21. ミネソタ無頼
《ネタバレ》 冒頭、無実の罪で18年収監されているミネソタ・クレイの脱獄シーンの適当感に「駄目だハズレだこりゃ」と思ったのですが。意外や意外!!!掘り出し物で忘れじのマカロニ・ウエスタンでありました。視力が失われてゆく中で身の潔白を証明する為の闘いに挑むミネソタ、頭悪そうな小悪党オルティス(フェルナンド・サンチョ はまり過ぎ)、狡猾な大悪党フォックス、三人の男の間を立ち回る蓮っ葉エステラ、父は死んだと聞かされている娘ナンシー、それぞれキャラが立っていて展開が実に見応えあるものでした。エステラを始末するシーンで監督らしからぬ見せない演出が印象的。そして私的にウエスタン屈指の名場面であったクライマックスの暗闇での決闘模様は息を詰めて見入るもので、妻の敵でもあった汚いにも程があるフォックスのやり口を粉砕したナンシーのブレスレットに痺れました。 私が観たのはハッピーエンド版で味わい深いものの面食らったところもありました。 ナンシーに父であることを告げて力尽きる版もあると言うことです。これはありきたりなので観たいとは思えません。 [DVD(字幕)] 8点(2020-04-27 02:29:59) |
22. ミッシング・レポート
教授は失踪女学生を手にかけたのか否か。両ピアースのせめぎ合いに期待が膨らんだのですが。渋みがポッテリお腹にかき消されるピアース・ブロスナンと妄想癖ある言語哲学教授の不気味さを感じないガイ・ピアースに徐々に尻すぼみに。そして、刑事の台詞だけで片付けられた事件の顛末にため息。怪しさだけを漂わせる教授の過去にイライラ。彼の家庭がこの先どうなるのか、考える気にならない余韻のない作品。 [DVD(字幕)] 4点(2020-04-17 15:00:49) |
23. 密告(1943)
カラスは誰なのか? 全員が胡散臭くて最後まで分かりませんでした。二重三重のどんでん返しを経て「誰が」は分かったものの動機が釈然とせずモヤモヤが残ります。お目当てピエール・フレネーの色気に欠ける一本調子な演技にも惹き込まれず。ただ、ナチス占領下のContinental Filmsにて製作された本作は、親ナチスと見せかけた密告奨励の反ナチス作品である点に感じた監督のしたたかさに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-06-06 16:47:42) |
24. Mr.ホームズ 名探偵最後の事件
《ネタバレ》 93歳のシャーロック・ホームズが衰えに苦悩する、思ってもみなかった展開。とってつけた感がある日本のエピソードが物語の中で浮いているのが残念。目元がジョン・ハートにソックリなイアン・マッケランは風格ある映像に映える佇まいだった。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-10-31 15:10:06) |
25. ミッシング(1982)
《ネタバレ》 一縷の望みを断ちきられて慟哭する姿。空港で啖呵をきって憤怒する姿。普段は見せない息子を愛する思いが溢れ出る父親をジャック・レモンが好演。実話なので脚色しようがないのでしょうが、ひりつく緊迫感の無い間延びした展開が残念。自国民に対しての非道の数々、それを画策したアメリカ合衆国。後味悪いことこの上ない。「責任者出てこい!」 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-21 01:21:16) |
26. 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
無敵の力は ぼくらのために正義の心を パイルダー「オン!」 とばせ 鉄拳! ロケットパンチ今だ だすんだ ブレストファイヤー・・♪♪♪ マジンガーZは 当時日曜日19時のお楽しみ時間でした。本作で初めて知った鋼鉄ジーグがイタリアの人々に愛されているというのが誇らしい。 無敵の力を何に使うのか、主人公の変わりゆく姿が素直に沁み入りました。 敵役ジンガロのキレッキレッのキャラは病的な部分を取り除いたクラウス・キンスキーのようで強烈なインパクト。 ヒーローものの秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-03 16:21:43) |
27. ミニミニ大作戦(1969)
《ネタバレ》 金塊強奪作戦はハラハラするところは無いもののCGの無い時代の3台のミニの逃走模様はワクワクし通し。ミニのこれ以上ない宣伝効果になったのではないでしょうか。カースタントチームの仕事ぶりに心からの喝采を送ります。マイケル・ケインを支える、ノエル・カワード、ロッサノ・ブラッツィ、ラフ・ヴァローネの贅沢な脇役陣の存在感がたっぷり。囚人でありながら刑務所の君主であるブリッジャーが作戦成功で皆の祝福に応えるシーンでのチャンチャンチャチャチャンチャチャチャチャ ブリッジャー!!が耳に残ります。「えっ、ここで終わり?」意表を突かれたラストショットは先の展開が色々と思い浮かんだ印象深いものでした。怒り悲しみ切なさやるせなさとは無縁のからりとした粋な味わいある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-16 00:01:15) |
28. みかんの丘
ソビエト連邦から独立したジョージア(グルジア)とジョージアから独立を目指すアブハジア自治共和国のアブハジア紛争。自治共和国のエストニア人集落に2人だけ残る(他は戦乱を避けて帰国)木箱職人イヴォとミカン農家マルゴスは眼前での戦闘で生き残った二人を救出介抱する。片や義務感からのジョージア人ニカ、片や報奨金目当てでアブハジアに加勢する傭兵チェチェン人アハメド。4人が暮らした数日間の呉越同舟模様と結末の「エストニア人とジョージア人何が違う?」「何も違わない」がこの上なくやるせない。静かな語り口でありながら民族紛争の無情観を浮き彫りにさせる名作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-12 14:17:38) |
29. ミクロの決死圏
小学生の時に観ていてハサミを落としてしまうシーンのみ記憶。50年近く経て再見。小宇宙人体を舞台にした冒険SFは見応え十二分。奇想天外なアイデアを形にした製作に携わった方々と最高傑作の邦題をつけた方に敬意を表します。件のハサミのシーンの後の彼女を助ける際の男性三人の目がランランとしていたのに凄腕監督の茶目っ気を感じました。 [DVD(字幕)] 9点(2018-04-30 23:26:46)(良:1票) |
30. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 物語全てが実話であれば3点ですが、かなりの脚色が加えられているようで(所長殺害は最たるもの)、軽い気持ちで外国で法を犯すと大変な目に遭う事を見せつけられた迫力ある佳作。自業自得の極みであるスーザンとの面会シーンが強烈。マックスはあのまま刑務所で朽ち果てたのか(そもそも何故所内で大麻が吸えるのか)2つの大きな謎であります。音楽が耳に残ります。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-29 01:14:45) |
31. ミッション:インポッシブル
初見。監督特有のスタイリッシュな映像美を堪能。白眉はCIA潜入シーンで無音の画面に息を詰めて魅入りました。黒幕が早くに判明してしまう展開と、やり過ぎの列車アクションが興醒め。ヴァネッサ・レッドグレーブは流石の存在感であり放たれる悪のオーラにワクワクしたのに絡みが足りないのが心底残念。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-17 04:30:21) |
32. ミスター・アーサー(1981)
アーサーと執事の一言一句にクスッとさせられた脚本、気品あるジョン・ギールグッド、懐かしの名曲が印象深いが、誰にも共感出来ない深みのない作品。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-11-26 22:40:58) |
33. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 物語の売りである25年前の事件と共通するのが貧乏くじをひいてしまう件というのに肩すかしを食う。デイブがチンピラ兄弟と共に車で去る場面以降の胸糞悪さの加速感に比例して血圧が上がってゆく。ジミー嫁の戯言(監督の主張なのか?)にも増して許し難いのがショーン刑事(ケヴィン・ベーコンの渋さに見惚れてたのに)で活字に出来ない罵詈雑言を要約。 「何故ジミーの罪を見逃して手錠をかけないのか、川に沈んでいるデイブを一刻も早く引き揚げなさい。刑事の仕事をしなさい。何がミスティック・リバーだ」 [DVD(字幕)] 2点(2017-03-25 17:18:57) |
34. ミッション:8ミニッツ
アフガンの戦場で肉塊となったスティーヴンスを道具として使用する事しか頭にない博士と人格を尊重するグッドウィンの対比が見応え十分でした。存在する魂の世界観の描かれ方が見事な作品。 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-19 23:29:33)(良:1票) |
35. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
《ネタバレ》 シリーズ初見。レベッカ・ファーガソンに釘付けで、トム・クルーズが脇役に見えた。大義名分を振りかざす組織がいとも簡単に、命懸けで働く部下を裏切る話は切ない。敵ボスの生け捕られ方と英国首相からの暗号解除させ方に、盛り上がった思いに水を差されてしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-24 19:21:36) |
36. ミツバチのささやき
いつも通り予備知識ゼロで鑑賞。風景の美しさは特筆もの。しかし、監督は何かを訴えたいのだろうと感じて期待したものの、何かが最後まで解らずグッタリ。ストレートにモノが言えなかった監督の立場が解ったあとでも見直してみたいとは思えない残念な作品。 [DVD(字幕)] 3点(2016-01-09 22:53:11)(良:1票) |
37. ミッドナイト・ガイズ
24年前に発症した「アル中」(アル・パチーノ中毒)の私は「ヴェニスの商人」以降パッとしなくて残念に思っていました。「笑点大喜利」の「ホー、やるな、爺さん」の問題ではありませんが、チョイ悪爺さん三人組の一夜限りの大暴れを見せてくれました。シモネタの度が過ぎて苦笑するも女優陣が爽やかで挿入されるエピソードが心地よかった。開襟シャツ「スカーフェイス」、ダンス「セントオブウーマン」、弔辞「訣別の街」、懺悔「ゴッドファーザーⅢ」、ラストシーン「ヒート」若かりしパチーノが浮かんで寂しさを感じました。もう一人のお目当てクリストファー・ウォーケンは着こなしのせいなのか好々爺していて、これまた寂しい思いをしていました。ラストシーンは良かったですね。ビシッと決めた二人に鳥肌が。見せない結末に余韻が残ります。久々の「アル様、素敵!」の作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2015-08-18 04:11:48)(良:1票) |
38. 水の中のナイフ
《ネタバレ》 妻を前にして内心張り合って火花を散らす夫と青年。何時爆発するのかハラハラさせられていたら、夫婦のほうが爆発するも腐れ縁を続けて行く。湖上のヨットにおける密室劇で描かれる人間模様は夫婦の倦怠のみならず体制対反体制をも浮き彫りにさせるもの。斬新なアングルの瑞々しい映像美、バックに流れるジャズ、妻が歌う歌にも心奪われます。29歳での長編処女作とは、監督の無尽蔵の才能に脱帽します。 [映画館(字幕)] 8点(2013-08-03 21:58:16) |
39. Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
昔毎度大笑いしていたビーン、映画にするとこんな事になるとは、身の丈を逸脱してはいけないという事のようです。顔芸のみでは面白みは皆無。デフォー監督作を鑑賞している観客と同じ状態に。私の期待は、列車に投げつけられた花瓶のように砕け散りました。心底ガックリ。 [DVD(字幕)] 2点(2012-06-23 09:00:44) |
40. 未完成交響楽(1933)
シューベルトの交響曲第7番が未完成に至る物語。エミー、カロリーネ、シューベルトの心模様と三者のどうにもならない恋の成り行きが何とも切なく、セレナーデを始めとする楽曲がその思いを更に掻き立てます。ユーモアの洒脱なセンス、ハッとするショットの数々も印象深く、作品の完成度の高さに驚きます。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-07 00:30:20) |