1. スコーピオン・キング
ハムナプトラシリーズとは違ってオカルト風の味付けはありません。ザ・ロックフアンでもなければ古典的な冒険活劇としか評価できない作品です。 5点(2004-02-22 18:56:41) |
2. 抹殺者
キリスト復活に対するカトッリク側の姿勢がひどくアナクロに感じられた。たとえば、日本の弘法信仰では空海は死んでいないことになっているが、今日の真言宗の高僧たちでさえそれをどの程度信じているのだろうか。 どちらにしても自殺者がでたり、完全に抹殺するってのは、日本人として少々理解しずらいシチューエーションだった。バンデラスの演技はいつもどおり、終わり方もコレリ大尉パターンの方がなじむような気がした。 5点(2004-02-22 11:48:55) |
3. サウンド・オブ・サイレンス(2001)
なんといっても ブリタニー・マーフィーの演技につきる。焦点の定まらない傷だらけの表情は吉田良の人形を思わせた。冷静に考えると、幼い少女が専門家の目をあざむく完璧な統合失調症を演じ続けることができるとは思わないけど・・・ 6点(2003-12-24 21:11:31) |
4. アメリ
若い女性を主人公にしないと成立しない作品。若い女性の空想癖は夢見がちという言葉で許されるけど、若い男性の空想癖はパラノイアでほとんど犯罪的。男女ともに若くないと、社会不適合症。 4点(2003-12-23 17:00:05) |
5. 1941
20年ぶりにビデオでみた。スピルバーグが監督していたことはすっかり忘れていたが、ジョンウィリアムスの音楽とともに絶頂期の赤塚不二夫の描いた世界を彷彿させるナンセンスギャクの数々は脳裏にやきついていた。なんといってもジョン・ベルーシの怪演は赤塚の本官を強烈に思い起こさせた。それと少々場違いとも感じさせる三船敏郎のまじめくさった演技と日本人だけにわかるつまらぬギャクの落差が楽しい。 今回、改めて感じたのは、差別を堂々パロディとして認知する表現の自由の国・アメリカの度量の広さだ。日本でこの手のセンスで映画を作れば、各種団体が「差別」「差別」と大騒ぎするに相違ない。 それにしても、ジョン・ベルーシの早すぎる死はいたましい。リバー・フェニックスにしてもしかり、ドラックで命を縮めるのも、自由のなせるわざか。 9点(2003-12-22 21:04:15) |
6. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
前作のほうが圧倒的によかった。子どもの使い方もインディジョーンズが格段上。 4点(2003-12-22 19:04:26) |
7. スパイダー
《ネタバレ》 近年流行の誘拐犯人が主人公に挑戦する知恵比べパターンかと思って見ていたが、モーガン・フリーマンが途中で犯人をあっさり撃ち殺した時点で、どうしてと首をひねった。最後は意外な人物が一番悪いという古典的なサスペンスの手法でしめくくってくれた。間延びすることなく時間があっという間にすぎるサスペンスの秀作。 7点(2003-12-21 20:41:42) |
8. ペイ・フォワード/可能の王国
《ネタバレ》 ハーレイ君を殺してしまう終わり方に酷評がめだつけど、ぼくは違和感を感じなかった。Pay It Forward というきわめて単純な原理は、明日からでも簡単に実現できそうで、実際は決して現実世界ではムーヴメントとしておおきなうねりにはなりえないだろう。その矛盾がこの作品をハッピーエンドでしめくくることを不可能にしているのだ。 7点(2003-12-21 19:41:51) |
9. ワンス・アンド・フォーエバー
戦争の叙述は、叙述主体がどちらがわにたつかによってまったく違ったものになってくる。また、戦後の日本教育が推進してきたように、戦闘ではなく、いわゆる銃後の生活に焦点をあてる方法もあるだろう。但し、後者の弊害は被害者意識だけうえつけて、戦争そのもの歴史的な意味合いから眼をそらし、歴史認識をあやふやにしてしまうという欠陥をもっている。 この映画は最近流行の戦争全体ではなく個別の戦闘に焦点をあてただけでなく、銃後の生活にもふれ、二重の意味で戦争のもつ悲惨さをとりあげてくれた。充分な訓練をつませず、戦闘の指揮官が戦死者が多数でることを予期しながらも、出撃を命ずる上官の姿。戦死公報を速達郵便ですまし、充分なバックアップをしなかった政府の姿が今日の日本の状況とだぶって見えてしまう。 但しこの作品でも、ベトナム人はあいかわらず誇張された滑稽さをただよわせている理解不能なエイリアンとして描かれている。いつか、ベトナム人側に視点をかえた作品がアメリカ側からも製作されるようになって、はじめて真の意味での反戦映画だといえるだろう。エラノゲイの復元展示でさえ、被爆被害者の写真展示に反対がわきおこる現状では不可能だろうけど。 6点(2003-12-21 11:11:18) |
10. ジョー・ブラックをよろしく
可もなく不可もなくといったところ。アンソニー・ホプキンスもブラピもそつのない演技だったのは認めるけど、迫力がなかった。 5点(2003-12-20 15:46:04) |
11. アメリカン・スウィートハート
今度のジュリア・ロバーツはちょっとものたりない。少林寺サッカーのビッキーチャオほどの変身ぶりは期待しないけど、工夫がなすぎる。 2点(2003-12-20 11:48:57) |
12. ソフィーの選択
かなり精神的に重くなる映画。メリル・ストリープの演技も見事だし、ベストセラーの原作を映像化した時に生じやすいカット割りの短さも感じなかった。国家的精神障害ともいうべきナチの優等思想とユダヤ系アメリカ人の個人的な精神障害に起因するふたつの選択を対比して描いてくれた。但し、すごい作品であることは否定しようもないが、芸術的意味での美しさは感じられなかった。すこしだけでもいいから希望をしめしてほしかった。 なお、個人的にはこの作品からユダヤ人以外の人々もナチの大量虐殺政策の対象になったことを教えられた作品でもある。 7点(2003-12-20 11:01:54) |
13. ヴィデオドローム
この作品が20年前に作られた事を思うと、ビデオを使ったホラーというアイデアも秀逸だし、CGによるリアルな映像にならされた眼からみても、特殊効果は陳腐化していない。変形していく肉体はダリの世界かとも思われたが、映像世界の放つ中毒的な怨念の世界をより明快にストーリー表現してほしかった。 リングを書く前の鈴木光司はこの作品を知っていたかなあ。 6点(2003-12-19 19:20:04) |
14. ガープの世界
家族とはなにかを考えさせられるかなり風変わりな作品。原作は読んでないが、映画のサイズにおさめるために、エキセントリックなさまざまのエピソードを窮屈にはめこんだ感じがした。ロビンウィリアムスは器用な役者だとは思うけれど、ガープのプライベイト・スクール時代を演じさせたのはちょっと無理ぎみ。 6点(2003-12-18 22:41:28) |
15. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
この作品のおおまかなストーリーは知っていた。しかし、あらためてビデオを見て、爆撃機シーンのBGMをかってきいたことがあることに気づいた。これだけならば、FMかなにかで耳にしただけかもしれない。しかし、この作戦を命じた将軍が企てるにいたったことを語るシーンで、見る前から「フッ素と水道水」のことが頭をよぎった。おそらく30年以上前、幼い頃見ていたはずである。この映画のインパクトは30年以上も私の頭の奥底にうもれていた。 改めてみて、ピーター・セラーズの演技もすばらしいし、36才でこの作品をつくりえたキューブリックの才能に感服するばかりである。 10点(2003-12-18 19:47:46) |
16. 死の接吻(1995)
ニコラス・ケイジ゙は某CMのイメージが強すぎて、悪役は似合わない。 3点(2003-12-17 23:39:54) |
17. 小説家を見つけたら
《ネタバレ》 ショーンコネリーが青年を救うために熱弁をふるうあたりはセントオブウーマンを想起させる。セントオブウーマンが青年を救うことで自らも立ち直っていくことが予期されて終わるのに対し、この作品では老作家は青年の前から姿を消してしまう。もっと、別な終わり方がなかったかな。 7点(2003-12-17 23:31:24) |
18. フラットライナーズ(1990)
「宗教と哲学がだめになったあとに科学がある」というのが主人公に託したジョエル・シューマッチャー の逆説的な考え。 しかし、この映画が制作された時代は、主人公の科白とは180度逆で科学技術そのもののいきづまり感が高まり、神秘主義・ニューエイジ哲学が一部のマニアックな人々だけでなくひろく市民権をえるようになっていた。日本では立花隆が『臨死体験』のための取材を本格化させていた。そんな時代に、シューマッカー は臨死体験そのものは認めつつその意味あいをかなりネガティヴにあつかってしまった。サスペンスに仕上げるための手段とわりきればいいかもしれないが、もう少し奥行きのあるものとして個人的には描いてはしかった。 ちなみに、日本での、ニューエイジ運動を実質的に枯らしてしまった地下鉄サリン事件は映画公開の5年後だった。 6点(2003-12-17 19:45:03)(良:1票) |
19. ピアニスト
確かに評価のむずかしい映画。父親不在の母娘の親密すぎる関係に起因するゆがんだ欲望。ストイックで厳格なピアノ解釈が導く性格破綻。男への嫉妬と殺意が自分にむかって逆流するような終わり方などと分析して、この作品を理解しようとしたり、刺激的な映像をとりあげポルノとして断罪するのも、この監督のわなにはまっちゃうような気がする。 だれだって人にはいえないような欲望をもっている。それを実践しえたのは芸術家としてのエリカの正直さだろう。もっとも、実際にエリカが隣にいたら困ってしまうけど・・・ 5点(2003-12-17 07:59:10) |
20. フロム・ヘル
《ネタバレ》 ジョニーディップの夢は阿片の幻覚なのか予知能力だったのか、ぎりぎりのところでわからなかった。もし前者だったら、ヘザー・グラハムの仕合わせを単に自己満足で夢見ながら薬中で死んでいる悲惨すぎる結末だ。後者なら、なぜ秘密結社が主人公の命を狙わなかった少し疑問。 6点(2003-12-16 19:11:43) |