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風小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 276
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自己紹介 現在の技術で作られた映画を観る目線で過去の映画を見下すようなことは邪道と思っている。できるだけ製作当時の目線で鑑賞するよう心掛けている。

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1.  エル・スール
 光と影の映像交響詩。詩の朗読を聴きながら良質な絵画を観賞したような後味が残った。  子どもにとって異性の親はある種ミステリアスな存在。自殺した父親の謎に興味をひかれる少女が真実を追い求める。スペイン内戦を背景とした父親の苦悩と葛藤・・・それを理解しようとする娘。“南”への旅立ちが彼女の成長を物語る。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-03-16 20:36:38)
2.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
 聴覚障害者の生活、その家族の愛情と葛藤、友人関係や音楽を通じた少女の成長、第1次産業で生計を立てる難しさ等々、いろいろと考えさせられる映画だった。演出はテンポよく進んで中だるみせず観やすい。  特筆すべきは聴覚障害をもつ家族と娘(コーダ)とのコミュニケーション。滑らかな手話で自然な会話になっている。  時にはユーモアやスラングも交え、意味の違う言葉をわざと教える(外国語を教える時よく使う)お馴染みのからかいさえも手話で表現されるとは面白い。本作の内容に相応しい字幕表示だったと思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-02-23 15:55:59)
3.  エルヴィス 《ネタバレ》 
 “ブライアン・エプスタインは短過ぎた、パーカー大佐は長過ぎた”の言葉を象徴するような作品。全体的に冗長で、題名は「Elvis」だが内容は「Parker」だね。撮影も前半は細かいカット割りで落ち着かない。   主演俳優は熱演で“キング・オブ・ロックンロール”になりきっているが、エルヴィスの魅力と言える色気・セックスアピールを感じられないのは残念。  ママへの車贈与、拳銃でテレビを撃ったり薬物摂取などのエピソードが羅列される。テレビスペシャルで、パーカーから言われるままクリスマスソングを歌っていたらエルヴィスのキャリアは終わりというのもよく知られた話だ。対照的に映画出演は手短にスルー。たとえ「くだらない映画」と言われようが同じ映画人としてもう少し触れてもいいだろう。復活を決定づけた「エルビス・オン・ステージ」の逸話も、さらにはビートルズへの思いなども欲しかった(大佐の描写はほどほどにして)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2025-02-16 20:45:21)
4.  スウォーム
 「タワーリング・インフェルノ」の夢よもう一度、とばかりにI・アレンが製作・監督した“飛んで火にいる夏の虫”的駄作。豪華な顔ぶれの演技を見られるのはうれしいが、殺人蜂の恐怖を描くパニック映画としてはショボい内容。  余談だが数年前の夏、住宅の庭木に蜜蜂が黒山のように集団で集まり空中でも数多くの蜂が飛び回っていた。刺されることなく恐怖は感じなかったが、まさにこの映画の1シーンを彷彿させる現象だった。某市役所のHPによれば一時的に群れている「分蜂」で、数日でいなくなるとのこと。そのとおり3日経ったらいなくなった。
[インターネット(字幕)] 3点(2025-02-02 14:13:52)
5.  黒部の太陽
 スケールの大きい大作で見ごたえあるが、岩岡親子の確執に重点を置きすぎて散漫な印象がある。豪華キャストが熱演する中、辰巳柳太郎は悪目立ちしている。寺尾聰の芝居も素人っぽいのが残念。  「富士山頂」は好印象を残したが本作は少々物足りない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2025-01-19 15:40:55)
6.  アパートの鍵貸します
 会社の階層構造や男女関係をコミカルに描いてタテ社会を痛烈に風刺し、主人公のロマンスも織り込んだ悲喜劇。  哀愁漂う独身男を演じるJ・レモンの細やかな表現が作品に深みを与えている。彼の名演技と、笑いを誘いながらペーソス溢れる展開で作品に魂を吹き込むB・ワイルダーの職人芸が見事に融合した。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2024-12-15 16:50:55)
7.  キャノンボール
 暑苦しいキャストやむさくるしい演技にガックリ。おまけにレースがダラダラ展開で退屈。  華のない主役B・レイノルズと“マスクとマントのヒーロー”のコンビがいただけない。老けこんだD・マーチンは不摂生の私生活を感じさせるしJ・イーラムのやりすぎ演技にも興ざめだ。日本人か中国人か不明の怪しげな東洋人やR・ムーアのセルフパロディーも笑えず。  「イージー・ライダー」風P・フォンダが現れて、乱闘が始まってからはいくらかマシでまあまあ観られた。
[CS・衛星(吹替)] 2点(2024-12-01 15:57:20)
8.  ブロブ/宇宙からの不明物体 《ネタバレ》 
 「マックイーンの絶対の危機」のリメイク。粘液状の生命体が現れてからテンポよく進む。人々を襲って飲み込むシーンが見どころで、緊迫感ある映像だがあまり怖くない。リアルな恐怖感に欠け不謹慎ながらユーモラスにすら感じてしまう(ムンクの「叫び」のような顔や、足をバタバタさせるシーンなど)。  生命体が宇宙からの飛来物でなく、生物兵器として極秘開発という一連の展開は「アウトブレイク」を彷彿させるが、こちらの方が先だったことは好意的に評価したい。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-11-17 19:24:54)
9.  ペギー・スーの結婚
 バディ・ホリーの名曲をタイトル由来にして、青春を振り返り人生を見つめ直す物語。結局、家族っていいもんだね、夫婦っていいもんだね、で終わるのだがちょっと物足りない。   アポロの月着陸計画やファビアン等、時代のアイコンが挿入されているがK・ターナーやN・ケイジの高校生は老け顔の印象が強く、他の高校生に比べ浮いており若さを感じない。そのため1960年という、その当時の雰囲気を実感させる説得力がないのが残念。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-11-03 17:39:01)
10.  (500)日のサマー
 若い男女の出会いとその後の交際経過をリアルに描き、恋した男の心情を巧みに織り込んだ青春映画。時系列をバラバラにしてランダムの進行だが、大きな起伏がないストーリーのため混乱なく日記を読むような感覚で観られた。  平凡な若者と少々尖った感じの女性、等身大の青春のやりとりが軽快な演出で好感が持てる。低俗なセリフもあるが主演2人の親しみやすさに救われ嫌味が残らない。   多くの映画や音楽等をオマージュしたシーンが散りばめられており、ちょっとしたお楽しみになっている。主演の男優が、わが「テキサス」の監督M・ゴードンの孫だったとは思わぬサプライズだった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-20 16:54:43)
11.  100万ドルの血斗
 「J・ウェインファミリーの、J・ウェインファミリーによる、J・ウェインファミリーのための映画」という感じ。自動車やオートバイが出てくる時代背景に新味はあるが、家父長制丸出しでお約束の殴り合い等、1970年代の西部劇としては演出が古臭い。誘拐された孫を無事に取り戻せば味方が死のうが何だろうがめでたしめでたし!で御終いとはお粗末だ。  殺されずに済んだ羊飼いに見覚えがあるなと思ったら「おくさまは魔女」のドクター・ボンベイだったんだね。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2024-09-29 20:08:05)
12.  太陽の下の18才
 C・スパークの魅力に尽きる。お話は他愛ないものだが悪くない。ツイストを踊る彼女のシーンが特筆もの。名脚本家の娘である彼女が当時いかに輝いていたか、その一端を垣間見る思いだった。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-09-15 20:36:11)
13.  喜劇 団体列車 《ネタバレ》 
 列車シリーズの中で一番面白い。「無法松の一生」を想起させるプロットは片思いあり涙あり怒りあり笑いありで、人情喜劇の王道とも言える。喜怒哀楽をはっきり表す渥美清と、対照的に芝居っ気を感じさせない笠智衆の組み合わせは後の寅さんシリーズに通じる。  小百合に振られた彦一が邦子とめでたく結婚。どちらかと言えば邦子の方でよかった。モロ渥美の赤ちゃんはご愛敬。  助役試験に合格しなくても、人命救助や事故防止で感謝される方がどれだけ価値あることか認識させてくれる主人公に共感した。  南廣の出演場面を今か今かと待っていたら最後に登場。自分にとってはかつて聞いたことのある名言(?)「いい役者は最後に出てくる」だったな。Wけんじの出演もうれしいね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-08-31 19:49:51)
14.  國民の創生
 革新的な映画技法の数々と対照的な白人優越主義のプロパガンダ、これらを総合してどう評価するか判断が悩ましい。しかしながら、今では当たり前の映像表現を確立したという点で、その実績に敬意を表してこの点数とする。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-07-21 13:16:15)
15.  ワンダー・ボーイズ
 人生の迷路に迷い込んだかつての神童が、現代の神童に出会い人生の意義を見出す。好みの俳優はいないがR・トーマスが気になって観賞。ちょっとしたいざこざや拳銃絡みの刃傷沙汰があっても、心底悪い奴が出てこないせいか観続けた後に心地よさが残った。  フリーランスの生き方を通して「酸いも甘いも」という人生の機微を味わい、良くも悪くも自由を満喫するアメリカ社会の空気を感じた。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2024-06-02 20:04:40)
16.  張込み(1958) 《ネタバレ》 
 駅のホームで始まり駅のホームで終わる社会派サスペンス。日本版「裸の町」と言いたくなるようなセミ・ドキュメンタリー・タッチが冴える。強盗殺人事件の犯人を追うベテランと若手の刑事による地道な捜査過程を描き、犯人の元恋人や若手刑事の心情も描き込んで人間味豊かな作品となった。  家庭では感情を押し殺し、かつての恋人との再会では抑えた感情を爆発させる、従順と情念の二面性をみせる女を高峰秀子が好演。  旅情を交えながら庶民の営みをリアルに捉えた映像はローカル色豊かで、人々の息遣いが感じられる。また、捜査の進展に合わせた俯瞰撮影が随所に見られ、上空からのカメラワークは見事である。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-05-05 21:18:38)
17.  弾丸を噛め 《ネタバレ》 
 1100kの西部横断を競う乗馬耐久レース。馬の汗はレースの過酷さを物語る。今なら動物虐待だろうが・・・  レース展開は極端な悪党がいないため終盤までは平板に進行するものの、メキシコ人への心配りや危機時の助け合い等、ライバル同士の人情味や友情をさりげなく描くのがいいね。派手なドンパチがない異色の西部劇だが、それがむしろ心地よい。代わりにC・バーゲンの予想外の裏切りがヤマ場と言えるだろう。だがこのエピソードより、例えば途中で亡くなるB・ジョンソンなど各人の人生を深堀りした方が主題が鮮明になったのではないか。ラストの同時ゴールは物足りないが、映画全体の流れからすればまあまあ納得の良作。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-04-21 20:15:41)
18.  永遠の人 《ネタバレ》 
 帰還兵の帰郷で始まり、物語に戦争の影が終始つきまとう。全編にわたって人間の業と哀しみに彩られ、感情を掻き立てるようなフラメンコギターの音色が印象深い。音楽に合わせて奏でられる言葉が情景や心情を表して心に突き刺さる。  愛しながらも結ばれなかったふたりだが、孫同士結ばれることで願いが成就するという、最後に訪れる希望の光が救いになる。芯の強い女性像は木下恵介アワー「女と刀」に通じるものがあった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-03-31 17:20:36)
19.  小早川家の秋 《ネタバレ》 
 造り酒屋当主の人生と重ねて“小早川家の晩秋”を描いた人間模様。“家”に焦点を当てているせいか主要キャストの人物像が散漫で、強いて言えば家父長的な万兵衛の生きざまが中心と言えるだろう。  店を繁盛させた老舗の主人が陰では愛人にせっせと通い続ける。「英雄色を好む」的で、典型的な人物像が古い。もっと娘たちに焦点を当ててもよかった。また、東宝作品にもかかわらず森繁と宝田にあまり存在感がないのは残念。  死の象徴たるカラスがその後の小早川家を暗示しており、作品全体に人生の儚さ・死生観が感じられた。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2024-03-17 20:40:12)
20.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 
 穏当に言えば行方不明になった我が子を親が捜し連れ帰る、辛口でいえば誘拐された我が子を奪還する物語、と言えばいいだろうか。親子の愛情という一本の筋を通したストーリーが良い。このプロットは後の「モスラ対ゴジラ」”卵を返してください”や海底原人ラゴン、「大巨獣ガッパ」に繋がる。親ゴルゴの行動は自然の摂理に従った行動と言える。   ゴルゴの造形はゴジラ型で、上半身に重量感があり古代生物然とした風貌に魅せられる。だが下半身は貧弱で物足りない。口をパクパクもいただけない。   特撮は見ごたえがある。ロンドンの街中で子供を捜し歩くシーンは出色の出来で、特にピカデリー劇場のゴルゴ出現場面は見事の一語に尽きる。逃げ惑う人々のパニック描写や崩れ落ちたビルの下敷きになる人々もリアルで丁寧な作りである。     1960年代、少年漫画雑誌に“ゴジラの隙をうかがっている怪獣”として紹介されたことを思い出す。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-25 13:34:14)
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