21. 私の男(2013)
《ネタバレ》 う~ん、ラストが消化不良の感もしないではない。 あの二人の孤独な魂の癒しのラストではない。 浅野さんのどうにもたまらない気持ちで映画は終わる。 あのような災害の結果、こんな二人ができたのだから、 ここでは思い切って、神への思いなども出すと、癒しのラストに行けたのではないか? 熊切監督は「海炭市叙景」でもそうだったが、こんな人たちいますよ、というとこで 映画を終えてしまう。 やはり観ている側としては、二人に罪がないのであれば、さらにその先の、救い(浄化)のラストが観たかった。 地方都市には、カッとなり見境もなくなる人間をほったらかしてますよ、というとこだろうか? [DVD(邦画)] 7点(2018-07-14 14:36:32) |
22. 私は告白する
《ネタバレ》 ヒッチコックが哲学的な問題に踏み込むかと思いきや、やはり最後はヒッチコックらしい映画だった。ラスト、犯人に丸腰で近づいていく神父さんの行動の説得力が今一つこなかった。やはり神に殉ずるという姿勢からだったのか?だってあれじゃ犯人が撃つって決まってるのに。キリスト教のシビアさかなぁ。う~む。映画としては面白かったからいいんだけどね。それにしてもモンゴメリークラフトのまっすぐな目が神父さんに向いてて、配役がうまいなぁと感心。 [ビデオ(字幕)] 7点(2017-06-06 13:08:46) |
23. 笑う蛙
《ネタバレ》 大人のコメディ。最後、「風」になっていく男の話。大塚寧々がほのかに色っぽくて、自業自得とはいえ長塚京三の惨めっぷりがどこか愛らしくて、笑える。何も用事のない週末の夜などに酒を飲みながら観るには、持って来いの邦画。 [ビデオ(邦画)] 7点(2017-05-28 11:38:51) |
24. わすれな歌
《ネタバレ》 微笑みの国、タイですら、ここまで人生が過酷とは・・。やはり未熟な経済システムの下では、芸能事務所はこんなにヤクザなものになってしまうんだろうなぁ。痛い映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2017-05-03 00:19:05) |
25. ワンダフルライフ
《ネタバレ》 ドキュメンタリー調の前半に、話に入り込めず、自分だったらどの想い出であの世に行くかなとぼ~っと考えてた。一つだけ選ぶいい思い出で、あの世に旅立つ、この世とあの世の際(きわ)の世界の話。しかし、それは一番大切なものを選ぶことでもある。親か恋人か子どもか自分か・・。選べない人も出てくる。それがこの会社の人たち。モラトリアムは次元を超えて、あるもんなんだね。・・にしても協賛にどこかの葬儀会社が入っているのかな?葬儀会社のCMにピッタシの題材。監督の、映画は夢工場ではあるけども、天国工場にもなりうるか?という問題意識を感じました。 [ビデオ(邦画)] 7点(2016-07-31 23:27:09) |
26. わが町(1956)
《ネタバレ》 戦争をはさんだあの頃、人は本当に強かった。そして不器用だった。そして暖かかった。川島雄三の映画は、本当に骨太な映画だ。だけど、人情の機微が行き渡っており、セリフが生きている。人生の苦労をためこんだ人間のセリフは、かくも魅力があるのかと惚れ惚れしてしまう。黒澤さんや小津さんも確かに面白いけど、今の自分には川島監督作品の味わいに魅了されてしまう。溝口さんほど固くなく、清水宏さんほど娯楽に徹してもいない。面白いんだけど、ほろりとさせられる。あぁ川島監督作品をたくさん観たいなぁ。 [DVD(邦画)] 7点(2014-03-03 08:42:11) |
27. わが青春のマリアンヌ
《ネタバレ》 松本零二先生お薦めの作品。そうか!メーテルのイメージはここから来たのか!それにしてもジュリアンデュヴィヴィエは、こんなに可愛い作品も残していたのか。それが発見だった。動物たちのうっとりする表情。池上遼一のキャラクターかよ!と思わせるような執事の風貌。罪のない、集団生活する子供たちの世界を絵本のような風景の中で描く。あの人はお嫁に行ってしまった。でも想い出を抱いて、僕は生きていく。愛を信じて・・ [DVD(字幕)] 7点(2013-12-15 08:52:26) |
28. 藁の楯
《ネタバレ》 あと少しのところでエンターテイメント作品になってしまった気がする。でもそんなことは関係ない!いや~、面白かったなぁ! [DVD(邦画)] 7点(2013-10-06 01:54:24) |
29. ワイルド・ギース
《ネタバレ》 これは分厚い作品だぞ。人を集めて、戦う。「7人の侍」から脈々と引き継がれる戦争アクション映画の「特攻大作戦」のパターンかな?と思っていたが、上層部の裏切りにあい、彼らが戦地に置いていかれるところから、話は変わってくる。韓国映画の「シルミド」テイストだ。(創られたのは本作品がずっと前なのだが・・)個性ある面々が一人また一人と死んでいく。皆、それぞれに見せ場はあるのだが、左とん平に似た男が政治家を背負って逃げて、体に何発もくらうシーンに、政治家を背負う民衆の優秀さを見た。そしてリチャードハリスのあのシーン。泣いたよ。この作品は、政治家の口からさりげなく鋭いメッセージを言わせている。前のレビュワーさんのコメントで知ったが、そうでしたか、「12人の怒れる男」の脚本家でしたか。こういう硬派な作品を描ける人って今、いるだろうか? [DVD(字幕)] 7点(2011-12-03 15:33:27) |
30. ワーキング・ガール
この頃のアメリカ映画って好きだわ~。歌も伸び伸びしているし、話も爽快だし。この頃のアメリカンドリームは女性に向いていたのだね。ハリソンフォードが中々出てこないので、どうしたんだろう?って思っていたら、この映画はメラニーグリフィスの為の映画のようで、ハリソンもシガニー姉御もそんなに目立たないです。メラ二ーのようなおっとりした女性って意外と、優秀なんですよね。自分も学生時代、のんびりした女性だった人が社会の中でいいポジションにいるってパターン、よく見ます。 でもこの映画のメラニーの演じる女性の、おっとり風は演技かな?数年後の名匠シドニールメットの「刑事エデン」ではちゃきちゃきした女性役をやってますもんね。やるよなぁ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-17 23:22:27) |
31. わたし出すわ
《ネタバレ》 出た!久々の森田芳光節!自分は「ときめきに死す」で面白い監督がいるなぁと思ったもので、何もない生活感のないキャラが好きなんです。企画の妙っていうか、普通の監督では、このような作品にお金を出そうなんて思わないですよね。ストレス映画「バカヤロー」とかパソコン通信映画「(ハル)」とか、時代の先端にある企画を作品にしてしまう森田監督のセンスが大好きなんです。この映画もいいです。真面目な日本映画が多すぎです。もっと楽しく創りましょうよ!って言いたくなる。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-17 20:24:11) |
32. わが心のボルチモア
バリーレヴィンソンは「ナチュラル」でもそうでしたが、古き良きアメリカを撮らせると上手いですね。本作品は「東京物語」のアメリカ版といったところでしょうか?何となく切ない。やはり、時代が変わっていく人生の寂しさみたいのが感じられます。安売りの家電量販店や郊外に持ち家を持つ家庭像がこの時代にもうあった、というのが驚きです。しかし、地味な物語といえば、地味な物語ですよ。こんなに大金かけて、創るのがよく許されましたよねぇ。花火がきれかったです。特に映画冒頭の水たまりに映る花火。おお!と思ったんですが、最後まで地味な映画でした。でもこの映画のようにアメリカに渡ってきた人たちには特別の感情をもたらしたのかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-05 01:17:52) |
33. ワールド・オブ・ライズ
《ネタバレ》 何人かのレビュワーが書いてるように、自分も観てて「スパイゲーム」を思い出した。でもラスト、助けに来てくれたのはアメリカ人ではなかった。拷問のとき、アメリカの最先端の技術がはぎ取られたディカプリオは哀しいくらい頼りなかった。やはり、テロも体を張って、欧米に戦争しかけてだけあって、あれくらいの拷問はするのだろう。何せ助けが来てくれて良かった。最近、ハッピーエンドではないアメリカの映画(ショーンペン監督の)を観たので、ひょっとしたら助けが来ないで、殺されちゃうのかな、と思っていた。やはり観た後、ほっとできる映画が良い。あちこちの中東の国が舞台だったので、こんな所で戦争してんだなあ、と思って、勉強になったと思っていたが、メイキングを観たら、あの街は北アフリカのある街だと言っていた。同監督の「ブラックホークダウン」の撮影時の街と同じ街らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-16 23:33:06) |
34. 罠(1949)
《ネタバレ》 良かった。こんな女性が傍にいてくれるんなら、好きな商売じゃなくても、やって行けるよ、と思えるラストが良かった。それにしても、最低な連中ばかりだな。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-01 22:21:52) |
35. われ幻の魚を見たり
《ネタバレ》 カツ子~ォォォォ! ラストの十和田湖に絶叫する声は、カバチップたちには聞こえたのでしょうか・・ カバチップの帰省と息子の死が同時と言うのは、ちょっと残酷。 悲しんでいいのか、喜んでいいのか、何とも言えない夫婦の表情が何とも言えなすぎる。 伊藤大輔の映画は「王将」もそうだが、夢を追う旦那の妻が苦労し過ぎだろうよ!!! [ビデオ(邦画)] 6点(2019-05-29 01:43:47)(良:1票) |
36. ワンドゥギ
《ネタバレ》 型破りな先生は、実は愛いっぱいのしたたかなおじさんだった。教会の伝道師だったというのは面白いね。下手にキックボクシングの試合場面を持ってこなかったのが良かった。韓国映画は次の展開が、日本のようにお約束事ではないのが、観てて楽しいね。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:15:53)(良:1票) |
37. ワイルド・マン・ブルース
映画監督を追ったドキュメンタリーは好きだ。この作品は、映画製作にまつわることではないが、人間ウッディアレンを見せてくれる。彼の親がとても印象的だ。なるほど、アレンの女性人気の理由には、このお母さんが関係してるな、とニヤリ。ジャズの演奏のシーンもいい。特にアレンが必死に息をしぼって音を出す辺りは、観客も笑うことで応援して、皆でアレンを盛り立てる。アレンの恋人も魅力的だ。才人アレンに、こんなに大事にされたら、そりゃ女性も輝くわ。アレンの映画を観る視点が変わることになりそうだ。面白かった。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-06 17:51:25) |
38. 忘れじの面影(1948)
《ネタバレ》 女ってやつぁ・・(涙) [DVD(字幕)] 6点(2013-10-26 20:35:42) |
39. ワン・デイ 23年のラブストーリー
《ネタバレ》 身勝手な男に愛を感じた、干物女の話。中間男のすかした優しさが痛い。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-29 05:59:57) |
40. わらの犬(1971)
《ネタバレ》 有名な映画なので、ストーリーは大体知っていたが、やはりムナクソ悪い。奥さんにしてみれば、こんな田舎にきたら、そりゃする事はそんなにないのだから、旦那は奥さん大事にしてやんなよ。もし、大事にしてやってたら、ひ弱なインテリ旦那にも奥さんは力強い味方になってくれたと思う。仮に村の男性が欲情してやってきても、別の展開になっただろうと思う。自分としてはそういう展開の映画こそ観てみたい。「愛と宿命の泉」みたいな感じかな?でもこの男性、よく寝取られていると分かっていて、冷静でいられるよね。そんなに勉強好きなら、もっと別のタイプの女性を選べって!って。まぁ暴力シーンの溢れた、現代の映画に慣れてない人が観たら、ショックがでかかったろうなぁ。自分は「時計じかけのオレンジ」がそうだった。で、作家性のある映画にのみ込まれていったもん。これを先に観たら、まずペキンパーの作品を最初のうちに全部観たろうなぁ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-01-18 16:36:23) |