1. ミッドナイトイーグル
《ネタバレ》 大沢たかおは、こういう悲壮感あふれる役柄が多いのだが、大体どの出演作でも同じ演技がみれるので、すこし食傷気味である。全体を通してしまりのない印象だが、基本的にプロットの説明が不足しているので、緊迫感があまりない。なぜ三人しかいないステルスの残骸をとりかこむ圧倒的多数の北朝鮮スパイたちが夜明けまで攻撃してこないかの理由が、ロケット砲は明かりがないと照準があわせられないからだと説明されているが、一刻をあらそう現場でその答えはないだろうと思う。また助けにきたヘリコプターが救助を断念するくだりがあっさりすぎてダサい。もっとねばれ。それと、戦争カメラマンとして反戦を訴えていた主人公が、結局最後に自分の子供を守るために銃をとるわけだけど、「家族を守りたい」という理由で戦う人がいるから戦争は終わらないのだと個人的に思うので、この思想的な転向が一番いやな感じをうけた。このカメラマンの態度に違和感を感じない人が多いのであれば、戦争がなくならないのも当たり前である。 [DVD(邦画)] 1点(2009-01-06 09:34:22) |
2. 宮本武蔵(1961)
三国連太郎を沢庵和尚にキャスティングしたセンスに8点献上します。この人の演技は本当にすばらしい。今の俳優さんで三国連太郎に匹敵する老獪さをだせる人は皆無だろう。ためしに藤木直人の沢庵和尚を想像してみたが、まったく緊張感がなかった。やはり宮本武蔵をめるぐストーリーは少年漫画にはなりえても、少女漫画にはなりえないのだ。 [DVD(邦画)] 8点(2008-12-16 15:23:15) |
3. M:i:III
ドキドキするアクション映画として十分に楽しめた。いつのまにかこのシリーズがスパイ映画からアクション映画のカテゴリーに入っているのが少し寂しいけれど、これはこれでいいという気がする。結構だましてくれたし。最近気になるのが主人公の真面目な恋愛話を絡めたアクション映画がおおいってことかなぁ。スパイダーマンあたりからなんとなくそんな気がしてます。インディー・ジョーンズとかの時代は恋愛話は余興というかむしろ笑いの要素として扱われていた気がするのだが…。 [映画館(字幕)] 7点(2006-07-27 22:07:05) |
4. Mr.インクレディブル
基本は面白い。一人のちょっと普通じゃない人間のドラマとしても十分に見れる。でも、ふと冷静になって見てみると、Mr.インクレディブルの台詞のひとつひとつが今、アメリカが世界に向かって話していることとまるっきり同じやん!ってことに気づく。「助けてやったのに文句言うな」というくだりとか、ほんとそのまんま当てはまる。平凡=つまんないとか、悪いやつを見つけるとわくわくしちゃう所とか、あんまり気持ちのいい考え方じゃない。一つの映画としてみると何の害もない良く出来た楽しい作品だけど、アメリカの精神を表す作品としてみると、ちと寒気がする。 [ビデオ(吹替)] 6点(2005-11-03 21:45:12)(良:2票) |
5. ミッション
メンドーサとガブリエル神父の選択した行為の違いは、二人の思想の違いから生じている。こういった思想的な内容の映画はついつい説教くさくなってしまうけれど、この映画はふたりの人間が行為に至った理由が丁寧に描かれているので、二人の立場双方に共感できる。これが素晴らしい。音楽もうつくしい。今現在、イスラム教と戦争しているキリスト教の姿を思い起こすと、この映画の提起する根本的な問題について、考えずにはいられなくなる。 10点(2004-06-04 21:39:40) |