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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2249
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  モンスターハンター 《ネタバレ》 
ポール・W・S・アンダーソン&ミラジョヴォヴィッチといえばご存知大ヒット映画シリーズ『バイオハザード』のコンビ。日本製ゲーム原作の映画化で2匹目のどじょうを狙ったといったところでしょうか。 まず感心したのはモンスターの造型や動き。これはもう文句の付けようがない素晴らしい出来で迫力満点。ただ最初の敵ディアブロスは少々強過ぎました。今回のボス・火竜リオリウスとの差別化を図る上でも、見た目で違いが分かり、かつ手頃な強さの敵の方が良かった気がします。 ハンターについては主人公は双剣、相棒が弓使い。仲間のリーダーが大剣。その他ライトボウガン使いもいましたか。多彩な武器とその強化がゲームの醍醐味なので、その観点ではやや物足りません。というより続編で掘り下げるつもりなのでしょうか。モンハンの代名詞「美味しく焼けました」は流石にマスト。魚釣りとか日常小ネタ系も続編で観てみたいです。 この映像クオリティであればシリーズ化大歓迎ですが、ハンターとモンスターのパワーバランスの調整(というより言い訳)は是非お願いしたいところ。どう考えても即死な攻撃を受けてピンピンしているのは違和感があります。バイオハザードのアリスみたいに超人化し過ぎてもあれですが、ただの人間が不死身なのも不自然です。これは漫画やゲームの実写化で付きまとう課題ですが、最低限のリアリティは担保して頂きたいと思います。 以上元ネタのゲームは、初代(PS2)プレイ済み。ワールド(Steam)はダウンロードして初期設定だけして放置。そんな私の感想でした。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-08-24 20:24:18)
2.  モルグ 死霊病棟
「本当に、絶対に、怖い」「心身消耗の81分」本作が配信されていた某サブスクの煽り文句ですが、さすがに誇大広告でしょう。典型的なお化け屋敷型ホラーであり「恐怖」より「びっくり」成分多めです。だからレベルが低いとは言いませんが、映像や演出面で目新しさはありません。類似作品を引き合いに出すのは品がありませんけども『呪怨』の方がまだ怖がれますし、『コンジアム』の方が出来が良いと思います。多分日本人が観て一番カルチャーショックを受けるのは、パラグアイの遺体安置所の運営ではないでしょうか。遺体が安置ではなく放置されているんですもの。拳銃の扱いも雑ですし。ハリウッドでリメイク決定だそうですが、日本で『世にも奇妙な物語』に収録するくらいが程よいお話ではないかと。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-06-01 17:45:09)
3.  モースト・デンジャラス・ゲーム 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意ください) 24時間の生き残りを賭けた都市型人狩りゲーム。基本ルールは5つです。①警察他部外者に情報を漏らしてはならない。②ハンティングフィールド(デトロイト)から出てはいけない。③支給スマホを携帯しなければならない(位置情報取得のため)。④ゲームスタート時、スマホ以外の所持品は認めない。⑤銃は全員使用禁止。以上です。なお、獲物は一人(主人公のみ)で、ハンターは5人。ハンターの顔や人種性別等は不明。獲物はゲーム開始時に無条件で5万ドルを手にし、1時間逃げ切るごとに賞金が加算されると共にハンターに位置情報が開示されます。24時間逃げ切った場合の賞金総額は、なんと2450万ドル(約27億円)だそう。途中で殺されてもそれまでに獲得した賞金は没収されません。どうです?この条件。もし本当にこのルール通りであるならば、破格の好条件ではありませんか。1000万円で命を懸けていたカイジが可哀想なくらい。余命いくばくもない主人公が、妻と子の為にゲームに参加したのも頷けます。ポイントは、銃の使用が禁止されていること。ハンターは5人と少人数であること。ハンターからの不意打ちさえ避けられれば、獲物側にも勝機は十分にあります。というより逃げ切れる公算の方が大きいのでは。このあたり運営側のミスリードが巧みで、獲物は当初『反撃してはいけない』『原則走って逃げる』を選択させられている気がしました。しかも『人混みに紛れろ』と。人混みは確かに獲物にとって『盾』ですが、ハンターにとっても『隠れ蓑』です。人混みに紛れながら、走って逃げてくれれば、いずれハンターが捕まえることでしょう。全てのゲームに共通する勝率アップの秘訣は『ルールの正しい理解』であります。本ゲームの場合は『禁止事項以外は何をしてもよい』のでした。例えば1時間ごとに服を変え、バイクにでも乗って逃げ回れば勝ち確でした。もっとも、ここまでえげつない戦法を選択すると、運営もルールを変更してくるかもしれません。そう、このゲームが真に破格の好条件だったのは、賞金額ではなくルールが公平であった事と言えます。カイジだったら運営はルールを破って常時ハンターに位置情報を漏らしたでしょうし、仮に逃げ切ったとしても刺客を放って賞金を回収したでしょう。たとえゲームでも不平等が当たり前。それがこの世の理です。その点、本作のハンターは反撃を受けても文句を言いませんでしたし、約束通りの賞金が支払われた模様です。悪趣味だけど義理堅い、由緒正しき殺人ゲームでありました。それにしても参加者は一体いくら参加料を払ったのでしょうか。
[インターネット(吹替)] 5点(2022-03-03 00:15:51)
4.  目撃者(2018) 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。ご注意ください。) 偶然目撃してしまった殺人現場。犯人は自分が目撃者だと知っている。確かにこの状況で通報したならば、報復の可能性は捨てきれないでしょう。服役後のお礼参りなんて御免被ります。マンション購入直後で「超保守的」な心理状態にあった男が、厄介事を嫌った判断は、正しくはないものの、理解はできます(注:マンションの一般住人が、資産価値下落を危惧して捜査協力拒否の態度を取った事例とは根本が異なります。こちらは論外)。しかし、通報しなければ安全という話でもありません。事実、別の目撃者は口封じされました。この時点で通報一択。我が身と家族を守るには警察に頼るより他ありません。しかし、主人公はこの期に及んでもなお、警察への証言を躊躇しました。最初意味が分かりませんでした。何を迷う必要があるのかと。しかし冷静になってみると、案外人ってこんなものかもと思うのです。例えば、平時から戦時に、日常が非日常に変わるには、段階を踏みます。日々状況が変化するに連れ、備わっていく心構え。新型コロナ禍における新しい生活様式なんてまさにそう。急転直下、劇的な変化に、人の心は対応できません。世界がどんなに変わろうとも、今日と同じ明日が来るのを期待するのです。彼が「非常事態」と認識するまでに要した時間で、実に2人が死亡し、家族も含め多くの被害者が出ました。鱗滝左近次ではありませんが、戦時下で「判断が遅い」は致命的ということ。そういう意味で、本作のメインは男が腹を括るまでの過程にあり、終盤犯人との直接対決の件は無暗に(安易に)刺激過多なエンタメ路線に走った感があります。あそこまで滅茶苦茶やると、もうドリフですしね。ちなみに、刑事役の役者さん(大地康雄と輪入道を足して大地康雄を引いたような親父)いい味出してます。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-27 22:59:26)
5.  モンスターズ/新種襲来 《ネタバレ》 
“地球外生命体による脅威”という如何にもな『SF』設定を撒き餌に(あるいは迷彩に)、「人間の愚かさ」を描くことを旨とする前作の本質は、続編にあっても健在でした。とりあえず普通のSFモンスターパニック映画になっておらず安心しました笑。舞台設定は前作から10年後。一部隔離地域のみならず、外来種による侵蝕は広範囲に進んだ模様です。なお邦題に「新種」なる単語が採用されていますが、機動性を有する小型生物の登場はあれど(新種というより成長過程での一時的な形態では?)、地球外生命体の特性について新たな条件付則はありません。ただ彼らの生態については、前作と本作を通じてより明確になったと考えます。①とにかくデカイ②胞子で繁殖。繁殖力は絶大。③好光性。④好戦的ではないが戦闘力は高い。⑤人を襲わない=肉食ではない。やっぱり巨大陸クラゲでした。イメージ的には『ナウシカ』の王蟲が近いかもしれません。人類が彼らを駆除しようとするのは、“捕食される”といった直接的な脅威ではなく、“資源を食い尽くされる”“活動範囲を奪われる”といった間接的被害によるものと推測されます。例えるなら、市場独占の殿様商売で胡坐をかいていた大企業に、外資が乗り込んできたみたいな。そんな緊急事態に内輪揉めをしていたら、そりゃ勝てるワケありませんよね。彼らが好戦的でない分、より一層、愚かで哀れな人間の性が浮き彫りになる仕組みです。この先人類が絶滅するかどうかは分かりませんが、少なくとも好き勝手出来る状況は変わるでしょう。王座陥落。まるで一軒家の豪邸からアパート暮らしへ。周りに遠慮しながら生きていくのです。本来、共生とはそういうもの。生活レベルが下がるのは必至ですが、だから不幸かというとどうなんでしょう。家族にも会えず、激務で精神を病み仕事に殺される人生。貧しいながらも自然と共に穏やかな生活を営む人々。経済至上主義に対するアンチテーゼが見て取れます。とはいえ、そんな身も蓋もない事実、経済で繁栄している国民にしたら受け入れられないですけど。疲れている時に観たらきっと、ヤバイですよ。
[インターネット(吹替)] 6点(2019-10-10 22:25:13)(良:1票)
6.  モンスターズ/地球外生命体 《ネタバレ》 
トム・クルーズ版『宇宙戦争』と瓜二つの体裁。イチ民間人によるミクロな視点で、地球外生命体による地球侵略という極めてマクロな事象を捉えます。刻一刻と悪化する情勢、不確かな情報。紛争地帯に赴いた外国人が感じるであろう恐怖と緊張感の再現はお見事で、抜群の臨場感を味わえました。パニック・サスペンスとしての醍醐味は十二分です。刺激的な展開を排除しているため娯楽性は低いものの(この点は前述の『宇宙戦争』とは正反対)、その分リアリティは高いと言えます。ただし人物造形は楽観的でした。鑑定もせぬまま宝石の価値を認めたり、ちゃんと契約通りに主人公たちを護衛したり。人が良いことで。既に社会規範は失われているはずなのに、高い倫理観を示すメキシコの人々。正直ホントかなあと。このある種の“ご都合主義”は、本作の裏テーマに直結すると理解すれば納得です。それはアメリカ政治体制批判。メキシコ国境の壁とか、民間人を犠牲にした空爆とか、割とあからさまです。『SF』の金看板は裏テーマを覆い隠す事を目的とした迷彩、何なら『タイタニック』的ラブロマンスも煙幕かもしれません。いずれにしても“地球外生命体による地球侵略の恐怖を描いたSF映画”を期待すると裏切られた気持ちになってしまうと思われます。最後に地球外生命体について。人類を支配しようとか、地球を乗っ取ろうなどという敵意(意思)は感じられません。そもそも高い知性を有するワケでも無さそう。劇中のナビゲート通り『大きな電気クラゲ』『外来の野生生物』との扱いが妥当でしょう。肉食かどうかさえ怪しいもの。危険地帯にあっても人々が避難しないのは、経済的理由もさることながら、彼らを『敵』ではなく『野生生物』と認識しているからでは。何せ巨大な化け物より、空爆の方が恐ろしいんですから。そういう意味では『モンスターズ』のタイトルも意味深長なのであります。
[インターネット(吹替)] 7点(2019-10-05 22:59:42)(良:2票)
7.  土竜の唄 香港狂騒曲
特濃エンタメバカ一代こと(失礼)三池監督の面目躍如とでも言いたい、期待どおりの続編。お下劣、遣り過ぎ、悪ふざけ。徹底しているので気持ちがいいです。とはいえ、最大にして唯一の見所は、豪華俳優陣のノリノリの演技。生田の顔芸、瑛太の狂気、そしていつもの堤節。どれも楽しかったです。もちろん少ない出番ながらも土竜3兄弟は安定の旨味。対して女優陣は全体的に大人しめの印象でしょうか。刺激過多、インパクト優先のコッテリ映画ながら、2週間もすれば、内容などすっかり忘れる去る自信があります。それもまた“らしい”かなと。
[DVD(邦画)] 6点(2017-11-10 00:51:10)
8.  土竜の唄 潜入捜査官 REIJI 《ネタバレ》 
クドカンのオモシロ脚本も、三池監督のアクの強い演出も、概ね好評でした。オフザケ満載ながらも、最近にしては珍しい「任侠(=日浦匡也)を格好よく描いた映画」でもありました。演者の皆さんも芸達者の方ばかりで楽しかったです。で、あるが故(?)に、彼に違和感を覚えずにはいられませんでした。そう、彼とは岡村隆史。究極のエンタメ路線である本作と、コメディアン役者との相性は悪くないはずです。もし本作が芸人多数出演のお祭り映画ならば、問題なく受け入れられたでしょう。しかし本格派の演技上手の皆さんに挟まれてしまうと、彼は「猫沢一誠」ではなく、いつもの「岡村サン」に見えてしまうのです。こうしてもみると、竹中直人や八嶋智人ら、お笑いパートも担える名脇役の偉大さが分かるというもの。配役においては、役者個人のポテンシャルやネームバリューより、作品全体の“技量のバランス”を考えることが大切な気がしました。
[地上波(邦画)] 6点(2016-12-30 18:58:21)
9.  モンスターズ・ユニバーシティ 《ネタバレ》 
米国製学園映画王道の“ヒエラルキー打破もの”。カタルシスも充分ですし、展開も小気味よいです。結末も潔くて好きだなあ。ただ、1か所だけ惜しい部分が。それはウーズマ・カッパの落ちこぼれたちが、大会終了後あっさり怖がらせ学部に入部してしまったこと。彼らに“怖がらせ屋”の才能が無いことは明白です。学園長は嫌なヤツですが、彼女の指摘は何も間違っていません。そう、彼らには彼らの特長を活かした、輝ける場所があるはずです。ボンベ職人やコーディネーター、それこそ食堂係や郵便係だって、無くてはならない縁の下の力持ち。花形がスポットライトを浴びるためには、大勢の裏方の助力が必要です。職業に貴賤なし。それが身に染みて分かっているからこそ、マイクやサリーは仲間への感謝を忘れないのです。2人が同僚たちから慕われる所以。ですから、ウーズマ・カッパのみんなには、誇りを持って裏方の道へ進んで欲しかったなと。とはいえ、これは大変良い続編。前作の余韻をスポイルしてしまう後日談ではなく、前日譚を描くことでより一層『モンスターズインク』の味わいが増しています。“怖がらせ屋”落ちこぼれのマイクが“笑わせ屋”で才能を花開かせるなんて、胸が熱くなるじゃないですか。シリーズファンなら、絶対観るべき続編でしょう。そして願わくば、もう続編は作らないで欲しいです。インクとユニバーシティの2本で見事に世界が完成されているからです。
[地上波(吹替)] 8点(2016-03-15 18:59:44)(良:1票)
10.  モンスターズ・インク 《ネタバレ》 
何と言っても設定が秀逸です。子供の悲鳴をエネルギーに変えるモンスター電力会社。どこでもドア風の不思議テクノロジーで時空を超えて繋がる2つの世界。しかもドアは全て一点もの。この特性を軸に物語が組み立てられており、ハラハラドキドキ最後にキュンの熟練の脚本が堪能できます。またドア収納レーンを利用したチェイスシーンは、立体感・スピード感、共に抜群で、アクションパートの見せ場となっていました(これは是非とも劇場の大画面で観たかった!)。もう一つ重要な設定は、子供がモンスターにとって恐怖の対象であること。モンスターにとっては子供もまた“モンスター”。でも実はこれ、“思い込み”や“迷信”そして“偏見”の類の嘘八百。怖がらせたかと思えば、逆に怖がったり、ホント自己中極まりない独り相撲だったワケです。しかも笑わせた方が何倍もエネルギーになるなんて、全くもって見当違いな労力を払ってきたものです。それは、貴方たち大人の世界にも言えるのではないですか?そんな痛烈なメッセージを読み取ることが出来ます。まあ、物事はそんなに単純ではないですし、大人には大人の言い分がありますが、子供向け映画ですから不問にしましょう。個人的な好みを言わせてもらえれば、蛇足が2点。ラストの再会は艶消しもいいところ。それにピクサー恒例の(?)NGシーンは真剣に止めて欲しいです。ジャッキー映画のNGシーンもそうですが、そんなファンサービス御免です。夢の世界に浸る時間を奪わないでくださいな。
[地上波(吹替)] 8点(2016-03-15 18:58:39)
11.  もらとりあむタマ子 《ネタバレ》 
就職しなくちゃいけない。でも社会に出る覚悟もない。こんな時、ダメ人間が取る行動は決まっています。とりあえず寝ます。漫画を読みます。TVゲームをします。要するに現実から逃げるんです。選択の回避=自己責任の放棄。私も正真正銘のダメ人間気質ですので、その思考は痛いほど分かります。それがモラトリアムの真相。学生時代は社会的に容認された執行猶予期間と言えますが、卒業後も続けるのはご法度です。というか、物理的に無理なのです。通常は。世間体が、親が、そして何よりお財布が、許しません。そういう意味ではタマ子がモラトリアムを延長出来たのは、恵まれた生活環境にであったからに他なりません。実家住まいで3食昼寝マンガ付き。もちろん家事なんか手伝いません。それが許容されるのは、財政的ゆとりは勿論、父親がタマ子を子供扱いしていた証拠。そう、紛れもなくタマ子はガキでした。メンタル的には写真屋倅と同レベル(だから話が合う)。図体のでかい中坊でした。ラスト、父から家から出ろと言われ「合格」と返すタマ子。何生意気言ってるんだ?という話です。アイツは東京の母親の元へ逃げますよ。間違いなく。そこで“とりあえずの今”を続けるつもり。もっとも男親より女親の方が娘には厳しいもの。果てさて、何時までこの生活が続くことやら。真夏の棒アイスが溶けるのと、実は結構切羽詰った現状に気づくのと、一体どちらが早いでしょうか……。主人公は冴えない無職女子。少なくとも芸能界デビューの夢なんて無理に決まってるでしょ、と思わせる地味なキャラでなくては務まりません。これは意外と難役でした。当たり前ですが、映画女優全員がデビューを勝ち取った“選ばれし者”だからです。特に主演女優はそう。例えば北川景子、石原さとみ、橋本愛。彼女らにタマ子役は無理です。スターのオーラは簡単には隠せません。現役主演女優クラスでこの役にハマるのは黒木華くらいのもの。輝きを消してなお、(必要な)存在感は消さない。女優のお仕事でした。前田敦子にとっては大変な挑戦だった気がします。彼女が進むべき道が、明確になった一作だったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-12-30 18:59:00)(良:1票)
12.  ももへの手紙 《ネタバレ》 
「もう帰ってこなくていいから」と言い放った相手が本当に帰らぬ人となったら、大人でも堪えます。その相手が父親ならば尚更のこと。ももが心に負った傷の深さは計り知れません。ですから、彼女が母親の危機に暴風雨の中飛び出した気持ちは、痛いほど理解できます。でも周りの大人はももを止めなければいけませんでした。母親を救うために、子が命を落とすことなどあってはなりません。絶対に。彼女が父親の件で教訓とすべきは、過ちに気づいたら直ぐに謝ること。親子関係を良好に保つこと。親が悲しむ選択を、奇跡を拠り所として美談に変えるのは間違いだと感じました。これでは主人公が精神的に成長したことにはなりません。その結果、彼女の成長を示すはずの“橋からの飛び込み”に説得力が生まれず(単に島に馴染んだだけのように思える)、感動に繋がらなかったように思います。本文の書いていない『ももへの手紙』。その文面を想像する力を身に付けることが、彼女にとって本当の意味で“成長の証”だという気がします。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-04-15 19:51:33)(良:1票)
13.  モテキ 《ネタバレ》 
Jポップを存分に盛り込んだプチミュージカル仕立ての本作。主人公の心情とシンクロする楽曲のチョイスは自分の世代どストライク。歌詞のカラオケ風字幕も楽しく、Perfume出演のダンスシーンの爽快感は抜群でした。痛くて切ないセカンド童貞男(ホントはそんな概念は無いよ!)の“モテキ”を生暖かく見守る物語は、本命みゆきちゃんの最後通告で小休止。残る神輿女、先輩ライター素子とのエピソードでどんな風に締めくくるのかと思いきや、クライマックスでまさかの展開が待っていました。それにしても「幸世くんでは成長できない」は強烈です。ヒットポイントを根こそぎ削られます。幸世も相当堪えたでしょう。でも彼は諦めなかった。いや、諦めていたのかもしません。だけど、みゆきの顔を見て感情を抑えきれなくなった。彼女を捕まえても、かける言葉なんて用意しているはずもありません。ただ、逃げたから追った。一度は不発に終わったももクロの『走れ!』が蘇ります。逃げる女。追う男。引き倒し、泥だらけ。最悪です。でも大きな意味がありました。辛く苦しい現実から目を背けてきたみゆきに、幸世は“泥まみれ”という現実を突きつけたのです。図らずもそれは、みゆきと彼氏が今置かれている立場と同じ。感情のままに抱きしめてキス。その直情が女の心を打ち抜きます。好きな人を抱きしめること。唇を重ねること。そこには心を開放することの素晴しさと喜びがありました。彼女に本物の笑顔を取り戻させた幸世。もう「成長できない」なんて言わせない。抱き合う2人を360度から映し出すカメラワークは、一歩間違えば失笑もののダサい演出。しかしなんと美しいことでしょう。所詮はファンタジー?そう、もちろんファンタジー。でも心を動かされるのは、そこに大切なメッセージが込められているからです。ももクロを聞いて走り出そうとした主人公を「ドン引き」だと制止した素子が、ラストでは「走れ!」と笑顔で彼を送り出しているのは何故か。諦めることが肝要だと、損をしない事が大切だと、言い聞かせてきた自分自身の偽りに気づきます。何時の間に、そんなつまらない大人になってしまったのか。生の感情をさらけ出す事の輝きは、大人ほど懐かしく、そして眩しく感じるのかもしれません。ちょっとカッコ良く言い過ぎましたが、要するに童貞気質のトンデモ理論が無様に炸裂しただけです。でも、バカな奴ほど、情け無い奴ほど、愛おしいってコトで。
[DVD(邦画)] 10点(2012-08-28 17:42:01)(良:3票)
14.  ももドラ m o m o + d r a 《ネタバレ》 
これから書く事は映画の感想というより、ももクロファン(モノノフ)の独り言です。映画として観るべき部分はとくに見当たらない作品ですので、ファン以外の方はスルーで問題ありません。採点は、正常な判断がムリなので、放棄という意味の5点です。以下ちょっと長めの独り言…。ももクロ5人がそれぞれ主演を努めたエピソードのうち、有安主演の『コトダマ』だけが異色でした。恋愛青春ドラマ祭りの中で際立つホラーテイスト。それがそのまま、ももクロにおける有安のポジションを表しているようで興味深い。無邪気にじゃれ合う4人に対し、ちょっとだけ距離のある有安。いつもマイペース。そして誰より努力家。彼女の担当カラーは緑。“集団ヒーローモノ”における緑といえば、ご承知の通り脇キャラです。ゴレンジャーならミドレンジャー、ガッチャマンならみみずくの竜、プリキュア5なら(キリが無いので以下略)。『もっと事務所に推され隊』なる楽曲も存在するくらい、彼女は5人の中でもサブキャラクターとして認定されています。一般的には。ところが、歌唱力とダンスの実力は彼女がダントツなのです。歌手ももいろクローバーZの品質は、有安が維持していると言っても過言ではありません。そんな彼女は本作でただ一人“女優”でありました。上手いかどうかば別にしても、彼女の叫びは心に“刺さり”ました。これは表現者として一番大切なスキル。目立たぬ緑に秘められた可能性は、もしかしたらメンバーの誰よりも大きいのかもしれません。ちなみに自分は赤イチ推しの箱推しです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-07-04 19:42:42)(良:1票)
15.  もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 《ネタバレ》 
マネージャーに必要なもの。それは『真摯』であること。本作では、その表現として“フルスイング”が選択されていると感じました。マネージャー就任初日の主人公と二番手投手の対決。そして県大会予選決勝でのショート君の打席。どちらも空振りでした。前田のそれは自身の心に火をつける効果をもたらしましたし、ショート君の空振りは敵を油断させるためのブラフでした。いずれも“本気であること”が好結果に繋がっています。何故ひたむきさが大切なのか。それは、人を動かすにはその人の心を動かす必要があるから。この理論は全面的に賛同できます。ではもう一つの重要理論、“プロセスより結果”はどうでしょう。まるで過程軽視のような印象を受けますが、多分ドラッガーの本意はそうではないと考えます。“よりよい結果を得るための過程は、どんなものであっても構わない”という柔軟な発想ではないかと。ですから、“勝つためには下手なショートは外すべき”なんて決め付けは要らない。どんな過程を採用しても、結果的に勝てばOK。いや負けてもOKなのだと思います。だって結果はいつも良いとは限らないのだから。もし程高が決勝戦で敗れていたとしても、きっと彼らと仲間は納得したと思います。後悔しない過程を経ること。過程軽視どころか、過程こそが全て。“優れたプロセスが好結果に繋がるとは限らないが、良い結果は必ず優れたプロセスを経ている”と言い換えてもいいかもしれません。もはや経営理論というよりも、人生観に近い気もしますが、自分はそのように理解しました。高校野球の技術論的な見方をしてしまうと残念ながら粗さばかりが目立ちますが、本作の肝は其処ではないと考えます。真面目に、ひたむきに、他人と、そして自分自身と向き合うこと。峯岸の全力疾走に、大泉の心の底からの訴えに、本作で描きたかった事が詰まっていたと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2012-03-25 20:19:11)(良:2票)
16.  盲獣 《ネタバレ》 
キャストは3人だけですが、みな見事に乱歩ワールドの住人を演じてくれました。船越のねっとりとした真正のマザコンぶりには寒気がしたし、千石規子のキチ母像にも説得力がありました。そして何より緑魔子。正気を失っていく演技もさることながら、脱ぎっぷりがお見事でした。役になりきる演劇人の姿。裸の出し惜しみをしている人気女優のみなさんは、彼女の爪の垢でも煎じて飲むといいでしょう。緑魔子の妖艶な肢体なくして、本作は成立しなかったと思います。素晴らしかった。エログロ描写のさじ加減も絶妙でした。過ぎては一部の好事家向けになってしまうし、手ぬるいアプローチでは乱歩の毒は伝わらない。強いアングラ色を発しながらも、大衆性を失わなかった事を賞賛したいです。例えば四肢の切断シーン。スプラッター映画なら、大量の血しぶきと共に捥がれた腕を見せたでしょう。でも提示してしまったらそれ以上でも以下でもなくなる。直接的な残虐描写が幅を利かせている昨今、観客の想像力を利用した演出の優位性を再認識しました。乱歩の世界観を味わう映画としては、ほぼ満点の出来。洗練されていない美術セットや褪せたフィルムの色味も含めて、映画の味だと感じます。もしかしたら公開当時より30年経った今の方が、より鮮烈な印象を与えてくれる映画かもしれません。
[DVD(邦画)] 8点(2010-05-13 21:08:41)(良:1票)
17.  燃えよ!ピンポン(2007) 《ネタバレ》 
ジャック・ブラックからアクを抜いたような主演ダン・フォグラーの好感度はなかなか。良い人感が滲み出るナイスなキャラクターです。マギーQの美女ぶり+キレのある体さばきもグッド。上手くハマれば結構なコメディになったと思うのですが、ちょっと残念な仕上がりでした。ギャグセンス云々より、軸となる脚本が良くない。リベンジへの流れをアッサリ反故にしたり、最終的にメインのピンポンがどうでもよくなったり。要所を押さえていないので、どうにも締まりが悪いです。それにしても卓球シーンはどれもお見事でした。ラストの対決は別にしても、CG臭がほとんどしません。結構リアルに打っているのかな。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-29 19:09:11)
18.  モーテル 《ネタバレ》 
『スクリーム』が既存のホラー映画のパロディならば、本作はアンチテーゼと見て取れます。「おや?」と思う設定や展開は、全て“お馴染みのホラー”と比べた場合の違和感に起因するもの。殺人犯は醜悪な見た目の大男ではなく、ダサいメガネの華奢な風体。エロ場面ゼロ。あっさり風味の終盤戦にしてもそうです。ホラー通の方ほど、典型例との違いに目が行くと思います。個人的には良いところ半分、悪いところ半分と感じました。様式美という言い方は適切ではないかもしれませんが、よくあるパターンにはそれなりに長所があると気づきました。ただ、無闇にグロくて後味の悪い映画に胸焼けしていたところなので、このくらい上品な方が個人的には好みです。とくに結末。これを“すかし”と感じてしまうのは、如何に今まで強引な脚本に慣れてきたかということ。お腹を何発も撃たれたら人間は絶命するんですね、普通は。ちなみにDVD特典のもう一つのオープニングについては、カットして正解だと思います。わざわざエンディングの選択肢を狭める必要はないです。クレジットがシンプルでセンスが良いのも○。点数はちょっとオマケしています。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-26 20:21:13)(良:1票)
19.  モル 《ネタバレ》 
内田けんじ監督(ウィークエンド・ブルース)や荻上直子監督(星ノくん・夢ノくん)を輩出したぴあフィルムフェスティバル。名だたる国際映画祭よりも個人的には信頼度が高いです。本作はそのPFFでグランプリとブリリアント賞の2冠を制したという。否が応にも期待は高まります。果たして本作はその期待に応えるものだったのか。結論から言えば「満足した!」。女の宿命「生理」の苛立ちと、上手くいかない現実に対する苦悩を上手く絡めて描いています。結局どうしようもないことはある。奇跡は起こらなくて当たり前。この世は理不尽だらけ。でも考え方次第で活路は開けてくるもの。素敵な笑顔でウクレレを弾き歌う主人公に、女の強かさを感じました。女が男より強いのは、沢山血を流しているから。うん、説得力あります。監督・脚本・主演タナダユキ。監督・脚本家としてのセンスは抜群だと思いますが、女優としても面白い。北野武監督みたいに、監督・主演の両方をこなすような映画人になって欲しいと思います。せっかくの才能、活かさにゃ損です。
[DVD(邦画)] 7点(2008-05-20 21:17:42)
20.  もしも昨日が選べたら 《ネタバレ》 
不思議な道具を手に入れた主人公は、それを使ってラッキーハッピー。でも調子に乗り過ぎて、結局しっぺ返しを喰らってしまう。『ドラえもん』の王道パターンです。ということは、クリストファー・ウォーケンがドラえもんか。なかなかシュール。前半のコメディパートは悪戯ネタ満載。一時停止の相手を殴ったり、蹴ったり。煩いお小言は消音しちゃえ。どれも他愛のないレベルです。悪巧みや金儲けに使おうとしないところはエライのですが、正直あまりパッとしない。笑いは少なめです。後半は一転、サスペンス調。こちらの方は怖すぎでした。メッセージとしては、「家族を大切にしよう」よりも「光陰矢のごとし」の印象が強い。主人公と同じように早送り機能を使うことは、誰だって出来ます。というかこうしている今、まさに早送り状態なのかもしれない。「時は金なり」「少年老い易く学成り難し」は本当です。背筋が寒くなる。だからあのオチには、自分自身も救われました。自分は35歳だけど、まだまだイケる!いいお話だと思います。ただ、先に述べたように王道過ぎて驚きが無いのが惜しい。コメディパートもちょっとお手軽過ぎたかと。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-17 20:09:05)(良:1票)
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