1. 宮本武蔵 一乗寺の決斗
《ネタバレ》 これはシリーズ中、一番ダメな話でした。武蔵が強すぎる。清十郎も伝七郎も一撃であっさり倒してしまいます。それでも剣の道を極めようとか言っていますが、ここまで強いとどこへ行くのかという気がします。本作の武蔵は単に相手を切り捨てる殺戮者という感じしかせず、魅力が感じられません。だから吉岡一門との決戦もあまり面白くない。ただしこの決闘で幼い源次郎までも倒したことが、武蔵に大きな変化をもたらしたようで、最後に観音様を彫る姿がもっとも心に残りました。最終編は楽しみです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-01-07 22:46:45) |
2. 花笠道中
《ネタバレ》 「ひばり捕物帖」2本よりもよっぽど面白かった。ひばりは気の強い姉さんとヤクザな弟の二役。姉弟だから似ていて当然です(笑)。それ以外にも例によって歌があり、コスプレあり笑いありアクションありで、見ていて楽しめます(里見浩太郎も歌っている)。話もお家乗っ取りの危機を救う勧善懲悪で、わかりにくいところはなし。ただ、近衛十四郎が謎の浪人役で味付けしています。正統派の娯楽作品で、難しいことを考えずに見られます。監督も信長や政宗よりも、こういうものの方が向いているように思いました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-04-27 19:52:15) |
3. 南太平洋の若大将
《ネタバレ》 せっかくの創立35周年記念映画だけど、ダメでしょこれは。ハワイやタヒチに行ったりしてるんですが、これまでになく地名が出てきてもろに観光気分。そのせいかどうか、今までよりいくぶん時間が長く、だれたように思います。 このシリーズは澄子さんがワガママだとか言われるようですが、本作での若大将はそれに輪を掛けてひどい。タヒチにスミちゃんがいないとなると、そんなこと関係ないとばかりに現地人や美奈子さんと遊んでるんだから。なにも考えず脳天気に楽しめるシリーズですが、さすがにこの若大将は脳天気すぎる。それでも最後には武道館に駆けつけるスミちゃんが、とてもけなげに思えてきます。東京に戻ってからも、怒ったスミちゃんに説明せずに放っておくとは、最後の展開のためとはいえ不自然すぎ。「いつものパターン」にするための無理やり感があふれています。一方の青大将は、スミちゃんのフライト先を調べては追っかけるというストーカーまがいの行為で、やはりあまりよろしくありません。ということで、これまでのシリーズにないできの悪さでした。前田美波里さんのハツラツとした若さだけが見どころでした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-12-02 21:23:15) |
4. 南から来た用心棒
《ネタバレ》 これまで見たマカロニ・ウェスタンでのジュリアーノ・ジェンマの役は、どちらかというと心優しい人物が多かったのですが、本作でのアリゾナ・コルトはなかなかハードボイルド。トランプでいかさまをしたりと、一筋縄ではいきません。それでも、どこか人のいいところがあって、そのあたりがちょっと生ぬるいかと思います。敵のゴルドの方は、バンバン人を殺しまくり。仲間だろうが町の人間だろうが、まったく関係ないようで、気に入らない相手にはすぐ鉛の弾をお見舞いするという人物。人殺しを楽しんでいるような極悪人で、ハードボイルド風の主人公の相手としてはこれぐらい必要なのでしょうが、あまりにもどんどん死にすぎるので、後半は食傷気味でした。裏切り者のウィスキーとか、なかなかいいキャラですが、それ以外は魅力的な人物もあまり登場せず、いまいちでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-18 17:01:37) |
5. ミヨちゃんのためなら全員集合!!
《ネタバレ》 他の方のレビューにもあるように、ミヨちゃんのためというよりミヨちゃんが頑張る映画。それを仲本・高木・荒井の3人がサポートして活躍しています。長さんとカトちゃんははっきり言ってやりすぎ。殺意を抱くとか、面白くも何ともない。公害問題ともうまく溶け合っていないし。ミヨちゃんたちが一生懸命なときにも、切腹で騒いでいるだけだもんなぁ。あいかわらず脇役がよくて、2人は食われてるし、やっぱりダメ映画でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-01-19 16:54:08) |
6. 宮本武蔵 巌流島の決斗
《ネタバレ》 完結編らしく、見ごたえがありました。前作の最後で幼い子供まで殺めたことにより、武蔵はいわば悟りを開いたように見受けられます。そんな彼にもはや実践は必要ではなく、指南役に推挙されるというのもうなずける展開です。結局叶いませんでしたが……。こうなると、佐々木小次郎との対決なんてオマケみたいなもの。俗物風の小次郎では勝負は決まっていますし、藩の体面を気にする岩間角兵衛らも、吉岡一門と同類でしょう。「剣が人斬る物にすぎない」ということを実感した時点で、武蔵は違う次元に行ってしまったのです。これも多くの人を斬ってきた武蔵だからこそ言えることで、説得力があります。ドラマとしてうまく落としたと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-23 22:23:51) |
7. 宮本武蔵 二刀流開眼
《ネタバレ》 「二刀流開眼」といっても、二刀流はちょびっとしか出てこない。「宮本武蔵」といっても、途中からもっぱら佐々木小次郎の話になっちゃう。という、看板に偽りありの作品ですが、つまらないわけではない。関係者が偶然出会いまくるあたりは笑っちゃいますが、面白いので許す。五条の橋にゾロゾロ集まってくるあたりは、なんだかワクワクしてきます。朱実を助けるのは、本位田のおばばでなくてもいいかもしれませんが。しかし清十郎が弱すぎ、肝心のクライマックスが盛り上がりません。佐々木小次郎が高倉健というのも、個人的には違和感があります。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-20 21:47:55) |
8. 宮本武蔵 般若坂の決斗
《ネタバレ》 エピソードの羅列という感じが強いのですが、それなりに楽しめます。一番印象的だったのは、日観師の影法師発言ですね。ものすごく納得してしまいました。入江若葉はよくなったけど、今回は出番が少なくなってしまいました。お杉婆さまとか、ほとんど顔見せ程度ですね。使い方が贅沢。映画としての面白さは、1作目に負けているように思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-18 10:45:58) |
9. 宮本武蔵(1961)
こういう映画は、評価が難しいんですよね。1本だけでどう扱っていいのか困ります。とりあえずは、単体でも面白く鑑賞できました。やはり沢庵和尚ですね。飄々としていながら武蔵に人間らしさを説く。三國連太郎おみごとです。暴れん坊の武蔵は、人間の小ささがよく出ていました。ただ、デビューしたばかりの入江若葉には辟易しました。いくら有名女優の娘だからといっても、もっと小さな役で出せばいいものを。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-17 16:57:10) |
10. ミクロの決死圏
かなり好きな作品。人体という「内なる宇宙」を旅するというアイデアがすばらしい。その「体内巡り」が眼目なわけで、ストーリーについてあまりあれこれ言うのはヤボってもんでしょう。音楽も現代音楽風でそれらしい。スパイがらみのお話になっているあたりが、時代をしのばせます。今作るとしたら映像表現はもちろん、ストーリーの根幹そのものが変わってくると思います。 ところで、車ごと地下に降りたり、ミクロ化するプロセスをじっくり見せるあたりが『サンダーバード』風だと思ったら、あちらがイギリスで放送された翌年にこの映画が封切られたようです。さて影響はあるのか、どうでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-06-05 22:13:32)(良:2票) |