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1.  ロスト・イン・トランスレーション
異国の地で、話す相手もなく、ホームシックになった父親と若い娘の孤独感の中で、結婚すれば家族と呼べるのか。結婚生活が長く子供がいれば家族なのか。ファミリーとは何ぞや?ってことなのかな?とは思ったけど、結局のところ、「パパに認められたいよぉ」っていう、ソフィアのファザ・コン映画に見えてしまう。個人的感情も映画の感想と認めてもらえるなら、こんなところで、反抗期に摘み食いした昔の男の名前なんか出すなよなぁ。何考えてんだ、この女!!と、思ってしまったよ。映画に描かれていた東京観、日本人像は、別に奇異には映らなかった。バラエティ番組の中には、もっと変で騒々しいものが実際にあるし、多忙な亭主に連れられてニューヨークのホテルにポンと置き去りにされたら、きっともっと悲惨だろうしさ。むしろ、どなたかが書かれていたけれど、彼女の行動力は立派。というよりは、やはり、アメリカ人は一番偉い、私は戦勝国の人間なのよ的潜在描写なのかな。だから日本なんだろうね。自作自演の介入戦争で、唯一成功した国だもの。だから、まあ、しょぼ映画ではないけれど、ムッとした作品よね。
3点(2005-01-07 23:42:30)
2.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
3本で一作だから、ここでやっと総評が書ける。そうね。全体として、なんか、まるで、エッダとアーサー王とシェイクスピアをチャンポンで見せられたような気がするけど、原作がそういうものだから当然かな。総評は、つまらなかったな。脚本はね、凄いと思う。あんなに長大で冗長な原作を、あそこまでツボを押さえた作品に纏めたんだから、凄いですよ。ただ、ツボを押さえ過ぎてて、そつがなさ過ぎて、つまりストーリーの先が読め過ぎるのよ。次はこうなるなと思うと、ガッカリするくらいそうなっちゃうのよ。原作ありきの活劇物の悲しさで、全体像が分かるのは仕方がないとしても、役者の演技まで、かくあるべき者が、かくあるべきようにしか演じてないだけに、意外性もないし、息を呑むようなものもない。映像も、別に特撮おたくでもないせいか、特に凄いと思うところもなかったし、むしろ、これまで使われてきたものを馬鹿げて壮大にしただけな印象だったな。ガッカリで言えば、O・ブルームのレゴラスは、エルフというより、冒険に憧れるどこぞの貴族のボンボンで、どこがエルフなの?って感じだったし、極めつけは、帰還した王アラゴルンの貧相さ加減。放浪の騎士だった時は、あのうらぶれた感じが「いいじゃない」と思ったのよ。なのに、帰還した王が戴冠したシーンは、もうちょっとこう、何とかならなかったんだろうか。そら、本作の主役はあくまでホビットだということ差し引いても、存在感なさ過ぎ。だから、王との契約とかいうシーンでも説得力がないのよ。ともかく、全体として、一見緻密に見えるけど、実は大雑把な作りで、要するにゲーム仕様のファジーな感覚なんだな。でも、そこが、言葉より手紙より、メール文字に愛着を覚える今風に合ったんだろうね。ただ、オスカーを総なめにするような作品かなぁ?
5点(2004-04-26 22:48:49)(良:1票)
3.  鹿鳴館
この作品を、どう評価すればいいのかなぁ。とにかく、映画館で初めて観た時には、最初、凄い違和感があったのを覚えてる。ストーリーではなく、画面が。そのうち、「ああ、これは、舞台形式を映画でやってるんだな」と思って、なんとなく納得した(ストーリーは、三島由紀夫の戯曲の映画化だしね)。市川崑の、実験的な映画のひとつだったんだな。でも、衣装もセットも、市川作品らしい、華美ではないけど優雅で、暗くはないけど時代の重みのあるものだった。当時、石坂・浅丘の初の夫婦共演が話題になっていたけど・・。「う~~ん?」って感じがしたかな、やっぱり。ただ、初めは違和感を受けた画面構成だった覚えがあるから、人によっては、ちょっと・・と思うかもしれないけど、評価としては、「DVDになって欲しいなぁ」と思ってはいるので、7点。
7点(2004-02-22 02:13:19)
4.  ローマの休日
映画は夢を売り、憧れを誘い、秘密を共有し、切なさに胸を痛め、人の欲としがらみに揺れ、悪役をやっつける快感に溜飲を下げ、ほろ苦く、しみじみとした晴れやかさで終わる。その全てがパーフェクトに詰まっている。オードリー・ヘプバーンが残してくれた作品は驚くほど少ないが、オードリーの原点であり、サラサラのロング・ヘアの彼女を見られる貴重な作品でもある。主演二人の他の共演者達も、いい味を出していて、本作を引き立て、引き締めている。個人的には、行方不明になった王女を探すために人を寄越して欲しいと頼んだ結果、黒服の男達が大挙してやってくる様に、侍従等が「目立たないようにと言ったのに」と、頭を抱えるシーンが、好き。王女様の他愛のない我が侭で始まる物語だが、自分の知らない世の中に触れ、人間性に目覚め、それでもラストで自らの義務に帰っていく姿が、ほろ苦くて、いい。このモチーフは、男女を逆転して作られたものもあり、「法王の旅」や「ジョー・ブラックをよろしく」は、その範疇に入る。
10点(2002-12-03 00:55:04)(良:2票)
5.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
リッチー監督には申し訳ないが、ブラッド・ピットのファンの功罪として、「スナッチ」を観た後に観た。デビュー作で、叩き込まれ、巻き込まれるような勢いは、リッチー監督のセンスというもの。ただ、デビュー作だけに、前半はドタバタと何だか混沌としていている。その雑然としたところが魅力でもあるんだろうが、どうにも整理がついていない。逆に言うと、そういうところを殺ぎ落として、煮詰めて、ある意味、ハリウッド的な映画を意識して(挑む意味で、だが)出来たのが「スナッチ」なのだろう(オープニングの段階から明確な敵役が分かる辺り)。ただ、「スナッチ」が好きという方は、「ブラピが出てないから観ない」というのでは、勿体無い一作である。ガイ・リッチーの真価は、やっぱり3作目にかかっているだろう。
7点(2002-11-14 23:52:50)
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