1. レディ・ジェーン/愛と運命のふたり
『十二夜』がなかなか良かったので、こちらも少し期待して見ました。で、まあ、正直に言うと、ちょっとばかし期待外れでしたかね。無難な作りですが、無難すぎてアッサリ終わっちゃった、って感じです。とはいえ、大好きなヘレナのデビュー作ですから、ある意味私にとっても記念碑的作品です。デビュー作とは思えぬ演技と存在感で、その後の活躍も納得というものです。期待外れとは書いたけれど、この監督は、とっても仕事がというか、演出が丁寧ですね。心理描写に腐心しているのが非常によく伝わってきます。役者の微妙な表情の変化が素晴らしいです。衣装・美術も美しい。それにしてもまあ、古今東西、権力ってのは実に実に脆いもんですなぁ。執着しようがしまいが、崩れるときはあっけなく、成り上がるときもあっけなく。どんな恐ろしい権力闘争を目の当たりにしても、欲するものが後を絶たないってこれ、一体どーゆーことなんでしょ。ま、ジェーンは欲したわけじゃなく傀儡だったわけだけど。かしずかれるか斬首か、こんな二者択一な人生、怖すぎます・・・。なかなか上品な薄味作品でございました。 [DVD(字幕)] 6点(2013-08-06 22:34:01) |
2. レオン/完全版
世間じゃ、完全版の評判は芳しくないようですが、ここではオリジナルより平均点高いのですねぇ。オリジナルでなく、完全版しか見ていないので、比較のしようがないけれども、なかなか面白かったです。2時間を超える時間も気にならない、上質なエンタメ作品に仕上がっていると思います。オリジナルでカットされたところを見ると、結構重要なシーンでは? あれらのシーンがないと、むしろ、なんだか消化不良になりそうなんですけど・・・。なんつっても、ナタリー・ポートマン。可愛いぃ~。いい歳したオヤジがあんな子どもにloveもクソもあるか、気持ちわりぃというご意見もごもっともだけれども、レオンのマチルダに対するloveはエロス抜きのloveじゃないかなーと感じました。娘とか妹とかに対する家族愛とも違う、でも、女性に対する肉欲を伴った愛とも違う、いわゆる恋愛でいう所の初期~中期とゆーか、“会えばする”の発情期を過ぎた後に相手に抱くもっと深遠な愛情みたいな。レオンは、一足飛びにそこまで至ったんではないかと。いや、別にエロス抜きでなくても、私的にはOKですが。あんまりこのことについて書くと、ちょっとマズイからやめておくけど、道徳とかモラルでは切り刻めないものが人間の中には一杯あるでしょうから。それを行動に移すこととはまた別次元であって、レオンは少なくとも命をかけたわけですからね。命懸けのloveは私はとりあえずは良しとしたい。エロス先行発情型恋愛を本物の愛だと豪語している人間だって一杯いるわけで。どっちも本物じゃないとは言えないでしょ。話題になっただけのことはあるなぁ、と納得の一作でございました。あと、ゲイリー・オールドマンは圧巻。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-07 23:28:36) |
3. レスラー
崩れたお顔のミッキー・ローク、という下世話な好奇心を粉砕する、上質なヒューマンドラマに仕上がっていました。「80年代は良かった、90年代はクソだ」って、バブル世代としては何となく分かるわ~。音楽だけでなくて、何もかもがそう思えてしまうこともあるもんね。単なるノスタルジーだけど。と、映画に戻って、ミッキー・ローク。いやー、素晴らしかった。この映画自体を彼自身に重ねる評も巷じゃよく見かけたけれども、そういうのは違うと思う。彼は、役者としてランディを演じたのであって、純粋に役を演じた俳優として評価すべきなんじゃ? 失礼でしょ、俳優に。ま、彼自身はそんなことどーでも良いかも知らんが。リングの上だけが生きる場所というのは、哀しいけれども、かなり幸せだとも思う。少なくとも、いくらかの人々を喜ばせ感動させているのだし、そういう才能を持ち合わせ、努力をしてきた証ではないか。人生とは、いかに自己満足で完結できるかが大切なのだ、ということを改めて教えてもらった気がする。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-29 23:06:43) |
4. レベッカ(1940)
ローレンス・オリヴィエ、陰のある男気ある男って感じでセクシーです。一方のジョーン・フォンテイン、美しいんですが、なんかこう・・・一種独特の、同性だから感じてしまうのか「弱々しく健気を装うシタタカ女」の空気を全身に纏っており、冒頭の登場シーンからアレルギー反応が・・・。もちろん、この作品を通し、彼女はずっと「弱々しく健気」です。一途にマキシムを思い、ダンバース夫人に追い詰められていく、一方的な被害者なんですけどね。で、作品を見終わった後、彼女についてネットで検索しちゃいました。そもそも、ジョーン・フォンテインという女優さんの作品を見るのが初めてだったんで。・・・で、まあ、ちょっと納得といいますか、納得以上に驚いたといいますか。いえ、女優さんの属性やプライベートを映画評に反映させるのはルール違反だというのは百も承知で、反映させているのではないのですが、彼女の持っている雰囲気が、図らずも、現実でも「シタタカ女」であることを暴露している気がしてしまったのですね。「弱々しく健気を装」っていたかどうかは知りませんが。・・・とまあ余談はさておき、この作品、どうにか最後まで興味を引っ張って見せてくれたのですが、時代だからでしょうか、回りくどかったり、必要と思えないシーンが色々あったりしたように感じました。現実にはもういないレベッカの存在をスリリングに感じさせたりなどは巧いなぁと思いますが。最後のオチもあまり意外性もなく・・・。良くも悪くも、ジョーン・フォンテインに魅せられた作品でした。【追記】:ツ○ヤのレンタルで借りたのだが、このDVD、字幕がサイテーだった。明らかな誤字脱字、マンダレーとかマンデレーとか表記不統一、意味不明な語順、おまけに、訳のすっとばし。お粗末もここまでくると「不良品」じゃないかと言いたくなる。作品の質まで下げかねないので敢えて追記しました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-01 14:18:57) |
5. レンブラントの夜警
うーむ、グリーナウェイ、相変わらずですな。ついつい見てしまう。グロもエロも(大して)ありませんので、不眠症でお悩みの方にオススメします。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-08 15:17:39) |
6. RENT/レント
ミュージカル苦手のくせに、結構見てしまうのが悪い癖。が、苦手だから評価が低いとは限らないのだが、これは全く私にはダメだった。ストーリー的には、イロイロ詰め込んでるけどグダグダくだ巻いてるだけ、って感じかな。生命線のはずの音楽も、イイと思えなかったし。歌と踊りと美術で楽しませてくれなきゃミュージカルである意味はない。終始つまらなかった。 [DVD(字幕)] 3点(2007-07-28 18:17:09) |