつけが多い上、父親や叔父ともに、男性陣の存在感がうすっぺらいし情けない。何より、この物語で強調したいのは叔父の姪への愛の深さかと思っていたら、途中からアナベルの母性の目覚めに移行している。とにかく、全体的にすごく中途半端に感じた。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-06-15 23:31:19)
2.  マザー・テレサ(2003) 《ネタバレ》 
冒頭の、混み合っている駅のホームで、誰にも看取られずに命尽きようとしている男性のそばに、マザーテレサがうずくまるシーン。そのとき、すっとカメラが引いて、周囲の人々が姿を消す。貧しい人に愛を注ぐのに、周囲の雑踏が全く目に入らなくなる、これが彼女の類まれな集中力。1人1人の頬を両手ではさみ、声をかけるマザーの慈愛のこもったしぐさは鳥肌ものだった。彼女が亡くなった当時、世界各国に散っていた元孤児たちが「マザー、マザー」と実母のように嘆き悲しんでいた報道を思い出す。 イギリスやスペイン等のキリスト教がらみの時代劇を観ると、宗教と国家権力がどろどろと癒着した残酷極まりないエピソードがいくらでも出てきて、そのたびぞっとさせられてきた。本来キリスト教は、貧しき隣人を愛せよと人類愛に満ちた教義で説くはず。それなのに、神に仕える神父や修道女が虐げられた人々に直接奉仕することが、どうしてこんなにも難しいのだろう。マザーが修道院を出て、自ら神の家を設立する過程を初めてこの映画で見て、そこからしてガツンと大きな衝撃を受けた。つまり、冒頭から私は驚かされっぱなしだった。真の意味で、神に自らを捧げている聖職者が、どれほど存在するのだろうか。 3ドルの水の価値に言及する彼女は、『シンドラーのリスト』で「これだけあれば○人救える」と人の命を金に換算して苦しむシンドラーの姿と重なる。神の鉛筆になる者の苦悩は凡人にははかりしれないが、彼らは何と尊い存在だろうと深く考えさせられた。
[インターネット(字幕)] 9点(2017-05-18 01:21:40)
3.  マリー・アントワネットの首飾り
英語でフランスの史劇を見るのは辛いから、あえて日本語吹き替えで。首飾り事件を「ああ、こういう話だったな」と確認しながらの視聴だった。不満な点は、ナレーションが無粋で余計なお世話だったのと、全体的にセンチメンタルが過ぎたところ。いくらかドライに演出したら、救いがたいほど幼稚に見えた悪巧みも (実際にあった話というから、文句のつけようがないんだけども) 少しはピリッと引きしまったかも。あとは意外と楽しめた。芯が強そうでも悪になりきれない捨て猫のようなヒラリーのジャンヌも悪くなかったし、羽ペンやシーリングワックス、リボンで結んだ書簡など、当時の文房具の小道具類も目の肥やしになった。そして、実は何よりも王妃。ジョエリー演じる王妃は、アレクサンドル・クシャルスキなどの宮廷画家が描いた肖像画から抜け出てきたかと見まごうほど、アントワネットと雰囲気がそっくりで驚いた! 抜けるような白い肌に、瀟洒なドレス、立ち居ふるまいの上品さなど、目が釘づけに・・・・・・『ドラゴン・タトゥーの女』で北欧系の役も演じた女優さんだと知って納得。
[DVD(吹替)] 7点(2014-03-01 00:52:14)
4.  マイ・ルーム
子供は、親が自分にどれほど時間を費やしてくれるかで愛情を量っている。親はそれに気がつかない。すれ違いの原点はそこだと思った。この映画で、一つだけ不審な点があった。ディカプリオ演じるハンクが、なぜ献身的に父親の介護を続ける伯母のことを不思議に思わなかったのか。自分の身よりも寝たきりの父親を案ずる伯母の姿は、ハンクでなくても十分驚異に値するところだ。ましてや気ままな母親に育てられたハンクであればこそ、彼女の努力の源は一体どこからくるのだろうと思わずにいられないのがふつうでは。それでもメインキャラ3者の演技はすばらしく、各々とげとげしい気持ちが次第にやわらいでくる話の流れを、寂しさもまじえて気持ちよく味わうことが出来た。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-02 16:27:20)
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