1. 迷宮の女
《ネタバレ》 注意:未見の方は決して読まないでください! はい、だまされました、やられましたよ。こっこのわたくしが…。 しかし、言い訳もしたい。ズルがあるでしょ! まず、この邦題。「女」と言うな。こんなんナシでしょ。原題どおりに、「ダイダロス多重の迷宮」とでもすればいいのじゃ。有り得ません許せません。邦題つけたヤツ、内容見てないんじゃないの。 そして、中身にもズルがあります!病院の中庭で、ブレナックと看護師が、クロードが1人チェスをする姿を見ながら話し合っているシーン。 これはズルでしょ。ナシだと思うよこれは。やりすぎです。 そうはいっても、私も名前を見たときヘンだと思ったんだよなあ。クロードは女子の名前じゃないじゃん。クローディアかクローディーヌのはずなんだよなあ。だから、欧米人ならすぐにわかるのかもしれません。むこうでは、ひっかかる客はそんなに居ないのかもしれない。 さてさて、復讐に燃えるわたくしが2回目を見ますと、もう複線がいっぱい張ってあったことでした! この映画は2回目のほうが面白いです。「こ~んなにわかりやすい複線があったのに、なんでだまされたんだ~」ともだえるのもオツなものです。もう、カール医師と坊主狩りの看護師の態度なんて、ゼツミョ~なんですわ。ちなみに、カール医師はすばらしい優秀な精神科医だということですね。 そして、私は声を大にして言いたいが、コレをハリウッドでリメイクするのはやめてもらいたい。 なおかつ、まかりまちがってリメイクする場合はカール医師にマイケル・ダグラスを使うことだけはやめてもらいたい。お願いしますだ。 多重人格者内の人格どうしでカウンセリングさせ、一方は気付いていないという脚本のアイディアが大変秀逸で、演出の見せ方も心得ている。「アイデンティティー」よりこちらが勝る。サスペンスとしては9点をつけたいが、ズルがあったのでこの点数。 ほんとうにフランス人は煮ても焼いても食えないぞ気をつけろ、うう、やられました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-14 22:10:05) |
2. メルシィ!人生
《ネタバレ》 邦題がひどいがこれはけっこうすごい大人むけのコメディー。 私はアメリカ製のコメディよりも、イギリス製のコメディの方が好きだったけどさらにフランス製の方が好きかもしれない。 なんというか笑わせ方の違い。ドタバタや大声を極力省いて笑わせるそのテクニック。…かなりすごいかもしれない。洗練、という言葉が浮かぶ。 からかわれている対象が見ていないところですかさずスマイル、というのが一つのパターンで、とても「愉快」な感じがする。この感じは、一部の日本の少女漫画にもあった気がする。 ピニョンも含め、登場人物たちが笑う時は、目は笑わず口元を両方釣り上げる。これがなんとも愉快。 ドパルデューのサンティニが、簡単に暗示にかかっていくのもとっても愉快。3人の意地悪な同僚たちが、入れ替わり立ち替わりすれ違いざまに笑っているのがなんともおかしい。がこれも、悪意に満ちたからかいでないところがいい。 考えてみると、落ち込んでいるときのピニョンとあまり変わらない状況の私が、何度も大声で笑ってしまった、そんなコメディ。ラストのエロシーンは余計だったが、ただそこに居るだけでおかしいオートゥイユに免じてあげよう。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-04-14 17:36:25) |
3. 地下鉄(メトロ)に乗って
《ネタバレ》 見終わった時の素直な感想は、「どこまでも男に都合のいい話だなあ」である。 日本人の泣かせのツボを押さえきった浅田次郎(ホメているつもりではない)の原作ということは知っているが、こんなに男に都合のいい話なワケか、本当に。 それにしても大沢たかお。日本映画界は大沢に期待しすぎているように思う。いくらなんでも父親になった佐吉役は、他の老練で重厚な俳優にまかせるべきでしょう。ありえない、あの老けメイク。 で、冒頭からありえない老けメイクでDVという無茶な設定のせいで台無しになっているため、その後のほとんどの部分は「駄」の字を念頭に見ることに。 30年代、戦後闇市、共に、美術面ではトホホ状態だ。これでは、コントの書き割りと大して変わらないではないか。そんなに金が無かったのか。金をかけられないなら、ないなりに、時代設定を損なわない工夫はできなかったのか。トホホ。 演技…とにかく大沢が浮いている。舞台と間違えているような大仰さ。常盤も、持ち前の雰囲気を壊してまでアバズレになりきれていない。出番が少ないせいか、役柄を理解していないように感じる。 最悪だったのは岡本綾で、単なる湿っぽくてうっとうしい女で終わってしまった。生気が無い。生気が無いので、自らを抹殺するという行動に出てもそれほど意外性が感じられない。 この話はファンタジーなわけだけども、最初に言ったように、「ファンタジー」が「男に都合のいい方にだけ働く」のである。どういうことやねん。 別の男のタネによる長男が死んで、二号さんの子供が産まれなくなって、または近親相姦だった不倫相手がもともと存在しなかったことになって、佐吉親子は何か損をしただろうか。悲しかっただって?それどころか女たちは決定的なダメージを受けているというのに? あああああ、もうやんなっちゃうけど、男にだけ都合のいいファンタジーを公共の場でセンチメンタルに語るのはやめてもらいたい。とっくの昔に日本の女子はそれに同情するほどウブではなくなったのじゃ。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2007-11-25 17:53:45)(良:2票) |
4. メリンダとメリンダ
《ネタバレ》 キレがない。 パンチもない。 ウッディ本人という大スターの登場なしで「もたす」には、クロエ以外の俳優さんに吸引力が無さ過ぎる。 よって、あまりにもナチュラルで軽妙な日常会話のつなぎのみがみどころと化し、なんともしまりのない作品が完成。 あえて吸引力のない役者を揃えたのだとすると、いったいなんの狙いというのか? それで「もつ」ほどのお話じゃないし。 ラーダ・ミッチェルなんてこれっぽっちも魅力を感じないし。 あーゆー破滅型のだらしがないタイプのヒロインを持ち上げるのは大間違いだし。 うう、これはもしかするとモニカ・ポッターならなんとかなったのか?ありえないな(前科者なんて) こりにこったインテリアをこりにこった照明で屋内のシーン連発してこれがまた映像美麗なのに内容がこれかよ、非常に残念(クロエまで無駄遣い) [DVD(字幕)] 6点(2006-05-21 00:43:48) |
5. メメント
《ネタバレ》 「Xファイル」に同じようなやつがあったんだけど。これとどっちが先だったのかなあ。今となっては不明。メメントは知能を試される映画。私の場合はおのれの脳味噌のデキの悪さを知っただけ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-25 13:33:55) |
6. めぐり逢えたら
《ネタバレ》 「ユーガットメール」とともに、個人的ラブコメ最高峰。最近これに「幸せになる彼氏の選び方」モニカポッター版を加えたいと思っています。まだここに入ってないみたい。 「アレルギー体質の彼」ってリアルだわ。要するに「ロマンティック」じゃなかったんだね。 「ロマンティック」じゃないとダメな女って、負け犬体質なんだけどね。確かにこの作品のメグは30歳以上のようだからこの時点で婚約して負け犬脱出中である。しかしもしも屋上でトムと会えなかったら、また普通の負け犬ライフを送るんだなあ。そっちのほうが現実的だけど。 ロブライナーのささいなギャグが最高。「ヘイ、ダイアン」てやつです。トムとジョナのやりとりが最高笑えます。ところで、アメリカでは、「地理」が分からないと、相当バカにされるんでしょうか。「男の必需品」みたいな。あんな子供のころから叩き込むのね。 トムハンクスは、まだおじさん入ってなくて、超ハンサムです。アメリカでは、元号がないので、時代を表すときに「○○大統領の時」、なんて表現するのね。日本で政治じゃない普通の会話に「○○総理の時」って使わないよね。ともかく、ロマンスにどっぷりしたいときには、私はこれか「ユーガットメール」です。音楽、映像、人物、美しい。 [DVD(字幕)] 10点(2005-11-13 16:55:20)(良:3票) |