4. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 すばらしすぎます。 タイムスリップしたかのような風景。数々のイーストウッド主演の西部劇の主人公のその後のような主人公。 西部劇の時代が終わり行く寂しさ。 時代背景や、風景、ドキュメンタリーと西部劇をいったり来たりする演出。 完璧すぎます。 ストーリーはゆったりと進み、登場人物全てが罪に塗れているという世界がまるで世紀末のようでもあるけれど、実は終わり行く世界よりも、それからの世界の方が遙かに明るいという矛盾も旨すぎてぐうの音も出ません。 キャラクタも全てが秀逸で、許されるわけがない主演映画の主人公達を象徴するような半生を送ったイーストウッド。その仲間。 もう足を洗ったからといって、決して許されるわけがなく・・・ 街を守るという理由があるからといって、権力行使の対象者や被害者にゆがんだ正義を強要する保安官。 悪を演出して依頼者を守り通さなければならなくなった主人公と、善の象徴を演じ続けることに酔ってる保安官の対比が見ていて怒りが沸いてきます。 なんでこの人達こうなるかなぁと。 見終わったあと、誰か救われたのかと考えると、被害者の復讐に後悔が残り、暴力でしか生きられない西部劇的な人間が死ぬべきものは死に、罪を償わなければならず許されないものは姿を消すわけで、無秩序が終わったことは全て悲しみだけではなかったということ気づくととてつもない感動に呑み込まれます。 こんなに凄い流れの映画、そうはありません。老人が金のために復讐を助けるだけ。それだけのストーリーがこんなにもとてつもないドラマをうむなんて信じられません。 [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2008-09-23 02:01:42)(良:1票) |