1. 羅生門(1950)
「へえ、日本にも映画があるのか」とたかを括っていた欧米の映画関係者の度肝を抜いた作品。娯楽性と芸術性が高いレベルで昇華している。白黒の映像美(竹の葉っぱに墨汁の霧を吹きつけたのは有名)にも注目。「世界のクロサワ」への足がかりになったという意味で、記念碑的価値も持つ一編。 9点(2002-11-26 01:06:24) |
2. ランボー/怒りの脱出
一人で大勢を倒していくゲリラ戦の醍醐味はゼロ。ただのスーパーヒーローになってしまった。アクションは凄いし、矢をつがえるシーンはかっこいいし、それはそれで面白いのだが、やはり脚本放棄のように思えて仕方ない。 6点(2002-11-26 01:44:13) |
3. ラストダンス
レスリー・ニールセンの『スパイ・ハード』と同時上映だったので観た。比べるのもどうかと思うがこっちの方がよかった。安直なハッピーエンドに逃げないところが好印象。地味だけど。 6点(2002-11-26 01:30:52) |
4. ラン・ローラ・ラン
ゲーム的。一回目巻き戻った時点で先の構造は読めてしまう。3回も同じ場面が出てくるのを、小ネタでかわそうとしている(例:犬の避け方は毎回違う)が、構造的欠陥なので退屈するのは避けられない。展開は場当たり的で、最終的な大金の入手方法もかなり陳腐。要するに脚本が甘い。そうした欠陥にかかわらずけっこう見られる映画になっているのは、ローラの存在が大きい。赤毛で目立つし、大柄だから走る姿が絵になる。いっぽうローラの恋人はどう考えても「死を賭して助けたい!」と切実に思うようなキャラクターではないのだが、それでもローラが必死で奔走するところも彼女の株を上げる要因のひとつ。 6点(2002-11-26 01:21:59)(良:1票) |
5. ラヂオの時間
何と言うか「古畑任三郎」や「やっぱり猫が好き」と同じテイスト。まあ三谷脚本だから当たり前なのだが、別の言い方をすると、すべて監督色より脚本色が強く出ていることになる。じゃあ本人じきじきにメガホンを取った意図は?・・・これがわかりにくい。ストーリーや設定自体はよく出来ている。だがそれは脚本家:三谷の力量であって、映画監督:三谷としてのものではない。少なくともこの映画だけで後者を特別に論じることはできない。この作品の価値は、彼がこれから作る映画いかんによって相対的に変動すると思う。 6点(2002-11-26 00:37:54) |
6. ラストマン・スタンディング
『用心棒』の主役というのは非常に複雑なキャラクターで、演じるのはかなり難しいと思う。ブルース・ウィリスは・・・力不足といった感じか。「実はものすごく強い」という設定に対し「強いかもしれん」と思わせるはったりの部分が希薄。体格を問わないぶん、刀よりも銃の方が「強さ」に色がつけられると思う。その意味で新しい用心棒像が作れるかもしれなかったのだが、古参ウォルター・ヒルだったのが逆に災いした。 5点(2002-11-27 04:28:16) |
7. RAMPO(奥山バージョン)
私は乱歩大好きですが、本人の趣味はもっと即物的で安っぽいと思います。だからこの作品の映像には小首をかしげます。嫌いじゃないですが、あえて5点をつけて、乱歩ファンなら手放しで賞賛するわけではない、という意志表示と、少年探偵団を少し読んだ程度の軽いファンに対する配慮の無さに抗議の意を示します。 5点(2002-11-26 01:39:07) |
8. ラスト・アクション・ヒーロー
予告編では「ジャック・スレイター・シリーズ(本編の作中作)の予告編」をそのまま流していた。それはいかにもシュワルツェネガーっぽかった。観客は「ジャック・スレイター」を観に行っただろう。だが流れたのは全然違う映画だった・・・。この作品の計算違いは予告編の齟齬。観客をいい意味で裏切れなかったのは、一般向けアクション大作のような体裁でありながら、少年向けのファンタジーだったこと。少なくとも大人向けとしては「フーディニのチケット」はあまりにリアリティを欠く(半券についても、何で最初から箱に入ったやつを使わないのだろう、とずっと不思議だった(笑))。従って、最初から映画の内容に即した宣伝をしていれば、騙されたと思う観客も少なくて、あそこまで大コケしなかったのではないか。ただ、それでもやっぱり「ジャック・スレイター」をそのまま作ってた方が面白かったと思うが・・・ 5点(2002-11-26 00:59:58) |
9. ラスト・ボーイスカウト
「かっこ悪いかっこよさ」を過剰にやろうとして失敗していると思う。 4点(2002-11-26 01:33:06) |
10. ラストサマー
ひとを車ではねておいて隠蔽するのが主人公の側、というのがまずよろしくない。カギ爪男の正体に関するミステリーじたての展開は少し面白かったけど、標準以下の出来。 4点(2002-11-26 01:26:58) |
11. ランボー3/怒りのアフガン
反ソ連として持ち上げていたアフガニスタンを、その後アメリカが空爆することになろうとは、スタローンも当時知るよしもなかったろう。こういう娯楽大作で安直にイデオロギーを扱うべきでない、といういい見本である。まあよくも悪くも日本では無理だと思うが。 3点(2002-11-26 01:48:05) |